数学の問題を解いていると、△(三角形)や∠(角)など、さまざまな図形の記号が出てきますよね。
でも、いざ「この記号なんて読むんだっけ?」となったり、似たような記号で混乱したりすることも少なくありません。
この記事では、図形に関係する主要な数学記号を一覧でまとめ、その意味や読み方をわかりやすく解説します。
基本的な図形記号一覧
主要な図形記号と読み方
記号 | 読み方 | 意味・使い方 | 使用例 |
---|---|---|---|
△ | さんかっけい | 三角形を表す | △ABC(三角形ABC) |
∠ | かく | 角を表す | ∠ABC(角ABC) |
⊿ | さんかく | 三角形の略記号 | ⊿XYZ |
⊥ | ちょっこう/すいちょく | 垂直(直角で交わる) | AB⊥CD |
∥ | へいこう | 平行 | AB∥CD |
○ | まる/えん | 円を表す | ○O(円O) |
⌒ | こ/ゆみがた | 弧を表す | ⌒AB(弧AB) |
⊙ | てん/ちゅうしん | 中心を持つ円 | ⊙O |
関係性を表す記号
記号 | 読み方 | 意味・使い方 | 使用例 |
---|---|---|---|
≅ | ごうどう | 合同(形と大きさが同じ) | △ABC≅△DEF |
∽ | そうじ/にている | 相似(形が同じ、大きさは違う) | △ABC∽△DEF |
≈ | やくとうごう | おおよそ等しい | AB≈CD |
⊂ | ふくむ/ぶぶんしゅうごう | 含まれる(部分集合) | A⊂B |
⊃ | ふくまれる | 含む | B⊃A |
∈ | ぞくする | 要素が集合に属する | P∈△ABC |
角度と方向の記号
角度に関する記号
記号 | 読み方 | 意味・使い方 | 使用例 |
---|---|---|---|
° | ど | 度(角度の単位) | 90°(90度) |
′ | ふん/ぷん | 分(60分=1度) | 30°15′ |
″ | びょう | 秒(60秒=1分) | 30°15′30″ |
∠ | かく | 角の大きさ | ∠A=60° |
∟ | ちょっかく/ちょくかく | 直角(90度) | ∟ABC |
回転と向きを表す記号
記号 | 読み方 | 意味・使い方 | 使用例 |
---|---|---|---|
↻ | はんときけい | 反時計回り | 時計と反対の回転 |
↺ | ときけい | 時計回り | 時計と同じ回転 |
⟲ | さゆうかいてん | 左回転 | 反時計回りの別表記 |
⟳ | うかいてん | 右回転 | 時計回りの別表記 |
図形の性質を表す記号
長さと大きさに関する記号
記号 | 読み方 | 意味・使い方 | 使用例 |
---|---|---|---|
= | とうごう | 等しい | AB=CD |
≠ | ひとうごう | 等しくない | AB≠CD |
> | だいなり | より大きい | AB>CD |
< | しょうなり | より小さい | AB<CD |
≥ | だいなりいこう | 以上 | AB≥CD |
≤ | しょうなりいこう | 以下 | AB≤CD |
証明や論理で使う記号
記号 | 読み方 | 意味・使い方 | 使用例 |
---|---|---|---|
∴ | ゆえに/したがって | 結論を示す | ∴△ABC≅△DEF |
∵ | なぜならば | 理由を示す | ∵AB=DE,BC=EF |
⇒ | ならば | 条件と結果 | AB∥CD⇒∠A=∠C |
⇔ | どうち | 同値(お互いに成り立つ) | A⇔B |
□ | しょうめいおわり | 証明終了 | 証明の最後に記載 |
学年別によく使う図形記号
小学校でよく使う記号
基本図形の記号
- △:三角形
- ○:円
- □:四角形(正方形・長方形)
- ∠:角
関係を表す記号
- =:等しい
- :より大きい
- <:より小さい
中学校でよく使う記号
図形の関係
- ≅:合同
- ∽:相似
- ⊥:垂直
- ∥:平行
証明で使う記号
- ∴:ゆえに
- ∵:なぜならば
高校でよく使う記号
高度な関係性
- ∈:属する
- ⊂:部分集合
- ∩:共通部分
- ∪:和集合
ベクトルや座標
- →:ベクトル
- ⊗:外積
- ・:内積
実際の問題での使用例
三角形の合同証明
△ABC≅△DEF を証明する
∵ AB=DE(仮定)
∵ BC=EF(仮定)
∵ CA=FD(仮定)
∴ 三辺が等しいので △ABC≅△DEF (SSS合同)
平行線の性質
AB∥CD のとき
∠BAC=∠ACD (錯角が等しい)
∠ABC=∠BCD (同位角が等しい)
円の性質
○Oにおいて
・⌒AB=⌒CD ⇒ AB=CD (等しい弧に対する弦は等しい)
・∠AOB=2∠ACB (中心角は円周角の2倍)
記号の書き方のコツ
手書きで注意すべきポイント
紛らわしい記号の区別
- ∠(角)と く(ひらがな)
- ∥(平行)と =(等号)
- ∽(相似)と ~(波線)
きれいに書くコツ
- 記号の大きさを文字と揃える
- 線の太さを一定にする
- 間隔を適切に空ける
デジタル入力での注意点
よく使う記号の入力方法
- △:「さんかく」で変換
- ∠:「かく」で変換
- ⊥:「すいちょく」で変換
- ∥:「へいこう」で変換
- ≅:「ごうどう」で変換
よくある間違いと正しい使い方
混同しやすい記号
∽(相似)と ≅(合同)
✗ 間違い:大きさが違うのに≅を使用
✓ 正しい:形が同じで大きさが違う場合は∽
⊂(部分集合)と ∈(要素)
✗ 間違い:点P⊂△ABC
✓ 正しい:点P∈△ABC(点は図形に属する)
∠(角)の表記順序
✗ 間違い:∠ACB(頂点が真ん中に来ていない)
✓ 正しい:∠BCA(頂点Cが真ん中)
記号の使い分け
図形の名前と記号
- 三角形ABC:△ABC
- 角ABC:∠ABC(Bが頂点)
- 線分AB:AB または AB̄
- 直線AB:AB または AB⃗
等しさの表現
- 長さが等しい:AB=CD
- 図形が合同:△ABC≅△DEF
- 角が等しい:∠A=∠D
まとめ
図形に関する数学記号は、数学的思考を正確に表現するための重要なツールです。主要な記号を整理すると:
基本図形記号
- △(三角形)、○(円)、∠(角)
- ⊥(垂直)、∥(平行)
関係性記号
- ≅(合同)、∽(相似)、≈(おおよそ等しい)
論理記号
- ∴(ゆえに)、∵(なぜならば)
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