北欧神話に登場する「月の犬(狼)」とは?

神話・歴史・伝承

北欧神話には、太陽と月を天の上で追いかける恐ろしい狼たちが登場します。

その中でも特に注目されるのが「月の犬」です。

この記事では、この謎に満ちた存在の正体や役割、そして他の狼との関係をわかりやすく解説します。

読者の皆さんは「なぜ狼が月を追いかけるのか?」「月の狼て一体何者なのか?」という疑問を持つかもしれません。

古代の北欧の人々がどのような想像力でこれらの物語を作り上げたのか、一緒に探ってみましょう。

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月の犬マーナガルム(Mánagarmr)とは?

マーナガルムの基本情報

マーナガルムは、その名前が示す通り「月の犬」、または「月の狼」という意味を持ちます。

古ノルド語で「máni(月)」と「garmr(犬・狼)」を組み合わせた言葉です。

この狼は「鉄の森(Járnviðr)」に住む魔女が産んだ狼の中でも最強とされています。

鉄の森とは、北欧神話に出てくる不気味な森の名前で、様々な怪物たちが住んでいるとされる場所です。

マーナガルムの恐ろしい特徴

マーナガルムは、ラグナロクの時に月を捕らえ、死者の血肉を食らうという恐ろしい描写で語られています。

『ギュルヴィのたぶらかし』(散文エッダの一部)によると、マーナガルムはその腹を死者で満たし、月を捕らえて空と天を血で染めるとされています。

マーナガルムは、残虐で恐ろしい存在なのです。

次に、これらの狼たちの複雑な関係性を整理してみましょう。

月と太陽を追う狼たち—スコルとハティ

二匹の兄弟狼について

北欧神話には、天体を追いかける二匹の兄弟狼が登場します。

  • スコル(Sköll):太陽を追いかける狼
  • ハティ(Hati Hróðvitnisson):月を追いかける狼

この兄弟狼は、巨人と神々を結びつける存在であり、最終的にはラグナロク(世界の終末)で太陽や月を飲み込む運命とされています。

これは月食や日食などの天体現象を表しているのではないかと考えられています。

この月を追いかけ呑み込むハティは、月の狼マーナガルムと深い関連があります。

関係性と同一視の混乱

狼たちの家族関係

これらの狼たちの関係は、実はとても複雑です。

  • マーナガルムはハティと同一視されることがある
  • スコル&ハティは父に巨大狼フェンリル、母に巨人の魔女を持つ兄弟(あるいは異母兄弟)とされています

フェンリルは北欧神話で最も有名な巨大狼で、神々に恐れられた存在です。

混同と解釈の違い

「月を追う狼」としては、ハティとマーナガルムの両方に使われることがあり、古い文献でも混同が見られます。

また、マーナガルムが月を呑み込む場合は、フェンリルが太陽を呑み込むという話もあります。

まとめ

北欧神話の月の狼は、マーナガルム。

マーナガルムは「最強の狼」「月を取り込む者」として語られます。

また、ハティという月を追いかける狼もいて、彼はマーナガルムと同一視されたりします。

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