古事記・日本書紀に登場する「神世七代」とは?わかりやすく解説

神話・歴史・伝承

「神世七代(かみのよななよ)」という言葉を聞いたことがありますか?

これは日本最古の歴史書といわれる『古事記』や『日本書紀』に登場する、天地創造の神々を指す言葉です。

でも、

  • 「神様の名前が難しくて覚えられない」
  • 「どんな順番で現れたのかよくわからない」
  • 「古事記と日本書紀で違いがあるって聞いたけど本当?」
  • 「現代の私たちにどんな関係があるの?」

そんな疑問を持つ人も多いのではないでしょうか。

この記事では、日本神話の根幹をなす「神世七代」について、初心者の方にもわかりやすく、神様の名前から現代への影響まで詳しく解説します。

読み終わる頃には、神社参拝や日本文化への理解がもっと深まるはずです。

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神世七代とは何か?

言葉の意味を詳しく解説

神世(かみのよ)とは、神々が直接世界を治めていた神話時代のことを指します。人間が登場する前の、神様だけの世界です。

七代(ななよ)の「代」は世代を表し、七つの世代にわたって神々が現れたことを意味します。

つまり「神世七代」とは、日本神話において最初に現れた七代にわたる神様たちを指す言葉なのです。

神世七代の位置づけ

日本神話の流れを簡単に示すと以下のようになります:

  1. 天地開闢(てんちかいびゃく):宇宙と大地の誕生
  2. 神世七代の出現:世界を整える神々の登場 ← ここ!
  3. 国生み神話:イザナギ・イザナミによる日本列島の創造
  4. 神生み神話:さまざまな神々の誕生
  5. 天孫降臨:天の神が地上に降りてくる
  6. 神武天皇:初代天皇の即位

神世七代は、混沌とした世界から秩序ある世界への橋渡しをする重要な存在なのです。

古事記と日本書紀での記述

古事記での記述

『古事記』では、天地が初めて分かれたときに現れた最初の三神(造化三神)の後に、神世七代が次々と現れます。

日本書紀での記述

『日本書紀』にも似た記述がありますが、神の順序や数に違いがあります。これは編纂時期や参考にした資料が異なるためです。

神世七代の神々を詳しく紹介

最初の二代:独神(ひとりがみ)

最初の二代は男女のペアではなく、単独で現れた特別な神様です。

第一代:国之常立神(くにのとこたちのかみ)

名前の意味

  • 国之常立:「国が永遠に立ち続ける」という意味
  • 立(たち):確固とした基盤、安定を表す

役割と性格

  • 国土の永続的な基盤を司る神
  • 日本という国の根本的な存在基盤を表す
  • 見えない力で国を支え続ける存在

現代との関わり

  • 一部の神社では国土安泰の神として祀られている
  • 日本の永続性を願う信仰の対象

第二代:豊雲野神(とよくもののかみ)

名前の意味

  • 豊(とよ):豊かさ、充実を表す
  • 雲野(くもの):雲に覆われた野原、空と大地の間

役割と性格

  • 大地の豊穣と天候を司る神
  • 雲や雨など天の恵みを象徴
  • 農業や自然の豊かさの源

現代との関わり

  • 農業関係の神社で豊作祈願の対象
  • 自然の恵みに感謝する信仰

三代目から七代目:男女ペアの神々

第三代からは男女ペアで現れ、「神世の二神一組五代」と呼ばれることもあります。

第三代:宇比地邇神・須比智邇神

男神:宇比地邇神(うひぢにのかみ)

  • 名前の意味:「泥(ひぢ)」は土を表し、大地の形成を司る
  • 役割:大地の基盤作り、土壌の神

女神:須比智邇神(すひぢにのかみ)

  • 名前の意味:「砂(すひぢ)」は細かい土を表し、大地の細部形成
  • 役割:土の質を整える、肥沃な土壌の創造

ペアとしての意味: 大地の基本的な構造(粗い土から細かい土まで)を整える神々のペア

第四代:角杙神・活杙神

男神:角杙神(つのぐいのかみ)

  • 名前の意味:「角杙(つのぐい)」は先の尖った杭
  • 役割:土地の境界を定める、区画の神

女神:活杙神(いくぐいのかみ)

  • 名前の意味:「活杙(いくぐい)」は生命力ある杭
  • 役割:境界内での生命活動を司る

ペアとしての意味: 土地に境界を作り、その中で生命が活動できる環境を整える

第五代:意富斗能地神・大斗乃弁神

  • 男神:意富斗能地神(おほとのぢのかみ)
  • 女神:大斗乃弁神(おほとのべのかみ)

第六代:淤母陀琉神・阿夜訶志古泥神

男神:淤母陀琉神(おもだるのかみ)

  • 名前の意味:「面足(おもたる)」は顔や外見が整うこと
  • 役割:外観の美しさ、完成度を司る

女神:阿夜訶志古泥神(あやかしこねのかみ)

  • 名前の意味:「阿夜訶志古」は美しく畏れ多い存在

第七代:伊邪那岐神・伊邪那美神

男神:伊邪那岐神(いざなぎのかみ)

  • 名前の意味:「誘い招く男」

女神:伊邪那美神(いざなみのかみ)

  • 名前の意味:「誘い招く女」

特別な位置づけ: この二神だけが具体的な創造活動(国生み・神生み)を行う、実行者としての神々

現代への影響と文化的意義

神社信仰との関わり

神世七代を祀る主な神社

国之常立神を祀る神社

  • 椿大神社(三重県):日本最古の神社とされる
  • 雄山神社(富山県):立山信仰の中心地

豊雲野神を祀る神社

  • 貴船神社(京都府):水と雨の神として
  • 丹生川上神社(奈良県):天候祈願の神として

イザナギ・イザナミを祀る神社

  • 伊弉諾神宮(兵庫県):イザナギを祀る元宮
  • 熊野大社(島根県):イザナミの御陵がある

まとめ

重要なポイントの整理

  1. 独神2柱:国之常立神、豊雲野神
  2. ペア神5組:宇比地邇・須比智邇神から伊邪那岐・伊邪那美神まで

神世七代は、天地開闢の後、生まれた7世代の神様たちのことを指す言葉。

ほとんどの神世七代の神は神話で活躍しないが、イザナギとイザナミは国と神を産んだ有名な存在。

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