「間違えて写真を消してしまった!」
「削除したファイルを元に戻したい…」
そんなときに真っ先に思い浮かぶのが「ゴミ箱」ですが、Androidスマホではその場所がわかりづらいと感じたことはありませんか?
実は、Androidにはパソコンのような統一されたゴミ箱はありません。
代わりに、アプリごとにゴミ箱機能が用意されています。
この記事では、「Androidのゴミ箱はどこにあるのか?」をテーマに、主要アプリごとのゴミ箱の場所や、復元の手順をわかりやすく紹介します。
Androidに「共通のゴミ箱」が

ない理由
Androidの基本的な仕組み
パソコンとの違い
パソコンとは異なり、Androidには「全体をまとめて管理するゴミ箱」は存在しません。
これは、Androidのアプリごとに独立したデータ管理システムを採用しているためです。
アプリごとの管理方式
各アプリが独自にデータを管理し、削除したファイルも各アプリ内で一時保管される仕組みになっています。
Androidでゴミ箱機能があるアプリ
主要なアプリ
- Googleフォト:写真・動画の管理
- ファイルマネージャー:端末内のファイル管理
- Gmail:メールの管理
- Googleドライブ:クラウドファイルの管理
- Google Keep:メモ・ノートの管理
メーカー独自アプリ
- Samsung My Files:Samsung端末のファイル管理
- ギャラリー:各メーカーの写真アプリ
- 音楽アプリ:端末に保存された音楽ファイル
ゴミ箱機能の基本的な特徴
共通する特徴
- 削除から一定期間(通常30日)は復元可能
- アプリ内でのみアクセス可能
- 容量制限がある場合がある
- 自動削除機能により古いデータは消去
重要な注意点
- アプリをアンインストールするとゴミ箱も消える
- すべてのアプリにゴミ箱機能があるわけではない
- 設定によっては即座に完全削除される場合もある
共通のゴミ箱はありませんが、アプリごとに「復元できるスペース」が用意されています。次は、最もよく使われる「Googleフォト」での操作方法を詳しく見てみましょう。
写真や動画は「Googleフォト」のゴミ箱で復元

Googleフォトのゴミ箱の場所
アクセス方法
- Googleフォトアプリを開く
- 画面下部の「ライブラリ」タブをタップ
- メニューから「ゴミ箱」を選択
ゴミ箱画面での表示
- 削除された写真・動画が時系列順に表示
- 削除日と残り保存日数が確認可能
- 複数選択での一括操作も可能
復元の詳細手順
単体ファイルの復元
- ゴミ箱内で復元したい写真・動画をタップ
- 画面下部の「復元」ボタンをタップ
- 元の場所(フォトライブラリ)に戻る
複数ファイルの一括復元
- 最初のアイテムを長押しして選択モードに
- 復元したい他のアイテムをタップして追加選択
- 画面上部の「復元」ボタンをタップ
- 確認ダイアログで「復元」を選択
全選択での復元
- ゴミ箱画面で右上の「選択」をタップ
- 「すべて選択」を選択
- 「復元」ボタンで一括復元
完全削除の方法
個別削除
- ゴミ箱内でアイテムをタップ
- 「削除」ボタン(ゴミ箱アイコン)をタップ
- 「完全に削除」を確認して実行
一括での完全削除
- 削除したいアイテムを複数選択
- 「削除」ボタンをタップ
- 警告メッセージを確認して「削除」を選択
Googleフォトゴミ箱の重要な注意点
自動削除のタイミング
- ゴミ箱内のデータは60日後に自動削除(以前は30日)
- 削除予定日が各アイテムに表示される
- 容量制限に達した場合は古いものから自動削除
対象外のファイル
- 端末のローカルストレージのみに保存された写真
- SDカードに直接保存された写真
- 他のアプリで撮影・編集された一部のファイル
復元できない場合
以下の場合は復元できません:
・60日以上経過したファイル
・容量制限で自動削除されたファイル
・Googleアカウントを削除した場合
・端末の初期化を行った場合
削除を防ぐための設定
バックアップの確認
- Googleフォト設定を開く
- 「バックアップと同期」がオンになっているか確認
- 「モバイルデータ通信でバックアップ」の設定を確認
削除前の確認設定
- Googleフォト設定で「削除前に確認」をオン
- 誤削除のリスクを軽減
写真や動画はGoogleフォトのゴミ箱から比較的簡単に復元できます。では、その他のファイルや文書はどこに保存されるのでしょうか?
その他ファイルのゴミ箱の探し方

Googleファイルアプリでの確認
基本的なアクセス方法
- 「ファイル by Google」アプリを開く
- 画面下部の「参照」タブをタップ
- 「ゴミ箱」フォルダを選択
ゴミ箱での操作
復元方法:
1. 復元したいファイルを長押し
2. 「復元」ボタンをタップ
3. 元の保存場所に戻る
完全削除:
1. ファイルを選択
2. 「完全に削除」をタップ
3. 確認メッセージで実行
対象となるファイル
- ダウンロードフォルダのファイル
- 端末内部ストレージのファイル
- 一部のアプリで作成されたファイル
Samsung端末での「My Files」
アクセス方法
- 「My Files」アプリを開く
- 画面右上の「⋮」(縦三点リーダー)をタップ
- メニューから「ゴミ箱」を選択
Samsung独自の機能
- 保存期間:30日間の自動保存
- 容量制限:端末ストレージの5%まで
- 対象ファイル:My Filesアプリで削除したすべてのファイル
復元と削除の操作
復元手順:
1. ゴミ箱でファイルを選択
2. 「復元」ボタンをタップ
3. 元の場所に自動復元
完全削除:
1. 「すべて削除」で一括完全削除
2. 個別選択での部分削除も可能
他メーカー端末でのファイル管理
HUAWEI(ファイルマネージャー)
- 「ファイルマネージャー」アプリを開く
- 「最近削除したファイル」または「ゴミ箱」を確認
- 30日間の復元可能期間
Xiaomi(ファイルマネージャー)
- 「ファイルマネージャー」アプリで「ゴミ箱」を選択
- 復元期間は設定により変更可能(7日〜30日)
Sony Xperia(File Commander)
- プリインストールされている「File Commander」
- 「ゴミ箱」機能で30日間保存
ゴミ箱機能がない場合の対処法
即座完全削除されるアプリ
- 一部のファイル管理アプリ
- 古いバージョンのAndroid
- サードパーティ製の一部アプリ
代替手段
データ復旧の可能性:
1. クラウドバックアップの確認
2. 自動同期サービスの利用
3. 端末のバックアップ機能
4. データ復旧アプリの使用(成功率は低い)
予防策
- 重要ファイルのクラウドバックアップ
- 定期的な端末バックアップ
- 削除前の慎重な確認
端末によってゴミ箱機能の有無や場所が異なります。消えたデータがどこに行ったかを知るには、使用しているアプリと端末の特徴を理解することが重要です。次は、メールやクラウド関連のゴミ箱について詳しく解説します。
メール・クラウドサービスのゴミ箱
Gmailのゴミ箱機能
ゴミ箱へのアクセス
- Gmailアプリを開く
- 画面左上の「≡」(ハンバーガーメニュー)をタップ
- メニューから「ゴミ箱」を選択
メール復元の手順
個別復元:
1. ゴミ箱でメールをタップして開く
2. 「移動」ボタン(フォルダアイコン)をタップ
3. 移動先(受信トレイなど)を選択
複数復元:
1. 復元したいメールにチェック
2. 上部の「移動」ボタンをタップ
3. 移動先フォルダを選択
Gmailゴミ箱の特徴
- 保存期間:30日間自動保存
- 容量制限:Googleアカウントの容量内
- 自動削除:30日経過で完全削除
Googleドライブのゴミ箱
アクセス方法
- Googleドライブアプリを開く
- 画面左上の「≡」メニューをタップ
- 「ゴミ箱」を選択
ファイル復元の操作
復元手順:
1. ゴミ箱で復元したいファイルを選択
2. 右上の「⋮」メニューをタップ
3. 「復元」を選択
4. 元の場所に自動復元
完全削除:
1. ファイルを選択
2. 「完全に削除」を選択
3. 確認ダイアログで実行
Googleドライブゴミ箱の詳細
- 保存期間:30日間(無期限に変更可能)
- 容量計算:ゴミ箱内もストレージ容量に含まれる
- 共有ファイル:所有者のみがゴミ箱から復元可能
Google Keepのゴミ箱
削除されたメモの確認
- Google Keepアプリを開く
- 画面左上のメニューをタップ
- 「ゴミ箱」を選択
メモの復元
- ゴミ箱内のメモをタップ
- 「復元」ボタンで元に戻す
- 7日後に自動的に完全削除
その他のクラウドサービス
OneDrive(Microsoft)
アクセス:OneDriveアプリ → メニュー → 「ゴミ箱」
復元期間:30日間(有料プランでは拡張可能)
機能:個別復元・一括復元・完全削除
Dropbox
アクセス:Dropboxアプリ → 「ファイル」 → 「削除されたファイル」
復元期間:30日間(Plusプランでは120日間)
制限:削除されたファイルも容量に含まれる
iCloud Drive(Apple ID使用時)
アクセス:iCloud.comブラウザ版でのみアクセス可能
復元期間:30日間
注意:Androidアプリからはアクセスできない
メール・クラウドサービス利用時の注意点
同期の影響
- 複数デバイスで同期している場合、すべてのデバイスで削除される
- ゴミ箱からの復元も全デバイスに反映
容量管理
- ゴミ箱内のファイルも容量制限に含まれることが多い
- 定期的な完全削除で容量を確保
アカウント削除時のリスク
- Googleアカウント削除でゴミ箱も完全消失
- 他のサービスも同様のリスクあり
Googleのアプリではゴミ箱機能が明確に分かれており、復元操作もシンプルです。削除してもすぐであれば復元できる可能性が高いので、まずは該当するアプリのゴミ箱を確認しましょう。
復元できない場合の対処法と予防策

完全に削除されてしまった場合の対処法
クラウドバックアップの確認
確認すべきサービス:
・Google フォト(写真・動画)
・Google ドライブ(ドキュメント・ファイル)
・OneDrive、Dropbox(ファイル同期)
・Samsung Cloud(Samsung端末)
・HiSuite(HUAWEI端末)
自動バックアップ機能の確認
- 「設定」→「Google」→「バックアップ」
- 「アプリデータのバックアップ」が有効か確認
- 最後のバックアップ日時を確認
端末の初期化前のバックアップ
- Googleアカウントでのバックアップ
- メーカー独自のバックアップサービス
- PCへの手動バックアップ
データ復旧アプリの活用
無料のデータ復旧アプリ
代表的なアプリ:
・DiskDigger(写真復旧に特化)
・Undeleter(root権限必要)
・DigDeep Image Recovery
注意点:
・成功率は高くない
・root権限が必要な場合が多い
・新しいデータで上書きされると復旧困難
使用時の注意事項
- 削除直後の使用が効果的
- 端末の使用を最小限に抑える
- 重要データは専門業者に相談
予防策の実践
自動バックアップの設定
Googleフォトの設定:
1. 「バックアップと同期」をオン
2. 「モバイルデータでもバックアップ」を検討
3. 高画質でのバックアップを選択
Googleドライブの設定:
1. 重要フォルダの自動同期
2. オフラインアクセス可能に設定
3. 定期的な手動バックアップ
複数のバックアップ手段
- クラウドサービス(Google、OneDrive、Dropbox)
- 外部ストレージ(SDカード、USB)
- PCへの定期バックアップ
削除前の確認習慣
- 重要ファイルは移動ではなくコピー
- 削除前に内容を再確認
- 複数選択時の慎重な操作
重要データの管理方法
分類管理
重要度別の管理:
・最重要:複数箇所にバックアップ
・重要:クラウド+ローカルバックアップ
・一般:クラウドバックアップのみ
・一時的:バックアップ不要
定期的なデータ整理
- 月1回のバックアップ状況確認
- 不要ファイルの整理と削除
- ストレージ容量の管理
家族・共有データの管理
- 家族アカウントでの共有設定
- 重要データの共有フォルダ保存
- 緊急時のアクセス権限設定
復元できない状況でも、適切なバックアップがあれば被害を最小限に抑えることができます。日頃からの備えが重要です。
まとめ:Androidのゴミ箱を使いこなして安心データ管理
この記事では、Androidでのゴミ箱機能について詳しく解説しました。
重要なポイント
Androidのゴミ箱の特徴
- パソコンのような統一ゴミ箱は存在しない
- アプリごとに独立したゴミ箱機能を提供
- 多くのアプリで30日間の復元期間を設定
主要アプリのゴミ箱場所
- Googleフォト:ライブラリ → ゴミ箱(60日間保存)
- ファイルアプリ:参照 → ゴミ箱(30日間保存)
- Gmail:メニュー → ゴミ箱(30日間保存)
- Googleドライブ:メニュー → ゴミ箱(30日間保存)
効果的な復元方法
- 削除直後の迅速な対応が重要
- アプリごとの手順を理解して適切に操作
- 複数選択での一括復元も活用可能
実践的なアドバイス
日常的な管理
- 定期的なバックアップの実行
- 重要データの複数箇所保存
- 削除前の慎重な確認
トラブル対処
- まずは該当アプリのゴミ箱を確認
- クラウドバックアップの状況確認
- 必要に応じて専門サービスの利用
予防策の徹底
- 自動バックアップ機能の活用
- 重要度に応じた管理方法の使い分け
- 家族や仕事での共有データの適切な管理
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