「Markdown(マークダウン)でテキストを書いているときに、重要な部分を蛍光ペンのように目立たせたい!」
そう思ったことはありませんか?
Markdownはシンプルな記法で文章を整えるのに便利ですが、実は標準では蛍光ペン(ハイライト)機能がありません。
ですが、プラットフォームや工夫次第で簡単に目立たせる方法があります。
大学のレポートや技術文書、ブログ記事など、どんな場面でも使える実践的なテクニックを紹介します。
この記事では、Markdownでテキストをハイライト表示するテクニックを、使う場面別にわかりやすく解説します。
Markdownの基本的な装飾機能

Markdownでできる標準的な強調
まず、Markdownで標準的に使える強調方法を確認しておきましょう。
太字での強調
**これは太字で強調されます**
__これも太字になります__
イタリック(斜体)での強調
*これはイタリックで強調されます*
_これもイタリックになります_
太字とイタリックの組み合わせ
***これは太字かつイタリックです***
**_これも同じ効果です_**
打ち消し線
~~この文字は打ち消し線が引かれます~~
これらの方法の限界
これらの方法でもある程度の強調はできますが:
- 黄色い背景色のような「蛍光ペン」効果はない
- 色を変えることができない
- より目立つ装飾をしたいときには物足りない
そこで、次の章からは蛍光ペン風の表示を実現する方法を紹介します。
Markdownに蛍光ペン(ハイライト)記法はない理由

Markdownの設計思想
Markdownは「書きやすく読みやすい」ことを重視して設計されています。
そのため:
- シンプルな記法に限定されている
- 色や複雑な装飾は含まれていない
- どんな環境でも同じように表示される
標準仕様での対応状況
Markdownの標準仕様(CommonMark)には、以下のような装飾しかありません:
装飾 | 記法 | 効果 |
---|---|---|
太字 | **text** | 太字 |
イタリック | *text* | イタリック |
コード | `text` | コード表示 |
打ち消し線 | ~~text~~ | ~~打ち消し線~~ |
蛍光ペン(背景色をつける)機能は含まれていません。
ハイライト代用方法

太字やイタリックを活用する
最もシンプルで確実な方法です。
基本的な使い方
**重要なポイント**
*ちょっとした強調*
***とても重要な部分***
実際の表示例
- 重要なポイント ← 太字で目立つ
- ちょっとした強調 ← イタリックで軽く強調
- とても重要な部分 ← 太字とイタリックで最強の強調
この方法のメリット
- どんなMarkdown環境でも確実に動作する
- 見た目がシンプルで読みやすい
- 書くのが簡単
この方法のデメリット
- 背景色はつかない
- 色を変えることができない
- インパクトが限定的
疑似的な囲み記法
記号を使って目立たせる方法もあります。
ハイフンで囲む
--- 重要な情報 ---
星印で囲む
*** 注意事項 ***
括弧で囲む
【重要】この部分をよく読んでください
コードブロックを活用する
インラインコードでの強調
この部分は `重要なキーワード` です。
実際の表示:この部分は 重要なキーワード
です。
複数行のコードブロック
重要な情報をここに書く 複数行でも大丈夫
この方法は、背景色がつくので蛍光ペンに似た効果があります。
プラットフォーム別ハイライト対応状況

GitHubでのハイライト
現在の対応状況
==ハイライト==
:❌ 対応していない<mark>タグ</mark>
:❌ セキュリティ上の理由で無効化- 太字・イタリック:✅ 使用可能
GitHubで目立たせる方法
**🔥 重要なポイント**
⚠️ **注意事項**
💡 *ヒント:この方法が効果的*
絵文字と組み合わせることで、視覚的に目立たせることができます。
Qiitaでのハイライト
現在の対応状況
==ハイライト==
:❌ 対応していない<mark>タグ</mark>
:❌ 使用不可- カスタムCSS:❌ 制限されている
Qiitaで目立たせる方法
**📌 重要なポイント**
> **Note**
> 重要な情報は引用ブロックを使う
```注意
この方法で注意書きを目立たせる
### Typoraでのハイライト
#### Typoraの拡張記法
Typoraは独自の拡張記法をサポートしています。
```markdown
==この文字が黄色でハイライトされます==
Typoraでの表示
- 背景が黄色になる
- 蛍光ペンで塗ったような見た目
- リアルタイムプレビューで確認できる
その他のTypora拡張記法
==黄色ハイライト==
^^上付き文字^^
~下付き文字~
VS Codeでのハイライト
Markdown Preview Enhancedを使う
VS Codeの拡張機能「Markdown Preview Enhanced」をインストールすると:
==黄色ハイライト==
が黄色背景で表示されます。
インストール方法
- VS Codeを開く
- 拡張機能タブ(Ctrl+Shift+X)を開く
- 「Markdown Preview Enhanced」を検索
- インストールボタンをクリック
その他の対応記法
==黄色ハイライト==
^^上付き^^
~下付き~
Jupyter Notebookでのハイライト
標準でサポート
Jupyter Notebookでは標準で以下の記法が使えます:
==黄色ハイライト==
実際の使用例
データ分析の結果、==売上が30%向上==することがわかりました。
==重要な発見==:
- 顧客満足度と売上に強い相関
- リピート率が ==85%== に達成
HTMLタグを直接使う方法
markタグの使用
多くのMarkdownパーサーではHTMLタグが使えます:
これは <mark>蛍光ペンで強調</mark> した文章です。
色をカスタマイズする
<mark style="background-color: yellow;">黄色ハイライト</mark>
<mark style="background-color: #ffcccc;">ピンクハイライト</mark>
<mark style="background-color: #ccffcc;">緑ハイライト</mark>
spanタグを使った方法
<span style="background-color: yellow;">黄色背景</span>
<span style="color: red; font-weight: bold;">赤字太字</span>
対応表まとめ
環境 | ==記法== | <mark> | 太字 | 絵文字 |
---|---|---|---|---|
GitHub | ❌ | ❌ | ✅ | ✅ |
Qiita | ❌ | ❌ | ✅ | ✅ |
Typora | ✅ | ✅ | ✅ | ✅ |
VS Code(拡張あり) | ✅ | ✅ | ✅ | ✅ |
Jupyter Notebook | ✅ | ✅ | ✅ | ✅ |
自前ブログ | △ | ✅ | ✅ | ✅ |
Notion | ❌ | ❌ | ✅ | ✅ |
Discord | ❌ | ❌ | ✅ | ✅ |
場面別おすすめテクニック

技術文書での使い方
コードの重要部分を強調
この関数の **戻り値** に注意してください:
```python
def calculate_total(items):
# ここが重要なポイント
return sum(item.price for item in items)
注意:None
チェックを忘れずに行ってください。
#### エラーメッセージの強調
```markdown
⚠️ **エラーが発生した場合**
以下のエラーメッセージが表示されることがあります:
TypeError: unsupported operand type(s)
この場合は **データ型を確認** してください。
学習ノートでの使い方
重要な概念の強調
## プログラミングの基本概念
### 変数とは?
**変数**とは、データを入れておく「箱」のようなものです。
💡 **ポイント**:
- 変数には **名前** をつける
- 同じ名前の変数は **上書き** される
- **型** を意識して使う
まとめ部分の強調
## 今日の学習まとめ
📝 **学んだこと**:
1. **関数の基本的な書き方**
2. **引数と戻り値の関係**
3. **エラーハンドリングの重要性**
🔥 **明日やること**:
- **実際にコードを書いて練習**
- **エラーを意図的に発生させて対処方法を学ぶ**
ブログ記事での使い方
読者の注意を引く
## 今回の記事でわかること
この記事を読むと、以下のことができるようになります:
🎯 **目標**:
- Markdownでの **文字装飾** をマスター
- **プラットフォーム別** の対応状況を理解
- **実践的なテクニック** を身につける
⏰ **読了時間**:約 **10分**
重要なポイントの強調
## 注意すべきポイント
💡 **コツ**:まずは **太字** から始めて、慣れてきたら他の方法を試す
⚠️ **注意**:環境によって表示が変わることがある
🔥 **重要**:**読みやすさ** を最優先に考える
メモやTODOでの使い方
優先度の表現
## 今日のTODO
### 🔥 高優先度
- **プレゼン資料の完成** (期限:今日中)
- **顧客への連絡** (緊急)
### ⭐ 中優先度
- **会議の議事録作成**
- **新機能の仕様検討**
### 📝 低優先度
- 参考資料の整理
- 環境の整備
進捗状況の表現
## プロジェクト進捗
### ✅ 完了
- **要件定義** (100%)
- **基本設計** (100%)
### 🚧 進行中
- **詳細設計** (70% - **今週中に完了予定**)
- **実装** (30%)
### ⏳ 未着手
- テスト
- デプロイ準備
カスタムCSSでオリジナルハイライト

自分のブログやサイトでの活用
もし自分でウェブサイトやブログを運営している場合、CSSを使って独自のハイライト機能を作ることができます。
CSSでのカスタムハイライト
/* 黄色ハイライト */
.highlight-yellow {
background-color: #ffff99;
padding: 2px 4px;
border-radius: 3px;
}
/* 青色ハイライト */
.highlight-blue {
background-color: #cceeff;
padding: 2px 4px;
border-radius: 3px;
}
/* 重要度別ハイライト */
.important {
background-color: #ffcccc;
border-left: 4px solid #ff0000;
padding: 8px;
margin: 8px 0;
}
.note {
background-color: #ccffcc;
border-left: 4px solid #00aa00;
padding: 8px;
margin: 8px 0;
}
HTMLでの使用方法
<span class="highlight-yellow">黄色でハイライト</span>
<span class="highlight-blue">青色でハイライト</span>
<div class="important">
重要な情報をここに書きます
</div>
<div class="note">
補足情報や注意事項をここに書きます
</div>
WordPressでの実装
プラグインを使う方法
- Ultimate Member:ハイライト機能付きエディタ
- TinyMCE Advanced:リッチエディタ機能を拡張
- Syntax Highlighter:コード用だが応用可能
テーマのCSS編集
/* functions.php に追加 */
.markdown-highlight {
background: linear-gradient(transparent 60%, #ffff99 60%);
font-weight: bold;
}
よくある質問と解決方法

Q1:GitHub Pagesで蛍光ペンを使いたい
回答
GitHub Pagesでは制限が多いですが、以下の方法が使えます:
<!-- 絵文字と太字の組み合わせ -->
🔥 **重要なポイント**
<!-- 引用ブロックを活用 -->
> **💡 ヒント**
>
> この方法で注目を集めることができます
<!-- コードブロックで囲む -->
⚠️ 注意:この設定を変更する前にバックアップを取ってください
Q2:Notionでハイライトを使いたい
回答
NotionではMarkdownの一部機能が制限されていますが:
**太字** や *イタリック* は使える
`コード表示` も有効
さらに、Notionの独自機能を活用:
- 背景色の変更(Notionのメニューから)
- コールアウトブロックの使用
- カラフルな文字色の設定
Q3:メールでMarkdownを使いたい
回答
メールクライアントによって対応が異なります:
Gmail:
- Markdownは直接サポートされていない
- HTMLメールとして送信する必要がある
Slack:
*イタリック*
**太字**
`コード`
これらの記法が使える
Discord:
**太字**
*イタリック*
~~打ち消し線~~
`コード`
Q4:PDF出力時にハイライトを残したい
回答
PDF出力に対応しているツール:
Typora:
==ハイライト==
がPDFでも黄色背景で出力される- CSSカスタマイズも反映される
VS Code + Markdown PDF拡張:
- HTMLタグは一部対応
- カスタムCSSを設定可能
Pandoc:
pandoc input.md -o output.pdf --highlight-style=tango
実践的な使い分けのコツ
環境に応じた使い分け
GitHub/GitLab での技術文書
## 📋 セットアップ手順
### 1. 環境準備
**必要なソフトウェア**:
- Node.js **v18以上**
- Git **v2.30以上**
⚠️ **注意**:古いバージョンでは動作しません
### 2. インストール
```bash
npm install
🔥 重要:初回は時間がかかります
#### 学習ノート(ローカル環境)
```markdown
# 今日の学習ログ
## 学んだこと
==オブジェクト指向プログラミング== について
### 重要な概念
1. ==カプセル化==:データと処理をまとめる
2. ==継承==:既存のクラスを拡張する
3. ==ポリモーフィズム==:同じ操作で異なる動作
💡 **理解のポイント**:
実世界のモノを ==クラス== として考える
ブログ記事(WordPressなど)
## まとめ
今回の記事でお伝えしたかったのは:
<mark>適切な環境に応じて使い分ける</mark>ことの大切さです。
**特に重要なのは**:
- <mark style="background-color: #ffcccc;">読者の環境を考慮する</mark>
- <mark style="background-color: #ccffcc;">シンプルな方法から始める</mark>
- <mark style="background-color: #ccccff;">継続的に改善していく</mark>
可読性を重視した使い方
過度な装飾を避ける
<!-- 悪い例:装飾しすぎ -->
**🔥重要🔥** ==ここは絶対に== ***読んでください*** ⚠️
<!-- 良い例:適度な装飾 -->
**重要**:この手順を飛ばすとエラーが発生します
一貫性を保つ
## 記事全体で統一されたルール
**重要度:高** → 太字
*重要度:中* → イタリック
`技術用語` → コード表示
🔥 **緊急** → 絵文字 + 太字
まとめ
今回は「Markdownで蛍光ペン(ハイライト)を引く方法」について詳しく解説しました。
重要なポイント
- Markdown標準には蛍光ペン機能はない
- 代替手段を活用する必要がある
- 環境に応じて使い分けることが大切
- 環境別の対応状況を理解する
- GitHub/Qiita:制限が多い
- Typora/VS Code:拡張記法が豊富
- 自前ブログ:HTML/CSSで自由度高
- 実用的なテクニックを身につける
- 太字・イタリックの効果的な使い方
- 絵文字との組み合わせ
- 引用ブロックの活用
- 読みやすさを最優先にする
- 過度な装飾は避ける
- 一貫性のあるルールを作る
- 読者の環境を考慮する
環境別おすすめ手法
環境 | おすすめ手法 | 理由 |
---|---|---|
GitHub | 絵文字 + 太字 | 確実に表示される |
Typora | ==ハイライト== | 蛍光ペン風の見た目 |
VS Code | 拡張機能 + ==記法== | 開発環境で便利 |
ブログ | HTMLタグ + CSS | カスタマイズ性が高い |
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