みなさんは「なぜ春がくるの?」って考えたことはありますか?
実は、古代ギリシャの人たちは、ペルセポネという女神の物語で季節の変化を説明していました。
今回は、美しくて少し悲しい運命をもつペルセポネについて、やさしく紹介していきます。
名前の意味

「ペルセポネ」は、ギリシャ神話に出てくる女神の名前です。
この名前には諸説ありますが、有力なのは「死(破壊)をもたらす者」という意味です。
ちょっとこわい響きに感じるかもしれませんが、これは彼女が冥界(めいかい:死後の世界)の女王でもあるからなんです。
出典・系譜
ペルセポネはギリシャ神話の女神で、とても有名な神々の娘です。
両親
- 母:デメテル – 農業・豊穣(ほうじょう)の女神
- 父:ゼウス – 全能の神々の王
つまりペルセポネは、豊かな大地をつかさどる母と、オリンポスの頂点に立つ父の間に生まれた、特別な血筋をもつ神なんです。
この話は、古代ギリシャの詩『ホメロス讃歌』の「デメテル讃歌」にくわしく書かれています。
これがペルセポネのもっとも有名な出典です。
神格・能力

ペルセポネのいちばん大きな能力は、春を連れてくることです。
季節をつかさどる力
- 冥界にいるあいだ、地上は冬になります
- ペルセポネが地上にもどると、春が訪れ花が咲きます
これには母デメテルも関係し、「四季の変化」を説明する神話として有名です。
また、冥界の女王として、死者の世界をおさめる力も持っています。
ペルセポネの特徴:二面性
- 地上では命を育てる女神
- 冥界では死をつかさどる女王
この両方をあわせ持つのが、ペルセポネならではの特徴です。
逸話:ハデスによる誘拐

もっとも知られているのは「ハデスによる誘拐」の話です。この物語が、季節の変化を説明しています。
物語の流れ
- 出会い:冥界の王ハデスが、花畑であそんでいたペルセポネを見初めました
- 誘拐:ハデスはペルセポネを地の下へ連れ去りました
- 母の悲しみ:母デメテルは悲しみ、地上から作物や花が消え、冬が訪れました
- 解決:ゼウスのとりなしで、ペルセポネは1年のうち数ヶ月を地上で、残りを冥界で過ごすことになりました
季節の変化の理由
- ハデスに連れ去られる → 冬の始まり(デメテルが悲しむ)
- ペルセポネが戻る → 春の訪れ
- デメテルの喜びで地上がよみがえる
これが春と冬がくり返される理由として、ギリシャでは語りつがれています。
まとめ
ペルセポネについて覚えておきたいポイント
- ゼウスとデメテルの娘で「春をつかさどる女神」
- 名前には「死をもたrす者」という意味があり、冥界の女王でもある
(名前の意味には諸説あり) - 春と冬がくり返されるのは、彼女の地上と冥界での暮らしが由来
こうして見ると、ペルセポネはただの神話のキャラクターではなく、季節やいのちの移ろいそのものを体現した存在だとわかりますね。
コメント