この記事では、Android端末のリカバリーモードから通常起動に戻る方法を詳しく解説します。
誤ってリカバリーモードに入ってしまった場合や、システム修復作業後に正常起動したい場合の対処法をマスターしましょう。
リカバリーモードとは

リカバリーモードは、Android端末のシステム修復やメンテナンス用の特別な起動モードです。
通常のAndroid OSとは別に動作する独立したシステムです。
リカバリーモードの目的
システムの修復
- 起動しないAndroid端末の復旧
- システムファイルの修復
- ブートループの解決
データ管理
- 工場出荷時設定へのリセット
- キャッシュデータのクリア
- システムアップデートの適用
高度なメンテナンス
- カスタムROMのインストール
- root権限での操作
- システムパーティションの管理
リカバリーモードの特徴
特殊な操作環境
- タッチ操作ではなく物理ボタンでの操作
- 最小限のグラフィックインターフェース
- 英語表示が多い
制限された機能
- 通常のアプリは使用不可
- ネットワーク機能は制限される
- 基本的なシステム操作のみ
基本的なリカバリーモード解除方法

方法1:メニューから正常起動を選択
最も一般的で安全な解除方法です。
操作手順
- リカバリーモード画面を確認
- 「Android Recovery」などの文字が表示
- 英語のメニューが表示されている
- 「Reboot system now」を探す
- 音量ボタン(上下)でメニューを移動
- 「Reboot system now」または「Restart」を見つける
- 項目を選択
- 電源ボタンを押して実行
- または画面の指示に従って選択
- 通常起動の開始
- Android端末が再起動される
- 通常のAndroid画面が表示される
表示される可能性のあるメニュー項目
- Reboot system now:通常起動
- Apply update from ADB:ADB経由でのアップデート
- Wipe data/factory reset:工場出荷時リセット
- Wipe cache partition:キャッシュクリア
- Mount /system:システムパーティションのマウント
方法2:強制再起動による解除
メニューが操作できない場合や、画面が反応しない場合に使用します。
操作手順
- 電源ボタンを長押し
- 10秒から15秒間、電源ボタンを押し続ける
- 画面が真っ暗になるまで押し続ける
- 完全に電源が切れるまで待つ
- バイブレーションが止まることを確認
- LEDライトが消灯することを確認
- 通常の方法で電源を入れる
- 電源ボタンを3秒程度押す
- メーカーロゴが表示されるまで待つ
- 正常起動の確認
- Androidの起動画面が表示される
- ホーム画面まで正常に起動する
方法3:バッテリー取り外し(対応機種のみ)
古い機種でバッテリーが取り外し可能な場合の方法です。
操作手順
- 端末の電源状態を確認
- リカバリーモード画面が表示されている状態
- バッテリーカバーを外す
- 端末裏面のカバーを慎重に外す
- 爪や専用工具を使用
- バッテリーを取り外す
- バッテリーを持ち上げて取り外す
- 30秒程度そのまま待機
- バッテリーを再装着
- バッテリーを正しい向きで装着
- カバーを元に戻す
- 電源を入れる
- 電源ボタンで通常起動
- 正常に起動することを確認
注意点
- 最近の機種はバッテリー内蔵型が多い
- 無理な分解は故障の原因となる
- 保証対象外になる可能性がある
メーカー別の解除方法

Samsung(Galaxy)
標準的な解除方法
- 音量上ボタンで「Reboot system now」を選択
- 電源ボタンで実行
特殊なケース
- Download Modeに入った場合は音量下ボタンで解除
- Odin Modeの場合は音量下ボタン長押し
Sony(Xperia)
解除手順
- 音量上下ボタンで「Reboot system now」を選択
- 電源ボタンで実行
Xperia特有の注意点
- Flash Mode(緑色のLED)の場合は電源ボタン長押し
- Fastboot Modeの場合は音量上ボタン
Huawei
EMUI Recovery
- 「Reboot system now」を選択
- 電源ボタンで実行
eRecovery Mode
- **「Normal startup」**を選択
- タッチ操作が可能な場合もある
Xiaomi(MIUI)
Mi Recovery
- 「Reboot」または「Reboot to system」を選択
- 電源ボタンで実行
Fastboot Mode
- 音量下ボタン長押しまたは電源ボタン長押し
トラブルシューティング
よくある問題と解決方法
画面が真っ暗でボタンが反応しない
原因:システムの完全フリーズ 解決方法:
- 電源ボタンを20秒以上長押し
- 充電ケーブルを接続して30分待機
- 再度電源ボタンで起動
リカバリーモードが繰り返し起動する
原因:音量ボタンの物理的な故障 解決方法:
- 音量ボタンが押されっぱなしでないか確認
- ボタン周辺の汚れや異物を除去
- 修理サービスへの相談
「No command」画面が表示される
原因:標準リカバリーモードの初期画面 解決方法:
- 電源ボタンを押しながら音量上ボタンを一度押す
- リカバリーメニューが表示される
- 「Reboot system now」を選択
カスタムリカバリーからの解除
TWRP(Team Win Recovery Project)
- 「Reboot」をタップ
- 「System」をタップ
CWM(ClockworkMod Recovery)
- 「reboot system now」を選択
- 電源ボタンで実行
解除できない場合の対処法
セーフモードでの起動
- 電源ボタンで起動
- 起動中に音量下ボタンを長押し
- セーフモードで起動
PCとの接続による回復
- ADBツールを使用
adb reboot
コマンドを実行- メーカー公式ツールの使用
専門業者への相談
- 修理サービスセンター
- 携帯電話ショップ
- 専門修理業者
リカバリーモードの誤起動防止

誤起動の原因
ボタンの同時押し
- 電源 + 音量上ボタン
- 電源 + 音量下ボタン
- 3つのボタン同時押し
ケースやアクセサリーの影響
- 保護ケースによるボタンの誤作動
- ストラップや装飾品の干渉
- ワイヤレス充電器での圧迫
予防方法
正しい電源操作
- 電源ボタンのみを使用
- 他のボタンを同時に押さない
- 適切な時間(2-3秒)だけ押す
ケースの確認
- ボタン部分の確認
- 適切なサイズのケース使用
- 定期的なケースの清掃
操作時の注意
- 慌てずにゆっくりとした操作
- ボタンの位置を確認してから押す
- 片手ではなく両手での操作
リカバリーモード使用時の注意点
データ保護
重要データのバックアップ
- 工場出荷時リセット前の必須作業
- クラウドサービスの活用
- 外部ストレージへの保存
操作前の確認
- 実行する操作の内容を理解
- 取り消しできない操作への注意
- 不明な項目は選択しない
セキュリティ
正規のリカバリーモード使用
- メーカー純正のリカバリーを使用
- 怪しいカスタムリカバリーは避ける
- root化による影響を理解
個人情報の保護
- 修理前のデータ消去
- アカウント情報の保護
- 端末の初期化確認
よくある質問

リカバリーモードから抜け出せない場合はどうすればよいですか?
段階的な対処法:
- メニューから「Reboot system now」を選択
- 電源ボタン長押しで強制再起動
- バッテリー取り外し(対応機種のみ)
- 専門業者への相談
リカバリーモードに入ると保存データは消えますか?
基本的には消えません。リカバリーモードに入っただけではデータは削除されません。ただし、工場出荷時リセットを実行すると全データが消去されるので注意が必要です。
頻繁にリカバリーモードになる場合の原因は?
考えられる原因:
- ボタンの物理的故障:音量ボタンの不具合
- システムの問題:OSの破損
- ハードウェア障害:内部回路の異常
- 保護ケースの影響:不適切なケース
カスタムリカバリーと標準リカバリーの違いは?
標準リカバリー:
- メーカーが提供する公式版
- 基本的な機能のみ
- 安全性が高い
カスタムリカバリー:
- サードパーティ製
- 豊富な機能
- root権限が必要な場合が多い
まとめ
Androidのリカバリーモード解除は、適切な手順を踏めば安全に実行できます。
重要なポイント
- 基本は「Reboot system now」選択:最も安全で確実な方法
- 強制再起動は最終手段:電源ボタン長押しで解決
- 誤起動の防止:正しいボタン操作を心がける
- データ保護:重要な操作前はバックアップ必須
解除方法の優先順位
方法 | 安全性 | 成功率 | 推奨度 |
---|---|---|---|
メニュー選択 | 高 | 高 | 最優先 |
強制再起動 | 中 | 高 | 次点 |
バッテリー取り外し | 中 | 中 | 対応機種のみ |
専門業者相談 | 高 | 高 | 最終手段 |
コメント