パソコンを使っていると、画面に表示されている内容を写真として保存したいことがよくありますよね。
- ウェブサイトの内容を記録したい
- エラーメッセージを人に見せたい
- 資料作成で画面の一部を使いたい
- SNSに画面の写真を投稿したい
Windows 11には、このような「スクリーンショット(画面写真)」を撮る方法がいくつも用意されています。
それぞれに特徴があるので、目的に合わせて使い分けることができます。
この記事では、Windows 11でスクリーンショットを撮るすべての方法を、パソコン初心者でもわかるように詳しく解説します。
スクリーンショットとは?

基本的な意味
スクリーンショットとは、パソコンの画面に表示されている内容を、そのまま画像ファイルとして保存することです。
「画面キャプチャ」「スクショ」などとも呼ばれます。
どんなときに使う?
日常的な使用例
- 記録として残したい:重要な情報や設定画面
- 人に見せたい:エラーメッセージや操作方法
- 資料作成:プレゼンテーションや説明書
- SNS投稿:面白い画面や達成記録
- 備忘録:後で見返したい画面
スクリーンショットの種類
Windows 11では、以下のような撮影方法があります:
- 画面全体:デスクトップ全体を撮影
- アクティブウィンドウ:現在開いているウィンドウだけ
- 選択範囲:画面の一部分だけを指定して撮影
- 遅延撮影:数秒後に自動で撮影
【基本編】キーボードショートカットを使う方法

画面全体のスクリーンショット
方法1:PrtScn(プリントスクリーン)キー
- 操作:
PrtScn
キーを1回押す - 結果:画面全体がクリップボード(一時的な保存場所)に保存される
- 次の手順:ペイントやWordなどに貼り付け(Ctrl + V)して保存
方法2:Windows + PrtScn
- 操作:
Windows
キー +PrtScn
キーを同時押し - 結果:画面全体が自動的にファイルとして保存される
- 保存場所:「ピクチャ」フォルダ内の「スクリーンショット」フォルダ
- ファイル名:「スクリーンショット (日付).png」
どちらを使えばいい?
- すぐにファイルが欲しい場合:Windows + PrtScn
- 編集してから保存したい場合:PrtScn
アクティブウィンドウのスクリーンショット
操作方法
- キー:
Alt
+PrtScn
- 効果:現在選択されているウィンドウだけを撮影
- 保存先:クリップボード(貼り付けが必要)
使用例
- ブラウザのウィンドウだけを撮影したい
- 特定のアプリケーションの画面だけが必要
- デスクトップの他の部分を隠したい
注意点
- 撮影したいウィンドウをクリックして「アクティブ」にしてから実行
- クリップボードに保存されるので、他のアプリに貼り付けが必要
【応用編】範囲を指定してスクリーンショット

Snipping Tool(最も便利な方法)
起動方法
- キーボード:
Windows
+Shift
+S
- スタートメニュー:「Snipping Tool」と検索して起動
使い方の詳細手順
ステップ1:起動
Windows
+ Shift
+ S
を押すと、画面が少し暗くなり、上部にツールバーが表示されます。
ステップ2:撮影方法を選択
ツールバーから以下のいずれかを選択:
- 四角形の選択:ドラッグして四角い範囲を指定
- フリーフォーム選択:自由な形で範囲を指定
- ウィンドウの選択:クリックしたウィンドウを自動選択
- 全画面:画面全体を撮影
ステップ3:範囲を指定
選択した方法に応じて、撮影したい範囲を指定します。
ステップ4:撮影完了
範囲を指定すると自動的に撮影され、画面右下に通知が表示されます。
ステップ5:画像の処理
- そのまま使用:クリップボードにコピーされているので、他のアプリに貼り付け可能
- 編集・保存:通知をクリックして、Snipping Tool で編集・保存
Snipping Tool の便利な機能
編集機能
撮影後にSnipping Toolが開いた場合、以下の編集ができます:
- ペンツール:手書きで線や文字を追加
- 蛍光ペン:重要な部分をハイライト
- 消しゴム:手書き部分を削除
- 定規:直線を引くためのガイド
保存機能
- ファイル形式:PNG、JPEG、GIF、HTMLから選択可能
- 保存場所:任意の場所を指定可能
- ファイル名:自由に設定可能
【上級編】Snipping Tool アプリを使う方法
アプリの起動方法
方法1:スタートメニューから
- スタートボタンをクリック
- 「Snipping Tool」と入力
- 検索結果から「Snipping Tool」をクリック
方法2:すべてのアプリから
- スタートボタンをクリック
- 「すべてのアプリ」をクリック
- 「S」の項目から「Snipping Tool」を探してクリック
遅延撮影機能
設定方法
- Snipping Tool を起動
- 「遅延」ボタンをクリック
- 遅延時間を選択(3秒、5秒、10秒)
- 「新規」ボタンで撮影開始
使用場面
- メニューやツールチップを撮影したい
- マウスカーソルを特定の位置に合わせたい
- 準備時間が必要な画面を撮影したい
具体的な使用例
- 右クリックメニューを撮影
- ドロップダウンメニューを開いた状態で撮影
- ゲームの特定の瞬間を撮影
スクリーンショットの保存場所と管理

自動保存される場所
Windows + PrtScn の場合
- パス:C:\Users[ユーザー名]\Pictures\Screenshots
- ファイル名:スクリーンショット (日付と時刻).png
- 形式:PNG形式
保存場所の確認方法
- エクスプローラーを開く
- 左側で「ピクチャ」をクリック
- 「スクリーンショット」フォルダを開く
クリップボードの活用
クリップボードとは
一時的にデータを保存する場所のことです。
コピー(Ctrl + C)や切り取り(Ctrl + X)をしたときに、データがここに保存されます。
クリップボード履歴の確認
- キー:
Windows
+V
- 効果:過去にコピーしたスクリーンショットを一覧表示
- 利点:複数の画像を順番に貼り付け可能
クリップボード履歴の有効化
- 設定アプリを開く
- 「システム」→「クリップボード」
- 「クリップボードの履歴」をオンにする
ファイル形式の選択
PNG形式(推奨)
- 特徴:高画質、透明背景対応
- 用途:資料作成、ウェブサイト、編集用
- ファイルサイズ:大きめ
JPEG形式
- 特徴:ファイルサイズが小さい
- 用途:メール送信、ストレージ節約
- 注意点:画質が若干劣化する
GIF形式
- 特徴:アニメーション対応
- 用途:動きのある画面の記録
- 制限:色数が限定される
便利な機能とコツ

マウスカーソルを含める方法
標準の方法では含まれない
通常のスクリーンショットでは、マウスカーソルは撮影されません。
カーソルを含める方法
- Snipping Tool を起動
- 設定(歯車アイコン)をクリック
- 「スクリーンショットにマウスカーソルを含める」にチェック
使用場面
- 操作手順の説明
- クリックする場所の指示
- チュートリアル作成
連続撮影のコツ
複数の画面を効率よく撮影
Windows
+Shift
+S
で撮影- すぐに次の画面に移動
- 再度
Windows
+Shift
+S
で撮影 Windows
+V
で履歴から選択して貼り付け
注意点
- クリップボード履歴が有効になっている必要がある
- 履歴には限りがあるので、定期的に保存する
ショートカットキーの覚え方
覚えやすいコツ
- PrtScn:「Print Screen」の略
- Windows + Shift + S:「Screenshot」の「S」
- Alt + PrtScn:「Alternative(代替)」で部分的
- Windows + V:「View(表示)」で履歴表示
トラブルシューティング
よくある問題と解決方法
問題1:PrtScnキーが効かない
原因と解決方法
- Fnキーとの組み合わせが必要:
Fn
+PrtScn
を試す - キーボードドライバの問題:デバイスマネージャーで更新
- 他のソフトウェアとの競合:一時的に他のアプリを終了
問題2:画像が保存されない
確認すべき点
- 保存先フォルダの権限:ピクチャフォルダへの書き込み権限
- ディスク容量:十分な空き容量があるか
- ファイル名の重複:同じ名前のファイルが存在しないか
問題3:Snipping Tool が起動しない
対処方法
- Windows更新の確認:最新の更新プログラムを適用
- アプリの修復:設定→アプリ→Snipping Tool→詳細オプション→修復
- 再インストール:Microsoft Store から再インストール
問題4:画質が悪い
改善方法
- ディスプレイの解像度確認:設定→システム→ディスプレイ
- 拡大率の調整:100%に設定してから撮影
- PNG形式で保存:JPEG ではなく PNG を使用
パフォーマンスの最適化
大量のスクリーンショットを撮る場合
- 定期的にクリップボード履歴をクリア
- 不要なファイルは早めに削除
- ストレージの空き容量を確保
メモリ使用量を抑える
- Snipping Tool は使用後に終了
- 他の画像編集ソフトとの同時使用を避ける
- 大きな画像は適切にリサイズ
目的別おすすめ方法

用途に応じた最適な方法
簡単に全画面を撮影したい → Windows
+ PrtScn
- メリット:一番簡単、自動保存
- デメリット:編集ができない
画面の一部だけ撮影したい → Windows
+ Shift
+ S
- メリット:範囲指定可能、編集可能
- デメリット:少し手順が多い
連続で複数撮影したい → Snipping Tool + クリップボード履歴
- メリット:効率的、履歴管理
- デメリット:設定が必要
高品質な画像が欲しい → Snipping Tool で PNG 保存
- メリット:高画質、編集機能
- デメリット:ファイルサイズが大きい
メールで送信したい → 範囲指定撮影 → 直接貼り付け
- メリット:ファイル管理不要
- デメリット:画像の再利用が困難
職業別活用例
事務職の方
- エラー画面の記録:
Windows
+Shift
+S
- 手順書作成:Snipping Tool での編集機能活用
- 会議資料:画面の必要な部分だけを抜粋
学生の方
- オンライン授業の記録:
Windows
+PrtScn
- 研究資料の収集:範囲指定での効率的撮影
- レポート作成:編集機能でポイントを強調
技術者の方
- バグ報告:詳細な画面情報の記録
- システム設定の記録:設定画面の正確な撮影
- マニュアル作成:手順を視覚的に説明
セキュリティとプライバシーの注意点

撮影時の注意事項
個人情報の保護
- 画面に表示されている情報を確認
- 名前、住所、電話番号
- クレジットカード情報
- パスワードやID
- ブラウザのアドレスバー:個人的なURLが含まれていないか
- 通知エリア:プライベートな通知が表示されていないか
職場での注意点
- 機密情報の確認:社内の機密文書が映っていないか
- 許可の確認:スクリーンショットの取得・共有が許可されているか
- 共有範囲の確認:誰に、どこまで共有するのか
保存ファイルの管理
ファイルの整理
- 定期的な整理:不要なファイルは削除
- 分類して保存:用途別にフォルダを作成
- バックアップ:重要な画像はバックアップ
セキュリティ対策
- ファイルの暗号化:機密性の高い画像は暗号化
- アクセス権限の設定:共有フォルダでの権限管理
- 定期的な見直し:不要になった画像の削除
よくある質問

Q: 動画のスクリーンショットは撮れる?
A: 静止画としては撮影可能ですが、動画としては別の方法が必要です
静止画の場合
- 通常のスクリーンショット機能で撮影可能
- 動画再生中の特定の瞬間を撮影
動画として記録したい場合
- Xbox Game Bar:
Windows
+G
で起動 - PowerPoint:画面録画機能
- 専用ソフト:OBS Studio、Bandicam など
Q: 複数のモニターを使っている場合は?
A: モニター別に撮影することも、全体を撮影することも可能です
全モニターを撮影
Windows
+PrtScn
:すべてのモニターが1つの画像にPrtScn
:すべてのモニターがクリップボードに
特定のモニターのみ撮影
Windows
+Shift
+S
で範囲指定- Alt + PrtScn でアクティブウィンドウのみ
まとめ
方法別まとめ
最も簡単:Windows + PrtScn
- 適用場面:とりあえず画面全体を保存したい
- メリット:操作が簡単、自動保存
- デメリット:編集ができない、ファイルサイズが大きい
最も便利:Windows + Shift + S
- 適用場面:画面の一部だけを撮影したい
- メリット:範囲指定可能、編集可能、効率的
- デメリット:少し操作が複雑
最も高機能:Snipping Tool アプリ
- 適用場面:高品質な画像や特殊な撮影が必要
- メリット:全機能利用可能、遅延撮影対応
- デメリット:アプリの起動が必要
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