「Wordで文章を打っていたら、下に赤い波線が出た!」
「文として間違っていないのに、なぜ赤線が表示されるの?」
Wordの赤い波線は、スペルミスを自動でチェックする機能によるものです。
しかし、固有名詞や専門用語、英語以外の言語などでは、正しくても波線が出てしまうことがあります。
この記事では、赤い波線の意味・表示の消し方・一部だけ非表示にする方法までを、初心者にもわかりやすく解説します。
Wordの校正機能の種類

自動校正の表示パターン
Wordには複数の自動校正機能があり、それぞれ異なる色で表示されます:
色 | 意味 | 対象 |
---|---|---|
赤い波線 | スペルミス | 綴りの間違い、未登録語 |
青い波線 | 文法エラー | 文法的な誤り |
緑の波線 | 文章校正 | 表現の改善提案 |
校正機能の目的
- 誤字脱字の防止
- 文章品質の向上
- プロフェッショナルな文書作成支援
赤い波線の意味とは?
Wordでは、次のような場面で赤い波線が表示されます:
主な表示パターン
スペルミス(特に英語入力時)
- 「Teh」→「The」
- 「adress」→「address」
- 「recieve」→「receive」
辞書に登録されていない単語
- 固有名詞:「OpenAI」「ChatGPT」
- 専門用語:「IoT」「DX」「AI技術」
- 新しい言葉:「サブスク」「インフルエンサー」
入力言語と異なる表現
- 日本語設定で英語を入力
- 英語設定で日本語を入力
- 方言や俗語
具体例
入力内容 | 赤線表示理由 | 対処法 |
---|---|---|
AI技術 | 辞書未登録 | 辞書に追加 |
OpenAI | 固有名詞 | 無視設定 |
recieve | スペルミス | receiveに修正 |
赤い波線を一時的に消す方法
基本操作
ステップ1:赤線のある単語を右クリック
該当する単語の上で右クリックします。
ステップ2:メニューから選択
表示されるコンテキストメニューから次のいずれかを選択:
- 「この単語を無視」:該当箇所のみ無視
- 「すべて無視」:同じ単語すべてを無視
詳細な選択肢
修正候補の選択
- 正しいスペルがある場合:候補から選択
- 自動修正の設定:今後同じミスを自動修正
辞書への追加
- 「辞書に追加」:個人辞書に永続的に登録
- 今後同じ単語で赤線が表示されない
一時的な無視のメリット
- 現在の文書のみ適用
- 他の文書には影響しない
- 必要に応じて元に戻せる
文書全体で赤線を非表示にする方法

スペルチェック機能の無効化
ステップ1:オプション画面を開く
- 「ファイル」タブをクリック
- 「オプション」を選択
ステップ2:文章校正設定
- 左側メニューから「文章校正」を選択
- 「Wordのスペルチェックと文章チェック」セクションを確認
ステップ3:チェックを外す
以下の項目のチェックを外します:
- 「入力時にスペルチェックを行う」
- 「入力時に文法チェックを行う」
- 「スペルチェックと文法チェックを表示しない」(必要に応じて)
設定の効果
すべての赤い波線が表示されなくなります
注意点
- 新規文書にも適用される
- 誤字に気づきにくくなる
- 最終チェックは別途必要
バージョン別設定場所
Wordバージョン | 設定場所 |
---|---|
Word 2019/365 | ファイル→オプション→文章校正 |
Word 2016 | ファイル→オプション→文章校正 |
Word 2013 | ファイル→オプション→文章校正 |
特定の範囲だけ赤線を表示しない方法
部分的な校正無効化
手順
- 対象の単語または段落を選択
- 右クリック → 「言語」→ 「校正しない言語に設定」
- 「スペルチェックと文法チェックを行わない」にチェック
適用場面
固有名詞の多い文書
- 会社名、人名が多い契約書
- 技術用語が多い仕様書
- 外国語が混在する文書
特定セクションのみ
- 参考文献リスト
- プログラムコード
- 専門用語集
言語設定の活用
多言語文書での対応
- 英語部分を選択
- 「校閲」タブ → 「言語」→ 「言語の設定」
- 「英語(米国)」に設定
- 該当部分のみ英語辞書でチェック
高度な設定とカスタマイズ
ユーザー辞書の活用
個人辞書への単語追加
- 「ファイル」→ 「オプション」→ 「文章校正」
- 「ユーザー辞書」ボタンをクリック
- 「編集」で辞書を開く
- よく使う単語を追加
企業・組織固有の辞書
- 会社名、製品名の一括登録
- 業界専門用語の追加
- チーム共有辞書の作成
自動修正の設定
オートコレクト機能
- 「ファイル」→ 「オプション」→ 「文章校正」
- 「オートコレクトのオプション」
- よくあるミスを自動修正に登録
活用例
入力 | 自動修正後 | 用途 |
---|---|---|
teh | the | よくあるタイプミス |
(c) | © | 記号の自動変換 |
1st | 1ˢᵗ | 序数の表記 |
プロフェッショナル設定
企業文書での標準化
- スタイルテンプレートに校正設定を含める
- 部署共通の辞書設定
- 文書品質の統一
よくある疑問とトラブル対処

赤線を無効にしても文書の内容は正しくチェックできますか?
影響範囲
- 表示されなくなるだけ
- 印刷やPDF出力には影響しません
- 誤字に気づきにくくなる可能性
推奨する対策
- 最終確認での手動チェック
- 重要文書では校正ソフトの併用
- 第三者による確認
再度赤線を表示するには?
簡単な復旧方法
上記と同じ設定画面で、チェックを入れ直すだけでOK
段階的な復旧
- 「ファイル」→ 「オプション」→ 「文章校正」
- 必要な機能のみチェックを戻す
- 設定テストで動作確認
一部の単語だけ赤線が消えない
考えられる原因
- 言語設定の混在
- スタイル設定での上書き
- テンプレートの設定
解決方法
- 文書全体の言語設定を確認
- スタイルの校正設定をチェック
- Normal.dotmテンプレートの確認
他のPCで開いたときの動作
設定の継承
- 文書ファイル内に保存される設定
- PC固有の設定
- ネットワーク環境での共有
対策
- 重要な設定は文書に埋め込み
- テンプレートでの標準化
- 設定手順書の作成
文書種類別の推奨設定
ビジネス文書
推奨設定
- スペルチェック:有効
- 文法チェック:有効
- 固有名詞:辞書に追加
創作文書
推奨設定
- スペルチェック:部分的に無効
- 造語や方言:校正対象外
- 表現の自由度を優先
技術文書
推奨設定
- 専門用語:専用辞書作成
- コード部分:校正無効
- 図表キャプション:個別設定
まとめ
Wordの赤い波線は、**スペルチェックによる”お知らせ”**です。
重要なポイント
- 正しい単語にまで表示されることがある
- 状況に応じた設定が重要
- 完全無効化は慎重に判断
効果的な活用方法
- 気になる場合は一時的に消したり、文書全体で非表示にする方法を活用
- 目的や文書の性質に合わせて、表示/非表示を使い分ける
- 重要文書では最終確認を必ず実施
設定のベストプラクティス
- 日常的な文書作成:校正機能を活用
- 専門文書:部分的な無効化
- 最終版:手動確認との併用
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