「MacでAndroidアプリを作ってみたいけど、Android Studioのインストール方法がわからない」
そんな悩みを持つ初心者の方は多いのではないでしょうか。
実は、MacでのAndroid Studioのインストールは、正しい手順を知っていればとても簡単です。
この記事では、Android Studio初心者の方でも迷わずインストールできるよう、画面の説明とともに詳しく解説します。
Android Studioってなに?

Android Studioの役割
Android Studioとは、Googleが公式に提供しているAndroidアプリを作るためのソフトウェアです。「統合開発環境(IDE)」と呼ばれるツールで、アプリ作りに必要な機能がすべて一つにまとまっています。
Android Studioでできること
Android Studioには、以下のような便利な機能が含まれています:
プログラミング支援機能
- コード補完:入力途中で候補を表示してくれる
- 構文チェック:間違いを自動で見つけて教えてくれる
- デバッグ機能:プログラムの問題を見つけて直せる
デザイン機能
- レイアウトエディタ:画面デザインを視覚的に作成
- プレビュー機能:実際の画面を確認しながら作業
- 素材管理:アイコンや画像を簡単に追加
テスト機能
- エミュレーター:実際のスマホがなくてもアプリをテスト
- パフォーマンス分析:アプリの動作速度を確認
- デバイステスト:様々な機種での動作を確認
プロジェクト管理
- Git連携:バージョン管理で安全に開発
- ライブラリ管理:必要な機能を簡単に追加
- ビルド機能:アプリを配布用ファイルに変換
つまり、Android Studioがあれば、アプリのアイデアから完成まで、すべての工程を一つのソフトで完結できるのです。
インストール前の準備と確認
Android Studioをインストールする前に、お使いのMacが要件を満たしているか確認しましょう。
システム要件の確認
必要なmacOSバージョン
- macOS 10.14(Mojave)以降が必要
- 最新版を使うことをおすすめします
OSバージョンの確認方法
- 画面左上のAppleマークをクリック
- 「このMacについて」をクリック
- 「概要」タブでmacOSのバージョンを確認
推奨システム要件
- 8GB以上のメモリ(RAM)(4GB以上が最低要件)
- 5GB以上の空きディスク容量(SDKを含めると10GB以上推奨)
- Intel プロセッサまたはApple Silicon(M1/M2)
ディスク容量の確認
空き容量の確認方法
- Finderを開く
- サイドバーの「デスクトップ」をクリック
- 画面下部のステータスバーで使用可能な容量を確認
容量が不足している場合は、不要なファイルを削除するか、外付けストレージの利用を検討してください。
Javaについて
以前はJava Development Kit(JDK)を別途インストールする必要がありましたが、現在のAndroid Studioには必要なJavaが内蔵されているため、個別にインストールする必要はありません。
Android Studioのダウンロード方法

公式サイトからのダウンロード
ステップ1:公式サイトにアクセス
- WebブラウザでAndroid Studio公式サイトにアクセス
- 「ダウンロードファイル一覧」もしくは「Download Android Studio」ボタンを探す
ステップ2:利用規約の確認
- mac版のダウンロードリンクをクリック
- 利用規約が表示されるので内容を確認
- 「上記の利用規約を読み、同意します」にチェック
- 「Mac版をダウンロード」をクリック
ステップ3:ダウンロード開始
- ファイルサイズは約1GB程度
- ダウンロード時間はインターネット速度によって異なります
- ファイル名は「android-studio-xxxx-mac.dmg」のような形式
Android Studioのインストール手順
ダウンロードが完了したら、いよいよインストールを開始します。
dmgファイルを開く
ステップ1:ダウンロードファイルを開く
- ダウンロードフォルダを開く
- 「android-studio-xxxx-mac.dmg」ファイルをダブルクリック
- しばらく待つと、インストーラー画面が表示される
ステップ2:セキュリティ警告への対処 初回実行時に「開発元を確認できません」という警告が表示される場合:
- 「システム環境設定」を開く
- 「セキュリティとプライバシー」をクリック
- 「一般」タブで「このまま開く」をクリック
アプリケーションフォルダへの移動

ステップ3:Android Studioをインストール
- インストーラー画面でAndroid Studioのアイコンが表示される
- Android Studioアイコンを「Applications」フォルダにドラッグ&ドロップ
- コピーが完了するまで待つ(数分かかる場合があります)
ステップ4:dmgファイルの後始末
- インストーラー画面を閉じる
- デスクトップのdmgファイルアイコンを右クリック
- 「取り出す」をクリックして、アンマウントする
Android Studioの初回起動と設定
インストールが完了したら、Android Studioを起動して初期設定を行います。
初回起動の手順
ステップ1:Android Studioを起動
- LaunchpadまたはアプリケーションフォルダからAndroid Studioを起動
- 初回起動には少し時間がかかります
ステップ2:設定の引き継ぎについて 「Import Android Studio Settings」画面が表示された場合:
- 初めて使う場合:「Do not import settings」を選択
- 以前のバージョンから引き継ぐ場合:該当する設定ファイルを選択
ステップ3:セットアップウィザードの開始
- **「Next」**をクリックしてセットアップを開始
- インストールタイプの選択画面が表示される
セットアップウィザードの設定
ステップ4:インストールタイプの選択
- 「Standard」:推奨設定で自動インストール(初心者におすすめ)
- 「Custom」:詳細設定を自分で選択(上級者向け)
初心者の方は**「Standard」を選択**することをおすすめします。
ステップ5:UIテーマの選択
- 「Light」:明るい背景のテーマ
- 「Darcula」:暗い背景のテーマ(目に優しい)
好みに応じて選択してください。後から変更も可能です。
ステップ6:SDK Components Setupの確認
- Android SDKのダウンロード先フォルダが表示される
- 通常はデフォルトのままで問題ありません
- 「Next」をクリック
必要コンポーネントのダウンロード
ステップ7:ライセンス同意
- Android SDKの利用規約が表示される
- 「Accept」をクリックして同意
- 複数のライセンスがある場合は、すべてに同意
ステップ8:コンポーネントのダウンロード
- Android SDK、エミュレーター、ツールなどが自動でダウンロード開始
- ダウンロードには30分〜1時間程度かかる場合があります
- 進行状況バーで進捗を確認できます
ダウンロード中の注意点
- インターネット接続を切断しない
- Macをスリープ状態にしない
- Android Studioを終了しない
初期設定の詳細
セットアップが完了したら、開発を始めるための初期設定を行います。
SDK Managerの確認
Android SDKの確認方法
- Android Studioのメイン画面で「More Actions」をクリック
- 「SDK Manager」を選択
- インストール済みのSDKバージョンを確認
追加でインストールすべきSDK
- 最新のAndroid API(Android 13、14など)
- よく使われるバージョン(Android 11、12など)
- Google Play Services
エミュレーター(仮想デバイス)の設定
AVD(Android Virtual Device)の作成
- メイン画面で**「More Actions」→「Virtual Device Manager」**をクリック
- **「Create Device」**をクリック
- デバイスタイプを選択(Pixel 4、Pixel 6 Proなど推奨)
- システムイメージを選択(最新のAndroidバージョンがおすすめ)
- 「Next」→**「Finish」**でエミュレーター作成完了
エミュレーターの動作確認
- 作成したエミュレーターの**「再生ボタン」**をクリック
- Androidの起動画面が表示されれば成功
- 初回起動には数分かかる場合があります
新規プロジェクトの作成

環境設定が完了したら、実際にプロジェクトを作成してみましょう。
プロジェクト作成の手順
ステップ1:新規プロジェクトの開始
- Android Studioメイン画面で**「New Project」**をクリック
- プロジェクトテンプレートの選択画面が表示される
ステップ2:テンプレートの選択
- 「Empty Activity」:最もシンプルなテンプレート(初心者におすすめ)
- 「Basic Activity」:メニューバー付きの基本テンプレート
- 「Navigation Drawer Activity」:ナビゲーション機能付き
初めての場合は**「Empty Activity」**を選択してください。
ステップ3:プロジェクト設定 以下の項目を設定します:
- Name:アプリの名前(例:「My First App」)
- Package name:アプリの識別子(例:「com.example.myfirstapp」)
- Save location:プロジェクトの保存場所
- Language:KotlinまたはJava(Kotlinがおすすめ)
- Minimum SDK:対応する最低Androidバージョン(API 21以上推奨)
ステップ4:プロジェクト作成完了
- **「Finish」**をクリック
- プロジェクトが作成され、Android Studioの開発画面が表示される
- 初回は必要なファイルのダウンロードに時間がかかる場合があります
作成したアプリの実行
エミュレーターでの実行
- 画面上部の**「実行ボタン(▶)」**をクリック
- エミュレーターが起動し、アプリが自動でインストールされる
- 「Hello World!」と表示されたら成功
実機での実行(任意)
- Androidスマホを開発者モードに設定
- USBデバッグを有効にする
- USBケーブルでMacに接続
- 実行ボタンをクリックして、接続した実機を選択
よくある問題と対処法
インストールや設定でよくある問題と解決方法を説明します。
インストール時の問題
問題1:「開発元を確認できません」エラー
原因:macOSのセキュリティ機能による制限
解決方法:
- システム環境設定→セキュリティとプライバシーを開く
- 「一般」タブで「このまま開く」をクリック
- 管理者パスワードを入力
問題2:ダウンロードが途中で止まる
原因:ネットワークの不安定やファイアウォール設定
解決方法:
- インターネット接続を確認
- ファイアウォール設定を一時無効化
- ダウンロードを再開
初回起動時の問題
問題3:SDKのダウンロードが失敗する
原因:ネットワーク制限やディスク容量不足
解決方法:
- ディスク容量を確保(10GB以上推奨)
- プロキシ設定を確認(企業ネットワークの場合)
- SDK Managerから手動でダウンロード
問題4:エミュレーターが起動しない
原因:Macのハードウェア加速設定やメモリ不足
解決方法:
- 「仮想化支援機能」が有効になっているか確認
- メモリを増やす(8GB以上推奨)
- Intel HAXMまたはApple Hypervisorの設定確認
パフォーマンス向上のコツ
Android Studioの動作を軽くする方法
- 不要なプラグインを無効化
- メモリ設定を調整(Preferences→Memory Settings)
- インデックス作成を待つ(初回は時間がかかります)
まとめ
MacでのAndroid Studioインストールについて、重要なポイントをまとめると:
事前準備
- macOS 10.14以降が必要
- 10GB以上の空きディスク容量を確保
- 安定したインターネット接続
インストール手順
- 公式サイトからダウンロード
- dmgファイルを開いてアプリケーションフォルダに移動
- 初回起動でセットアップウィザードを実行
- 必要なSDKとツールを自動ダウンロード
初期設定
- SDK Managerで必要なAndroidバージョンを確認
- AVD Managerでエミュレーターを作成
- 新規プロジェクトを作成してテスト実行
トラブル対処
- セキュリティ警告はシステム環境設定で解決
- ダウンロード失敗時はネットワークとディスク容量を確認
- エミュレーター起動問題はハードウェア設定を確認
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