「なんだかゲームがカクつく気がするけど、実際どのくらいのFPS(フレームレート)なんだろう?」そんなとき、画面右上などにリアルタイムでFPSを表示できれば便利ですよね。
プロゲーマーや配信者なら必ずチェックしているFPS。でも「設定が難しそう」「有料ソフトが必要なのでは?」と思っていませんか?
実は、Windowsやゲームごとの標準機能、さらには無料ツールで驚くほど簡単にFPSを確認できるんです。
この記事では、Windowsで右上にFPSを表示する具体的な方法やおすすめツールを、初心者にもわかるように丁寧に解説します。読み終わるころには、あなたもプロゲーマーのような環境でゲームを楽しめるようになっているでしょう。
FPSって何?なぜ重要なの?

FPSの基本的な意味
FPSとは「Frames Per Second」の略で、1秒間に画面が何回書き換えられているかを示す単位です。数値が高いほど動きが滑らかになり、低いとカクついて見える原因になります。
映画やアニメが24FPSで作られているのに対し、ゲームでは30FPS以上が一般的。特に対戦ゲームでは高いFPSが勝敗を左右することもあります。
ゲームジャンル別の理想的なFPS値
アクション・FPSゲーム
- 最低60FPS: 敵の動きを正確に追える
- 理想120FPS以上: 反応速度が大幅に向上、プロレベル
RPG・ストラテジーゲーム
- 快適30FPS: ストーリーを楽しむには十分
- 理想60FPS: より滑らかで没入感がアップ
格闘ゲーム
- 必須60FPS: コンボの正確性に直結
- 理想120FPS: フレーム単位の駆け引きが可能
MMO・オープンワールド
- 安定30FPS: 大規模な世界を楽しめる
- 理想60FPS: 美しいグラフィックを堪能
FPSが低下する原因を知ろう
ハードウェア関連
- GPU(グラフィックカード)の性能不足: 最も一般的な原因
- CPU性能不足: 大量のNPCや物理計算が多いゲーム
- メモリ不足: システム全体の動作が重くなる
- ストレージ速度: HDDよりSSDの方が読み込みが早い
ソフトウェア関連
- バックグラウンドプロセス: 他のアプリが動いている
- ドライバの古さ: 最新ゲームに最適化されていない
- ゲーム設定: グラフィック品質が高すぎる
- Windows設定: ゲームモードが無効になっている
Windowsの標準機能でFPSを表示する

Xboxゲームバーを使った簡単FPS表示
Windows 10以降には「Xboxゲームバー」という機能が標準搭載されています。これを使えば、追加ソフト不要でFPSを表示できます。
基本的な設定手順
ステップ1: ゲームバーの起動
- ゲームを起動した状態で
Windowsキー + G
を押す - 初回時は「これはゲームですか?」と聞かれるので「はい」をクリック
- ゲームバーのオーバーレイが画面に表示される
ステップ2: パフォーマンス情報の有効化
- ゲームバー上部の「パフォーマンス」アイコンをクリック
- 小さなパフォーマンスウィンドウが表示される
- ウィンドウ右上の「設定」(歯車アイコン)をクリック
ステップ3: FPS表示の設定
- 「パフォーマンス オーバーレイを表示」をオンにする
- 「FPS」にチェックを入れる
- 「常に最前面に表示」をオンにする
- 表示位置を「右上」に設定
より詳細な設定オプション
表示項目のカスタマイズ
- FPS: フレームレート
- CPU使用率: プロセッサの負荷状況
- GPU使用率: グラフィックカードの負荷
- RAM使用量: メモリの使用状況
- VRAM使用量: ビデオメモリの使用状況
表示スタイルの調整
- 透明度: 背景の透明度を調整
- 色: 文字色やグラフの色を変更
- サイズ: 文字サイズの調整
- 位置: 画面の好きな場所に移動可能
ゲームバーの便利な追加機能
スクリーンショット・録画
Windowsキー + Alt + PrtSc
: スクリーンショットWindowsキー + Alt + R
: 録画開始/停止Windowsキー + Alt + M
: マイクのオン/オフ
ゲーム最適化
- ゲームモード自動有効化: システムリソースをゲームに優先配分
- バックグラウンドプロセス制限: 不要なアプリの動作を抑制
Windows設定でのゲーム最適化
ゲームモードの有効化
Windowsキー + I
で設定を開く- 「ゲーム」→「ゲームモード」
- 「ゲームモード」をオンにする
この設定により、Windowsがゲーム実行時に自動的にシステムリソースを最適化します。
無料ツールでFPSを右上に表示する
MSI Afterburner + RivaTuner Statistics Server
ゲーマーの間で最も人気の高いFPS表示ツールコンビです。無料でありながら、プロレベルの詳細な情報を表示できます。
基本的なセットアップ
ダウンロードとインストール
- MSI公式サイトからAfterburnerをダウンロード
- インストール時に「RivaTuner Statistics Server(RTSS)」も一緒にインストール
- 両方のソフトウェアを管理者権限で実行
FPS表示の設定
- MSI Afterburnerを起動
- 「設定」→「モニタリング」タブを開く
- 「Framerate」を選択して「画面表示」にチェック
- RTSSで表示位置を「右上」に設定
詳細なカスタマイズオプション
表示項目の追加
- GPU温度: グラフィックカードの発熱状況
- GPU使用率: リアルタイムの負荷状況
- GPU Memory: ビデオメモリの使用量
- CPU温度: プロセッサの発熱状況
- CPU使用率: 各コアの負荷分散
- RAM使用量: システムメモリの状況
表示スタイルの詳細設定
- フォント: サイズ、種類、スタイル
- 色: RGB値での細かい色指定
- 位置: ピクセル単位での精密な位置調整
- 更新頻度: 表示更新の間隔設定
RivaTuner Statistics Serverの高度な機能
フレームレート制限
- 特定のFPSに制限してGPUの発熱を抑制
- バッテリー節約(ノートPCの場合)
- 画面のティアリング防止
プロファイル管理
- ゲームごとに異なる設定を保存
- 自動的にゲーム検出して設定切り替え
- インポート/エクスポートで設定共有
Steamのオーバーレイ機能
Steamでゲームを購入している場合、追加ソフト不要で簡単にFPSを表示できます。
基本設定
FPSカウンターの有効化
- Steamクライアントを起動
- 「Steam」→「設定」を選択
- 「ゲーム中」タブを開く
- 「ゲーム中のFPSカウンター」で「右上」を選択
- 「高コントラストの色」をオンにすると視認性が向上
Steamオーバーレイの便利機能
ブラウザ機能
- ゲーム中にWebブラウザを開ける
- 攻略サイトやWikiを確認
- Steamガイドの閲覧
フレンド機能
- ゲーム中にチャット可能
- フレンドの招待・参加
- スクリーンショット共有
実績・統計
- ゲーム内実績の確認
- プレイ時間の記録
- 統計情報の表示
NVIDIA GeForce Experience
NVIDIA製グラフィックカードを使用している場合、GeForce Experienceでも簡単にFPS表示ができます。
Alt + Z オーバーレイ
基本操作
- GeForce Experienceをインストール
- ゲーム中に
Alt + Z
を押す - 「設定」→「HUD レイアウト」で「FPS カウンター」を有効
- 位置を「右上」に設定
追加機能
- Instant Replay: 過去数分の映像を保存
- ライブ配信: Twitch、YouTubeへの直接配信
- スクリーンショット: 高品質な画像保存
AMD Radeon Software
AMD製グラフィックカードユーザー向けの公式ツールです。
Radeon オーバーレイ
設定方法
- Radeon Softwareをインストール
Ctrl + Shift + O
でオーバーレイを開く- 「パフォーマンス」→「メトリクス」でFPS表示を有効化
AMD独自の機能
- Radeon Anti-Lag: 入力遅延の削減
- Radeon Image Sharpening: 画質向上フィルタ
- Radeon Boost: 動的解像度調整
ゲーム別のFPS表示方法

人気ゲームの内蔵FPS表示
Fortnite
- 設定→UI→「FPSの表示」をオンにする
Apex Legends
- Origin/EAアプリの「ゲーム中のオーバーレイ」→「FPSカウンター」
League of Legends
- ゲーム内で
Ctrl + F
を押すとFPSが表示される
Counter-Strike 2
- 開発者コンソールで
cl_showfps 1
と入力
Minecraft Java Edition
- F3キーを押すとデバッグ情報とともにFPSが表示
OverWatch 2
- 設定→ビデオ→「FPS表示」を有効にする
ゲームランチャー別の対応
Epic Games Launcher
- Unreal Engine製ゲームは多くがコンソールコマンドでFPS表示可能
Ctrl + Shift + H
またはstat fps
コマンド
Battle.net(Blizzard)
- ゲームごとに異なるが、多くは
Ctrl + R
でFPS表示
Ubisoft Connect
- オーバーレイ機能でFPS表示が可能
Shift + F2
でオーバーレイ起動
FPSが表示されないときのトラブルシューティング
よくある問題と解決方法
問題1: ゲームがフルスクリーン専用モードになっている
症状
- オーバーレイが一切表示されない
- Alt + Tabでウィンドウ切り替えができない
解決方法
- ゲーム設定で「ウィンドウモード」を探す
- 「ボーダーレスウィンドウ」または「ウィンドウ(フルスクリーン)」に変更
- 「フルスクリーン専用モード」「排他的フルスクリーン」は避ける
問題2: ツールが管理者権限で動いていない
症状
- FPS表示ツールは起動しているのに何も表示されない
- 一部のゲームでだけ表示されない
解決方法
- MSI Afterburner、RTSS、GeForce Experienceを右クリック
- 「管理者として実行」を選択
- Windows起動時に自動で管理者権限で実行されるよう設定
問題3: アンチウイルスソフトの干渉
症状
- ツールの動作が不安定
- 特定のゲームで表示されない
解決方法
- アンチウイルスソフトの「例外設定」に追加
- リアルタイム保護の一時停止で確認
- ゲーミングモードがあれば有効化
問題4: 古いバージョンのツール
症状
- 最新ゲームで動作しない
- エラーメッセージが頻繁に出る
解決方法
- 各ツールを最新版にアップデート
- Windows Updateも最新状態に
- グラフィックドライバも最新版にアップデート
パフォーマンス最適化のコツ
システム設定の最適化
- 電源オプション: 「高パフォーマンス」に設定
- バックグラウンドアプリ: 不要なアプリを無効化
- 視覚効果: 「パフォーマンスを優先する」に設定
- 仮想メモリ: 十分なページファイルサイズを確保
ゲーム設定の調整
- 解像度: モニターのネイティブ解像度より下げる
- アンチエイリアス: FXAA程度に抑える
- 影の品質: 中程度に設定
- テクスチャ品質: VRAMの容量に応じて調整
FPS向上のための実践的なテクニック
ハードウェア最適化
GPU設定の調整
- NVIDIAコントロールパネル(NVIDIA GPU)
- 「3D設定の管理」で「パフォーマンス」を優先
- 「電源管理モード」を「パフォーマンス最大化を優先」
- 「垂直同期」をオフにする
- AMD Radeon Software(AMD GPU)
- 「ゲーム」→「グローバル設定」
- 「アンチエイリアス」を「アプリケーション制御」
- 「異方性フィルタリング」を「アプリケーション制御」
CPU最適化
- タスクマネージャーでの優先度設定
- ゲームプロセスを「高」に設定
- 不要なプロセスを終了
- 電源プランの最適化
- 「究極のパフォーマンス」プランを使用
- CPU最小状態を100%に設定
ソフトウェア最適化
Windows最適化
- ゲームバー: 録画機能を無効化
- Windows Defender: ゲームフォルダを除外設定
- 更新プログラム: アクティブ時間外に設定
ネットワーク最適化
- 有線接続: WiFiより安定した有線を使用
- DNS設定: Cloudflare(1.1.1.1)やGoogle(8.8.8.8)
- QoS設定: ルーターでゲームトラフィックを優先
上級者向けの詳細モニタリング

HWiNFO64 + RTSS連携
詳細なハードウェア情報表示
- HWiNFO64で詳細なセンサー情報を取得
- RTSSと連携してより多くの情報を画面表示
- 温度、電圧、クロック速度など詳細な情報
監視すべき重要な項目
- GPU温度: 80℃以下を維持
- CPU温度: 70℃以下が理想
- GPU使用率: 100%近くなると性能限界
- CPU使用率: 90%以上で他の処理に影響
- VRAM使用量: 上限に近づくとFPS低下
カスタムスクリプトでの自動化
PowerShellスクリプト例
# ゲーム起動時に自動でツールを起動
Start-Process "MSI Afterburner.exe" -Verb RunAs
Start-Process "RTSS.exe" -Verb RunAs
タスクスケジューラーでの自動実行
- Windows起動時に自動でモニタリングツールを実行
- 特定の時間にシステム最適化を実行
- ゲーム終了時にログファイルを保存
FPSデータの活用法
パフォーマンス分析
FPSログの記録
- RTSSやAfterburnerでFPSデータをファイルに記録
- ExcelやGoogleスプレッドシートで分析
- 平均FPS、最低FPS、1%/0.1%低位FPSを確認
ボトルネックの特定
- CPU使用率が高い → CPU限界
- GPU使用率が低い → CPUボトルネック
- VRAM使用量が上限近い → メモリ不足
- 温度が高い → サーマルスロットリング
設定の最適化
段階的な設定調整
- まず解像度を下げてFPS向上を確認
- 次にテクスチャ品質を調整
- 影やライティング設定を下げる
- アンチエイリアスを調整
コストパフォーマンス分析
- 設定変更によるFPS向上率
- 画質低下との バランス
- 最適な設定ポイントの発見
今後のアップデートと新機能
Windows 11での新機能
Auto HDR
- 対応ゲームで自動的にHDR表示
- DirectX 11/12ゲームが対象
DirectStorage
- SSDからGPUへの直接データ転送
- ロード時間の大幅短縮
ゲームモード改善
- より精密なリソース管理
- バックグラウンドプロセスの更なる最適化
次世代技術への対応
NVIDIA DLSS 3.0
- AI駆動のフレーム生成
- FPS表示ツールでの正確な測定
AMD FSR 2.0
- アップスケーリング技術
- ネイティブ解像度とアップスケール後の両方をモニタ
DirectX 12 Ultimate
- レイトレーシング対応
- Variable Rate Shading
まとめ
Windowsで画面右上にFPSを表示する方法は、思っているより簡単で多様な選択肢があります。
手軽さ重視なら
- Xboxゲームバー: Windows標準機能で簡単設定
- Steam FPSカウンター: Steamゲーム限定だが設定が楽
多機能性重視なら
- MSI Afterburner + RTSS: 最も詳細で自由度が高い
- GeForce Experience: NVIDIA GPU利用者に最適
ゲーム内蔵機能
- 各ゲームの設定やコンソールコマンドも活用
FPS表示のメリット
- ゲームの快適度を数値で確認できる
- パフォーマンス問題の早期発見
- ハードウェアアップグレードの判断材料
- 設定調整の効果を即座に確認
重要なポイント
- 「なんとなく重い」を「FPSが○○だから重い」と具体的に把握
- 目標FPS値を設定してゲーム設定を最適化
- 温度などの情報も同時に監視して安全性も確保
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