Windows 10やWindows 11でコマンドプロンプトやPowerShell、WSLを使うなら、Windows Terminalがとても便利です。
複数のタブ機能やペイン分割、見た目のカスタマイズなど、開発者から一般ユーザーまで使いやすい最新のターミナルです。
従来のコマンドプロンプトと比べて、こんなことができるようになります:
- 複数のターミナルをタブで切り替え
- 画面を分割して複数のコマンドを同時実行
- 見た目をおしゃれにカスタマイズ
- コピー・ペーストが簡単
この記事では、Microsoft Store・Winget(パッケージマネージャー)・手動インストール(GitHubから)という3つの方法を紹介します。それぞれの手順とメリット・注意点をわかりやすく説明していきます。
Microsoft Storeから簡単インストール【おすすめ】

最も簡単で安全な方法
Microsoft Storeからインストールする方法が、初心者には一番おすすめです。
公式アプリなので安心して使えます。
インストール手順
手順1:Microsoft Storeを開く
- 「スタートボタン」をクリック
- 「Microsoft Store」をクリック(見つからない場合は検索してください)
手順2:Windows Terminalを検索
- 画面上部の検索欄に「Windows Terminal」と入力
- 検索結果から「Windows Terminal」をクリック
手順3:インストール
- 「インストール」ボタンをクリック
- ダウンロードとインストールが自動で始まります
- 完了したら「開く」ボタンでWindows Terminalを起動
Microsoft Storeのメリット
簡単で安全
- クリックするだけでインストール完了
- マイクロソフトが公式に提供しているので安心
- ウイルスの心配がない
自動更新
- 新しいバージョンが出ると自動でアップデート
- 手動でバージョン管理する必要がない
- いつも最新の機能が使える
アンインストールも簡単
- 設定から簡単に削除できる
- レジストリなどに余計なファイルが残らない
こんな人におすすめ
- パソコン初心者の人
- 簡単にインストールしたい人
- 自動でアップデートしてほしい人
Microsoft Storeが使える環境なら、この方法が一番おすすめです。
次は、コマンドを使ったインストール方法を紹介します。
Wingetやパッケージマネージャーでコマンドインストール

コマンドラインからのインストール
Microsoft Storeが使えない場合や、複数のパソコンに一度にインストールしたい場合は、WingetやChocolateyなどのパッケージマネージャーが便利です。
Wingetを使った方法
Wingetとは? Windows 10/11に標準で入っているパッケージマネージャーです。コマンド一つでソフトウェアをインストールできます。
インストール手順
- 「スタートボタン」を右クリック
- 「Windows PowerShell(管理者)」または「ターミナル(管理者)」をクリック
- 以下のコマンドを入力してEnterキーを押す
winget install --id Microsoft.WindowsTerminal -e
コマンドの説明
winget install
:インストールを実行--id Microsoft.WindowsTerminal
:Windows Terminalを指定-e
:完全一致で検索(間違ったアプリを避ける)
Chocolateyを使った方法
Chocolateyとは? Windowsで人気のサードパーティ製パッケージマネージャーです。事前にインストールが必要です。
インストール手順
choco install microsoft-windows-terminal
パッケージマネージャーのメリット
スクリプト化できる
- 複数のソフトウェアをまとめてインストール
- 新しいパソコンのセットアップを自動化
- 開発環境の構築が楽になる
コマンドラインで完結
- マウス操作が不要
- リモートでの操作に便利
- バッチファイルに組み込める
注意点
管理者権限が必要
- PowerShellやターミナルを「管理者として実行」で開く必要があります
Wingetの確認
- 古いWindows 10では、Wingetが入っていない場合があります
winget --version
で確認できます
こんな人におすすめ
- 開発者やIT関係者
- 複数のパソコンに同じソフトをインストールしたい人
- コマンドライン操作に慣れている人
コマンドに慣れている人には、この方法が効率的です。次は、手動でインストールする方法を説明します。
GitHubから手動インストール【上級者向け】

手動インストールが必要な場合
以下のような環境では、Microsoft StoreやWingetが使えないため、手動でインストールする必要があります:
対象環境
- Windows LTSC(長期サービスチャンネル)
- Windows Server
- 企業の制限されたネットワーク環境
- Microsoft Storeがブロックされている環境
インストール手順
手順1:GitHubからファイルをダウンロード
- ブラウザで「github.com/microsoft/terminal/releases」にアクセス
- 最新版の「Assets」セクションを確認
- 「Microsoft.WindowsTerminal_○○○.msixbundle」ファイルをダウンロード
手順2:インストール実行
方法A:ダブルクリックでインストール
- ダウンロードした「.msixbundle」ファイルをダブルクリック
- 「インストール」ボタンをクリック
方法B:PowerShellでインストール
- PowerShellを管理者として実行
- ダウンロードしたフォルダに移動
- 以下のコマンドを実行
Add-AppxPackage .\Microsoft.WindowsTerminal_*.msixbundle
システム要件と注意点
Windows バージョンの確認
- Windows 10 バージョン2004(19041)以降が必要
- バージョン確認:「設定」→「システム」→「詳細情報」
Developer Modeについて
- インストールでエラーが出る場合は、Developer Modeを有効にする必要があります
- 「設定」→「プライバシーとセキュリティ」→「開発者向け」→「Developer Mode」をオンにする
自動更新されない
- 手動インストールの場合、自動でアップデートされません
- 新しいバージョンが出たら、同じ手順で再インストールが必要
トラブルシューティング
エラー:「このアプリパッケージはインストールできません」
- Developer Modeを有効にする
- Windowsのバージョンを確認する
- PowerShellから管理者権限でインストールする
エラー:「依存関係が見つかりません」
- 必要なランタイムがインストールされていない可能性があります
- Microsoft Visual C++ Redistributableをインストールしてください
こんな人におすすめ
- Windows Server管理者
- 企業のシステム管理者
- LTSCユーザー
- 制限された環境で作業する人
手動インストールは上級者向けですが、知っておくと困ったときに役立ちます。次は、インストール後の設定について説明します。
インストール後の初期設定
デフォルトターミナルに設定する
Windows Terminalをインストールしたら、デフォルトターミナルに設定することをおすすめします。
設定方法(Windows 11の場合)
- Windows Terminalを起動
- 「設定」をクリック(またはCtrl + ,)
- 左側のメニューから「スタートアップ」をクリック
- 「デフォルトターミナルアプリケーション」で「Windows Terminal」を選択
設定方法(Windows 10の場合)
- Windows 10 22H2以降で設定可能
- それ以前のバージョンでは、この機能は使えません
基本的な使い方
新しいタブを開く
Ctrl + Shift + T
:新しいタブCtrl + Shift + 1
:コマンドプロンプトCtrl + Shift + 2
:PowerShell
ペイン(画面分割)
Alt + Shift + -
:水平分割Alt + Shift + +
:垂直分割Alt + 矢印キー
:ペイン間の移動
便利なショートカット
Ctrl + Shift + P
:コマンドパレットCtrl + Shift + F
:検索Ctrl + C
:コピー(選択して自動コピーも可能)Ctrl + V
:ペースト
見た目をカスタマイズ
テーマの変更
- 設定画面を開く
- 「外観」をクリック
- 「配色」でお好みのテーマを選択
フォントの変更
- 設定画面の「外観」
- 「フォントフェイス」で好きなフォントを選択
- プログラミング用フォント(Cascadia Code、Fira Codeなど)がおすすめ
背景の透明度
- 設定画面の「外観」
- 「アクリル効果を使用する」をオンにする
- 「アクリル効果の不透明度」でお好みの透明度に調整
3つの方法の比較まとめ

比較表
インストール方法 | 難易度 | メリット | デメリット | おすすめ度 |
---|---|---|---|---|
Microsoft Store | ★☆☆ | ・簡単・安全<br>・自動更新<br>・アンインストールも簡単 | ・Storeが使えない環境では不可 | ★★★ |
Winget/Chocolatey | ★★☆ | ・コマンド一発<br>・スクリプト化可能<br>・複数台に一括導入 | ・管理者権限が必要<br>・コマンドの知識が必要 | ★★☆ |
手動インストール | ★★★ | ・どんな環境でも可能<br>・オフラインでも対応 | ・手動更新が必要<br>・トラブル対応が複雑 | ★☆☆ |
環境別おすすめ方法
- 一般ユーザー → Microsoft Store
- 開発者・システム管理者 → Winget
- 企業環境・制限されたネットワーク → 手動インストール
- 複数台のパソコンをセットアップ → Winget + スクリプト化
まとめ
Windows Terminalは、現代のWindows環境で最高のターミナル体験を提供するアプリです。
重要なポイント
インストール方法の選び方
- Microsoft Store:最も簡単で安心(初心者におすすめ)
- Winget・Chocolatey:コマンドライン操作に慣れた人向け
- 手動インストール:制限された環境での最終手段
インストール後にやること
- デフォルトターミナルに設定
- 基本的なショートカットを覚える
- お好みに合わせて見た目をカスタマイズ
Windows Terminalの魅力
作業効率が大幅アップ
- 複数のコマンドを同時実行
- タブ切り替えで作業がスムーズ
- コピー・ペーストが快適
見た目も機能も最新
- モダンなデザイン
- 豊富なカスタマイズオプション
- 定期的な機能追加
開発者にも一般ユーザーにも最適
- プログラミング作業が快適
- 普段のファイル操作も効率的
- 学習コストが低い
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