Excel(エクセル)で大量のデータを扱うとき、「見たいデータだけを簡単に抽出できたらいいのに」と感じたことはありませんか?
そんなときに欠かせないのがフィルター機能です。
フィルターを使えば、条件に合うデータだけを瞬時に表示でき、分析や資料作りがぐっとスムーズになります。
今回は、Excelのフィルターの基本から、意外と知らない便利な使い方まで、わかりやすく紹介します。
フィルターって何?

Excelのフィルターとは、表の中から特定の条件に合ったデータだけを表示する機能です。
データそのものは削除されないので、後から簡単に全体表示に戻せます。
売上データや顧客リスト、在庫管理表など、どんな表でも活用できる便利な機能です。
フィルターの基本的な使い方
オートフィルターを設定する
設定手順
- フィルターをかけたい表の中にカーソルを置く
- 「データ」タブ → 「フィルター」をクリック
列名(見出し)の右側に▼マークがつきます。
条件で絞り込む
▼をクリックすると、項目ごとのチェックボックスが表示されます。
見たいデータだけにチェックを入れると、瞬時に一覧が絞られます。
実例
- 売上表で「東京」のみ表示
- 日付が「2025年7月」のデータだけ抽出
- 商品名に「スマホ」が含まれるものだけ表示
フィルターの解除方法
全てのデータを表示したい場合は、「データ」タブの「フィルター」をもう一度クリックするか、▼から「すべて選択」にチェックを入れます。
フィルターをもっと便利に使うテクニック
数値の範囲で絞り込む
「ユーザー設定フィルター」を使えば、より細かい条件で抽出できます。
設定できる条件例
- 100以上
- 2025/7/1から7/31まで
- 10,000円以下の商品
- 売上が平均値より高いデータ
設定手順
- ▼をクリック
- 「数値フィルター」または「日付フィルター」 → 「指定の範囲」へ
- 条件を入力して「OK」
色で絞り込む
セルや文字に色をつけている場合、「色フィルター」でその色だけ表示できます。
例えば、特に重要なデータに黄色を塗っておき、後から黄色だけを抽出する使い方も便利です。
設定方法
- ▼をクリック
- 「色フィルター」を選択
- 表示したい色を選択
文字列の部分一致で検索
「テキストフィルター」を使うと、文字列の一部でも検索できます。
検索パターン例
- 「田」を含む名前(田中、田村など)
- 「東京」で始まる住所
- 「株式会社」で終わる会社名
設定手順
- ▼をクリック
- 「テキストフィルター」 → 「指定の値を含む」
- 検索したい文字列を入力
複数条件でのフィルタリング
異なる列に複数の条件を設定することで、より詳細な絞り込みができます。
実例
- 地域が「東京」かつ売上が「10万円以上」
- 商品カテゴリが「電子機器」かつ在庫が「50個以下」
それぞれの列でフィルターを設定すると、両方の条件を満たすデータだけが表示されます。
上位・下位データの抽出
売上ランキングやテストの成績順など、数値の大小でデータを抽出する場合に便利です。
設定例
- 売上上位10件
- 下位20%のデータ
- 平均値より上のデータ
設定手順
- ▼をクリック
- 「数値フィルター」 → 「トップテン」
- 条件を設定して「OK」
フィルターをかけた後の注意点

データ操作時の注意
フィルターで非表示になっているデータは、並べ替えや削除の対象から外れます。
コピーすると表示されているデータだけが対象になるので注意してください。
計算への影響
SUM関数やAVERAGE関数は、非表示のセルも計算に含まれます。
表示されているデータだけを計算したい場合は、SUBTOTAL関数やAGGREGATE関数を使いましょう。
=SUBTOTAL(109, B2:B100) ※表示されているセルの合計
=AGGREGATE(1, 5, B2:B100) ※表示されているセルの平均
フィルターが効かない?よくあるトラブル
▼マークがつかない場合
原因: 表の一番上に空白行があると、フィルターが正しく設定されません。
解決策: 表は必ず列名(タイトル行)をつけて、空白を避けてください。
フィルターで抽出してるのに、下に不要なデータが見える
原因: 表の外にデータがある場合は、フィルター対象外です。
解決策: 必要なら表全体をテーブル(Ctrl + T)にすると安心です。
フィルターが一部の列にしか効かない
原因: 結合セルがあったり、データの形式が統一されていない可能性があります。
解決策:
- 結合セルを解除する
- データ形式を統一する(数値は数値、日付は日付形式で)
フィルター結果が期待と違う
原因: データに余分なスペースや見えない文字が含まれている場合があります。
解決策: TRIM関数で余分なスペースを削除したり、データをクリーニングしてから使用してください。
フィルター機能の応用テクニック
データの重複チェック
フィルターを使って、重複データを見つけることができます。
「詳細設定」から「重複するレコードは無視する」にチェックを入れると、重複のないデータだけが表示されます。
カスタムフィルターの活用
「ユーザー設定フィルター」では、AND(かつ)やOR(または)の条件を組み合わせて、複雑な抽出ができます。
設定例
- 売上が「5万円以上」かつ「20万円以下」
- 地域が「東京」または「大阪」
スライサー機能との組み合わせ
テーブル化したデータにスライサーを追加すると、ボタンクリックで簡単にフィルタリングできます。
プレゼン資料作成時に、リアルタイムでデータを切り替えたい場合に便利です。
まとめ
Excelのフィルターは次のような強力な機能です。
- 見たいデータだけを簡単に抽出できる
- 数字や日付、色でも条件をつけられる
- 元データを壊さずに分析や確認ができる
- 複数条件を組み合わせて詳細な絞り込みが可能


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