プレゼン資料や報告書をExcelで作るとき、「画像の背景が邪魔で文字が見づらい…」と感じたことはありませんか?
そんなとき便利なのが「画像の透過処理」です。Excelでは、画像の一部や背景を透明にすることで、見た目がスッキリし、読みやすさも大幅アップします。
今回は、Excelで画像を透過する方法を初心者にもわかりやすく紹介します。
画像透過が必要な場面

ビジネス資料での活用
- プレゼンテーション資料の背景画像
- 報告書での企業ロゴ挿入
- ダッシュボードでの装飾画像
- 提案書での商品画像配置
透過処理の効果
- 文字の読みやすさ向上
- レイアウトの柔軟性アップ
- プロフェッショナルな印象
- 情報の視認性改善
Excelで画像を透過する基本ステップ
手順1:画像を挿入する
まずはExcelの任意のセルに画像を挿入します。
操作方法
- 「挿入」タブをクリック
- 「画像」ボタンをクリック
- 「このデバイス」または「ストック画像」から選択
- 使用したい画像を選択して挿入
画像挿入のコツ
- 適切なサイズの画像を選ぶ
- できるだけ高解像度の画像を使用
- 著作権に注意して画像を選択
手順2:「背景の削除」を使う
画像を選択すると、「図の形式」タブが表示されます。
基本操作
- 挿入した画像をクリックして選択
- 「図の形式」タブが自動表示される
- 「背景の削除」ボタンをクリック
- 自動選択された領域を確認
操作のポイント
- Excelは自動で背景部分を判別します
- うまく選択されない場合は手動調整が可能
- 「保持する領域」や「削除する領域」を細かく設定
- 最後に「変更を保持」を押すと背景が透過される
手動調整のテクニック
保持する領域の追加
- 「保持する領域」ボタンをクリック
- 残したい部分をドラッグして選択
- 緑色の線で囲まれた部分が保持される
削除する領域の追加
- 「削除する領域」ボタンをクリック
- 削除したい部分をドラッグして選択
- 赤色の線で囲まれた部分が削除される
手順3:透明度を設定する(応用)
背景削除とは別に、画像全体を薄く見せたい場合は「透明度」を使いましょう。
透明度調整の手順
- 画像を選択
- 「図の形式」タブをクリック
- 「図の効果」→「透明度」を選択
- 適切な透明度レベルを選択
透明度の活用場面
- 背景として使用する場合
- 文字の上に画像を配置する場合
- 複数の画像を重ねる場合
- 控えめな装飾として使用する場合
より高度な透過テクニック
図形と組み合わせた透過
図形の塗りつぶしに画像を使用
- 図形を挿入
- 図形を右クリック → 「図形の書式設定」
- 「塗りつぶし」→「図またはテクスチャ」
- 画像ファイルを選択
- 透明度を調整
メリット
- より柔軟な配置が可能
- 図形の形に合わせた透過
- レイヤー管理が簡単
複数の透過方法の組み合わせ
段階的な透過処理
- 背景削除で不要部分を除去
- 透明度で全体を調整
- 図形マスクで特定部分を強調
実例:企業ロゴの配置
- ロゴの背景を削除
- 透明度を70%に設定
- 右上角に配置
- 文字と重ならないよう微調整
画像形式による違いと使い分け

PNG形式の活用
PNG形式の特徴
- 透過情報をサポート
- 高画質を維持
- 背景透過に最適
使用場面
- ロゴやアイコン
- イラスト画像
- グラフィック要素
JPEG形式の制限
JPEG形式の特徴
- 透過をサポートしない
- 背景が白色で表示される
- 写真に適している
対処法
- Excelの背景削除機能を使用
- PNG形式に変換してから使用
- 別ソフトで事前に透過処理
SVG形式の活用
SVG形式の利点
- 拡大縮小に強い
- ファイルサイズが小さい
- 透過処理に対応
Excel 2016以降での対応
- 挿入可能
- 透過処理対応
- 高品質な表示
注意点と対処法
対応していないExcelのバージョン
サポート状況
背景削除や透明度設定は、Excel 2016以降やMicrosoft 365でサポートされています。
古いバージョンでの対処法
- PowerPointで画像を加工
- オンライン透過ツールを使用
- GIMPやPhotoshopで事前処理
- PNG形式の透過済み画像を使用
画像品質の劣化
問題
透過処理により画像品質が低下する場合があります。
対策
- 元画像は高解像度を使用
- 適切な圧縮レベルを選択
- 必要最小限の加工に留める
ファイルサイズの増大
原因
透過処理により、ファイルサイズが大きくなる場合があります。
対策
- 画像の解像度を適切に調整
- 不要な画像は削除
- 画像を外部リンクとして管理
実践的な活用例

プレゼンテーション資料
背景画像の設定
- 企業イメージに合った画像を選択
- 透明度を80-90%に設定
- 文字が読みやすいか確認
- 全スライドで統一感を保持
ロゴの配置
- PNG形式のロゴを準備
- 背景削除で余白を除去
- 適切な位置に配置
- サイズを統一
ダッシュボード作成
装飾要素として
- 関連アイコンを透過で配置
- グラフとの調和を図る
- 情報の邪魔にならない配置
背景パターン
- 薄い模様やテクスチャを使用
- 高い透明度で設定
- データの視認性を確保
報告書での活用
企業アイデンティティ
- ウォーターマーク的な使用
- ブランドカラーとの調和
- フォーマルな印象を維持
トラブルシューティング
背景削除がうまくいかない場合
原因
- 画像の背景が複雑
- 色の境界が不明確
- コントラストが低い
解決策
- 手動で領域を細かく指定
- コントラストを上げた画像を使用
- 別ソフトでの前処理
透過後の画像が荒れる場合
原因
- 元画像の解像度不足
- 過度な圧縮
解決策
- より高解像度の画像を使用
- 圧縮設定を調整
- ベクター画像の使用を検討
ファイル共有時の問題
問題
他のPCで開いたときに透過が反映されない。
解決策
- 画像を図として貼り付け
- 互換性のある形式で保存
- PDF形式での共有を検討
パフォーマンス最適化

ファイルサイズの管理
最適化のポイント
- 必要最小限の解像度
- 適切な画像形式の選択
- 重複画像の削除
圧縮オプション
- 「ファイル」→「オプション」→「詳細設定」
- 「イメージのサイズと画質」を調整
- 「図を圧縮しない」のチェック管理
動作速度の向上
重い画像での対策
- 画像の事前最適化
- 表示品質の調整
- 必要時のみ高品質表示
まとめ
Excelで画像を透過することで、資料の見た目や情報の伝わりやすさがぐっと向上します。
重要なポイント
- 基本は「背景の削除」と「透明度の調整」
- 画像形式はPNG形式が最適
- Excel 2016以降での機能活用
- 目的に応じた透過レベルの選択
活用のコツ
- 文字の読みやすさを最優先
- 全体のデザイン統一
- 適切なファイルサイズ管理
- 互換性への配慮
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