この記事では、Microsoft Word(ワード)での箇条書きの作成方法を、基本操作から高度なカスタマイズまで詳しく解説します。
読みやすい文書作成に欠かせない箇条書き機能を完全マスターしましょう。
箇条書きとは

箇条書きは、情報を整理して見やすく表示するための文書作成テクニックです。
項目を記号や番号で区切ることで、読み手が内容を理解しやすくなります。
箇条書きが効果的な場面
- 手順や作業の説明(レシピ、マニュアルなど)
- 複数の項目を列挙(特徴、メリット、注意点など)
- 会議の議事録や要点整理
- プレゼンテーション資料
- レポートや論文の要約
箇条書きの種類
記号による箇条書き(順序なしリスト)
- 丸(●)、四角(■)、矢印(→)など
- 項目の順序に意味がない場合に使用
番号による箇条書き(順序ありリスト)
- 数字(1, 2, 3…)、アルファベット(A, B, C…)など
- 手順や優先順位がある場合に使用
基本的な箇条書きの作成方法

方法1:既存の文章を箇条書きに変換
- 箇条書きにしたい文章を選択
- マウスでドラッグして複数行を選択
- 各行が箇条書きの1つの項目になる
- 「ホーム」タブを開く
- Wordの上部メニューバーで「ホーム」をクリック
- 箇条書きボタンをクリック
- 「段落」グループにある●と横線のマークのボタンをクリック
- 選択した文章が自動的に箇条書きに変換される
方法2:新規で箇条書きを作成
- 箇条書きを開始したい位置にカーソルを配置
- 箇条書きボタンをクリック
- 「ホーム」タブの「●」ボタンをクリック
- 最初の項目のマークが表示される
- 内容を入力
- 1つ目の項目を入力してEnterキーを押す
- 2つ目の項目のマークが自動で表示される
- 箇条書きを終了
- 空の項目でEnterキーを2回押す
- または箇条書きボタンを再度クリック
操作のコツ
効率的な入力方法
- 項目をすべて入力してから一括で箇条書きに変換
- 長い項目は入力中に自動で折り返される
自動認識機能の活用
- 行頭に「*」や「-」を入力してスペース+文字を入力
- Wordが自動的に箇条書きとして認識
箇条書きのスタイル変更

記号の種類を変更する方法
- 箇条書きを選択
- 変更したい箇条書き全体を選択
- 箇条書きボタンの矢印をクリック
- 「●」ボタンの右側にある小さな下向き矢印をクリック
- スタイルを選択
- 表示されるライブラリから好みのスタイルを選択
よく使われる記号の種類
基本的な記号
- ●(黒丸):最も一般的
- ○(白丸):やわらかい印象
- ■(黒四角):しっかりした印象
- □(白四角):チェックリスト風
特殊な記号
- ►(右向き三角):強調したい場合
- ♦(ダイヤ):上品な印象
- ✓(チェックマーク):完了項目の表示
カスタム記号の設定
- 「新しい箇条書きの定義」を選択
- 箇条書きライブラリの下部にある「新しい箇条書きの定義」をクリック
- 記号を選択
- 「記号」ボタンをクリック
- フォント一覧から好みの記号を選択
- 設定を確認
- プレビューで確認して「OK」をクリック
番号付きリストの作成
基本的な番号付きリスト
- 文章を選択または新規作成位置を指定
- 番号付きリストボタンをクリック
- 「ホーム」タブの「1. 2. 3.」のようなボタンをクリック
- 自動的に番号が付与される
- 1番から順番に自動で番号が設定される
番号の種類を変更
数字の種類
- 1, 2, 3…(アラビア数字)
- Ⅰ, Ⅱ, Ⅲ…(ローマ数字大文字)
- ⅰ, ⅱ, ⅲ…(ローマ数字小文字)
- ①, ②, ③…(丸付き数字)
アルファベット
- A, B, C…(大文字)
- a, b, c…(小文字)
設定方法
- 番号付きリストボタンの矢印をクリック
- ライブラリから好みのスタイルを選択
番号の開始値を変更
- リストを右クリック
- 番号を変更したいリストを右クリック
- 「リストの再開」または「番号の設定」を選択
- 開始番号を指定
- 「開始番号」欄に希望する数字を入力
階層リスト(インデント)の作成
基本的な階層リストの作り方
- 主項目を作成
- 通常の箇条書きを作成
- 副項目を作成
- 副項目にしたい行にカーソルを置く
- Tabキーを押して一段階インデント
- 階層を戻す
- Shift + Tabキーで一段階外側に戻す
多段階の階層リスト
3段階以上の階層
- Tabキーを複数回押すことで、さらに深い階層を作成
- 各階層で異なる記号や番号スタイルが自動適用
階層ごとのスタイル例
● 第1階層(大項目)
○ 第2階層(中項目)
■ 第3階層(小項目)
♦ 第4階層(詳細項目)
階層リストの調整
インデント幅の調整
- リストを選択
- 「ホーム」タブの「インデントを増やす」「インデントを減らす」ボタンを使用
- またはルーラーのインデントマーカーをドラッグ
階層ごとの記号変更
- 変更したい階層の項目を選択
- 箇条書きボタンの矢印から新しいスタイルを選択
高度なカスタマイズ
箇条書きの詳細設定
- 「新しい箇条書きの定義」を開く
- 箇条書きライブラリ下部の「新しい箇条書きの定義」をクリック
- 記号の詳細設定
- フォント:記号のフォントとサイズを設定
- 色:記号の色を変更
- 配置:記号の位置調整
- インデントの設定
- 記号の位置:記号の配置位置
- テキストのインデント:文字の開始位置
- タブ位置:タブで移動する位置
番号リストの詳細設定
- 「新しい番号書式の定義」を開く
- 番号付きリストライブラリ下部から選択
- 番号書式の設定
- 番号スタイル:数字、アルファベット、ローマ数字など
- 番号書式:番号の前後に文字を追加(例:「第1章」「1)」など)
- 開始番号:開始する番号を指定
- 位置とインデントの調整
- 番号の位置とテキストの開始位置を細かく調整
画像を記号として使用
- 「図から」を選択
- 「新しい箇条書きの定義」画面で「図から」ボタンをクリック
- 画像を選択
- パソコン内の画像ファイルまたはオンライン画像を選択
- サイズを調整
- 画像のサイズを文字に合わせて調整
特殊な箇条書きテクニック
チェックボックス付きリスト
方法1:記号を使用
- 「新しい箇条書きの定義」を開く
- 「記号」からチェックボックス(☐)を選択
方法2:開発者タブを使用
- 「開発者」タブを有効にする
- 「チェックボックスコンテンツコントロール」を挿入
段落番号との組み合わせ
- アウトライン番号を設定
- 「ホーム」タブの「多段ります」から「リストライブラリ」を選択
- 見出しと組み合わせ
- 見出しスタイルと連動した自動番号設定
表内での箇条書き
- 表のセル内にカーソルを配置
- 通常の箇条書き作成手順を実行
- セル幅に合わせて自動調整される
よくあるトラブルと解決方法
箇条書きの番号がずれる
原因:インデント設定の問題 解決方法:
- リスト全体を選択
- 「ホーム」→「段落」→「インデントと行間隔」タブ
- インデント値を統一して調整
箇条書きが自動で継続されない
原因:自動設定がオフになっている 解決方法:
- 「ファイル」→「オプション」→「文章校正」
- 「オートコレクトのオプション」をクリック
- 「入力オートフォーマット」タブで箇条書き関連の設定を確認
記号と文字の間隔が合わない
原因:タブ位置の設定問題 解決方法:
- 「新しい箇条書きの定義」を開く
- 「タブ位置」と「テキストのインデント」を調整
- プレビューで確認しながら微調整
階層リストの記号が変わらない
原因:スタイルの自動変更設定 解決方法:
- 各階層を個別に選択
- 箇条書きライブラリから適切なスタイルを選択
- 「リストライブラリ」で一括設定も可能
効果的な箇条書きの書き方
文章構成のコツ
統一感のある表現
- 各項目の文体を統一(「である調」または「です・ます調」)
- 項目の長さをある程度揃える
- 同じ視点で書く(主語を統一)
適切な粒度
- 1つの項目に複数の内容を詰め込まない
- 細かすぎず、大雑把すぎない適度な分割
- 読み手の理解しやすさを重視
視覚的な見やすさ
適切な行間設定
- 項目間に適度な空白を設ける
- 「段落」設定で「段落後」に間隔を追加
フォントの統一
- 記号と文字のバランスを考慮
- 強調したい項目は太字やカラーを活用
よくある質問
箇条書きの記号だけ色を変えることはできますか?
はい、可能です:
- 「新しい箇条書きの定義」を開く
- 「フォント」ボタンをクリック
- 記号の色を変更 文字の色は別途「ホーム」タブで変更してください。
途中から番号を変更したい場合は?
以下の方法があります:
- 番号を変更したい項目を右クリック
- 「番号の設定」を選択
- 「開始番号」に希望する数字を入力
箇条書きを普通の文章に戻したい場合は?
- 箇条書き全体を選択
- 箇条書きボタンを再度クリック
- または「なし」スタイルを選択
異なる種類の箇条書きを同じ文書で使いたい場合は?
各箇条書きブロックを個別に選択して、それぞれ異なるスタイルを適用してください。Wordは各ブロックを独立して管理します。
まとめ
Wordでの箇条書き作成は、基本操作を理解すれば簡単ですが、カスタマイズによってより効果的に活用できます。
重要なポイント
- 基本操作:「ホーム」タブの箇条書きボタンで簡単作成
- スタイル変更:記号や番号の種類を目的に応じて選択
- 階層化:TabキーとShift+Tabで効率的に階層管理
- カスタマイズ:詳細設定で見た目を細かく調整
用途別の使い分け
用途 | 推奨スタイル | ポイント |
---|---|---|
手順書 | 番号付きリスト | 順序が重要 |
特徴リスト | 記号リスト | 順序は無関係 |
階層構造 | 多段階リスト | 情報の整理 |
チェックリスト | チェックボックス | 完了状況の管理 |
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