「Excelで日付を入力したら、自動で曜日も出したい」「でも『月』にするのか『月曜日』にするのか、英語で『Mon』にするのか選びたい…」そんなふうに思ったことはありませんか?
スケジュール管理、勤怠表、カレンダー作成など、Excelで日付を扱う際に曜日の表示は欠かせない要素です。しかし、用途によって最適な表示形式は異なります:
- 会議資料:「月曜日」のような丁寧な表記
- スケジュール表:「月」のようなコンパクトな表記
- 国際的な資料:「Mon」のような英語表記
- システム連携:数値での曜日管理
Excelはとても柔軟で、表示形式を設定するだけで好きな形の曜日を自動表示できます。さらに、条件付き書式や関数と組み合わせることで、土日の色分けや祝日表示なども可能です。
この記事では、TEXT関数やセルの書式設定を使って、Excelで曜日をいろいろな表示形式にする方法を、初心者から上級者まで役立つよう詳しく解説します。
曜日表示の基本知識

Excelでの曜日表示の仕組み
日付データの基本
Excelでは日付をシリアル値(連続した数値)で管理しています:
- 1900年1月1日 = 1
- 2025年7月14日 = 45660
この数値から曜日を計算し、表示形式に応じて文字として表現します。
表示形式コードの基本
Excelでは以下のコードで曜日を表現します:
コード | 言語 | 形式 | 例(月曜日の場合) |
---|---|---|---|
aaa | 日本語 | 短縮形 | 月 |
aaaa | 日本語 | 完全形 | 月曜日 |
ddd | 英語 | 短縮形 | Mon |
dddd | 英語 | 完全形 | Monday |
2つの主要なアプローチ
方法1:TEXT関数を使用
=TEXT(A1,"aaaa")
- メリット:柔軟、他の文字列と結合可能
- デメリット:結果が文字列になる(計算には使えない)
方法2:セルの書式設定を使用
セル書式 → ユーザー定義 → "aaaa"
- メリット:元の日付データを保持、計算可能
- デメリット:そのセル内での表示のみ
TEXT関数を使った曜日表示
基本的な使用方法
TEXT関数の構文
=TEXT(値, 表示形式)
基本的な曜日表示例
日本語での表示
// A1に2025/7/14(月曜日)が入っている場合
=TEXT(A1,"aaa") → 月
=TEXT(A1,"aaaa") → 月曜日
英語での表示
=TEXT(A1,"ddd") → Mon
=TEXT(A1,"dddd") → Monday
実用的な応用例
日付と曜日の組み合わせ表示
パターン1:基本的な組み合わせ
=TEXT(A1,"yyyy/m/d(aaa)") → 2025/7/14(月)
=TEXT(A1,"m月d日(aaaa)") → 7月14日(月曜日)
=TEXT(A1,"yyyy-mm-dd ddd") → 2025-07-14 Mon
パターン2:和暦との組み合わせ
=TEXT(A1,"ggge年m月d日(aaa)") → 令和7年7月14日(月)
パターン3:時刻も含めた表示
=TEXT(A1,"m/d(aaa) h:mm") → 7/14(月) 14:30
条件付きの曜日表示
営業日のみ表示
=IF(WEEKDAY(A1,2)<=5,TEXT(A1,"aaa"),"休")
土日で表示を変える
=IF(WEEKDAY(A1,2)=6,"土曜",IF(WEEKDAY(A1,2)=7,"日曜",TEXT(A1,"aaa")))
複雑な表示パターン
複数の情報を組み合わせ
会議スケジュール用
=TEXT(A1,"m月d日(aaa)")&" "&B1&"時~"&C1&"時"
// 結果:7月14日(月) 14時~16時
報告書用の日付表示
="開催日: "&TEXT(A1,"yyyy年m月d日")&"("&TEXT(A1,"aaaa")&")"
// 結果:開催日: 2025年7月14日(月曜日)
国際対応の表示
多言語対応(英語・日本語併記)
=TEXT(A1,"dddd")&"("&TEXT(A1,"aaaa")&")"
// 結果:Monday(月曜日)
セルの書式設定を使った曜日表示

基本的な設定方法
詳細な設定手順
ステップ1:セルの選択
- 日付が入力されているセルを選択
- 複数セルの場合は範囲を選択
ステップ2:書式設定画面を開く
- 右クリック → 「セルの書式設定」
- または Ctrl + 1 のショートカット
ステップ3:ユーザー定義を設定
- **「表示形式」**タブをクリック
- 分類で**「ユーザー定義」**を選択
- **「種類」**欄に書式コードを入力
よく使う書式コードの例
書式コード | 表示例 | 用途 |
---|---|---|
aaaa | 月曜日 | 正式な書類 |
aaa | 月 | コンパクトな表 |
dddd | Monday | 英語資料 |
ddd | Mon | 国際的な資料 |
yyyy/m/d(aaa) | 2025/7/14(月) | 日付と曜日 |
m/d(aaa) | 7/14(月) | 年省略形式 |
高度な書式設定
条件付き書式との組み合わせ
土日の自動色分け
土曜日を青色に
- データ範囲を選択
- ホーム → 条件付き書式 → 新しいルール
- 「数式を使用して…」を選択
- 数式:
=TEXT($A1,"aaa")="土"
- 書式で背景色を青に設定
日曜日を赤色に
- 同様の手順で数式:
=TEXT($A1,"aaa")="日"
- 書式で背景色を赤に設定
カスタム書式の作成
季節感のある表示
[色9]yyyy"年"m"月"d"日"(aaaa) // 青色で表示
[色10]yyyy"年"m"月"d"日"(aaaa) // 緑色で表示
強調表示付きの書式
[>=43466][色12]yyyy/m/d(aaa);yyyy/m/d(aaa)
// 2019年以降は赤色で表示
様々な曜日表示パターンと活用例
業務別の最適な表示形式
スケジュール管理
週間スケジュール
// A列:日付、B列:曜日表示
=TEXT(A1,"m/d")&"("&TEXT(A1,"aaa")&")"
// 結果:7/14(月)
月間カレンダー
// コンパクトな表示
=TEXT(A1,"d")&TEXT(A1,"(aaa)")
// 結果:14(月)
勤怠管理
出勤簿用
=TEXT(A1,"yyyy/mm/dd")&" "&TEXT(A1,"aaaa")
// 結果:2025/07/14 月曜日
シフト表用
=TEXT(A1,"m/d(aaa)")
// 結果:7/14(月)
会議・イベント管理
正式な案内文書
="開催日時: "&TEXT(A1,"yyyy年m月d日")&"("&TEXT(A1,"aaaa")&")"&B1&"時より"
// 結果:開催日時: 2025年7月14日(月曜日)14時より
カジュアルな連絡用
=TEXT(A1,"m/d(aaa)")&"の"&B1&"時から"
// 結果:7/14(月)の14時から
国際対応の表示
多言語対応
英語環境向け
=TEXT(A1,"dddd, mmmm d, yyyy")
// 結果:Monday, July 14, 2025
日英併記
=TEXT(A1,"dddd")&"/"&TEXT(A1,"aaaa")&" "&TEXT(A1,"yyyy/m/d")
// 結果:Monday/月曜日 2025/7/14
地域別の日付形式
アメリカ式
=TEXT(A1,"mm/dd/yyyy (ddd)")
// 結果:07/14/2025 (Mon)
ヨーロッパ式
=TEXT(A1,"dd/mm/yyyy (ddd)")
// 結果:14/07/2025 (Mon)
ISO 8601形式
=TEXT(A1,"yyyy-mm-dd (ddd)")
// 結果:2025-07-14 (Mon)
動的カレンダーでの曜日活用

自動生成カレンダー
月間カレンダーの基本構造
ヘッダー行の曜日表示
// B1に基準日(その月の1日)を設定
// C1~I1に曜日ヘッダー
=TEXT(DATE(2025,1,COLUMN()-1),"aaa")
日付セルでの曜日表示
// カレンダーの各日付セル
=IF(DAY(日付セル)=1,TEXT(日付セル,"m/d(aaa)"),DAY(日付セル))
週間スケジュール
1週間の日付と曜日を自動生成
// A1に週の開始日を入力
// B1以降に連続する日付と曜日
=TEXT(A1+ROW()-1,"m/d(aaa)")
祝日対応の高度な表示
祝日判定との組み合わせ
祝日リストとの照合
=IF(COUNTIF(祝日リスト,A1)>0,"祝日",
IF(WEEKDAY(A1,2)>5,"休日",TEXT(A1,"aaa")))
営業日カウンターとの連携
=IF(NETWORKDAYS(A1,A1,祝日リスト)=1,TEXT(A1,"aaa"),"休")
関数との高度な組み合わせ
CHOOSE関数との組み合わせ
カスタム曜日表示
独自の曜日表現
=CHOOSE(WEEKDAY(A1),"日曜","月曜","火曜","水曜","木曜","金曜","土曜")
業務用の表現
=CHOOSE(WEEKDAY(A1),"休業","営業1","営業2","営業3","営業4","営業5","半日")
季節やイベントに応じた表示
夏季休暇期間の特別表示
=IF(AND(MONTH(A1)=8,DAY(A1)>=13,DAY(A1)<=15),"夏休",TEXT(A1,"aaa"))
VLOOKUP・INDEX-MATCHとの連携
曜日別の情報表示
曜日別担当者表示
=VLOOKUP(TEXT(A1,"aaa"),曜日担当表,2,FALSE)
曜日別の営業時間表示
=INDEX(営業時間表,MATCH(TEXT(A1,"aaa"),曜日一覧,0))
よくあるトラブルと解決法
表示が期待と違う場合
問題1:英語で表示される
原因:Windowsの地域設定が英語 解決法:
- Windows設定 → 時刻と言語 → 地域
- 地域形式を「日本」に変更
- Excelを再起動
問題2:数値で表示される
原因:セルの書式が「標準」または「数値」 解決法:
- セルを選択
- セルの書式設定 → 表示形式 → 文字列
- または
TEXT(A1,"aaaa")
で文字列として出力
計算エラーの対処
問題1:TEXT関数の結果が計算に使えない
原因:TEXT関数の結果は文字列 解決法:
// 計算用には元の日付を使用
=IF(WEEKDAY(A1,2)>5,"休日計算","平日計算")
// 表示用にはTEXT関数を使用
=TEXT(A1,"aaaa")
問題2:書式設定が反映されない
原因:セルに文字列が入力されている 解決法:
- 該当セルを選択
- データ → 区切り位置 → 完了
- 数値として認識させる
印刷・PDF出力での問題
問題1:印刷時に曜日が文字化け
解決法:
- フォントを「MS ゴシック」または「Arial」に変更
- プリンタドライバを最新版に更新
問題2:PDF出力時に表示が崩れる
解決法:
- セル幅を十分に確保
- 「印刷プレビュー」で事前確認
- PDF生成時の品質設定を「高品質」に
まとめ
曜日表示方法の使い分け
目的別の推奨方法
用途 | 推奨方法 | 理由 |
---|---|---|
単純な表示 | セル書式設定 | 元データ保持、軽量 |
文字列結合 | TEXT関数 | 柔軟な組み合わせ可能 |
条件分岐 | WEEKDAY+CHOOSE | 複雑な条件設定 |
国際対応 | TEXT関数 | 言語切り替えが容易 |
段階的な習得ロードマップ
レベル1:基本操作
- TEXT関数での基本的な曜日表示
- セル書式設定での表示変更
レベル2:応用活用
- 日付と曜日の組み合わせ表示
- 条件付き書式での色分け
レベル3:高度な活用
- 動的カレンダーの作成
- 関数との複合活用
- 国際対応・多言語対応
効果的な活用のコツ
データ設計の重要性
計算用と表示用の分離
A列:日付データ(計算用)
B列:TEXT関数での表示(見た目用)
一貫した書式の使用
- プロジェクト内で統一した曜日表記
- チームでの書式ルール策定
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