Unity(ユニティ)での開発は、マウス操作だけでも進められますが、ショートカットキーを使うことで、作業スピードが大きく変わります。
特に、複数のウィンドウ操作やオブジェクトの編集作業が多い場面では、ショートカットの有無がそのまま生産性に直結します。
この記事では、初心者にもわかりやすく、かつ実際の現場でよく使われているショートカットキーを整理しました。ショートカットを活用して、Unity開発をもっと快適に、そして効率的に進めましょう。
必須の基本ショートカットキー

オブジェクト操作の基本
まずは、Unityで最も頻繁に使用される基本操作のショートカットからご紹介します。
機能 | Windows | Mac | 使用頻度 | 説明 |
---|---|---|---|---|
移動ツール | W | W | ⭐⭐⭐ | オブジェクトの位置を変更 |
回転ツール | E | E | ⭐⭐⭐ | オブジェクトの角度を調整 |
スケールツール | R | R | ⭐⭐⭐ | オブジェクトのサイズを変更 |
矩形ツール | T | T | ⭐⭐ | UI要素の編集に使用 |
全選択 | Ctrl + A | Cmd + A | ⭐⭐ | シーン内の全オブジェクトを選択 |
ファイル操作とプロジェクト管理
機能 | Windows | Mac | 使用頻度 | 説明 |
---|---|---|---|---|
保存 | Ctrl + S | Cmd + S | ⭐⭐⭐ | シーンとプロジェクトを保存 |
新規シーン | Ctrl + N | Cmd + N | ⭐⭐ | 新しいシーンを作成 |
シーンを開く | Ctrl + O | Cmd + O | ⭐⭐ | 既存のシーンを開く |
ビルド実行 | Ctrl + B | Cmd + B | ⭐⭐ | プロジェクトをビルド |
プレイモードとテスト
機能 | Windows | Mac | 使用頻度 | 説明 |
---|---|---|---|---|
再生/停止 | Ctrl + P | Cmd + P | ⭐⭐⭐ | ゲームの実行・停止 |
一時停止 | Ctrl + Shift + P | Cmd + Shift + P | ⭐⭐ | ゲームの一時停止 |
1フレーム進む | Ctrl + Alt + P | Cmd + Option + P | ⭐ | デバッグ時のフレーム送り |
実践的な使用例
W・E・Rキーの活用
シーン制作での典型的な流れ:
1. Wキー → オブジェクトを適切な位置に移動
2. Eキー → 正しい角度に回転
3. Rキー → サイズを調整
4. Ctrl + P → すぐにテスト実行
この流れをショートカットで行うことで、
マウス操作のみの場合の1/3の時間で完了
保存とテストの習慣化
開発中の良い習慣:
- 重要な変更後は即座にCtrl + S
- 小さな変更でもCtrl + Pで動作確認
- 問題発見時はCtrl + Shift + Pで一時停止分析
これらはUnityを触り始めた初期段階でも役立つ基本キーです。
次は、シーン操作に便利なショートカットを詳しく見ていきましょう。
シーンビュー操作の効率化

カメラとビューの制御
Unityのエディタでは、シーンビューをスムーズに扱うことが開発効率に直結します。
機能 | Windows | Mac | 使用頻度 | 説明 |
---|---|---|---|---|
フォーカス | F | F | ⭐⭐⭐ | 選択オブジェクトを画面中央に表示 |
フレーミング | Shift + F | Shift + F | ⭐⭐ | 選択オブジェクト全体を画面に収める |
シーンビュー移動 | 中ボタン + ドラッグ | 中ボタン + ドラッグ | ⭐⭐⭐ | ビューの平行移動 |
シーンビュー回転 | Alt + 左ドラッグ | Option + 左ドラッグ | ⭐⭐⭐ | カメラアングルの変更 |
ズーム | スクロールホイール | スクロールホイール | ⭐⭐⭐ | 拡大・縮小 |
視点とパースペクティブ
機能 | Windows | Mac | 使用頻度 | 説明 |
---|---|---|---|---|
透視/平行投影切り替え | – | – | ⭐⭐ | シーンビューギズモの目アイコンをクリック |
上面ビュー | – | – | ⭐⭐ | シーンビューの方向キューブの上面をクリック |
前面ビュー | – | – | ⭐⭐ | シーンビューの方向キューブの前面をクリック |
右面ビュー | – | – | ⭐⭐ | シーンビューの方向キューブの右面をクリック |
高度なシーンビュー操作
フライスルーモード(FPS風操作):
操作方法:
1. 右クリック + WASD で移動
2. 右クリック + QE で上下移動
3. 右クリック + Shift で高速移動
4. 右クリック + マウス移動で視点変更
使用場面:
- 大きな建築物やレベルの内部探索
- キャラクターの視点での確認
- 細かい装飾の配置作業
実践的な活用例
大きなマップでの効率的な作業
シナリオ:オープンワールドのマップ制作
1. 特定の建物を編集したい場合
→ ヒエラルキーで建物を選択 → F キー
→ 瞬時にその建物にフォーカス
2. 全体のバランスを確認したい場合
→ 地形オブジェクトを選択 → Shift + F
→ マップ全体を画面に収めて表示
3. プレイヤー視点で確認したい場合
→ 右クリック + WASD でプレイヤーのように移動
UI制作での精密作業
シナリオ:複雑なUIレイアウトの調整
1. UI要素の位置合わせ
→ Fキーで要素にフォーカス
→ 透視投影をオフにして正確な配置
2. 複数の UI パネルの関係確認
→ 親パネルを選択 → Shift + F
→ 全体構成を一目で把握
シーンビューの操作をマスターすれば、編集作業がよりスムーズになります。次は、オブジェクトの編集と管理に役立つショートカットをご紹介します。
オブジェクト編集と管理の効率化

オブジェクトの作成と複製
機能 | Windows | Mac | 使用頻度 | 説明 |
---|---|---|---|---|
複製 | Ctrl + D | Cmd + D | ⭐⭐⭐ | 選択オブジェクトの複製 |
削除 | Delete | Delete | ⭐⭐⭐ | 選択オブジェクトの削除 |
切り取り | Ctrl + X | Cmd + X | ⭐⭐ | オブジェクトを切り取り |
コピー | Ctrl + C | Cmd + C | ⭐⭐ | オブジェクトをコピー |
貼り付け | Ctrl + V | Cmd + V | ⭐⭐ | オブジェクトを貼り付け |
オブジェクトの状態管理
機能 | Windows | Mac | 使用頻度 | 説明 |
---|---|---|---|---|
アクティブ切り替え | Alt + Shift + A | Option + Shift + A | ⭐⭐ | オブジェクトの有効/無効切り替え |
選択解除 | Ctrl + Shift + A | Cmd + Shift + A | ⭐⭐ | 全選択を解除 |
Transform操作の高度なテクニック
機能 | Windows | Mac | 使用頻度 | 説明 |
---|---|---|---|---|
スナップ移動 | Ctrl + ドラッグ | Cmd + ドラッグ | ⭐⭐ | グリッドに合わせた移動 |
スナップ回転 | Ctrl + ドラッグ(回転時) | Cmd + ドラッグ(回転時) | ⭐⭐ | 15度単位での回転 |
中心点切り替え | Z | Z | ⭐⭐ | ピボットとセンター切り替え |
ローカル/グローバル切り替え | X | X | ⭐⭐ | 座標系の切り替え |
実践的な使用例
プレハブとUIパーツの量産
効率的な複製ワークフロー:
1. ベースとなるオブジェクトを作成・調整
2. Ctrl + D で複製
3. 位置調整(Wキー使用)
4. 必要に応じて回転・スケール調整(E・Rキー)
5. 2-4を必要な数だけ繰り返し
例:建物の窓を20個配置する場合
- 従来:各窓を個別作成 → 20分
- ショートカット活用 → 5分
レベルデザインでの効率的な配置
地形オブジェクトの配置最適化:
1. 基本の岩や木などを配置
2. Ctrl + D で複製
3. Ctrl + ドラッグでスナップ移動
4. E キーで自然な角度に回転
5. Alt + Shift + A でテスト用に一時無効化
この方法により:
- 配置精度が向上
- 作業時間が半減
- 後からの調整が容易
UI要素の精密配置
UIレイアウトの効率的な作成:
1. 基本ボタンを作成
2. Ctrl + D で必要な数だけ複製
3. Ctrl + ドラッグで正確な位置に配置
4. Z キーでピボット切り替えて調整
5. X キーでローカル座標での微調整
メリット:
- ピクセル単位の正確な配置
- 一貫したUI要素のサイズ
- レスポンシブ対応の準備
オブジェクトを素早く増やしたり、比較検証したりする際にこれらのキーは欠かせません。
次は、デバッグとテストに役立つショートカットを見ていきましょう。
デバッグとテストの効率化

プレイモードでの操作
機能 | Windows | Mac | 使用頻度 | 説明 |
---|---|---|---|---|
プレイ中の一時停止 | Space | Space | ⭐⭐⭐ | ゲーム実行中の一時停止 |
ステップ実行 | 一時停止中にSpace | 一時停止中にSpace | ⭐⭐ | 1フレームずつ実行 |
統計情報表示 | – | – | ⭐⭐ | Game ビューの Stats ボタン |
コンソールとデバッグ
機能 | Windows | Mac | 使用頻度 | 説明 |
---|---|---|---|---|
コンソール表示 | Ctrl + Shift + C | Cmd + Shift + C | ⭐⭐⭐ | Console ウィンドウを開く |
エラーのクリア | – | – | ⭐⭐ | Console の Clear ボタン |
ログの詳細表示 | – | – | ⭐⭐ | ログエントリをクリック |
インスペクターでの効率的な操作
機能 | Windows | Mac | 使用頻度 | 説明 |
---|---|---|---|---|
コンポーネント追加 | – | – | ⭐⭐⭐ | Add Component ボタン |
コンポーネント複製 | – | – | ⭐⭐ | コンポーネント右クリック → Copy Component |
値のリセット | – | – | ⭐⭐ | プロパティ右クリック → Reset |
実践的なデバッグテクニック
効率的なプレイテスト手順
推奨デバッグワークフロー:
1. Ctrl + P でプレイ開始
2. 問題発見時は Space で即座に一時停止
3. Inspector で値をリアルタイム確認・調整
4. Space でステップ実行して詳細分析
5. 修正後は Ctrl + P で再開
このサイクルにより:
- バグの特定時間が1/3に短縮
- 修正の精度が大幅向上
- 開発のイテレーション速度向上
パフォーマンス分析の効率化
フレームレート分析手順:
1. Game ビューで Stats を有効化
2. Ctrl + P でプレイ開始
3. 重い処理の場面で Space で一時停止
4. Profiler ウィンドウで詳細分析
5. 問題箇所を特定して最適化
効果:
- パフォーマンス問題の早期発見
- 最適化の優先順位明確化
- リリース前の品質向上
ウィンドウとレイアウト管理
ウィンドウの切り替えと管理
機能 | Windows | Mac | 使用頻度 | 説明 |
---|---|---|---|---|
Scene ビュー | Ctrl + 1 | Cmd + 1 | ⭐⭐⭐ | Scene ウィンドウにフォーカス |
Game ビュー | Ctrl + 2 | Cmd + 2 | ⭐⭐⭐ | Game ウィンドウにフォーカス |
Inspector | Ctrl + 3 | Cmd + 3 | ⭐⭐ | Inspector ウィンドウにフォーカス |
Console | Ctrl + Shift + C | Cmd + Shift + C | ⭐⭐ | Console ウィンドウを開く |
Project | Ctrl + 5 | Cmd + 5 | ⭐⭐ | Project ウィンドウにフォーカス |
レイアウトの保存と切り替え
カスタムレイアウトの作成
効率的なレイアウト設定:
1. 作業内容に応じたウィンドウ配置を調整
2. Window → Layouts → Save Layout
3. 用途別に複数レイアウトを保存
推奨レイアウト例:
- コーディング用:大きなProject、小さなScene
- レベルデザイン用:大きなScene、縦長のHierarchy
- UI制作用:Scene を正方形、大きなInspector
- デバッグ用:Console を大きく、Profiler を配置
カスタマイズと設定の最適化

ショートカットのカスタマイズ
Edit > Shortcuts でのカスタマイズ
おすすめカスタマイズ例:
1. よく使うメニュー項目にショートカット追加
2. 使わない標準ショートカットを別機能に割り当て
3. 他のソフトウェアとの統一性を考慮
カスタマイズの指針:
- 既存のショートカットとの競合を避ける
- 覚えやすい論理的な組み合わせを選ぶ
- チーム開発では統一されたカスタマイズを使用
プロジェクト固有の設定
プロジェクトタイプ別最適化:
2Dゲーム:
- 2D モード専用のショートカット追加
- スプライト編集関連の機能強化
3Dゲーム:
- ライティング関連のショートカット
- カメラ操作の最適化
VRプロジェクト:
- VR プレビュー専用ショートカット
- 空間認識関連の機能
まとめ
Unityのショートカットキーは、初心者から上級者まで使いこなせば作業スピードが2倍以上になることも珍しくありません。
この記事で紹介したショートカットを試してみてください。
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