Excelで表を作るとき、「大切な項目を目立たせたい」「同じグループのデータを分かりやすくしたい」と思ったことはありませんか?
そんなときに便利なのが、セルに色をつける「塗りつぶし」機能です。
色をつけることで、表がぐっと見やすくなり、大切な情報がすぐに目に飛び込んできます。
例えば、売上表で目標を達成した月だけを緑色にしたり、重要度の高いタスクを赤色で目立たせたりできます。
この記事でわかること
- セルに色をつける基本的な方法
- 自動で色分けしてくれる便利な機能
- 実際の仕事で使える活用例
- 見やすい表を作るためのコツ
こんな人におすすめ
- Excelで見やすい表を作りたい人
- データを整理して分析したい人
- 報告書やプレゼン資料を作る人
- Excelの操作をもっと覚えたい人
なぜセルに色をつけるの?どんな効果があるの?

塗りつぶしの効果
見やすさの向上:
- 重要な情報が一目でわかる
- データの分類が視覚的に理解できる
- 長い表でも迷子になりにくい
作業効率のアップ:
- 必要な情報をすぐに見つけられる
- ミスに気づきやすくなる
- データの傾向が把握しやすい
コミュニケーションの改善:
- 他の人にも分かりやすく情報を伝えられる
- 会議での説明がスムーズになる
- 印象に残りやすい資料になる
よくある使用場面
学校での使用例:
- 成績表で優秀な科目を緑色に
- 時間割で好きな授業を黄色に
- 宿題の進捗管理で完了分を青色に
家庭での使用例:
- 家計簿で支出が多い項目を赤色に
- 旅行の計画表で予約済みを緑色に
- 買い物リストで購入済みをグレーに
仕事での使用例:
- 売上表で目標達成月を緑色に
- 在庫管理で不足商品を赤色に
- プロジェクトの進捗で完了タスクを青色に
このように、色をつけることで情報の整理と伝達が格段に向上します。
基本的な塗りつぶし方法

方法1:ホームタブから塗りつぶす(一番簡単)
手順:
- 色をつけたいセルをクリックして選択
- リボンの「ホーム」タブをクリック
- 「塗りつぶしの色」ボタン(ペンキのバケツのマーク)をクリック
- 好きな色をクリック
複数のセルを一度に塗る方法:
- 最初のセルをクリック
- Shiftキーを押しながら最後のセルをクリック(範囲選択)
- 「塗りつぶしの色」ボタンから色を選択
離れたセルを同時に塗る方法:
- 最初のセルをクリック
- Ctrlキーを押しながら他のセルをクリック(複数選択)
- 「塗りつぶしの色」ボタンから色を選択
方法2:右クリックメニューから塗りつぶす
手順:
- 色をつけたいセルを選択
- 右クリックしてメニューを表示
- 「セルの書式設定」をクリック
- 「塗りつぶし」タブをクリック
- 「背景色」から好きな色を選択
- 「OK」ボタンをクリック
この方法のメリット:
- より細かい色の調整ができる
- パターン(縞模様など)も設定できる
- 透明度の調整も可能
方法3:ショートカットキーを使う
素早く書式設定を開く:
Ctrl + 1
このキーを押すと「セルの書式設定」画面がすぐに開きます。
最近使った色を再利用: 塗りつぶしボタンの下部にある色をクリックすると、前回使った色がすぐに適用されます。
色の選び方
標準色の使い方:
- 赤色:注意、警告、重要度が高い
- 緑色:OK、完了、良好な状態
- 黄色:注意、保留、中間の状態
- 青色:情報、冷静、分類用
- グレー:無効、完了、参考情報
テーマ色とは: Excelには「テーマ色」という統一感のある色のセットが用意されています。これを使うと、プロっぽい仕上がりになります。
カスタム色の作り方:
- 「塗りつぶしの色」→「その他の色」をクリック
- 「ユーザー設定」タブで細かく色を調整
- 「OK」で確定
これで基本的な塗りつぶしはできるようになります。次は、もっと便利な自動化機能を見ていきましょう。
条件付き書式で自動塗り分け

条件付き書式とは
条件付き書式とは、「もし○○だったら、△△色に塗る」というルールを設定して、自動で色分けしてくれる便利な機能です。
例えば:
- 「売上が100万円以上なら緑色」
- 「在庫が10個以下なら赤色」
- 「期限が過ぎていたら黄色」
このようなルールを一度設定すれば、データが変わっても自動で色が変わります。
基本的な設定方法
手順:
- 色分けしたい範囲を選択
- 「ホーム」タブ→「条件付き書式」をクリック
- 「新しいルール」を選択
- 条件を設定
- 「書式」ボタンで色を設定
- 「OK」をクリック
よく使う条件付き書式の例
例1:数値の大小で色分け
設定内容:売上が目標値以上なら緑色、未達なら赤色
手順:
- 売上データの範囲を選択
- 「条件付き書式」→「セルの強調表示ルール」→「指定の値より大きい」
- 目標値(例:1000000)を入力
- 書式で緑色を選択
- 「OK」をクリック
例2:空白セルを目立たせる
設定内容:空欄のセルを黄色で塗りつぶし
手順:
- チェックしたい範囲を選択
- 「条件付き書式」→「セルの強調表示ルール」→「空白セル」
- 黄色を選択
- 「OK」をクリック
例3:特定の文字列で色分け
設定内容:「完了」と入力されたセルを青色に
手順:
- 対象範囲を選択
- 「条件付き書式」→「セルの強調表示ルール」→「文字列」
- 「完了」と入力
- 青色を選択
- 「OK」をクリック
例4:日付の条件で色分け
設定内容:今日より前の日付(期限切れ)を赤色に
手順:
- 日付の範囲を選択
- 「条件付き書式」→「セルの強調表示ルール」→「日付」
- 「昨日」を選択(または「指定の日付より前」で今日の日付)
- 赤色を選択
- 「OK」をクリック
データバーとカラースケール
データバー: セルの中に棒グラフのような表示を追加して、数値の大小を視覚的に表現
設定方法:
- 数値の範囲を選択
- 「条件付き書式」→「データバー」
- 好きなスタイルを選択
カラースケール: 数値の大きさに応じて、色のグラデーションで表現
設定方法:
- 数値の範囲を選択
- 「条件付き書式」→「カラースケール」
- 好きな色の組み合わせを選択
複数の条件を組み合わせる
例:売上の状況を3段階で色分け
- 目標の120%以上:緑色
- 目標の80%〜120%:黄色
- 目標の80%未満:赤色
設定方法:
- 同じ範囲に対して3つの条件付き書式を設定
- 条件の優先順位を「ルールの管理」で調整
これらの自動化機能を使うことで、データが更新されるたびに手動で色を変更する手間が省けます。
実用的な活用例とテクニック

業務での実用例
例1:売上管理表での活用
目的:月別売上の達成状況を一目で把握
設定内容:
- 目標達成(100%以上):緑色
- 目標に近い(90-99%):黄色
- 目標未達(90%未満):赤色
効果:
- 会議での報告がスムーズ
- 問題のある月がすぐに特定できる
- 改善すべき分野が明確になる
例2:在庫管理での活用
目的:在庫不足の商品を早期発見
設定内容:
- 在庫充分(30個以上):緑色
- 要注意(10-29個):黄色
- 在庫不足(10個未満):赤色
効果:
- 発注タイミングを逃さない
- 欠品リスクの軽減
- 効率的な在庫管理
例3:プロジェクト進捗管理
目的:タスクの進捗状況を視覚化
設定内容:
- 完了:緑色
- 進行中:黄色
- 未着手:グレー
- 遅れあり:赤色
効果:
- チーム全体の進捗が一目瞭然
- 遅れているタスクに早期対応
- 会議での状況共有が効率的
家庭での活用例
例1:家計簿での色分け
目的:支出の種類と金額を視覚的に管理
設定内容:
- 固定費(家賃、光熱費):青色
- 食費:緑色
- 娯楽費:黄色
- 予算オーバー:赤色
例2:子供の成績管理
目的:学習の進捗と成果を把握
設定内容:
- 優秀(90点以上):緑色
- 良好(70-89点):黄色
- 要改善(70点未満):赤色
便利なテクニック
テクニック1:オートフィルで色もコピー
説明:色つきのセルをオートフィル(右下の四角をドラッグ)すると、色も一緒にコピーされます
手順:
- 色つきのセルを選択
- セルの右下にマウスを合わせる(+マークになる)
- そのままドラッグして範囲を広げる
- 色と内容が両方コピーされる
テクニック2:書式のみをコピー
説明:色だけをコピーして、内容は変更しない方法
手順:
- 色つきのセルを選択してコピー(Ctrl+C)
- 貼り付けたいセルを選択
- 右クリック→「形式を選択して貼り付け」
- 「書式」を選択して「OK」
テクニック3:塗りつぶしの一括解除
説明:選択した範囲の色をまとめて削除
手順:
- 色を削除したい範囲を選択
- 「ホーム」→「塗りつぶしの色」→「塗りつぶしなし」
テクニック4:色のカスタマイズと保存
説明:会社のコーポレートカラーなど、特定の色を登録
手順:
- 「塗りつぶしの色」→「その他の色」
- 「ユーザー設定」タブで色を調整
- 「OK」で確定(最近使った色に追加される)
条件付き書式の管理
ルールの確認と編集:
- 「ホーム」→「条件付き書式」→「ルールの管理」
- 設定済みのルールが一覧表示される
- 編集、削除、優先順位の変更が可能
ルールのコピー:
- 設定済みのセルを選択してコピー
- 適用したいセルを選択
- 右クリック→「形式を選択して貼り付け」→「書式」
ルールの無効化: 一時的にルールを停止したい場合は、「ルールの管理」でチェックを外すだけです。
これらのテクニックを覚えることで、より効率的に美しい表を作成できるようになります。
見やすい表を作るための注意点とコツ

色使いの基本ルール
色数を制限する:
- 基本は3〜5色以内に抑える
- 多すぎると逆に分かりにくくなる
- 目的に応じて色を使い分ける
色の意味を統一する:
- 赤色:危険、警告、重要
- 緑色:安全、OK、完了
- 黄色:注意、保留、中間
- 青色:情報、冷静、分類
コントラストを意識する:
- 文字と背景色の組み合わせに注意
- 薄い色には黒文字、濃い色には白文字
- 読みやすさを最優先に
よくある失敗例と改善方法
失敗例1:色を使いすぎて見にくい
問題:
- 10種類以上の色を使用
- 虹色のような派手な配色
- 色の意味が不明確
改善方法:
- 色数を3〜4色に限定
- 似た意味の項目は同系色でまとめる
- 凡例(色の意味)を必ず作成
失敗例2:印刷で見えなくなる
問題:
- 薄い色が白黒印刷で見えない
- カラー印刷でも色が薄すぎる
改善方法:
- 印刷プレビューで確認
- 白黒印刷も考慮した色選び
- 色だけでなく太字や斜体も併用
失敗例3:文字が読めない
問題:
- 濃い背景色に黒文字
- 薄い背景色に白文字
- 色覚障害の方に配慮不足
改善方法:
- 文字色も合わせて調整
- コントラスト比を十分に確保
- 色だけでなく形や記号も使用
印刷時の注意点
カラー印刷での注意:
- 画面と印刷の色が異なる場合がある
- 印刷プレビューで事前確認
- 明るい色は薄くなりがち
白黒印刷での対策:
- 色だけでなくパターンも使用
- 太字、斜体、下線を併用
- 枠線の太さや種類で区別
印刷設定の確認:
- 「ファイル」→「印刷」
- 「設定」で「白黒印刷」を選択して確認
- 必要に応じて調整
アクセシビリティへの配慮
色覚障害への対応:
- 赤緑の組み合わせを避ける
- 色だけでなく形や模様も併用
- コントラストを十分に確保
おすすめの色の組み合わせ:
- 青と黄色
- 青とオレンジ
- 紫と緑
プロ級の仕上がりにするコツ
統一感のあるデザイン:
- 会社のロゴカラーを使用
- テーマ色で色調を統一
- フォントサイズと色のバランス
効果的な強調:
- 本当に重要な部分だけを色付け
- グラデーションは控えめに使用
- 余白を適切に確保
データの傾向を色で表現:
- 時系列データは寒色から暖色へ
- 段階的な変化はグラデーション
- カテゴリ分けは明確に区別
チームでの運用ルール
色の使い方を統一:
- チーム内で色の意味を共有
- テンプレートを作成して配布
- 定期的に使い方を見直し
ファイル共有時の注意:
- 色の意味を説明文書に記載
- 凡例を必ず含める
- 更新ルールを明確にする
これらの注意点を守ることで、誰が見ても分かりやすく、美しい表を作成できるようになります。
よくある質問とトラブル解決

Q:色をつけたのに印刷されない
原因:
- プリンターの設定が白黒になっている
- 色が薄すぎて印刷に出ない
- インクが不足している
解決方法:
- プリンター設定をカラーに変更
- より濃い色に変更
- 印刷プレビューで事前確認
Q:条件付き書式が正しく動かない
原因:
- 条件の設定が間違っている
- データの形式が条件と合わない
- 複数のルールが競合している
解決方法:
- 「ルールの管理」で条件を確認
- データ形式(文字列/数値/日付)を確認
- ルールの優先順位を調整
Q:色をコピーしたいのに値もコピーされる
解決方法:
- 色つきセルをコピー
- 貼り付け先で右クリック
- 「形式を選択して貼り付け」→「書式」を選択
Q:セルの色を検索したい
解決方法:
- 「ホーム」→「検索と選択」→「検索」
- 「オプション」→「書式」をクリック
- 「書式から選択」で対象色のセルをクリック
- 「すべて検索」で一覧表示
Q:色が多すぎて管理できない
解決方法:
- 使用色を3〜5色に限定
- 色の意味を文書化
- テンプレートを作成して統一
Q:他の人と色の認識が違う
解決方法:
- 色だけでなく記号や文字も併用
- 凡例を必ず作成
- チーム内でルールを共有
まとめ
重要なポイントをおさらい
基本操作
- ホームタブ:「塗りつぶしの色」ボタンで簡単に色付け
- 右クリック:「セルの書式設定」でより詳細な調整
- ショートカット:Ctrl+1で書式設定を素早く開く
自動化機能
- 条件付き書式:ルールを設定して自動で色分け
- データバー:数値の大小を棒グラフ風に表示
- カラースケール:数値をグラデーションで表現
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