Windowsの互換モードの使い方|古いソフトを新しいPCで動かす方法

Windows

「古いソフトが、新しいWindowsで動かなくなった」こんな体験はありませんか?

これは、Windowsのバージョンが変わるときに時々起きる現象です。

特に以下のような場面でよく発生します:

  • 仕事で使っていた業務ソフトが新しいPCで動かない
  • 昔のゲームをもう一度やりたいけど起動しない
  • CD-ROMで買ったソフトがWindows 11で使えない
  • フリーソフトが最新版で対応していない

でも、あきらめる必要はありません!そんなとき、強力な助けになるのが「互換モード」という機能です。

この記事では、Windows初心者の方でもかんたんにできるよう、互換モードを使って古いソフトを動かす方法をくわしく解説します。

スポンサーリンク

互換モードとは?タイムマシンのような便利機能

互換モードの仕組み

互換モードとは、過去のバージョンのWindowsの環境を再現して、古いソフトを動かすための機能です。

まるで「タイムマシン」のように、新しいWindows上で古いWindowsの環境を作り出します。

具体的には

  • Windows 11で「Windows 7の環境」を再現
  • Windows 10で「Windows XPの環境」を再現
  • 古いソフトが「昔と同じ環境」だと錯覚して動作

どんなソフトに効果的?

効果が期待できるソフト

  • 業務用の古いソフトウェア
  • 教育ソフトや学習ソフト
  • 古いゲーム(特にWindows 95~XP時代)
  • CD-ROMで販売されていたソフト
  • フリーソフトやシェアウェア

効果が期待できないソフト

  • ハードウェアに直接アクセスするソフト
  • 古すぎるDOS時代のソフト
  • セキュリティソフト
  • システムの深い部分を変更するソフト

完璧ではありませんが、多くの古いソフトで効果を発揮します。

互換モードの設定手順:6つのかんたんステップ

事前準備:ソフトの場所を確認

まず、動かしたいソフトがどこにあるかを確認しましょう。

よくある保存場所

  • デスクトップのショートカット
  • 「プログラムファイル」フォルダー内
  • 「Program Files (x86)」フォルダー内

ステップ1:実行ファイルを見つける

動かしたいソフトの**実行ファイル(.exe)**を見つけます。

見つけ方

  1. ソフトのショートカットを右クリック
  2. 「ファイルの場所を開く」を選択
  3. 実行ファイル(.exeの付いたファイル)を確認

実行ファイルの特徴

  • ファイル名の後に「.exe」が付いている
  • ソフトのアイコンと同じアイコンをしている
  • ダブルクリックするとソフトが起動する

ステップ2:右クリックでメニューを開く

実行ファイル(.exe)を右クリックします。

すると、以下のようなメニューが表示されます:

  • 開く
  • 管理者として実行
  • プロパティ ← これを選択

ステップ3:「プロパティ」を選択

表示されたメニューから「プロパティ」をクリックします。

「プロパティ」ウィンドウが開きます。

ステップ4:「互換性」タブを開く

プロパティウィンドウの上部にある「互換性」タブをクリックします。

ここに互換モードの設定があります。

ステップ5:互換モードを有効にする

互換モードでこのプログラムを実行する」の項目にチェックを入れます。

チェックを入れると、下にプルダウンメニューが表示されます。

ステップ6:適切なWindowsバージョンを選択

プルダウンメニューから、そのソフトが正常に動いていた頃のWindowsバージョンを選択します。

選択できるバージョン例

  • Windows 95
  • Windows 98/Windows Me
  • Windows XP (Service Pack 2)
  • Windows XP (Service Pack 3)
  • Windows Vista
  • Windows Vista (Service Pack 1)
  • Windows Vista (Service Pack 2)
  • Windows 7
  • Windows 8

どのバージョンを選べばいい?

  • わからない場合:Windows 7から試してみる
  • 古いソフト:Windows XPやWindows 98を試す
  • 比較的新しいソフト:Windows 7やWindows 8を試す

最後に「OK」ボタンをクリックして設定を保存します。

動作確認

設定が完了したら、ソフトを起動して動作を確認してみましょう。

うまく動かない場合は、別のWindowsバージョンを試してみてください。

実際の使用例:こんな場面で互換モードが活躍

例1:Windows 11でWindows 7用ソフトを動かす

状況 Windows 7で使っていた家計簿ソフトが、Windows 11にアップグレード後に起動しなくなった。

解決方法

  1. 家計簿ソフトの実行ファイルを右クリック
  2. プロパティ→互換性タブを開く
  3. 「互換モードでこのプログラムを実行する」にチェック
  4. 「Windows 7」を選択
  5. OKをクリック

結果 家計簿ソフトが正常に起動し、データも引き続き使用できるようになった。

例2:CD-ROMの古いゲームを動かす

状況 20年前にCD-ROMで購入したパズルゲームを、新しいPCでプレイしたい。

解決方法

  1. CD-ROMからゲームをインストール
  2. ゲームの実行ファイルを見つける
  3. 互換モード設定で「Windows XP (Service Pack 3)」を選択
  4. 追加設定で「640×480の解像度で実行する」もチェック

結果 古いゲームが問題なく動作し、懐かしのゲームを楽しめるようになった。

例3:業務用ソフトの継続使用

状況 会社で使用している在庫管理ソフトが、新しいPCで動作しない。ソフトの開発会社はすでに存在しない。

解決方法

  1. 在庫管理ソフトの実行ファイルを特定
  2. 互換モード設定で「Windows XP (Service Pack 2)」を選択
  3. 「管理者としてこのプログラムを実行する」もチェック

結果 在庫管理ソフトが動作し、業務を継続できるようになった。

これらの例のように、互換モードは様々な場面で古いソフトを復活させることができます。

追加設定とトラブルシューティング

その他の便利な設定オプション

互換性タブには、バージョン選択以外にも便利な設定があります。

「設定」の項目

640×480の解像度で実行する

  • 古いゲームで画面表示がおかしい場合
  • 昔の低解像度ソフト用

256色モードで実行する

  • 色の表示がおかしい古いソフト用
  • Windows 95時代のソフトに効果的

デスクトップコンポジションを無効にする

  • Windows Aeroの視覚効果を無効化
  • 描画に問題があるソフト用

高DPI設定では画面スケーリングを無効にする

  • 高解像度モニターで文字が小さくなる場合
  • 最近のPCでよく必要になる設定

よくあるトラブルと解決方法

Q:設定しても動かない場合は?

A:以下の方法を順番に試してください

  1. 別のWindowsバージョンを試す
    • Windows 7→XP→98の順で試す
    • より古いバージョンの方が効果的な場合も
  2. 管理者権限で実行
    • 「管理者としてこのプログラムを実行する」にチェック
    • セキュリティの問題で動かない場合に効果的
  3. 追加設定を組み合わせる
    • 解像度、色数、DPI設定を同時に変更
    • 複数の設定が必要な場合もある

Q:エラーメッセージが表示される場合は?

A:エラー内容に応じて対処

  • 「このアプリはお使いのPCでは実行できません」 → 32ビット版のソフトかどうか確認
  • 「管理者権限が必要です」 → 「管理者として実行」を設定
  • 「ファイルが見つかりません」 → 必要なファイルが不足している可能性

Q:途中で止まってしまう場合は?

A:互換性のあるバージョンでない可能性

  • より古いWindowsバージョンを選択
  • Windows 98やWindows 95を試す
  • それでも動かない場合は、そのソフトは対応していない可能性

注意点と制限事項:知っておきたい重要なポイント

互換モードでできないこと

すべてのソフトが対応しているわけではない

  • 互換モードは万能ではありません
  • 特にハードウェアに直接アクセスするソフトは難しい
  • システムの奥深くを変更するソフトも対応困難

64ビットOSでは32ビットアプリのみ対応

  • 16ビットの古いソフト(DOS時代など)は動作しない
  • 非常に古いソフトは、別の方法が必要

安全のための注意点

設定変更前にバックアップを取る

  1. 重要なデータは事前にバックアップ
  2. システムの復元ポイントを作成
  3. 何か問題が起きても元に戻せるよう準備

信頼できるソフトのみ使用

  • 出所不明のソフトは避ける
  • ウイルス対策ソフトでスキャン
  • 安全性を確認してから実行

管理者権限の使用に注意

  • 「管理者として実行」は必要な場合のみ
  • システムへの影響が大きくなる可能性
  • 信頼できるソフトのみに使用

パフォーマンスへの影響

動作が重くなる場合がある

  • 互換モードは追加の処理が必要
  • 古いソフトほど軽いとは限らない
  • メモリやCPUの使用量が増える場合も

まとめ

互換モードの価値

Windowsの互換モードを使うことで、古いソフトを新しいPCでも利用できる可能性が高まります

特に以下のような場面では、非常に価値のある機能です:

  • 仕事で必要な業務ソフトが新しいPCで使えない
  • 思い出のゲームをもう一度プレイしたい
  • 教育ソフトを継続して使用したい
  • 代替ソフトがない特殊なツールを使い続けたい

成功のコツ

段階的なアプローチ

  1. まずはWindows 7から試す
  2. だめならより古いバージョンを試す
  3. 追加設定も組み合わせる
  4. それでもだめなら他の方法を検討

忍耐強く試行錯誤

  • 一度で成功することは少ない
  • 複数のバージョンや設定を試す
  • 諦めずに取り組むことが重要

今日から始められること

ステップ1:手持ちの古いソフトを確認 動かなくなったソフトがあるかチェックしてみましょう。

ステップ2:まずは1つのソフトで練習 操作に慣れるため、重要でないソフトから試してみてください。

ステップ3:成功したら他のソフトにも応用 慣れてきたら、本当に必要なソフトにも適用してみましょう。

さいごに

互換モードは、古いソフトウェア資産を活用するための強力なツールです。

「新しいPCを買ったら、お気に入りのソフトが使えなくなった」「仕事で必要なソフトが動かない」こんな悩みを、互換モードが解決してくれるかもしれません。

完璧ではありませんが、試してみる価値は十分にあります。

ビジネスでも趣味でも、必要なソフトがある場合は、ぜひ一度互換モードを試してみてください。

コメント

タイトルとURLをコピーしました