HTMLを書いていると、気づかないうちにコードがごちゃごちゃになってしまうことがありますよね。とくに長くなったファイルは、インデント(字下げ)やタグの階層が崩れると、どこからどこまでがどのブロックか分からなくなってしまいます。
そこで役立つのが、人気のテキストエディタ「Sublime Text」のHTML整形機能です。この記事では、Sublime TextでHTMLをきれいに整形(フォーマット)する方法を、初心者でも分かるように丁寧に解説します。
「作業効率を上げたい」「見やすいコードを書きたい」と思っている方は、ぜひ最後まで読んでください。
HTMLを整形する理由とメリット

なぜHTMLの整形が必要なのか
HTMLの整形は、単に見た目をそろえるだけでなく、バグの早期発見やメンテナンス性の向上にもつながります。
たとえば、インデントがずれていると、閉じタグを見落としてしまうことがあります。また、複数人で作業するときにも、コードの書き方が統一されていないと混乱を招きます。
整形を自動で行えば、こうしたリスクを減らせます。
実際によくある問題例
- インデントが崩れたまま開発を続けてしまい、結局バグ修正に時間がかかってしまった
- チームで同じファイルを触るときに、整形ツールを入れてなかったため、誰がどこを直したのか分かりにくくなった
- ネストが深くなりすぎて、どのdivがどこまで続いているのか把握できなくなった
整形することで得られるメリット
整形されたHTMLコードには、以下のようなメリットがあります:
- 可読性の向上: タグの階層が視覚的に分かりやすくなる
- バグの早期発見: 閉じタグの漏れやネストの間違いを発見しやすい
- チーム開発の効率化: 統一されたコードスタイルで作業できる
- メンテナンス性の向上: 後から見直すときも理解しやすい
Sublime TextでHTMLを整形するためのプラグイン
標準機能の限界
Sublime Textには標準で高度なHTML整形機能はありません。そのため、多くの人は「プラグイン」を使ってHTMLをきれいに整形しています。
おすすめプラグイン2選
代表的なのは次の2つです:
HTML-CSS-JS Prettify
HTMLだけでなくCSSやJavaScriptもまとめて整形できます。Web制作現場では最も使われているプラグインの一つです。
Emmet
整形だけでなく、HTMLを爆速で書ける補完ツールとしても人気です。フロントエンドエンジニアは標準で入れているケースが多いです。
どちらを選ぶべきか
初心者の方には「HTML-CSS-JS Prettify」がおすすめです。理由は以下の通りです:
- 設定が簡単
- HTMLだけでなくCSSやJavaScriptも同時に整形できる
- 日本語ドキュメントが充実している
- トラブルシューティングの情報が豊富
HTML-CSS-JS Prettifyの導入と使い方
導入ステップ
「HTML-CSS-JS Prettify」は、Sublime Textのパッケージコントロールから簡単にインストールできます。
ステップ1:パッケージコントロールを開く
Ctrl + Shift + P
(MacはCmd + Shift + P
)を押して、「Install Package」と入力します。
ステップ2:プラグインを検索してインストール
検索欄にHTML-CSS-JS Prettify
と入力し、選択してEnterを押します。
ステップ3:整形を実行する
整形したいファイルを開いて右クリック → 「Format Code」を選択するか、ショートカットキー(例:Ctrl + Alt + F
)で一発整形できます。
基本的な使い方
プラグインがインストールされたら、以下の手順で整形を実行します:
- HTMLファイルを開く
- 整形したい箇所を選択(全体を整形したい場合は
Ctrl + A
で全選択) - 右クリックメニューから「Format Code」を選択
- 自動でインデントがそろい、読みやすいコードに変換される
実際の整形例
たとえば、以下のようなぐちゃぐちゃなHTMLコードが:
<div><p>こんにちは</p><ul><li>項目1</li><li>項目2</li></ul></div>
このように整形されます:
<div>
<p>こんにちは</p>
<ul>
<li>項目1</li>
<li>項目2</li>
</ul>
</div>
設定をカスタマイズする方法

基本設定の変更
HTML-CSS-JS Prettifyの設定は、以下の手順で変更できます:
- メニューバーの「Preferences」→「Package Settings」→「HTML-CSS-JS Prettify」→「Settings – User」を選択
- 設定ファイルが開くので、必要な項目を追加・変更
- ファイルを保存して設定完了
よく使う設定項目
インデント幅の設定
{
"html": {
"indent_size": 2
}
}
タブかスペースかの設定
{
"html": {
"indent_char": " ",
"indent_with_tabs": false
}
}
行の最大幅の設定
{
"html": {
"wrap_line_length": 80
}
}
プロジェクトごとの設定
チームでコーディング規約がある場合は、プロジェクトのルートディレクトリに.jsbeautifyrc
ファイルを作成することで、プロジェクト固有の設定を適用できます。
HTML整形でよくあるトラブルと解決法
よくあるトラブル
プラグインが動かない
プラグインがインストールされていても、Sublime Textを再起動していないと動かない場合があります。
解決法: Sublime Textを一度終了し、再度開いてください。
設定ファイルが読み込めない
設定ファイル(.jsbeautifyrc
など)の記述に間違いがあると、整形が期待通りに動かないことがあります。
解決法: 設定ファイルのJSON形式が正しいか確認してください。オンラインのJSON検証ツールを使うと便利です。
特定のファイル形式で整形されない
JSXやVueファイルでは、HTML-CSS-JS Prettifyでは期待通りに整形されない場合があります。
解決法: 各言語専用のプラグインを使用してください。たとえば、Vue.jsなら「Vue Syntax Highlight」と組み合わせると良いでしょう。
トラブルシューティングの手順
- Sublime Textの再起動: まずはこれを試してみてください
- プラグインの再インストール: パッケージコントロールから一度削除し、再度インストール
- 設定ファイルの確認: JSON形式が正しいか、タイポがないかチェック
- コンソールでエラー確認: `Ctrl + “(バッククォート)でコンソールを開き、エラーメッセージを確認
その他の便利な機能

ショートカットキーのカスタマイズ
よく使う整形機能には、自分で使いやすいショートカットキーを割り当てることができます。
「Preferences」→「Key Bindings」から、以下のような設定を追加できます:
[
{
"keys": ["ctrl+shift+f"],
"command": "htmlprettify"
}
]
保存時の自動整形
ファイルを保存するたびに自動で整形したい場合は、設定ファイルに以下を追加します:
{
"format_on_save": true
}
ただし、この設定は大きなファイルでは動作が重くなる可能性があるので、プロジェクトの規模に応じて使い分けてください。
まとめ
Sublime Textは軽量で高速なテキストエディタですが、プラグインを活用すればHTMLも美しく整形できます。整形することで、バグを減らし、チーム開発もしやすくなります。
今回のポイント:
- HTML整形は見た目だけでなく、バグ予防やメンテナンス性向上に効果的
- 「HTML-CSS-JS Prettify」が初心者におすすめ
- 設定をカスタマイズすることで、より使いやすくなる
- トラブルが起きたら、まずはSublime Textの再起動を試す
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