Windows DefenderでPCを守る!スキャンの方法と使い方ガイド

Windows

「ウイルス対策ソフトを買わないといけないの?」
「パソコンの動作が重くなるのは嫌だな…」

そんな心配は不要です。
Windows 10や11には、Windows Defender(現在は「Microsoft Defender」)という高性能なセキュリティ機能が最初から搭載されています。

この記事では、Windows Defenderの中でも特に重要な「スキャン機能」の使い方を、パソコン初心者の方でもわかるように丁寧に解説します。

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Windows Defenderとは?なぜ無料で高性能?

Windows Defenderの正式名称と進化

現在の正式名称

  • Windows 10:Windows セキュリティ
  • Windows 11:Windows セキュリティ
  • エンジン名:Microsoft Defender

Microsoftが無料で提供する理由

  • Windowsの安全性向上がMicrosoftの利益につながる
  • ユーザーが安心してWindowsを使える環境づくり
  • サイバー攻撃からのWindows全体の防御

第三者機関による評価

AV-TEST(世界的セキュリティテスト機関)の評価

  • 保護性能:6.0/6.0(満点)
  • 使いやすさ:6.0/6.0(満点)
  • パフォーマンス:5.5/6.0(優秀)

他の有料ウイルス対策ソフトとの比較

項目Windows Defender有料ソフトA有料ソフトB
基本保護★★★★★★★★★★★★★★☆
システム負荷★★★★★★★★☆☆★★★☆☆
費用無料年間5,000円年間8,000円

Windows Defenderの主要機能

リアルタイム保護

  • ファイルのダウンロード時に自動チェック
  • 怪しいWebサイトへのアクセスを阻止
  • USBメモリなど外部デバイスの自動スキャン

ファイアウォール

  • 不正なネットワーク通信をブロック
  • アプリごとの通信許可設定
  • 外部からの侵入を防御

スキャン機能(本記事の重点)

  • 手動でのウイルス検査
  • 定期的な自動スキャン
  • 深刻な脅威を発見する特別スキャン

スキャンの種類を理解しよう

1. クイックスキャン(推奨・日常使い)

特徴

  • 実行時間:通常3〜10分
  • 対象範囲:ウイルスが潜みやすい場所を重点的に
  • 使用場面:毎日〜週1回の定期チェック

スキャン対象

  • システムフォルダ
  • プログラムフォルダ
  • 一時ファイル
  • レジストリの重要部分
  • メモリに読み込まれているプログラム

メリット・デメリット

  • ✅ 短時間で完了
  • ✅ システム負荷が軽い
  • ✅ 日常的に使いやすい
  • ❌ 全ファイルはチェックしない

2. フルスキャン(徹底的・週末実行)

特徴

  • 実行時間:1〜3時間(PCの性能とファイル数による)
  • 対象範囲:すべてのドライブとファイル
  • 使用場面:月1回程度の徹底チェック

スキャン対象

  • すべてのドライブ(C:、D:、外付けドライブ等)
  • すべてのファイル(文書、画像、動画を含む)
  • システムの深い部分
  • 隠しファイルと一時ファイル

メリット・デメリット

  • ✅ 見落としがほぼない
  • ✅ 潜伏型ウイルスも発見可能
  • ❌ 時間がかかる
  • ❌ 実行中はPCが重くなる

3. カスタムスキャン(特定箇所・疑いがある時)

特徴

  • 実行時間:対象による(数分〜数時間)
  • 対象範囲:ユーザーが指定したフォルダやドライブ
  • 使用場面:特定の場所を集中的にチェックしたい時

使用例

  • ダウンロードフォルダのみをスキャン
  • USBメモリだけをチェック
  • 特定のプロジェクトフォルダを検査
  • 怪しいファイルがある場所を精査

実際の指定例

C:\Users\ユーザー名\Downloads\     (ダウンロードフォルダ)
D:\                               (Dドライブ全体)
E:\Project\                       (特定のプロジェクト)

4. Microsoft Defender オフラインスキャン(緊急時・特別な脅威)

特徴

  • 実行時間:15〜30分(再起動が必要)
  • 対象範囲:Windowsが起動する前の段階でスキャン
  • 使用場面:通常のスキャンで除去できない脅威がある時

どんな時に使う?

  • PCの動作が明らかにおかしい
  • 通常のスキャンでは検出できない脅威の疑い
  • ルートキット(システムの奥深くに潜むウイルス)の除去
  • 完全にクリーンな状態を確認したい時

実行時の注意点

  • 実行中は作業を中断する必要がある
  • 未保存のデータは失われる可能性
  • 実行前に重要なデータをバックアップ推奨

【実践編】スキャンの実行手順

基本的なスキャンの実行

ステップ1:Windows セキュリティを開く

方法1:スタートメニューから
  1. スタートボタンをクリック
  2. 「Windows セキュリティ」と入力
  3. 表示された「Windows セキュリティ」をクリック
方法2:設定から
  1. スタートボタン → 「設定」
  2. 「更新とセキュリティ」(Win10)または「プライバシーとセキュリティ」(Win11)
  3. 「Windows セキュリティ」
方法3:タスクバーから
  • タスクバーの盾のアイコン(?️)をクリック

ステップ2:ウイルス検査画面へ移動

  1. 「ウイルスと脅威の防止」をクリック
  2. 現在の保護状況が表示される

ステップ3:スキャンの種類を選択

クイックスキャンの場合

  • 「クイック スキャン」ボタンをクリック
  • すぐにスキャンが開始される

その他のスキャンの場合

  1. 「スキャンのオプション」をクリック
  2. 希望するスキャン方法を選択
  3. 「今すぐスキャン」をクリック

各スキャンの詳細手順

フルスキャンの実行

  1. 「スキャンのオプション」→「フル スキャン」を選択
  2. 「今すぐスキャン」をクリック
  3. ⚠️ 時間がかかるため、時間に余裕がある時に実行

カスタムスキャンの実行

  1. 「スキャンのオプション」→「カスタム スキャン」を選択
  2. 「今すぐスキャン」をクリック
  3. スキャンしたいフォルダまたはドライブを選択
  4. 「フォルダーの選択」をクリック

オフラインスキャンの実行

  1. 「スキャンのオプション」→「Microsoft Defender オフライン スキャン」を選択
  2. 「今すぐスキャン」をクリック
  3. ⚠️ 重要:PCが再起動されます
  4. 未保存のデータを保存してから実行

スキャン結果の確認方法

スキャン完了後の画面

✅ 脅威は見つかりませんでした
スキャンしたファイル: 245,678 個
所要時間: 8 分 32 秒
最終スキャン: 2024/XX/XX 午後 2:15

脅威が見つかった場合

⚠️ 脅威が見つかりました
検出された脅威: 3 個
推奨アクション: 削除
詳細を表示...

アクションの選択肢

  • 削除:ファイルを完全に削除(推奨)
  • 隔離:ファイルを安全な場所に移動
  • 許可:安全だと判断した場合のみ

定期スキャンの自動設定

Windows標準の自動スキャン確認

現在の設定確認方法

  1. Windows セキュリティを開く
  2. 「ウイルスと脅威の防止」
  3. 「ウイルスと脅威の防止の設定」の「設定の管理」
  4. 「定期的なスキャン」の状態を確認

より詳細な自動スキャン設定(タスクスケジューラ)

設定手順

  1. タスクスケジューラの起動
    • スタートメニュー → 「タスク スケジューラ」と検索
    • 管理者として実行
  2. Windows Defenderのタスク確認
    • 「タスク スケジューラ ライブラリ」を展開
    • 「Microsoft」→「Windows」→「Windows Defender」
  3. 既存スケジュールの確認
    • 「Windows Defender Scheduled Scan」を確認
    • 「Windows Defender Cache Maintenance」を確認
    • 「Windows Defender Cleanup」を確認
  4. カスタムスケジュールの作成 基本タスクの作成: 名前: 週次フルスキャン トリガー: 毎週日曜日 午前2時 操作: プログラムの開始 プログラム: %ProgramFiles%\Windows Defender\MpCmdRun.exe 引数: -Scan -ScanType 2

推奨スケジュール設定

効率的なスキャンスケジュール

  • クイックスキャン:毎日または2〜3日に1回
  • フルスキャン:週1回(週末の夜など)
  • オフラインスキャン:月1回または問題発生時

時間帯の選び方

  • 深夜実行:PCを使わない時間(午前2〜4時)
  • 昼休み実行:短時間のクイックスキャン
  • 週末実行:時間のかかるフルスキャン

スキャン以外の重要な設定

リアルタイム保護の確認

設定確認手順

  1. Windows セキュリティ → 「ウイルスと脅威の防止」
  2. 「ウイルスと脅威の防止の設定」の「設定の管理」
  3. 以下の項目が「オン」になっているか確認:
    • リアルタイム保護
    • クラウド配信の保護
    • 自動サンプル送信

除外設定(必要な場合のみ)

除外が必要な場合

  • 開発用ツールが誤検知される
  • 特定のアプリケーションが正常動作しない
  • 大容量ファイルのスキャンでPCが重くなる

除外設定手順

  1. Windows セキュリティ → 「ウイルスと脅威の防止」
  2. 「ウイルスと脅威の防止の設定」の「設定の管理」
  3. 「除外の追加または削除」
  4. 「除外を追加」から対象を選択

⚠️ 除外設定の注意点

  • 必要最小限に留める
  • 信頼できるファイル・フォルダのみ
  • 定期的に見直しを行う

トラブルシューティング

よくある問題と解決方法

Q1: スキャンが途中で止まる

原因と対処法

原因1: メモリ不足
対処: 他のアプリを終了してから再実行

原因2: ファイルシステムエラー
対処: chkdsk /f C: を実行してディスクチェック

原因3: 破損したファイル
対処: sfc /scannow でシステムファイルチェック

Q2: スキャンに異常に時間がかかる

確認ポイント

  • ハードディスクの空き容量(10GB以上推奨)
  • 他のウイルス対策ソフトとの競合
  • バックグラウンドで動作している重いアプリ

対処方法

1. ディスククリーンアップを実行
2. 不要なプログラムをアンインストール
3. PCの再起動後に再実行
4. セーフモードでのスキャン実行

Q3: スキャン結果に偽陽性(誤検知)がある

判断基準

  • 信頼できるソフトウェアかどうか
  • 公式サイトからダウンロードしたファイルか
  • VirusTotalなど複数のエンジンでの確認

対処方法

  1. 一時的に隔離されたファイルを確認
  2. 必要に応じて除外リストに追加
  3. ソフトウェアベンダーに報告

パフォーマンスの最適化

スキャン実行時のPC負荷軽減

設定変更:
1. Windows セキュリティの設定
2. 「ウイルスと脅威の防止の設定」
3. 「CPU 使用率の制限」を有効
4. スキャン優先度を「低」に設定

スキャン除外の適切な設定

  • 大容量の動画ファイルフォルダ
  • 仮想マシンのファイル
  • データベースファイル
  • ゲームの大容量データ

他のセキュリティ対策との組み合わせ

Windows Defender + α の考え方

追加で検討すべき対策

  1. 定期的なWindows Update
    • 月例セキュリティ更新の適用
    • 機能更新プログラムの適用
  2. ブラウザのセキュリティ強化
    • 不審なWebサイトの回避
    • 安全でないダウンロードの回避
    • 広告ブロッカーの使用
  3. メールセキュリティ
    • 怪しい添付ファイルを開かない
    • フィッシングメールの見分け方
    • 送信者の確認
  4. バックアップの重要性
    • 重要なデータの定期バックアップ
    • システムイメージの作成
    • クラウドストレージの活用

まとめ

Windows Defenderのスキャン機能は、無料でありながら非常に高性能なセキュリティツールです。

この記事で学んだ重要ポイント

  1. 4種類のスキャンを使い分ける
    • 日常:クイックスキャン
    • 週次:フルスキャン
    • 特定箇所:カスタムスキャン
    • 緊急時:オフラインスキャン
  2. 定期実行の設定で見落としを防ぐ
  3. リアルタイム保護と組み合わせて使用
  4. トラブル時の対処法を把握しておく

今日から実践できること

  • まずはクイックスキャンを実行してみる
  • 週末にフルスキャンをスケジュール
  • リアルタイム保護の設定を確認
  • 定期的なWindows Updateの実行

安全なPC環境を維持するコツ

  • 怪しいファイルをダウンロードしない
  • 不明な送信者からのメールに注意
  • 定期的なバックアップの実行
  • 最新のセキュリティ情報に注意

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