「コードのインデントやスペースがバラバラで読みづらい」
「保存するたびに自動でキレイに整形したい」
Visual Studio Code(VS Code)には、コードを自動で整形(フォーマット)する機能が備わっています。これを使えば、誰が書いても読みやすくて美しいコードが簡単に作れます。
この記事では、VS Codeでコード整形をする基本のやり方から、自動整形の設定までを初心者向けにわかりやすく解説します。
コード整形の基本操作

ショートカットで整形
Windows / Linux
Shift + Alt + F
macOS
Shift + Option + F
これを押すと、現在開いているファイル全体が自動で整形されます。
右クリックメニューからも可能
エディタ内で右クリックし、「ドキュメントのフォーマット」を選んでもコード整形できます。
選択した部分だけ整形
コードの一部分だけを整形したい場合は:
- 整形したい部分を選択
- 右クリックして「選択範囲のフォーマット」を選択
- または
Ctrl + K, Ctrl + F
(Mac:Cmd + K, Cmd + F
)
自動でコード整形する設定
保存時に自動整形をする
毎回手動で整形するのは面倒なので、保存時に自動でフォーマットするのがおすすめです。
GUIでの設定方法
- 左下の歯車アイコン → 「設定」をクリック
- 検索窓に「format on save」と入力
- 「Editor: Format On Save」にチェックを入れる
settings.jsonに追記
{
"editor.formatOnSave": true
}
これを入れておくと、Ctrl + S
(Mac: Cmd + S
)で保存するたびに自動でコードが整形されます。
入力時に自動整形する
タイピング中にリアルタイムで整形したい場合は:
{
"editor.formatOnType": true
}
ペースト時に自動整形する
コピペしたコードも自動で整形されます:
{
"editor.formatOnPaste": true
}
フォーマッタの選び方と設定
言語別のフォーマッタを使う
VS Codeは複数のフォーマッタをサポートしています。主要な言語とおすすめフォーマッタをご紹介します。
Python
- Prettier:最も人気のあるフォーマッタ
- ESLint:コードの品質もチェック
拡張機能をインストール後、settings.jsonで設定:
{
"[javascript]": {
"editor.defaultFormatter": "esbenp.prettier-vscode"
}
}
Python
- Black:Pythonコミュニティで人気
- autopep8:PEP8に準拠
設定例:
{
"[python]": {
"editor.defaultFormatter": "ms-python.black-formatter"
}
}
Go
- gofmt:Go標準のフォーマッタ
- goimports:importも自動整理
HTML/CSS
- Prettier:Web開発に最適
- Beautify:軽量でシンプル
複数のフォーマッタがある場合
同じ言語で複数のフォーマッタがインストールされている場合、デフォルトを指定できます:
Ctrl + Shift + P
でコマンドパレットを開く- 「Format Document With…」と入力
- 使いたいフォーマッタを選択
- 「Configure Default Formatter」で常に使用するものを設定
実践的な設定例

プロジェクトごとの設定
プロジェクトフォルダに .vscode/settings.json
を作成すると、そのプロジェクト専用の設定ができます:
{
"editor.formatOnSave": true,
"editor.tabSize": 2,
"[javascript]": {
"editor.defaultFormatter": "esbenp.prettier-vscode"
},
"[python]": {
"editor.defaultFormatter": "ms-python.black-formatter"
}
}
Prettierの設定をカスタマイズ
プロジェクトルートに .prettierrc
ファイルを作成:
{
"semi": false,
"singleQuote": true,
"tabWidth": 2,
"trailingComma": "es5"
}
EditorConfigとの連携
.editorconfig
ファイルでプロジェクト全体のスタイルを統一:
root = true
[*]
charset = utf-8
indent_style = space
indent_size = 2
end_of_line = lf
insert_final_newline = true
trim_trailing_whitespace = true
よくあるトラブルと対処法
フォーマットが効かない場合
原因1:フォーマッタがインストールされていない
- 使いたい言語のフォーマッタ拡張機能をインストール
- 拡張機能が有効になっているか確認
原因2:デフォルトフォーマッタが設定されていない
settings.json
でフォーマッタを指定- コマンドパレットで「Format Document With…」を実行
原因3:シンタックスエラーがある
- コードにエラーがあると整形されない場合があります
- エラーを修正してから再試行
保存時に整形されない場合
"editor.formatOnSave": true
が設定されているか確認- 拡張機能の競合やエラーがないかチェック
- VS Codeを再起動してみる
整形が思った通りにならない場合
インデントの設定を確認
{
"editor.tabSize": 4,
"editor.insertSpaces": true
}
言語固有の設定を追加
{
"[python]": {
"editor.tabSize": 4
},
"[javascript]": {
"editor.tabSize": 2
}
}
便利な追加機能
コード整形のステータス表示
ステータスバーにフォーマッタの情報を表示:
{
"editor.formatOnSaveMode": "modifications"
}
特定のファイルを整形から除外
.prettierignore
ファイルで除外設定:
node_modules/
dist/
*.min.js
組織やチームでの設定共有
- プロジェクトに
.vscode/settings.json
を含める .editorconfig
や.prettierrc
をバージョン管理に含める- READMEに設定手順を記載
まとめ
VS Codeでコード整形は:
- ✅
Shift + Alt + F
(Mac:Shift + Option + F
)で即時整形 - ✅
editor.formatOnSave
をtrue
にすれば保存時に自動整形 - ✅ 言語に合ったフォーマッタをインストール&設定で快適に
- ✅ プロジェクトごとの設定でチーム開発も統一
これだけで、読みやすくて美しいコードが簡単に書けます。
コード整形を活用することで、開発効率が大幅に向上し、チーム開発でのコードレビューもスムーズになります。ぜひ試してみてください!
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