プログラミングや文章作成をしていると、毎日のように使うのが**VSCode(Visual Studio Code)**です。
とても便利なエディタですが、「このショートカットキー、ちょっと押しにくい…」と感じたことはないでしょうか。
Windows版VSCodeでは、簡単にショートカットキーを変更できます。
この記事では、初心者にもわかりやすく次のことを解説します:
- ショートカットキーを変更する具体的な手順
- 作業効率を上げるおすすめカスタマイズ
- よくあるトラブルと解決方法
- プロも使う便利な設定例
さらに、作業効率をグッと上げるためのコツも紹介しますので、ぜひ最後まで読んでみてください。
WindowsでVSCodeのショートカットキーを変更する方法

基本的な変更手順
ステップ1:コマンドパレットを開く
Ctrl + Shift + P
を押して、コマンドパレットを表示します。
または、メニューバーから「表示」→「コマンドパレット」でも開けます。
ステップ2:「キーボード ショートカット」を検索
出てきた入力欄に「keyboard」と入力し、「Preferences: Open Keyboard Shortcuts」を選択します。
ステップ3:変更したいコマンドを探す
キーボードショートカット画面が開いたら、右上の検索ボックスで変更したいコマンドを検索します:
- 「save」→ 保存関連
- 「comment」→ コメント関連
- 「terminal」→ ターミナル関連
ステップ4:ショートカットを変更
- 変更したいコマンドの行をクリック
- 左側の**ペンのアイコン(編集)**をクリック
- 設定したいキーの組み合わせを実際に押す
- Enterキーで確定
ステップ5:重複がないか確認
すでに別のコマンドに同じキーが設定されている場合、警告マークが表示されます。
- 不要なら上書きして使用
- 別のキーに割り当て直す
より詳細な設定方法
JSONファイルで直接編集
上級者向けですが、設定ファイルを直接編集することも可能です:
- キーボードショートカット画面の右上
- 「{}」アイコンをクリック
keybindings.json
ファイルが開く- 直接JSONで設定を記述
[
{
"key": "ctrl+q",
"command": "editor.action.commentLine"
}
]
条件付きキーバインド
特定の条件下でのみ有効なショートカットも設定できます:
[
{
"key": "ctrl+enter",
"command": "python.execInTerminal",
"when": "editorTextFocus && editorLangId == python"
}
]
このように、Windows版VSCodeでは数クリックでショートカットキーを変更できます。次は、効率アップのためのおすすめカスタマイズ例を紹介します。
作業がはかどる!おすすめのショートカットカスタマイズ
プログラミングでよく使うカスタマイズ
行コメントの切り替え
デフォルト: Ctrl + /
おすすめ変更: Ctrl + Q
理由:/
キーは右手の小指で押しにくく、Q
の方が左手で楽に押せます。
ターミナルの表示切り替え
デフォルト: Ctrl +
(バッククォート)
おすすめ変更: Ctrl + T
理由:バッククォートは日本語キーボードでは押しにくい位置にあります。
複数行選択
デフォルト: Ctrl + Shift + L
おすすめ変更: Ctrl + D
の連続押し(デフォルトでもあります)
理由:同じ単語を複数選択する際に便利で、D
キーが押しやすいです。
文章作成でよく使うカスタマイズ
検索と置換
デフォルト: Ctrl + H
(置換)
おすすめ変更: Alt + F
理由:検索(Ctrl + F
)の流れで置換も使いやすくなります。
行の移動
デフォルト: Alt + ↑/↓
おすすめ変更: Ctrl + Shift + ↑/↓
理由:Ctrlキーの方が親指で押しやすく、操作が安定します。
ファイル切り替え
デフォルト: Ctrl + Tab
おすすめ変更: Ctrl + 1/2/3...
(数字キー)
理由:開いているタブを数字で直接指定できるため、素早い切り替えが可能です。
効率重視のカスタマイズ
よく使うコマンドをファンキーキーに
F2
→ ファイル名変更F3
→ 次を検索F4
→ 定義へ移動F5
→ デバッグ開始
マウス操作を減らすカスタマイズ
[
{
"key": "ctrl+shift+e",
"command": "workbench.view.explorer"
},
{
"key": "ctrl+shift+f",
"command": "workbench.view.search"
}
]
使う頻度が高いコマンドほど、自分の手になじむキーに変えるのが大切です。最後に、トラブル防止のためのポイントも押さえておきましょう。
ショートカットキー変更でよくあるトラブルと対処法

よくあるトラブル1:他のアプリとキーが競合する
問題の例
Ctrl + Alt + S
は他のソフトウェア(Skype、Adobe製品など)でも使われている場合があります。
対処方法
- VSCode側で別のキーに変更
- より珍しい組み合わせを使う
Ctrl + K, Ctrl + S
のような2段階キーを活用
- 他のアプリ側の設定を変更
- 使用頻度の低い方を変更する
- プロファイル機能を活用
- 作業内容別に設定を使い分ける
よくあるトラブル2:設定が反映されない
確認すべきポイント
- 保存されているか確認
- 設定変更後は必ず
Ctrl + S
で保存 - VSCodeを再起動してみる
- 設定変更後は必ず
- 構文エラーがないか確認
- JSONファイルでカスタマイズした場合
- カンマや括弧の書き忘れをチェック
- 拡張機能との競合
- インストールした拡張機能が影響している可能性
- 拡張機能を一時的に無効にして確認
よくあるトラブル3:デフォルトに戻したい
個別のキーを戻す方法
- キーボードショートカット画面で該当のコマンドを探す
- 右クリックして「Reset Keybinding」を選択
全体をリセットする方法
- キーボードショートカット画面の右上
- 「…」メニューをクリック
- 「Reset All Keybindings」を選択
バックアップから復元
// デフォルト設定をバックアップしておく
[
// ここに元の設定をコピー
]
よくあるトラブル4:キーが効かない
原因の特定方法
- 他のキーで同じコマンドを実行
- メニューから同じ操作を試す
- コマンドパレットから実行
- キーボードのハードウェア確認
- メモ帳などで該当キーが正常に入力されるか確認
- VSCodeの再起動
- 設定の読み込み直しのため
予防策とベストプラクティス
設定ファイルのバックアップ
# 設定フォルダをバックアップ
%APPDATA%\Code\User\keybindings.json
段階的な変更
一度に大量のショートカットを変更せず、少しずつ慣れながら調整していきましょう。
チーム開発での配慮
チームで作業する場合は、極端なカスタマイズよりも標準的な設定を維持することも大切です。
トラブルもありますが、落ち着いて設定し直せば大丈夫です。自分だけの最強ショートカット環境を作って、もっと快適にVSCodeを使いましょう。
実践的な活用例
プロジェクト別カスタマイズ
Webフロントエンド開発用
[
{
"key": "ctrl+shift+r",
"command": "workbench.action.tasks.runTask",
"args": "npm: start"
},
{
"key": "f12",
"command": "extension.openInBrowser"
}
]
Python開発用
[
{
"key": "f5",
"command": "python.execInTerminal"
},
{
"key": "ctrl+f5",
"command": "python.debugInTerminal"
}
]
チーム開発での共有方法
設定ファイルをプロジェクトの.vscode
フォルダに保存すれば、チーム全体で同じショートカットを共有できます。
プロジェクト設定の例
// .vscode/keybindings.json
[
{
"key": "ctrl+shift+b",
"command": "workbench.action.tasks.build"
}
]
まとめ
VSCode(Windows版)では、ショートカットキーを自由に変更できます。重要なポイントをまとめます:
- コマンドパレットから「Keyboard Shortcuts」で簡単に変更可能
- よく使うコマンドほど手になじむキーに設定すると効果的
- 競合や設定ミスがあっても、リセット機能で安全に元に戻せる
- 段階的なカスタマイズで無理なく自分専用の環境を構築
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