Wordで表を作成していると、「表の線を消したい」「特定の線だけ見えなくしたい」といった場面がよくあります。レポートや資料作成では、見た目をすっきりさせるために罫線を調整することが重要です。
この記事では、Wordで表の線を消す・非表示にする方法を、初心者の方でもわかりやすく解説します。
完全に消す方法から、特定の線だけを調整する方法まで、段階的に説明していきます。
表の線(罫線)の基本知識

罫線と枠線の違い
まず、Wordの表には2種類の線があることを理解しておきましょう。
罫線(けいせん)
- 表の実際の境界線
- 印刷される線
- 見た目や機能に影響する重要な要素
枠線(わくせん)
- 編集時の目安として表示される線
- 印刷されない
- 作業中の便利なガイドライン
なぜ表の線を消すの?
表の線を調整する理由:
- 見た目の改善
- すっきりとした印象にする
- 読みやすさを向上させる
- デザイン性を高める
- 内容の強調
- 重要な部分を目立たせる
- 情報の階層を明確にする
- 視線の流れを調整する
- 用途に応じた調整
- フォーマルな文書では線を控えめに
- カジュアルな資料では線を活用
- 印刷時の見栄えを考慮
方法①:表の罫線を完全に消す方法
この方法の特徴
表全体の線をすべて消して、枠のない表にする方法です。最もシンプルで効果的な方法です。
詳細な手順
ステップ1:表を選択する
- 消したい表の中のどこでもいいのでクリック
- 表全体を選択するため、表の左上に表示される「十字マーク」をクリック
- または、表内をクリックして
Ctrl + A
で表全体を選択
ステップ2:表ツールのデザインタブを開く
- 表を選択すると、リボンに「表ツール」が表示される
- 「デザイン」タブをクリック
- 「罫線」グループが表示される
ステップ3:罫線をすべて削除
- 「罫線」グループ内の 「罫線」 ボタンをクリック
- ドロップダウンメニューから 「罫線なし」 を選択
- 表の線がすべて消える
操作後の確認
成功時の状態
- 表の内容は残っているが、線が見えない
- セルの境界がわからなくなる
- 印刷時にも線は表示されない
注意点
- 線は消えても表の構造は残っている
- セルの選択や編集は通常通り可能
- 後から線を追加することも可能
この方法のメリット・デメリット
メリット
- 操作が簡単
- 一度ですべての線を消せる
- 確実に効果が現れる
デメリット
- すべての線が消えるため、表の構造がわからなくなる
- 後で一部の線だけ戻すのが面倒
- データの区切りが見えにくくなる
この章のまとめ:表全体の線を一気に消したい場合は、この方法が最も効率的です。次は、特定の線だけを消す方法を見てみましょう。
方法②:特定の線だけを消す方法

この方法の特徴
表の一部の線だけを選択的に消す方法です。表の構造を保ちつつ、見た目を調整したい場合に最適です。
詳細な手順
ステップ1:消したい線の範囲を選択
- 線を消したいセルまたはセル範囲をドラッグして選択
- 複数の行や列をまとめて選択することも可能
Ctrl
キーを押しながらクリックで、離れた場所も同時選択可能
ステップ2:線の種類を指定
- 表内を選択した状態で 「デザイン」タブ をクリック
- 「罫線」グループの 「罫線」 ボタンをクリック
- 消したい線の位置を選択(例:「上罫線」「下罫線」「左罫線」「右罫線」)
ステップ3:線なしを適用
- まず「罫線」ドロップダウンから 「線なし」 を選択
- その後、消したい線の位置を再度選択
- 選択した部分の線だけが消える
具体的な選択例
横線だけを消す場合
- 消したい行を選択
- 「デザイン」タブ → 「罫線」 → 「線なし」
- 「上罫線」または「下罫線」を選択
縦線だけを消す場合
- 消したい列を選択
- 「デザイン」タブ → 「罫線」 → 「線なし」
- 「左罫線」または「右罫線」を選択
内側の線だけを消す場合
- 表全体を選択
- 「デザイン」タブ → 「罫線」 → 「線なし」
- 「内側の罫線」を選択
外枠だけを消す場合
- 表全体を選択
- 「デザイン」タブ → 「罫線」 → 「線なし」
- 「外枠」を選択
罫線の描画ツールを使う方法
より細かい調整をしたい場合
- 「デザイン」タブ → 「罫線の描画」 をクリック
- マウスポインタが鉛筆の形に変わる
- 「線なし」 を選択
- 消したい線の上をクリックまたはドラッグ
- 線が個別に消える
描画ツール終了
Esc
キーを押すか、再度「罫線の描画」をクリックして終了
この方法のメリット・デメリット
メリット
- 必要な線だけを残せる
- 表の構造を保ちつつ見た目を調整
- 細かい調整が可能
デメリット
- 操作が少し複雑
- 一つずつ選択する必要がある
- 間違えやすい
この章のまとめ:特定の線だけを調整したい場合は、選択範囲と罫線の種類を組み合わせることで、思い通りの表を作成できます。
方法③:枠線(編集用ガイド)の表示・非表示
枠線とは何か?
編集用ガイドライン
- 罫線を消しても表示される薄い線
- 印刷されない
- 編集時の目安として表示される
- 表の構造を把握するためのヘルプ機能
枠線の表示・非表示を切り替える方法
ステップ1:レイアウトタブを開く
- 表内をクリック
- 「レイアウト」タブ をクリック(表ツール内)
- 「表」グループを確認
ステップ2:枠線の表示を切り替え
- 「表」グループ内の 「枠線の表示」 をクリック
- チェックが入っている状態:枠線が表示される
- チェックを外す:枠線が非表示になる
枠線表示の使い分け
枠線を表示する場合
- 罫線を消した表を編集する時
- セルの境界を確認したい時
- 複雑な表の構造を把握したい時
枠線を非表示にする場合
- 完成した表の最終確認時
- 印刷プレビューと同じ状態で確認したい時
- プレゼンテーション用の画面表示時
印刷時の注意点
重要な確認事項
印刷される線:罫線のみ
印刷されない線:枠線
- 枠線は画面表示のみで、印刷には影響しない
- 印刷前に「印刷プレビュー」で最終確認をすることが重要
- 枠線の表示・非表示は印刷結果に影響しない
この章のまとめ:枠線は編集時の便利な機能です。印刷には影響しないため、作業効率に合わせて表示・非表示を切り替えましょう。
方法④:表の罫線を透明にする裏技

この方法の特徴
線を完全に消すのではなく、「見えなくする」テクニックです。表の構造は保ちつつ、視覚的に線を消すことができます。
詳細な手順
ステップ1:罫線の色を変更
- 線を透明にしたい部分を選択
- 「デザイン」タブ を開く
- 「罫線」グループの 「罫線のペンの色」 をクリック
- 「白」 (背景色と同じ色)を選択
ステップ2:線の種類を指定
- 「罫線」ドロップダウンから線の位置を選択
- 指定した線が白色(透明に見える)になる
- 構造は残しつつ、視覚的に見えなくなる
背景色に合わせた調整
背景が白以外の場合
- 文書の背景色を確認
- 「罫線のペンの色」で背景と同じ色を選択
- 線が背景に溶け込んで見えなくなる
グラデーション背景の場合
- 主要な背景色に合わせる
- または完全に線を消す方法を選択
- 透明化よりも削除の方が確実
この方法のメリット・デメリット
メリット
- 表の構造データは完全に保持される
- 後から色を変更して線を復活させやすい
- 部分的な調整が簡単
デメリット
- 完全に見えなくなるわけではない場合がある
- 印刷時に薄く見える可能性
- 背景色の変更時に再調整が必要
実用的な応用例
見出し行だけ線を残す
- データ行の線を白色にして透明化
- 見出し行の線は濃い色で残す
- 階層的な表現が可能
重要な区切りだけ強調
- 通常の線は透明化
- 重要な境界線だけ濃い色で残す
- メリハリのある表デザインが作成可能
この章のまとめ:透明化は線を完全に消すより柔軟性があります。デザイン性を重視する場合におすすめの方法です。
応用テクニック
線の種類を変更する
点線や破線の活用
- 「デザイン」タブ → 「罫線のペンのスタイル」 をクリック
- 実線以外のスタイル(点線、破線、二重線など)を選択
- 用途に応じて線の印象を変更
線の太さの調整
- 「罫線のペンの太さ」 で線の幅を変更
- 0.5pt〜6ptまで選択可能
- 重要度に応じて太さを使い分け
条件付き罫線の設定
データに応じた線の調整
例:合計行の上だけ太い線を引く
例:項目ごとに線の色を変える
例:重要度に応じて線の太さを変える
表スタイルの活用
事前定義されたデザインの利用
- 「デザイン」タブ → 「表のスタイル」 を確認
- プリセットデザインを選択
- 必要に応じて個別調整
トラブルシューティング

よくある問題と解決方法
線が消えない場合
- 正しく選択されているか確認
- 対象のセルや範囲が選択されているか
- 表全体を選択する場合は十字マークをクリック
- 操作手順の再確認
- 「線なし」が選択されているか
- 正しい線の位置が指定されているか
枠線と罫線の混同
- 印刷プレビューで確認
Ctrl + P
で印刷プレビューを表示- 実際に印刷される状態を確認
- 枠線の表示設定を確認
- 「レイアウト」タブ → 「枠線の表示」の状態
一部の線だけ残ってしまう
- 選択範囲の再確認
- 消したい部分が正しく選択されているか
- 複数回に分けて操作
- 線の種類の確認
- 上下左右のどの線が残っているか特定
- 該当する線を個別に削除
復旧方法
線を戻したい場合
- 「元に戻す」機能
Ctrl + Z
で直前の操作を取り消し
- 手動で線を追加
- 「デザイン」タブ → 「罫線」から必要な線を選択
- 「すべての罫線」で標準的な表に戻す
- 表スタイルのリセット
- 「デザイン」タブ → 「表のスタイル」から標準スタイルを選択
まとめ
Wordで表の線を消す・非表示にする方法を整理すると、以下のようになります:
方法別比較表
操作 | 手順・説明 | 適用場面 | おすすめ度 |
---|---|---|---|
表全体の線を消す | 「デザイン」→「罫線なし」で全線非表示 | シンプルな表、リスト形式 | ◎ |
特定の線だけ消す | 該当線を選び「線なし」適用 | 部分的な調整、デザイン重視 | ○ |
枠線の表示切り替え | 「レイアウト」→「枠線の表示」チェック外す | 編集時の見た目調整 | ○ |
線を透明にする | 「罫線の色」を白にして線を描く | 柔軟なデザイン、後で修正予定 | △ |
使い分けのポイント
シンプルさ重視
- 方法①の「全線削除」を使用
- 迷ったらこれを選択
デザイン性重視
- 方法②の「部分的削除」を活用
- 方法④の「透明化」も併用
編集効率重視
- 方法③の「枠線表示」を活用
- 作業中は表示、完成時は非表示
重要なポイント
- 印刷プレビューでの確認:必ず最終確認を行う
- 罫線と枠線の区別:印刷される線とされない線を理解
- 段階的な調整:一度にすべてを変更せず、段階的に調整
- バックアップ:大きな変更前はコピーを作成
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