【初心者向け】XMLのタグ一覧と基本ルール|自分でタグを定義できる理由も解説

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「XMLのタグってどんな種類があるの?」
「HTMLみたいに決まったタグの一覧が欲しい!」

こんな疑問を持つ方は多いかもしれません。

実は、XMLはHTMLとは違ってタグの種類があらかじめ決まっていないのが大きな特徴です。

この記事では、XMLのタグに関する基本的な考え方と、よくあるタグ例を一覧形式で紹介しつつ、どうやってタグを決めるのかを初心者の方にもわかりやすく解説します。

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XMLのタグは「自分で作る」のが基本

HTMLとの違い

HTMLでは <h1><p><table> など、使えるタグが最初から決まっています。

一方、XMLはデータの内容に合わせて自分で自由にタグ名を決めるマークアップ言語です。これが、XMLとHTMLの最も大きな違いの一つといえるでしょう。

具体例で見るXMLの柔軟性

書籍情報なら

<book>
    <title>XML入門</title>
    <author>やまだたろう</author>
    <price>1500</price>
    <publisher>サンプル出版</publisher>
</book>

注文情報なら

<order>
    <customer>やまだはなこ</customer>
    <item>りんご</item>
    <item>みかん</item>
    <total>800</total>
</order>

このように、目的に応じてタグを自由に設計できることが、XMLの大きなメリットです。

よく使われるXMLタグの例一覧

「一覧」といっても、これはよく使われる一例です。XMLには公式のタグリストはなく、用途に合わせてタグを設計します。

用途別タグ例

用途よく使われるタグ例
書籍情報<book>, <title>, <author>, <price>, <isbn>
顧客情報<customer>, <name>, <address>, <phone>, <email>
注文情報<order>, <item>, <quantity>, <total>, <date>
商品カタログ<product>, <id>, <name>, <price>, <description>
設定ファイル<config>, <property>, <value>, <setting>

実際の業界で使われるタグ例

ECサイトの商品データ

<products>
    <product>
        <id>001</id>
        <name>スマートフォン</name>
        <price>89800</price>
        <category>電子機器</category>
        <stock>25</stock>
    </product>
</products>

社員管理システム

<employees>
    <employee>
        <id>E001</id>
        <name>さとうたろう</name>
        <department>開発部</department>
        <position>エンジニア</position>
    </employee>
</employees>

XMLタグの書き方ルール

タグは自由に決められますが、いくつか守るべき大事なルールがあります。

開始タグと終了タグは必須

<price>1500</price>

XMLでは、HTMLと違って必ず閉じタグ </price> を書く必要があります。これを忘れると、XMLファイルがエラーになってしまいます。

空要素の書き方

内容がない要素は、以下のように書くことができます:

<empty-element />

または

<empty-element></empty-element>

タグは入れ子(ネスト)可能

<order>
    <customer>やまだはなこ</customer>
    <items>
        <item>りんご</item>
        <item>みかん</item>
    </items>
    <shipping>
        <address>東京都渋谷区</address>
        <method>宅配便</method>
    </shipping>
</order>

このように、親子関係を作ってデータの構造を表現します。入れ子構造により、複雑なデータも整理して表現できます。

属性(アトリビュート)で追加情報を持たせられる

<book category="小説" language="日本語">
    <title>こころ</title>
    <author>夏目漱石</author>
</book>

属性はタグの中に 属性名="値" で書きます。属性を使うことで、そのタグに関する補足情報を効率的に記録できます。

属性と要素の使い分け

属性は短い情報、要素は長い情報や複雑な構造を持つ情報に使うのが一般的です。

<!-- 属性として記録 -->
<product id="001" status="available">
    <!-- 要素として記録 -->
    <description>高性能で使いやすいスマートフォンです。カメラ機能が特に優秀で...</description>
</product>

XMLのタグをどうやって決めればいい?

基本的な考え方

基本は「そのデータを一番自然に説明する単語をタグ名にする」ことです。

  • 顧客データ → <customer>
  • 金額 → <price>
  • 注文一覧 → <orders>
  • 商品説明 → <description>

タグ名の付け方のコツ

分かりやすい名前をつける

<!-- 良い例 -->
<customer-name>やまだたろう</customer-name>

<!-- 悪い例 -->
<cn>やまだたろう</cn>

一貫性を保つ

同じXMLファイルの中では、命名規則を統一しましょう。

<!-- 良い例:ハイフンで統一 -->
<customer-info>
    <full-name>やまだたろう</full-name>
    <phone-number>090-1234-5678</phone-number>
</customer-info>

<!-- 良い例:キャメルケースで統一 -->
<customerInfo>
    <fullName>やまだたろう</fullName>
    <phoneNumber>090-1234-5678</phoneNumber>
</customerInfo>

システム間でのデータ共有

システム間でデータをやり取りする場合は、XMLスキーマ(XSD)やDTD(Document Type Definition)を使ってタグ名や構造をあらかじめ取り決めます。

これにより、どちらのシステムも同じルールでXMLデータを処理できるようになります。

XMLでよく使われる特殊なタグ

XMLの宣言

<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>

XMLファイルの最初に書く宣言文です。XMLのバージョンと文字コードを指定します。

ルート要素

<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
<catalog>
    <book>...</book>
    <book>...</book>
</catalog>

XMLでは、すべての内容を包む一つの大きなタグ(ルート要素)が必要です。

コメント

<!-- これはコメントです -->
<product>
    <name>商品名</name>
    <!-- 価格は税込み表示 -->
    <price>1000</price>
</product>

HTMLと同じように、<!-- -->でコメントを書けます。

XMLタグを学ぶ次のステップ

XML Schema(XSD)を学ぶ

より本格的にXMLを使いたい場合は、XML Schemaを学ぶことをおすすめします。タグの構造やデータ型を厳密に定義できるようになります。

実際のXMLファイルを読んでみる

Web API のレスポンスや設定ファイルなど、身近なXMLファイルを見つけて読んでみましょう。実際の使用例を見ることで、理解が深まります。

プログラミング言語でXMLを操作する

PythonやJavaなどのプログラミング言語を使って、XMLファイルを読み書きする方法を学んでみましょう。

まとめ

今回は「XMLのタグ一覧」というテーマで、以下の内容を解説しました:

  • XMLにはHTMLのような決まったタグ一覧はなく、自分でタグを設計する
  • よく使われるタグ例を用途別に紹介
  • 開始タグ・終了タグ・入れ子構造などの基本ルール
  • タグ名の付け方のコツと注意点

XMLは柔軟だからこそ、自分で設計する責任も大きいです。しかし、基本ルールを理解すれば、データの構造を自由に表現できる強力なツールになります。

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