「複数の図形をまとめて移動したいけど、1つずつクリックするのが面倒…」
「Excelの画面が図形だらけで整理がつかない!」
そんなときに便利なのが”図形の一括選択”です。
Excelには、複数のオブジェクトをまとめて選択する専用ツールが用意されており、使いこなせば編集や配置が一気にラクになります。
この記事では、図形を一括で選ぶための方法を、ステップごとにわかりやすく解説します。
一括選択が必要なシーンとは?

作業効率化の場面
- フローチャートや図解をまとめて移動・整列したいとき
- 作成済みの図形にフォントや色を一括変更したいとき
- 不要な図形をまとめて削除したいとき
- 複数の図形を同じサイズに統一したいとき
具体的な業務例
- 組織図の作成・編集
- プロセス図の調整
- レイアウト図の整理
- プレゼン資料の図形配置
一括選択のメリット
- 作業時間の大幅短縮
- 操作ミスの軽減
- 統一感のあるデザイン作成
- 複雑な図面の管理が容易
方法1:「選択ウィンドウ」を使う(おすすめ)
最も効率的で確実な方法です。
手順
- Excel画面上部の「ホーム」タブをクリック
- 「検索と選択」→「オブジェクトの選択」または「選択ウィンドウ」を選ぶ
- 画面右に「選択ウィンドウ」が表示され、シート上のすべての図形名が一覧で表示される
- Ctrlキーを押しながら、複数の図形名をクリックで一括選択可能
詳細な操作方法
連続した図形の選択
- 最初の図形名をクリック
- Shiftキーを押しながら最後の図形名をクリック
- 範囲内のすべての図形が選択される
離れた図形の複数選択
- 最初の図形名をクリック
- Ctrlキーを押しながら他の図形名を個別にクリック
- 選択した図形のみが対象となる
メリット
- 画面が狭くても図形を一覧管理できる
- 名前を付けて整理もできる
- 非表示やロック操作も可能
- 重なった図形も確実に選択
選択ウィンドウの活用テクニック
図形の名前変更
- 選択ウィンドウで図形名をダブルクリック
- 分かりやすい名前に変更
- 「タイトル1」「矢印_重要」など用途を明記
図形の表示・非表示切り替え
- 図形名の右側にある目のアイコンをクリック
- 一時的に非表示にして作業
- 完成後に再表示
図形のロック機能
- 図形名を右クリック
- 「ロック」を選択
- 誤操作による移動を防止
方法2:ドラッグで囲んで選択
視覚的で直感的な選択方法です。
手順
- 「ホーム」→「検索と選択」→「オブジェクトの選択」を選ぶ
- マウスで図形がある範囲をドラッグして囲む
- その範囲内にある図形がすべて選択される
ドラッグ選択のコツ
効率的な囲み方
- 左上から右下に向かってドラッグ
- 図形の一部でも範囲に含まれれば選択される
- セルデータは選択対象外
精密な選択
- ズーム機能を併用
- 小さな図形も確実に囲む
- 不要な図形は避けて囲む
注意点
- 図形の一部でもドラッグ範囲に入っていれば選択される
- 表やセル内の文字列は選択されない
- 重なった図形は前面のもののみ選択される場合がある
ドラッグ選択の応用
エリア別の管理
- 左側の図形群
- 右側の図形群
- 上部の図形群
それぞれを個別に選択して管理することで、レイアウト調整が効率的におこなえます。
方法3:ショートカットキーを使う

基本的な複数選択の操作方法です。
基本操作
残念ながら図形の一括選択には専用ショートカットキーはありません。
ただし、個別選択後に「Shift」や「Ctrl」キーを押しながらクリックすると複数選択が可能です。
手動での複数選択
Ctrlキーでの追加選択
- 最初の図形をクリック
- Ctrlキーを押し続ける
- 他の図形を順次クリック
- 選択図形が追加される
Shiftキーでの範囲選択
- 最初の図形をクリック
- Shiftキーを押し続ける
- 最後の図形をクリック
- その間の図形もすべて選択
その他の便利なショートカット
全図形の選択
Ctrl + A
(オブジェクト選択モード時)
選択解除
Esc
キーまたは空白部分をクリック
図形選択後の効率的な編集方法
一括書式設定
色の統一
- 図形を一括選択
- 右クリック → 「図形の書式設定」
- 塗りつぶし色を一括変更
フォントの統一
- テキストボックスを一括選択
- 「ホーム」タブでフォント設定
- サイズ・色・種類を一括変更
配置とサイズの調整
整列機能の活用
- 図形を一括選択
- 「図形の書式」タブ → 「配置」
- 「左揃え」「等間隔に分布」など選択
サイズの統一
- 基準となる図形を選択
- 他の図形を追加選択
- 「図形の書式」タブ → 「サイズ」→「選択したオブジェクトに合わせる」
グループ化での管理
グループ作成
- 関連図形を一括選択
- 右クリック → 「グループ化」
- 一つのオブジェクトとして管理
グループ解除
- グループ化された図形をクリック
- 右クリック → 「グループ化」→「グループ解除」
よくある質問と解決法
グループ化した図形を一括で選びたい
問題: グループ内の個別図形を選択したい
解決法:
- グループ内の1つをクリック
- 右クリック→「グループ化」→「グループ解除」
- 個別選択が可能になる
- 編集後に再度グループ化も可能
図形が重なっていて選べない場合は?
問題: 背面の図形が選択できない
解決法:
- 「選択ウィンドウ」なら、名前をクリックするだけで背面の図形も選べます
- Tab キーで順次選択
- 重なり順序を変更
選択状態が解除されてしまう
問題: 編集中に選択が外れる
解決法:
- 選択後すぐに作業を開始
- グループ化してから編集
- 選択ウィンドウを活用
図形の数が多すぎて管理が困難
問題: 大量の図形で混乱
解決法:
- 図形に分かりやすい名前を設定
- カテゴリ別にグループ化
- レイヤー的な管理の導入
高度な図形管理テクニック

条件別選択
同じ種類の図形を一括選択
- 1つの図形を選択
- 右クリック → 「同じ種類のオブジェクトを選択」
- 同じ形状の図形がすべて選択される
マクロを使った自動選択
VBAでの一括操作
Sub SelectAllShapes()
Dim shape As Shape
For Each shape In ActiveSheet.Shapes
shape.Select (False)
Next shape
End Sub
図形の整理術
命名規則の統一
- 種類_用途_番号 の形式
- 例: 「矢印_プロセス_01」「四角_データ_02」
レイヤー管理
- 背景図形グループ
- 主要図形グループ
- 装飾図形グループ
トラブルシューティング
選択ウィンドウが表示されない
原因と対策
- Excelバージョンの確認
- リボンの設定確認
- 画面表示の最大化
図形選択ができない
確認ポイント
- シート保護の状態
- 図形のロック状態
- オブジェクト選択モードの確認
動作が重い場合
対策
- 不要な図形の削除
- 画像の圧縮
- ファイルサイズの最適化
まとめ
Excelで図形を一括選択する方法は、シート作業の効率を大きく高めてくれます。
推奨する方法
- 「選択ウィンドウ」を第一選択肢に
- ドラッグ選択で視覚的な操作
- ショートカットで細かい調整
活用のポイント
- 図形に分かりやすい名前を付ける
- グループ化で階層管理
- 定期的な整理とクリーンアップ
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