Macを起動すると鳴る「ジャーン」という音(起動チャイム)。
この音が鳴ることで「Macが正常に起動した」とわかる便利な機能ですが、時と場合によっては困ることもありますよね。
「深夜にMacを起動したら音が鳴って家族を起こしてしまった」
「図書館や静かなカフェで作業するときに音を出したくない」
「会議中にMacを起動する必要があるけど音が気になる」
そんなときに役立つのが、起動音を消す設定です。この記事では、Mac初心者の方でも簡単にできる、起動音を消す方法を複数ご紹介します。
使っているmacOSのバージョンや状況に応じて、最適な方法を選んでください。
Macの起動音について理解しよう

起動音とは何?
起動音(起動チャイム)とは、Macの電源を入れたときに鳴る「ジャーン」という音のことです。
正式には「スタートアップサウンド」と呼ばれています。
起動音の役割
正常起動の確認:
- Macが正常に起動していることを音で知らせる
- ハードウェアに問題がないことを示す
- 昔からMacの特徴的な機能として親しまれている
トラブル診断:
- 起動音が鳴らない場合は、何らかの問題がある可能性
- 異常な音が鳴る場合は、ハードウェアの不具合を示すことがある
起動音が鳴るタイミング
電源投入時:
- Macの電源ボタンを押したとき
- 完全にシャットダウンした状態からの起動時
起動音が鳴らないとき:
- スリープからの復帰時
- 再起動時(機種によって異なる)
あなたのMacを確認しよう

起動音を消す方法は、使っているMacの機種やmacOSのバージョンによって異なります。
まずは自分のMacの情報を確認しましょう。
macOSバージョンの確認方法
手順:
- 画面左上のAppleメニューをクリック
- 「このMacについて」を選択
- 表示される画面でmacOSのバージョンを確認
主要なバージョン:
- macOS Sonoma(14.x):2023年リリース
- macOS Ventura(13.x):2022年リリース
- macOS Monterey(12.x):2021年リリース
- macOS Big Sur(11.x):2020年リリース
- macOS Catalina(10.15):2019年リリース
Macの機種による違い
2016年以降のMacBook Pro:
- Touch Barモデルでは起動音が初期設定でオフ
- 2021年以降のモデルでは起動音が復活
MacBook Air:
- 2018年以降のモデルでは起動音なし
- 2022年以降のモデルでは起動音あり
iMac・Mac mini・Mac Pro:
- ほとんどの機種で起動音あり
方法1: 音量をミュートにしてからシャットダウン(一番簡単)
最も簡単で確実な方法です。どのMacでも使える基本的な方法なので、まずはこれを試してみましょう。
起動音の仕組み
重要なポイント: Macの起動音は、前回シャットダウン時の音量設定を記憶しています。
つまり、音量をゼロ(ミュート)にしてからシャットダウンすれば、次回起動時に音は鳴りません。
具体的な手順
ステップ1:
音量をミュートにする 以下のいずれかの方法で音量をゼロにします:
方法A: キーボードを使用
- F10キーを押してミュート
- (fnキーが必要な場合はfn + F10)
方法B: メニューバーを使用
- 画面右上のスピーカーアイコンをクリック
- スライダーを一番下まで下げるか、ミュートボタンをクリック
ステップ2:
ミュート状態を確認
- メニューバーのスピーカーアイコンが🔇(斜線あり)になっていることを確認
- または画面に音量バーが表示されて斜線が入っていることを確認
ステップ3:
シャットダウンする
- Appleメニュー → 「シャットダウン」
- または電源ボタンを押して**「シャットダウン」**を選択
ステップ4:
次回起動時に確認
- 電源ボタンを押してMacを起動
- 起動音が鳴らないことを確認
この方法のメリット・デメリット
メリット:
- 操作が簡単
- すべてのMacで使用可能
- 設定の変更が不要
デメリット:
- 毎回シャットダウン前にミュートする必要がある
- 忘れやすい
- 音量設定を戻し忘れることがある
音量設定を戻すコツ
起動後の音量復旧:
- 起動完了後、F12キーで音量を上げる
- または、よく使う音量レベルを覚えておいて、素早く設定し直す
方法2: システム設定で起動音をオフにする(macOS Big Sur以降)

macOS Big Sur(バージョン11)以降では、システム設定で起動音を直接オン・オフできるようになりました。
対応しているmacOS
対応バージョン:
- macOS Sonoma(14.x)
- macOS Ventura(13.x)
- macOS Monterey(12.x)
- macOS Big Sur(11.x)
設定手順(macOS Ventura以降)
ステップ1: システム設定を開く
- Appleメニュー → 「システム設定」
ステップ2: サウンド設定に移動
- 左側のメニューから**「サウンド」**をクリック
ステップ3: 起動音設定を変更
- **「起動音を再生」**のチェックボックスを見つける
- チェックを外す(オフにする)
ステップ4: 設定完了
- 設定は自動的に保存される
- 次回起動時から起動音が鳴らなくなる
設定手順(macOS Big Sur・Monterey)
ステップ1: システム環境設定を開く
- Appleメニュー → 「システム環境設定」
ステップ2: サウンド設定に移動
- **「サウンド」**アイコンをクリック
ステップ3: 起動音設定を変更
- **「サウンドエフェクト」**タブを選択
- **「起動音を再生」**のチェックボックスを外す
この方法のメリット・デメリット
メリット:
- 一度設定すれば永続的に有効
- 音量設定に関係なく起動音がオフ
- 簡単に元に戻せる
デメリット:
- 対応するmacOSバージョンが限られる
- 古いMacでは使用できない場合がある
方法3: ターミナルコマンドで設定する(上級者向け)

古いmacOSや、システム設定に起動音のオプションがない場合に使用する方法です。
注意事項
重要な注意点:
- この方法はシステムの深い部分を変更します
- 操作を間違えるとMacの動作に影響する可能性があります
- 管理者権限(sudo)が必要です
- 自己責任で実行してください
ターミナルの開き方
手順:
- Spotlight検索(Cmd + Space)で「ターミナル」と入力
- ターミナル.appを選択して起動
- または「アプリケーション」→「ユーティリティ」→「ターミナル」
起動音を無効にするコマンド
コマンド:
sudo nvram SystemAudioVolume=%80
実行手順:
- 上記のコマンドをターミナルに正確に入力
- Enterキーを押す
- パスワードの入力を求められたら、Macのログインパスワードを入力
- 入力中はパスワードが画面に表示されませんが、正常です
- Enterキーを押してコマンドを実行
起動音を元に戻すコマンド
元に戻すコマンド:
sudo nvram -d SystemAudioVolume
実行後の確認:
- Macを再起動して設定が反映されているか確認
- 起動音が鳴らなくなっていることを確認
コマンドの説明
nvramとは:
- Non-Volatile RAM(不揮発性メモリ)の略
- Macの基本的な設定情報を保存している場所
- 電源を切っても設定が保持される
SystemAudioVolumeとは:
- 起動音の音量を制御するパラメータ
- %80は音量を80(ほぼミュート)に設定
- -dオプションでパラメータを削除(デフォルトに戻す)
機種別の起動音の特徴
起動音がある機種
デスクトップMac:
- iMac:24インチ(2021年)、27インチ(2020年まで)
- Mac mini:2020年以降のM1、M2モデル
- Mac Pro:2019年以降のモデル
- Mac Studio:2022年以降のモデル
ノートブックMac:
- MacBook Air:2022年のM2モデル以降
- MacBook Pro:2021年以降のM1 Pro/Max/M2モデル
起動音がない機種
主な対象機種:
- MacBook Air:2018-2020年のIntelモデル
- MacBook Pro:2016-2020年のTouch Barモデル
- MacBook:12インチモデル(2015-2017年)
起動音の音量について
音量の特徴:
- 起動音は通常のシステム音量よりも大きく設定されている
- 緊急時や故障診断のために聞こえやすくする必要があるため
- そのため、通常の音量を下げても起動音は鳴ることがある
状況別の使い分け

日常的に起動音を消したい場合
おすすめ方法:
- macOS Big Sur以降:システム設定での無効化
- 古いmacOS:ターミナルコマンドでの設定
理由:
- 一度設定すれば継続的に有効
- 音量の操作を忘れる心配がない
一時的に起動音を消したい場合
おすすめ方法:
- 音量をミュートにしてからシャットダウン
理由:
- 設定の変更が不要
- 必要に応じて元に戻せる
- 操作が簡単
外出先での使用
考慮事項:
- 図書館、カフェ、電車内など
- 周囲に迷惑をかけない配慮
推奨設定:
- 事前にシステム設定で起動音をオフ
- または、毎回ミュートしてからシャットダウン
よくある問題と解決法

問題1: 設定したのに起動音が鳴る
原因と対策:
設定の確認:
- システム設定の「起動音を再生」が本当にオフになっているか再確認
- ターミナルコマンドが正しく実行されたか確認
macOSの再起動:
- 設定変更後、一度Macを完全に再起動
- スリープではなく、シャットダウンしてから電源投入
NVRAM のリセット(ターミナル設定の場合):
- Macをシャットダウン
- 電源ボタンを押してすぐにCmd + Option + P + Rキーを押し続ける
- 2回目の起動音が鳴ったらキーを離す
問題2: 起動音の設定項目が見つからない
原因:
- macOSのバージョンが古い
- 機種が起動音設定に対応していない
対策:
- macOSのバージョンを確認
- macOS Big Sur以降にアップデート可能か確認
- 古いバージョンの場合はターミナルコマンドを使用
問題3: ターミナルコマンドでエラーが出る
よくあるエラー:
「Operation not permitted」:
- 管理者権限がない場合のエラー
- 「sudo」を付けてコマンドを実行
「Password:」でパスワードが入力できない:
- パスワードは画面に表示されないが、正常に入力されている
- 正確に入力してEnterキーを押す
「Command not found」:
- コマンドの入力間違い
- 半角英数字で正確に入力し直す
問題4: 起動音が戻らない
元に戻す方法:
システム設定の場合:
- 「起動音を再生」にチェックを入れ直す
ターミナル設定の場合:
sudo nvram -d SystemAudioVolume
それでも戻らない場合:
- NVRAMリセットを実行
- macOSの再インストールを検討
起動音以外の音の設定

関連する音の設定
システム音:
- 通知音、警告音、操作音
- システム設定 → サウンド → サウンドエフェクト
アプリケーション音:
- 各アプリ個別の音設定
- アプリの設定画面で調整
キーボード音:
- Touch Barの操作音
- システム設定 → サウンド
静かな環境での総合設定
完全に音を出さない設定:
- システム音量をミュート
- 起動音をオフ
- 通知音をオフ
- キーボード音をオフ
夜間モードの設定:
- 「おやすみモード」の活用
- 時間指定での自動設定
まとめ
Macの起動音を消す方法は、使っているmacOSのバージョンや機種によって最適な方法が異なります。
方法の使い分け
状況 | おすすめ方法 | 難易度 |
---|---|---|
macOS Big Sur以降 | システム設定でオフ | 簡単 |
古いmacOS | ターミナルコマンド | 中級 |
一時的に消したい | ミュート→シャットダウン | 簡単 |
外出先での使用 | 事前にシステム設定 | 簡単 |
覚えておきたいポイント
- macOSバージョンの確認:Big Sur以降なら設定画面で簡単に変更可能
- 機種による違い:一部の機種では初期設定で起動音がオフ
- 音量との関係:起動音は前回シャットダウン時の音量設定に依存
- 安全な操作:ターミナルコマンドは慎重に実行
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