MacでChromeを使ってYouTubeを見たり音楽を聴いているとき、
「ブラウザだけ音量を下げたい」
「システム全体の音じゃなく、Chromeの音だけを調整したい」
と思ったことはありませんか?
実はMacはWindowsと違って、アプリ単位で音量を設定する機能が標準ではついていません。
この記事では、MacでChrome(ブラウザ)の音量を調整する方法を、シンプルなやり方から便利なアプリまで、わかりやすく紹介します。
Macユーザーが困りがちなポイントを先回りして解説するので、ぜひ最後まで読んでみてください!
MacとWindowsの音量調整の違いを理解しよう

Macの音量調整の基本仕様
Macの音量キー(F11/F12)やメニューバーのスピーカーマークで調整できる音量は、システム全体の音量です。
Macの標準機能でできること
- システム全体の音量調整
- 消音(ミュート)のオン・オフ
- 出力デバイス(スピーカー、ヘッドホンなど)の切り替え
Macの標準機能でできないこと
- アプリごとの個別音量調整
- ブラウザのタブごとの音量管理
- 特定のサイトだけの音量制限
Windowsとの違い
Windows(音量ミキサー機能あり)
- 各アプリの音量を個別に調整可能
- システム音、ブラウザ、音楽アプリなどを別々に管理
- 右クリック→「音量ミキサーを開く」で簡単にアクセス
Mac(標準機能では一括管理)
- すべてのアプリの音量が連動
- 個別調整には外部ツールが必要
- よりシンプルだが、細かい制御は難しい
そのため、以下のような使い方はMacの標準機能だけではできません:
- Chromeだけの音を小さくしたい
- Zoomの通話音はそのまま、YouTubeだけ下げたい
- 作業中のBGMを小さく、通知音は大きく保ちたい
Webサイト側の音量調整を活用する
各サイトのボリュームコントロール
Webサイト自体に音量調整がある場合は、それを使うのが一番手軽で確実です。
YouTube
デスクトップ版の操作
- 動画再生画面の右下にあるスピーカーアイコンをクリック
- 音量スライダーを左右に動かして調整
- スピーカーアイコンをクリックすることでミュートも可能
ショートカットキー
↑
キー:音量を上げる(5%ずつ)↓
キー:音量を下げる(5%ずつ)M
キー:ミュート/ミュート解除
Spotify Web Player
音量調整の手順
- 画面右下の音量バーを確認
- スライダーを左右に動かして調整
- スピーカーアイコンでミュート切り替え
便利機能
- 音量調整は各デバイス間で同期される
- プレミアム会員なら音量の正規化機能も利用可能
Apple Music(Web版)
操作方法
- 再生コントロールエリアの音量スライダーを使用
- 右クリックメニューからも音量調整が可能
Netflix
音量調整
- 再生中に画面にマウスを合わせる
- 右下のスピーカーアイコンをクリック
- 音量スライダーで調整
その他の動画・音楽サイト
共通的な操作
- ほとんどのサイトで再生コントロール部分に音量調整あり
- スピーカーアイコンやスライダーバーを探す
- 右クリックメニューに音量設定がある場合も
サイト側音量調整の制限
注意点
一時的な調整
- タブを閉じると設定がリセットされることが多い
- サイトを再読み込みすると元に戻る場合がある
サイトによる差
- すべてのWebサイトに音量調整があるわけではない
- 広告音声などは別途制御される場合がある
システム音量との関係
- サイト側の音量とMacのシステム音量は掛け算の関係
- 両方が50%なら実際の音量は25%になる
Chrome拡張機能で個別音量を管理
Volume Master(おすすめ)
基本機能
主な特徴
- タブごとに最大600%まで音量調整が可能
- 小さい音も大幅に増幅できる
- シンプルで使いやすいインターフェース
- 無料で利用可能
インストールと設定
手順
- Chrome ウェブストアで「Volume Master」を検索
- 「Chromeに追加」ボタンをクリック
- 「拡張機能を追加」で確認
使い方
- 音量を変えたいタブを開く
- 拡張機能アイコン(スピーカーマーク)をクリック
- スライダーを左右に動かして音量を調整
- 設定は自動的に保存される
詳細設定
音量範囲
- 0%〜600%の範囲で調整可能
- 100%がサイト標準の音量
- 100%以下で音量を下げる、以上で音量を上げる
便利な機能
- ワンクリックでミュート
- タブごとに独立した音量設定
- 視覚的に分かりやすいスライダー
Audio EQ(イコライザー付き)
機能の特徴
基本機能
- 音量調整に加えてイコライザー機能
- 低音・高音の調整が可能
- より高音質な音楽体験
使用場面
- 音楽をよく聴く人におすすめ
- ノートPCのスピーカーの音質改善
- より細かい音質調整をしたい場合
Ears: 安らぎ音量
特殊機能
聴覚保護機能
- 突然の大音量から耳を守る
- 設定した音量を超えないよう自動制限
- 長時間の作業におすすめ
設定のポイント
- 最大音量の上限を設定
- 急激な音量変化を防ぐ機能
- ヘッドホン使用時の聴覚保護
拡張機能使用時の注意点
パフォーマンスへの影響
軽微な影響
- CPU使用率のわずかな増加
- メモリ使用量の微増
- 通常使用では体感できないレベル
制限事項
対応範囲
- Chrome内のタブのみ有効
- システム音や他のアプリには影響しない
- 一部のサイトでは正常に動作しない場合がある
システム全体でアプリごと音量を調整する方法

BackgroundMusic(無料・高機能)
主な機能
アプリ単位の音量調整
- Chrome、Safari、Spotify、Zoomなど個別に調整
- リアルタイムでの音量変更
- 視覚的に分かりやすいインターフェース
自動音量調整
- 音楽再生中に通話が入ると自動で音楽の音量を下げる
- 「Auto-pause」機能で他のアプリの音が出ると音楽を一時停止
- 作業効率の向上
インストール手順
ダウンロードとインストール
- BackgroundMusic公式GitHubにアクセス
- 「Releases」セクションから最新版をダウンロード
- ダウンロードした
.pkg
ファイルを実行 - インストールウィザードに従って進める
初期設定
- インストール後にMacを再起動
- メニューバーにヘッドホンアイコンが表示される
- アイコンをクリックして設定画面を開く
使い方の詳細
基本操作
- メニューバーのアイコンをクリック
- アプリごとの音量スライダーが表示される
- Chromeの音量バーを動かしてブラウザの音量を調整
- 他のアプリも同様に個別調整が可能
高度な設定
- 自動音量調整の感度設定
- 特定のアプリを除外する設定
- ショートカットキーの設定
実際の使用例
リモートワークでの活用
- Zoom:通話音は100%で維持
- Chrome(YouTube):BGMとして30%に設定
- Slack:通知音は80%で重要度を確保
- Spotify:作業用音楽として40%に調整
SteadyTune(有料・プロ仕様)
特徴
高精度な音量制御
- より細かい音量調整(1%刻み)
- 音質劣化を最小限に抑制
- プロオーディオ向けの機能
価格
- 約2,000円〜3,000円
- 無料トライアル期間あり
使用を検討する場面
プロ用途
- 音楽制作や編集作業
- より高精度な音量管理が必要
- 複数の音源を同時に扱う場合
Boom 3D(音質向上+音量調整)
機能概要
3Dオーディオ効果
- 立体音響での音楽体験
- ヘッドホンでのサラウンド効果
- 音質全体の向上
音量管理機能
- アプリごとの音量調整
- イコライザー機能
- 音量ブースト機能
価格と特徴
- 有料アプリ(約2,000円)
- 音質改善が主目的
- 音量調整はサブ機能
ショートカットキーと効率的な操作方法
Macの標準ショートカット
システム音量
基本操作
F10
:ミュート/ミュート解除F11
:音量を下げるF12
:音量を上げる
細かい調整
Shift + F11/F12
:1/4ずつの微調整Option + Shift + F11/F12
:更に細かい調整
便利な組み合わせ
音量表示の制御
Option + F11/F12
:音量調整時のサウンド効果なし- システム環境設定で音量変更時の効果音を無効化可能
Chrome内でのショートカット
YouTube専用
再生制御
Space
:再生/一時停止M
:ミュート/ミュート解除↑/↓
:音量調整(5%ずつ)0-9
:動画の該当する割合の位置にジャンプ
一般的なメディア
共通操作
Cmd + M
:ブラウザウィンドウをDockに最小化Cmd + Shift + A
:すべてのタブでの音声を停止(一部サイト)
外部アプリでの効率化
BackgroundMusicでのショートカット
設定可能なキー
- 特定アプリの音量上下
- すべてのアプリを一時ミュート
- 音楽アプリの自動一時停止
システム全体での設定
Karabiner-Elements活用
- より複雑なショートカット設定
- アプリ固有のキー割り当て
- 作業効率の大幅向上
よくある問題と解決方法
音が出ない・小さい場合
基本的なチェック項目
システム設定の確認
- メニューバーの音量アイコンを確認
- システム環境設定 → サウンド → 出力
- 正しい出力デバイスが選択されているか確認
ブラウザ側の確認
- Chromeの設定 → プライバシーとセキュリティ → サイトの設定 → 音声
- サイトごとの音声許可設定を確認
- タブのスピーカーアイコンで個別ミュート状態を確認
Chrome特有の問題
タブのミュート
- タブに🔇マークが付いている場合はミュート状態
- タブを右クリック → 「サイトのミュートを解除」
拡張機能の干渉
- 音声関連の拡張機能を一時的に無効化してテスト
- シークレットモードで問題が解決するか確認
音量調整が効かない場合
サイト側の問題
Flash Player(古い技術)
- 古いサイトでFlashが使われている場合
- Flash自体の音量設定が独立している
- できるだけHTML5対応のサイトを利用
埋め込み動画
- YouTubeの埋め込み動画などは元サイトの設定が優先
- 可能であれば直接YouTubeにアクセス
システム側の問題
権限設定
- システム環境設定 → セキュリティとプライバシー → プライバシー
- マイクとカメラの設定でChromeが許可されているか確認
出力デバイスの問題
- Bluetooth機器の接続不良
- 外部スピーカーとの接続問題
- 有線ヘッドホンの接触不良
BackgroundMusicが動作しない
インストール関連
権限の問題
- システム環境設定 → セキュリティとプライバシー
- 「ダウンロードしたアプリケーションの実行許可」を確認
- 必要に応じて「このまま許可」をクリック
macOSバージョンの互換性
- BackgroundMusicがmacOSのバージョンに対応しているか確認
- 最新版のBackgroundMusicを使用
動作が不安定な場合
再インストール
- アプリケーションフォルダからBackgroundMusicを削除
- システムを再起動
- 最新版を再インストール
競合アプリの確認
- 他の音量調整アプリとの競合
- システム音声に影響するアプリの一時停止
レスポンシブ音量管理のベストプラクティス

状況別の音量設定戦略
リモートワーク
推奨設定
- ビデオ会議:システム音量70-80%
- Chrome(作業用BGM):20-30%
- 通知音:50-60%
- 緊急音:90-100%
設定のコツ
- 会議前に音量バランスをテスト
- ミュートのショートカットを覚える
- 背景音は控えめに設定
音楽・動画鑑賞
最適化のポイント
- メイン音源:80-90%
- SNS通知:10-20%
- メール通知:30-40%
作業・勉強時
集中力を保つ設定
- BGM:30-40%(歌詞なしの音楽推奨)
- 重要な通知:60-70%
- その他の音:10-20%
時間帯による自動調整
深夜・早朝
配慮すべき点
- 全体的に音量を抑える(最大50%程度)
- 通知音は振動やバナー表示に切り替え
- ヘッドホンの使用を検討
昼間・作業時間
効率重視の設定
- 作業の邪魔にならない音量バランス
- 重要な通知は確実に聞こえるレベル
- 長時間聴いても疲れない音量
デバイス別の最適化
MacBook(内蔵スピーカー)
特徴を活かす設定
- 低音が弱いため、音楽はイコライザーで補正
- 通知音は中高音域を活用
- 音量は控えめに(周囲への配慮)
外部スピーカー
高音質を活かす
- 音楽は高音質設定で楽しむ
- システム音量は中程度に設定
- アプリごとの細かい調整を活用
ヘッドホン・イヤホン
聴覚保護を重視
- 長時間使用時は音量を控えめに
- 定期的な休憩を取る
- 音量制限機能の活用
まとめ
MacでChromeの音量を個別に調整する方法は、標準機能では限られていますが、いくつかのアプローチで解決できます。
手軽さ重視なら
Webサイト側の音量調整
- YouTubeやSpotifyの標準機能を活用
- 追加ソフト不要で今すぐ使える
- サイトごとの設定は一時的
Chrome拡張機能(Volume Master)
- インストールが簡単
- タブごとの細かい調整が可能
- 無料で利用できる
本格的な音量管理なら
BackgroundMusic
- Mac全体でアプリごとの音量を完全制御
- 自動音量調整機能も搭載
- 無料で高機能
有料アプリ
- より高精度な音量制御
- 音質向上機能も期待できる
- プロ用途にも対応
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