Windows Terminalを使っていて、こんなことで困っていませんか?
- 標準の文字色が見にくい
- 自分好みの色にカスタマイズしたい
- 作業内容によって色分けしたい
- おしゃれなターミナル環境を作りたい
実は、Windows Terminalでは文字色や背景色を自由に変更することができます。
しかも、GUI(画面操作)でも、設定ファイル編集でもどちらでも可能です。
この記事では、Windows Terminalで文字色を変更する方法を、初心者から上級者まで対応できるよう、わかりやすく説明します。
Windows Terminalとは?

基本的な概念
Windows Terminalとは:
- Microsoftが開発した新しいターミナルアプリ
- 複数のシェル(PowerShell、コマンドプロンプト、WSLなど)を統合
- 高いカスタマイズ性とモダンなデザイン
- Windows 10/11で標準搭載
従来のコマンドプロンプトとの違い
Windows Terminalの利点:
- タブ機能で複数のシェルを同時使用
- 美しいフォントと色彩表現
- 透明度や背景画像の設定可能
- 豊富なカスタマイズオプション
文字色変更の基本知識
色の指定方法
カラーコードの種類:
- 16進数:
#FF0000
(赤)、#00FF00
(緑)、#0000FF
(青) - RGB値:
rgb(255, 0, 0)
(赤) - 色名:
red
、green
、blue
など
よく使われる色の例:
色 | 16進数カラーコード | 用途 |
---|---|---|
白 | #FFFFFF | 基本的な文字色 |
黒 | #000000 | 背景色 |
緑 | #00FF00 | 成功メッセージ |
赤 | #FF0000 | エラーメッセージ |
青 | #0000FF | 情報表示 |
黄色 | #FFFF00 | 警告メッセージ |
方法1:GUI設定で文字色を変更(初心者向け)

基本的な手順
ステップ1:設定画面を開く
- Windows Terminalを起動
- タブの右にある「∨」マークをクリック
- 「設定」を選択
ステップ2:プロファイルを選択
- 左側のメニューから「プロファイル」をクリック
- 変更したいシェルを選択(例:Windows PowerShell、コマンドプロンプト、Ubuntu)
ステップ3:外観設定を変更
- 「外観」タブをクリック
- 「配色」セクションを確認
- 「色のスキーム」のドロップダウンをクリック
ステップ4:色のスキームを選択
- 既存のスキームから選択:
- Campbell:標準的な配色
- One Half Dark:暗いテーマ
- One Half Light:明るいテーマ
- Solarized Dark:目に優しい暗色
- Tango Dark:コントラストの高い暗色
既存スキームの特徴
Campbell(標準):
- Windows Terminal の標準配色
- 白い文字に黒い背景
- クラシックなターミナルの見た目
One Half Dark:
- 現代的で洗練された暗いテーマ
- 薄いグレーの文字に暗いグレーの背景
- 長時間の作業に適している
Solarized Dark:
- 目の疲れを軽減する科学的に設計された配色
- 温かみのある色調
- プログラマーに人気
方法2:カスタム色スキームの作成

GUI でカスタムスキームを作る
ステップ1:新しいスキームを作成
- 設定画面の左メニューから「配色」をクリック
- 「新しい配色を追加」ボタンをクリック
- 新しいスキームの名前を入力(例:「MyCustomColors」)
ステップ2:色を個別に設定
- 「前景」:基本的な文字色を設定
- 「背景」:背景色を設定
- 「カーソル色」:カーソルの色を設定
- 「選択背景」:テキスト選択時の背景色
ステップ3:16色パレットの調整
- 黒色:通常のテキスト
- 赤色:エラーメッセージ
- 緑色:成功メッセージ
- 黄色:警告メッセージ
- 青色:情報メッセージ
- 紫色:特別な情報
- シアン色:ハイライト
- 白色:強調テキスト
スキームを適用する
ステップ1:プロファイルに適用
- 「プロファイル」→対象のシェルを選択
- 「外観」タブを開く
- 「色のスキーム」で作成したカスタムスキームを選択
ステップ2:変更を保存
- 「保存」ボタンをクリック
- 必要に応じてTerminalを再起動
方法3:JSON設定ファイルで詳細カスタマイズ(上級者向け)

settings.json へのアクセス
ファイルを開く方法:
- 設定画面を開く
- 画面左下の「JSONファイルを開く」をクリック
- settings.jsonファイルがテキストエディタで開く
カスタム配色の作成
基本的なJSON構造:
{
"schemes": [
{
"name": "MyGreenTheme",
"foreground": "#00FF00",
"background": "#000000",
"cursorColor": "#FFFFFF",
"selectionBackground": "#FFFFFF",
"black": "#000000",
"red": "#FF5555",
"green": "#50FA7B",
"yellow": "#F1FA8C",
"blue": "#BD93F9",
"purple": "#FF79C6",
"cyan": "#8BE9FD",
"white": "#F8F8F2",
"brightBlack": "#6272A4",
"brightRed": "#FF6E6E",
"brightGreen": "#69FF94",
"brightYellow": "#FFFFA5",
"brightBlue": "#D6ACFF",
"brightPurple": "#FF92DF",
"brightCyan": "#A4FFFF",
"brightWhite": "#FFFFFF"
}
]
}
プロファイルへの適用
プロファイル設定の例:
{
"profiles": {
"defaults": {},
"list": [
{
"name": "Windows PowerShell",
"commandline": "powershell.exe",
"colorScheme": "MyGreenTheme"
},
{
"name": "Command Prompt",
"commandline": "cmd.exe",
"colorScheme": "Campbell"
}
]
}
}
よく使われる色設定の例
プログラマー向けダークテーマ:
{
"name": "CodingDark",
"foreground": "#E0E0E0",
"background": "#1E1E1E",
"cursorColor": "#00FF00",
"black": "#000000",
"red": "#FF4444",
"green": "#44FF44",
"yellow": "#FFFF44",
"blue": "#4444FF",
"purple": "#FF44FF",
"cyan": "#44FFFF",
"white": "#FFFFFF"
}
目に優しいライトテーマ:
{
"name": "EyeFriendlyLight",
"foreground": "#333333",
"background": "#FAFAFA",
"cursorColor": "#007ACC",
"black": "#000000",
"red": "#CC0000",
"green": "#007700",
"yellow": "#AA7700",
"blue": "#0066CC",
"purple": "#9900CC",
"cyan": "#0099CC",
"white": "#CCCCCC"
}
特定のシェル別に色を設定

PowerShell専用の色設定
用途別カスタマイズ:
{
"name": "PowerShell Blue",
"commandline": "powershell.exe",
"colorScheme": "PowerShellTheme",
"foreground": "#ADD8E6",
"background": "#001122"
}
WSL(Linux)専用の色設定
Linux風の配色:
{
"name": "Ubuntu",
"source": "Windows.Terminal.Wsl",
"colorScheme": "LinuxGreen",
"foreground": "#00FF00",
"background": "#300A24"
}
コマンドプロンプト専用設定
クラシックな配色:
{
"name": "Command Prompt",
"commandline": "cmd.exe",
"colorScheme": "Campbell",
"foreground": "#C0C0C0",
"background": "#000000"
}
高度なカスタマイズ
透明度の設定
半透明効果:
{
"name": "TransparentTheme",
"useAcrylic": true,
"acrylicOpacity": 0.8,
"foreground": "#FFFFFF",
"background": "#000000"
}
背景画像の設定
画像背景との組み合わせ:
{
"backgroundImage": "C:\\Users\\Username\\Pictures\\terminal-bg.jpg",
"backgroundImageOpacity": 0.3,
"foreground": "#FFFFFF"
}
フォント設定との組み合わせ
完全なカスタマイズ例:
{
"name": "Complete Custom",
"fontFace": "Cascadia Code",
"fontSize": 12,
"fontWeight": "normal",
"colorScheme": "MyCustomTheme",
"useAcrylic": true,
"acrylicOpacity": 0.9
}
トラブルシューティング

色が反映されない場合
確認すべきポイント:
- JSONの構文エラー:括弧やコンマの記述ミス
- スキーム名の不一致:大文字小文字を含めて正確に記述
- ファイルの保存:設定ファイルが正しく保存されているか
- Terminal の再起動:変更後にアプリを再起動
よくあるエラーと解決法
問題1:JSONファイルが開けない
- 原因:権限不足
- 解決法:管理者権限でWindows Terminalを起動
問題2:色が期待通りにならない
- 原因:カラーコードの記述ミス
- 解決法:16進数の形式(#RRGGBB)を確認
問題3:設定が消える
- 原因:設定ファイルの破損
- 解決法:バックアップから復元、または設定をリセット
おすすめの色設定
作業用途別の推奨配色
プログラミング作業:
- 背景:ダークグレー(
#1E1E1E
) - 文字:ライトグレー(
#D4D4D4
) - 強調:シアン(
#4EC9B0
)
システム管理作業:
- 背景:ブラック(
#000000
) - 文字:グリーン(
#00FF00
) - エラー:レッド(
#FF0000
)
一般的な作業:
- 背景:ダークブルー(
#003366
) - 文字:ホワイト(
#FFFFFF
) - 情報:イエロー(
#FFFF00
)
目の疲れを軽減する配色
Solarizedベースの設定:
{
"name": "EyeCare",
"foreground": "#93A1A1",
"background": "#002B36",
"red": "#DC322F",
"green": "#859900",
"blue": "#268BD2"
}
まとめ:自分だけのターミナル環境を作ろう
Windows Terminalの文字色カスタマイズは、作業効率と快適性を大幅に向上させることができます。
この記事のポイント
- GUI設定は初心者にも簡単で直感的
- JSON設定は細かいカスタマイズが可能
- シェル別に異なる配色を設定できる
- 透明度や背景画像との組み合わせも可能
- 目的に応じた配色選択が重要
カスタマイズの進め方
ステップ1:基本設定をマスター
- GUI設定で既存のスキームを試す
- 自分の好みの方向性を見つける
- 基本的な色の組み合わせを理解
ステップ2:カスタムスキーム作成
- GUI で独自の配色を作成
- 作業内容に合わせた色選択
- 複数のバリエーションを作成
ステップ3:高度なカスタマイズ
- JSON編集で細かい調整
- 透明度や特殊効果の追加
- 複数プロファイルの使い分け
よくある質問
Q: 色設定は他の PCでも使えますか?
A: はい。settings.jsonファイルをコピーすれば、他のPCでも同じ設定を使用できます。
Q: 元の設定に戻したくなった場合は?
A: 設定画面の「既定値にリセット」または、settings.jsonを削除すれば初期状態に戻ります。
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