Windows 11エクスプローラーのギャラリーを非表示にする方法|完全削除ガイド

Windows

Windows 11の最新アップデートで、エクスプローラーの左側ナビゲーションパネルに「ギャラリー」という新しい項目が追加されました。

この機能は、写真やビデオを一覧表示する便利な機能ですが、「使わないので表示を消したい」「画面が狭くなって邪魔」と感じる人も多いでしょう。

特に、仕事でパソコンを使う人や、ファイル整理を自分の方法で行いたい人にとっては、不要な項目が表示されることでかえって作業効率が下がってしまうこともあります。

この記事では、Windows 11のエクスプローラーからギャラリーを完全に非表示にする方法を、パソコンが苦手な人でもわかるように、安全で確実な手順で詳しく解説していきます。

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ギャラリー機能とは?

ギャラリーの機能と特徴

写真とビデオの一覧表示機能

ギャラリーは、Windows 11で新しく追加された機能で、以下のような特徴があります:

  • 自動収集: ピクチャフォルダやデスクトップなどに保存された画像を自動で収集
  • 写真アプリとの連動: Windows標準の写真アプリと連携して表示
  • プレビュー機能: ファイルを開かずに画像の内容を確認可能
  • 最近の写真: 最近撮影や保存された写真を優先的に表示

どこに表示される?

ギャラリーは、エクスプローラーを開いたときの左側ナビゲーションパネルに表示されます。「ホーム」や「デスクトップ」などと同じ場所に現れるため、普段よく使う項目と混在することになります。

この機能は、写真をよく扱う人には便利ですが、ビジネス用途や整理された環境を好む人には不要に感じられることが多いです。

仕事の資料を探している最中に、関係のない写真のプレビューが表示されて気が散るといった状況が発生します。

作業前の重要な注意事項

バックアップとリスク管理

レジストリ編集のリスク

これから紹介する方法では、Windowsの「レジストリ」という重要な設定情報を変更します。

以下の点にご注意ください:

潜在的なリスク

  • 間違った操作をすると、Windowsが正常に動作しなくなる可能性
  • 他の機能に予期しない影響を与える場合がある
  • 設定を元に戻すには、正確な手順が必要

安全対策

  1. システムの復元ポイント作成: 作業前に復元ポイントを作成
  2. 手順の正確な実行: 記載された手順を正確に守る
  3. バックアップの準備: 重要なデータの事前バックアップ

システム復元ポイントの作成

手順 作業前に、念のため復元ポイントを作成しておきましょう:

  1. スタートボタンを右クリック
  2. **「システム」**をクリック
  3. **「システムの保護」**をクリック
  4. **「作成」**ボタンをクリック
  5. 復元ポイントの名前を入力(例:「ギャラリー削除前」)
  6. **「作成」**をクリックして完了を待つ

この復元ポイントがあれば、万が一問題が発生しても元の状態に戻すことができます。

何らかの問題が起きた場合、「システムの復元」機能を使ってこの時点まで戻すことが可能です。

方法1: レジストリエディターを使った手動削除

レジストリエディターの開き方

ステップ1: レジストリエディターの起動

  1. Windowsキー + Rを同時に押す
  2. 「ファイル名を指定して実行」ダイアログが開く
  3. **「regedit」**と入力
  4. **「OK」**をクリック
  5. ユーザーアカウント制御の画面が表示されたら**「はい」**をクリック

注意: 管理者権限が必要です。標準ユーザーでは実行できない場合があります。

目的のレジストリキーへの移動

ステップ2: 該当フォルダへの移動

レジストリエディターが開いたら、左側のツリー構造で以下の順番にフォルダを開いていきます:

HKEY_LOCAL_MACHINE
├── SOFTWARE
    ├── Microsoft
        ├── Windows
            ├── CurrentVersion
                ├── Explorer
                    ├── Desktop
                        ├── NameSpace
                            └── {e88865ea-0e1c-4e20-9aa6-edcd0212c87c}

詳細な移動手順:

  1. 左側で**「HKEY_LOCAL_MACHINE」**をダブルクリックして展開
  2. **「SOFTWARE」**をダブルクリックして展開
  3. **「Microsoft」**をダブルクリックして展開
  4. **「Windows」**をダブルクリックして展開
  5. **「CurrentVersion」**をダブルクリックして展開
  6. **「Explorer」**をダブルクリックして展開
  7. **「Desktop」**をダブルクリックして展開
  8. **「NameSpace」**をダブルクリックして展開

この長いパスは、Windowsがエクスプローラーの表示項目を管理している場所です。

パソコンのファイル整理と同じように、フォルダを順番に開いていく作業です。

ギャラリーキーの削除

ステップ3: 該当キーの削除

NameSpaceフォルダを展開すると、多数の項目が表示されます。この中から以下を探してください:

削除対象のキー:

{e88865ea-0e1c-4e20-9aa6-edcd0212c87c}

削除手順:

  1. 上記のキー({e88865ea-0e1c-4e20-9aa6-edcd0212c87c})を見つける
  2. そのキーを右クリック
  3. メニューから**「削除」**を選択
  4. 確認ダイアログで**「はい」**をクリック

重要: 他のキーは絶対に削除しないでください。システムに重大な影響を与える可能性があります。

変更の確認

ステップ4: 効果の確認

  1. レジストリエディターを閉じる
  2. エクスプローラーを一度閉じて再度開く
  3. 左側のナビゲーションパネルからギャラリーが消えていることを確認

うまくいかない場合:

  • パソコンを再起動してから確認
  • エクスプローラーのプロセスを再起動(タスクマネージャーから「エクスプローラー」を終了後、再起動)

レジストリの変更は即座に反映される場合もあれば、再起動が必要な場合もあります。

方法2: コマンドプロンプトによる一括削除

管理者権限でのコマンドプロンプト起動

ステップ1: 管理者コマンドプロンプトの起動

  1. スタートボタンを右クリック
  2. **「ターミナル(管理者)」または「コマンドプロンプト(管理者)」**を選択
  3. ユーザーアカウント制御で**「はい」**をクリック

Windows 10の場合:

  1. スタートメニューで**「cmd」**と検索
  2. **「コマンドプロンプト」**を右クリック
  3. **「管理者として実行」**を選択

コマンドの実行

ステップ2: 削除コマンドの実行 管理者権限のコマンドプロンプトが開いたら、以下のコマンドを正確に入力してください:

reg delete "HKLM\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Explorer\Desktop\NameSpace\{e88865ea-0e1c-4e20-9aa6-edcd0212c87c}" /f

入力時の注意点:

  • スペースや記号も含めて正確に入力
  • コピー&ペーストを使用することを推奨
  • 「/f」は強制実行のオプション(確認なしで削除)

実行方法:

  1. 上記のコマンドを入力
  2. Enterキーを押して実行
  3. 「この操作は正常に終了しました。」と表示されれば成功

このコマンドは、先ほどレジストリエディターで手動で行った操作と同じことを自動で実行します。

「reg delete」は「レジストリから削除する」という命令で、その後に削除対象の場所を指定しています。

実行結果の確認

ステップ3: 削除結果の確認 コマンド実行後、以下で効果を確認してください:

  1. コマンドプロンプトを閉じる
  2. エクスプローラーを開いて左側のナビゲーションを確認
  3. ギャラリーが表示されなくなっていることを確認

トラブルシューティング:

  • エラーメッセージが表示された場合は、管理者権限で実行しているか確認
  • パソコンを再起動してから再度確認
  • コマンドの入力ミスがないか再確認

方法3: PowerShellスクリプトによる自動化

PowerShellスクリプトの作成

より高度な方法 IT管理者や複数台のパソコンを管理する場合に便利な方法です:

スクリプトファイルの作成

  1. メモ帳を開く
  2. 以下のコードを入力:
# ギャラリーをエクスプローラーから削除するスクリプト
$registryPath = "HKLM:\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Explorer\Desktop\NameSpace\{e88865ea-0e1c-4e20-9aa6-edcd0212c87c}"

if (Test-Path $registryPath) {
    Remove-Item -Path $registryPath -Force
    Write-Host "ギャラリーが正常に削除されました。" -ForegroundColor Green
} else {
    Write-Host "ギャラリーのレジストリキーが見つかりません。" -ForegroundColor Yellow
}

# エクスプローラーの再起動
Stop-Process -Name "explorer" -Force
Start-Process "explorer"
  1. ファイル名を「Remove-Gallery.ps1」として保存

スクリプトの実行

PowerShellでの実行

  1. PowerShellを管理者として起動
  2. 実行ポリシーを変更(初回のみ): Set-ExecutionPolicy -ExecutionPolicy RemoteSigned -Scope CurrentUser
  3. スクリプトファイルのあるフォルダに移動
  4. スクリプトを実行: .\Remove-Gallery.ps1

PowerShellスクリプトを使うことで、削除処理とエクスプローラーの再起動を自動化できます。

設定を元に戻す方法

レジストリキーの復元

ギャラリーを再び表示したい場合

削除したレジストリキーを復元することで、ギャラリーを再表示できます:

手動復元手順:

  1. レジストリエディターを開く
  2. 以下のパスに移動: HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Explorer\Desktop\NameSpace
  3. NameSpaceフォルダを右クリック
  4. 「新規」→「キー」を選択
  5. キー名に {e88865ea-0e1c-4e20-9aa6-edcd0212c87c} を入力
  6. 作成したキーをクリックして選択
  7. 右側の空白部分を右クリック
  8. 「新規」→「文字列値」を選択
  9. 名前を「(既定)」のままにして、値に「Gallery」を設定

コマンドによる復元

コマンドプロンプトでの復元 管理者権限のコマンドプロンプトで以下を実行:

reg add "HKLM\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Explorer\Desktop\NameSpace\{e88865ea-0e1c-4e20-9aa6-edcd0212c87c}" /ve /t REG_SZ /d "Gallery" /f

このコマンドで、削除したレジストリキーを正確に復元できます。

「やっぱりギャラリー機能を使いたくなった」という場合に、簡単に元に戻せます。

トラブルシューティング

よくある問題と解決方法

問題1: 管理者権限がない

症状: 「アクセスが拒否されました」と表示される

解決方法:

  • 管理者アカウントでログインし直す
  • 現在のアカウントに管理者権限を付与してもらう
  • 会社のパソコンの場合は、IT部門に依頼

問題2: レジストリキーが見つからない

症状: 指定されたパスにキーが存在しない

原因と対処:

  • Windowsのバージョンが対象外(Windows 10の古いバージョンなど)
  • 既に削除済み、または最初から存在しない
  • パスの入力ミス

問題3: 変更が反映されない

症状: 削除後もギャラリーが表示される

解決手順:

  1. エクスプローラーを完全に閉じて再起動
  2. パソコンを再起動
  3. Windowsアップデートの確認と適用
  4. システムファイルチェッカーの実行:sfc /scannow

問題4: 他の機能への影響

症状: エクスプローラーの他の部分が正常に動作しない

対処方法:

  1. システムの復元を使用して作業前の状態に戻す
  2. 削除したキーを正確に復元する
  3. Windowsの修復機能を使用

安全な復旧方法

システムの復元を使用

  1. スタートメニューで「復元」と検索
  2. 「復元ポイントの作成」を選択
  3. 「システムの復元」をクリック
  4. 作業前に作成した復元ポイントを選択
  5. 復元プロセスを実行

Windowsの修復機能

  1. スタートメニューで「設定」を開く
  2. 「更新とセキュリティ」→「回復」
  3. 「この PC を初期状態に戻す」の「開始する」
  4. 「ファイルを保持する」を選択(推奨)

代替ツールとGUIソリューション

サードパーティ製ツールの活用

Shell Folder Disabler
エクスプローラーの項目を簡単に管理できる無料ツール:

特徴:

  • GUIで簡単操作
  • 複数の項目を一括管理
  • 安全なオン/オフ切り替え
  • 設定の即座反映

使用可能な非表示項目:

  • ギャラリー
  • ホーム
  • OneDrive
  • ネットワーク
  • 3Dオブジェクト

Winaero Tweaker Windows の詳細設定を変更できる総合ツール:

ギャラリー関連の機能:

  • エクスプローラーのカスタマイズ
  • 不要な項目の非表示化
  • 設定のバックアップと復元
  • 一括設定変更

レジストリファイル(.reg)の活用

設定ファイルの作成 削除用のレジストリファイルを作成して配布:

削除用ファイル(remove_gallery.reg):

Windows Registry Editor Version 5.00

[-HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Explorer\Desktop\NameSpace\{e88865ea-0e1c-4e20-9aa6-edcd0212c87c}]

復元用ファイル(restore_gallery.reg):

Windows Registry Editor Version 5.00

[HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Explorer\Desktop\NameSpace\{e88865ea-0e1c-4e20-9aa6-edcd0212c87c}]
@="Gallery"

使用方法:

  1. テキストファイルに上記内容をコピー
  2. 拡張子を「.reg」に変更して保存
  3. ファイルをダブルクリックして実行
  4. 確認ダイアログで「はい」をクリック

レジストリファイルを使うことで、複数のパソコンに同じ設定を簡単に適用できます。

まとめ

効果的なギャラリー非表示の方法

Windows 11のエクスプローラーからギャラリーを非表示にする方法をまとめると:

推奨方法

  1. 初心者: レジストリエディターでの手動削除
  2. 中級者: コマンドプロンプトでの一括削除
  3. 上級者: PowerShellスクリプトによる自動化

安全な作業のために

重要なポイント

  • 作業前の復元ポイント作成
  • 正確な手順の実行
  • 削除対象キーの慎重な確認
  • 設定変更後の動作確認

復旧手段の準備

  • システム復元の方法を理解
  • レジストリキーの復元手順を把握
  • サードパーティツールの活用検討

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