ポート開放とは、パソコンの通信の入り口である「ポート」を外部からアクセスできるようにする設定のことです。
インターネット上でのデータのやり取りは、このポートを通じて行われます。
普段は、セキュリティのためにポートは閉じられていますが、オンラインゲームやサーバーの運営、リモート接続などを行う際には、特定のポートを開放する必要があります。
ポート開放が必要になる場面

ポート開放が必要となる主な場面をご紹介します:
- オンラインゲーム
マインクラフトやフォートナイトなどのマルチプレイヤーゲームで、自分のパソコンをサーバーとして使用する場合 - ファイル共有
自宅のパソコンに外部からアクセスして、ファイルを共有したい場合 - リモートデスクトップ
外出先から自宅のパソコンに接続して操作したい場合 - ウェブサーバー運営
自分のパソコンでウェブサイトを公開したい場合
Windowsファイアウォールでポートを開放する手順
ステップ1:コントロールパネルにアクセス
まず、Windowsのスタートメニューをクリックして、検索ボックスに「コントロールパネル」と入力します。
検索結果に表示されたコントロールパネルをクリックして開きます。
ステップ2:ファイアウォール設定を開く
コントロールパネルが開いたら、「システムとセキュリティ」の項目を探してクリックします。
次に、「Windows Defender ファイアウォール」を選択します。
ステップ3:詳細設定にアクセス
Windows Defender ファイアウォールの画面が開いたら、左側のメニューから「詳細設定」をクリックします。
これで「Windows Defender ファイアウォールの詳細設定」画面が開きます。
ステップ4:新しい規則を作成
左側のメニューから「受信の規則」を選択します。
次に、右側の操作パネルから「新しい規則」をクリックして、新しいファイアウォール規則の作成を開始します。
ステップ5:規則の種類を選択
「新規の受信の規則ウィザード」が開いたら、「規則の種類」で「ポート」を選択して、「次へ」ボタンをクリックします。
ステップ6:プロトコルとポート番号を設定
次の画面で、通信プロトコルを選択します:
- TCP:ウェブサーバーやメールサーバーなど、確実なデータ通信が必要な場合
- UDP:オンラインゲームなど、速度を重視する場合
「特定のローカルポート」を選択して、開放したいポート番号を入力します。
複数のポートを開放する場合は、カンマで区切って入力できます(例:80,443,8080)。
ステップ7:接続の動作を設定
「接続を許可する」を選択して、「次へ」をクリックします。
セキュリティを重視する場合は、「認証が成功した場合、接続を許可する」を選ぶこともできます。
ステップ8:適用するプロファイルを選択
次の画面では、規則を適用するネットワークプロファイルを選択します:
- ドメイン:会社や学校のネットワーク
- プライベート:自宅のネットワーク
- パブリック:公共のWi-Fiなど
通常は、使用するネットワーク環境に応じて選択します。
ステップ9:規則に名前を付けて完了
最後に、作成した規則にわかりやすい名前を付けます。例えば「マインクラフトサーバー」や「HTTPサーバー」など、用途がすぐにわかる名前にしましょう。
説明欄には、より詳しい情報を記入できます。
「完了」をクリックすると、ポート開放の設定が完了します。
ルーターでのポートフォワーディング設定

Windowsでの設定が完了しても、まだ外部からアクセスできない場合があります。
これは、ルーターでも同様の設定が必要だからです。
ルーターの管理画面にアクセス
ブラウザのアドレスバーに、ルーターのIPアドレスを入力します。一般的なIPアドレスは以下の通りです:
- 192.168.1.1
- 192.168.0.1
- 10.0.0.1
ポートフォワーディング設定を探す
ルーターの管理画面にログインしたら、以下のような名前の設定項目を探します:
- ポートフォワーディング
- 仮想サーバー
- NAT設定
- アプリケーション設定
設定を追加
見つけた設定項目で、以下の情報を入力します:
- サービス名:わかりやすい名前
- プロトコル:TCPまたはUDP
- 外部ポート:外部から接続するポート番号
- 内部ポート:パソコンのポート番号(通常は外部ポートと同じ)
- 内部IPアドレス:パソコンのローカルIPアドレス
よく使われるポート番号
参考として、よく使われるポート番号をご紹介します:
ウェブサーバー
- HTTP:80番
- HTTPS:443番
ゲーム関連
- マインクラフト:25565番
- Steam:27015番
- Discord:443番、80番
リモート接続
- リモートデスクトップ:3389番
- SSH:22番
ファイル転送
- FTP:21番
- SFTP:22番
セキュリティ上の注意点

ポート開放は便利な機能ですが、セキュリティリスクも伴います。以下の点に注意してください:
必要最小限のポートのみ開放
使用する予定のないポートは開放しないようにしましょう。
不要なポートが開いていると、外部からの攻撃を受けるリスクが高まります。
強力なパスワードの設定
開放したポートを使用するアプリケーションには、推測されにくい強力なパスワードを設定してください。
定期的な見直し
開放したポートを使わなくなった場合は、すぐに設定を削除するか無効にしてください。
ウイルス対策ソフトの併用
ファイアウォールの設定と併せて、ウイルス対策ソフトも最新の状態に保ちましょう。
トラブルシューティング
ポート開放がうまくいかない場合の対処法をご紹介します:
ポートが正しく開放されているか確認
インターネット上のポートチェックツールを使用して、ポートが実際に開放されているか確認できます。
ウイルス対策ソフトの設定確認
ウイルス対策ソフトが独自のファイアウォール機能を持っている場合、そちらの設定も確認してください。
IPアドレスの確認
ルーターの設定で指定したIPアドレスが、実際のパソコンのIPアドレスと一致しているか確認してください。
プロバイダーの制限確認
一部のプロバイダーでは、特定のポートの使用を制限している場合があります。サポートに確認してみてください。
まとめ
Windowsでのポート開放は、ファイアウォールの設定とルーターの設定の両方が必要です。手順をしっかりと確認しながら進めれば、初心者の方でも安全に設定できます。
ただし、セキュリティリスクを理解して、必要最小限のポートのみを開放することが大切です。
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