macOSが起動しなくなったとき、あなたを助けてくれるのがリカバリーモードです。
この記事では、リカバリーモードの使い方から注意点まで、初心者にもわかりやすく解説します。
リカバリーモードってなに?

macOSリカバリーモードとは、macが正常に起動しないときでも使える特別な修復環境のことです。
リカバリーモードでできること
リカバリーモードに入ると、以下のような修復作業ができます:
- Time Machineからの復元:バックアップから以前の状態に戻す
- ディスクユーティリティでの修復:ハードディスクやSSDの不具合を直すmacOSの再インストール:システム全体を入れ直す
- ターミナルやネットワークユーティリティ:上級者向けの詳細な設定
大切なのは、リカバリーモードに入っただけでは普段のデータは消えないということです。ただし、ディスクを消去したりOSを再インストールしたりする場合は注意が必要です。
起動方法:あなたのMacはどのタイプ?
Macの種類によって起動方法が違います。まずは自分のMacがどちらのタイプか確認しましょう。
Intel Macの場合
2020年より前に発売されたMacの多くがこのタイプです。
基本的な起動方法
- Macの電源を完全に切る
- 電源ボタンを押してすぐに ⌘(コマンド)+ R キーを長押し
- Appleのロゴマークや地球のマークが表示されるまで押し続ける
- リカバリーモードの画面が表示される
その他の起動オプション
- ⌥(オプション)+ ⌘ + R:インターネットリカバリーモード。最新のmacOSをオンラインからダウンロード
- ⇧(シフト)+ ⌥ + ⌘ + R:購入時のmacOSまたはそれに近いバージョンを再インストール
Apple Silicon(M1〜M4)Macの場合
2020年以降に発売されたMacの多くがこのタイプです。
MacBook Air、MacBook Pro、iMac、Mac miniの新しいモデルが該当します。
起動方法
- Macをシャットダウンする
- 電源ボタン(Touch IDがある場合はそのボタン)を長押し
- 「起動オプションを読み込み中」または「Options」と書かれたアイコンが表示されたら指を離す
- 「Options」を選んで「続ける」をクリック
- 管理者パスワードを入力してリカバリーモードに入る
主要なユーティリティの使い方

リカバリーモードに入ると、いくつかの修復ツールが使えます。それぞれの役割を理解しておきましょう。
ディスクユーティリティ
用途:ハードディスクやSSDの修復・消去
使用場面:ディスクエラーが発生したとき、ストレージを完全に消去したいとき
macOSの再インストール
用途:オペレーティングシステム全体の入れ直し
使用場面:システムが深刻に破損したとき、クリーンインストールしたいとき
Time Machineから復元
用途:バックアップから以前の状態に戻す
使用場面:データを失う前の状態に戻したいとき
ターミナル
用途:コマンドラインでの詳細な操作
使用場面:上級者が特殊な修復作業を行うとき
その他のユーティリティ
- 起動セキュリティユーティリティ:セキュリティ設定の変更
- ネットワークユーティリティ:ネットワーク関連の診断
うまくいかないときの対処法
リカバリーモードに入れない場合は、以下の点を確認してください。
タイミングの問題
症状:キーを押してもリカバリーモードに入らない
対処法:電源ボタンを押した直後、できるだけ早くキーを押してください。
少し遅れただけでも失敗することがあります。
キーボードの問題
症状:キーを押しても反応しない
対処法:
- 外付けキーボードを使っている場合は、有線接続のものを使用
- 別のキーボードがあれば試してみる
- 内蔵キーボードでも試してみる
リカバリーパーティションの破損
症状:通常のリカバリーモードに入れない
対処法:インターネットリカバリー(⌥⌘R)を試してください。
オンラインからリカバリー環境をダウンロードします。
ファームウェアパスワードの問題
症状:パスワードを求められて先に進めない
対処法:設定されているファームウェアパスワードを解除してから再度試してください。
リカバリーモードから抜ける方法
作業が終わったら、以下の方法で通常モードに戻れます:
- 画面上部のメニューから「再起動」または「システム終了」を選ぶ
- 起動ディスクを選択してから通常モードで起動する
まとめ
リカバリーモードは、Macのトラブル時に頼りになる重要な機能です。覚えておくべきポイントをまとめると:
Intel Macの場合
- 基本:⌘ + R
- 最新版:⌥ + ⌘ + R
- 初期版:⇧ + ⌥ + ⌘ + R
Apple Silicon Macの場合
- 電源ボタン長押し → Options選択 → 続ける
成功のコツ
- タイミングが重要(電源投入直後にキーを押す)
- 有線キーボードの使用を推奨
- うまくいかない場合はインターネットリカバリーを試す
- ファームウェアパスワードの有無を確認
利用できる主なツール
- ディスクユーティリティ(ディスク修復)
- Time Machine復元(バックアップから復旧)
- macOS再インストール(システム全体の入れ直し)
- ターミナル(上級者向けコマンド操作)
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