Windowsターミナルを使っていると、こんな経験はありませんか?
- 「新しいタブを開くのにマウスでクリックするのが面倒」
- 「複数のタブを行き来するのに時間がかかる」
- 「テキストをコピーするのに右クリックメニューを開くのが遅い」
そんな悩みを解決してくれるのがショートカットキーです。
キーボードだけで瞬時に操作できれば、ターミナルでの作業効率が劇的に向上します。
この記事では、Windowsターミナルで使える基本から応用までのショートカットキーを、実際の使用場面とともにわかりやすく紹介します。
Windowsターミナルとは?ショートカットが重要な理由

Windowsターミナルの特徴
従来のコマンドプロンプトとの違い
- タブ機能:複数のシェルを同時に開ける
- 分割表示:1つの画面を分けて使える
- 美しい見た目:カスタマイズ可能な外観
- 高速動作:GPU支援による高速レンダリング
なぜショートカットが重要なのか
- ターミナル作業はキーボード中心の操作
- マウスへの手の移動が時間のロスになる
- 連続した操作でのリズムの維持
- プロフェッショナルな操作感の実現
絶対に覚えたい!基本操作ショートカット
タブとウィンドウの基本操作
操作内容 | ショートカットキー | 使う場面 |
---|---|---|
新しいタブを開く | Ctrl + Shift + T | 別の作業を並行したいとき |
タブを閉じる | Ctrl + Shift + W | 作業完了時にタブを整理したいとき |
次のタブに移動 | Ctrl + Tab | タブを順番に確認したいとき |
前のタブに移動 | Ctrl + Shift + Tab | 直前のタブに戻りたいとき |
ターミナル全体を閉じる | Alt + F4 | 全作業を終了したいとき |
実際の使用例
シナリオ:Webプロジェクトの開発中
1. Ctrl + Shift + T で新しいタブを開く
2. 1つ目のタブでサーバー起動 (npm start)
3. 2つ目のタブでGitコマンド実行
4. Ctrl + Tab で両方のタブを行き来
検索と設定
操作内容 | ショートカットキー | 使う場面 |
---|---|---|
検索バーを表示 | Ctrl + Shift + F | 過去のコマンドやログを探したいとき |
設定画面を開く | Ctrl + , | ターミナルの見た目や動作を変更したいとき |
検索機能の活用
- 長いログの中から特定のエラーメッセージを探す
- 過去に実行したコマンドを見つける
- 大量の出力から必要な情報を抽出
タブ・ウィンドウ操作の応用テクニック
高度なタブ操作
操作内容 | ショートカットキー | 使う場面 |
---|---|---|
新しいウィンドウを開く | Ctrl + Shift + N | 独立したターミナル環境が欲しいとき |
指定のタブにジャンプ | Ctrl + Alt + 数字キー(1~9) | 特定のタブに直接移動したいとき |
タブを複製 | Ctrl + Shift + D | 同じディレクトリで新しい作業を始めたいとき |
ペイン(分割表示)操作
操作内容 | ショートカットキー | 使う場面 |
---|---|---|
画面を縦に分割 | Alt + Shift + + | 左右に別々の作業を表示したいとき |
画面を横に分割 | Alt + Shift + - | 上下に別々の作業を表示したいとき |
ペイン間を移動 | Alt + 矢印キー | 分割した画面間を移動したいとき |
アクティブペインを閉じる | Ctrl + Shift + W | 分割した画面の一部を閉じたいとき |
ペインサイズ調整 | Alt + Shift + 矢印キー | 分割した画面の大きさを調整したいとき |
分割表示の実践例
開発作業での活用:
┌─────────────┬─────────────┐
│ 左側 │ 右側 │
│ サーバー監視 │ Git操作 │
│ npm start │ git status │
│ │ git commit │
├─────────────┴─────────────┤
│ 下側 │
│ ファイル編集 │
│ nano config.js │
└─────────────────────────────┘
テキスト編集・コピー操作の効率化
基本的なテキスト操作
操作内容 | ショートカットキー | 使う場面 |
---|---|---|
コピー | Ctrl + Shift + C | 選択したテキストをクリップボードに保存 |
貼り付け | Ctrl + Shift + V | クリップボードの内容を貼り付け |
全選択 | Ctrl + A | 画面上のすべてのテキストを選択 |
注意点
- 通常の
Ctrl + C
ではなくCtrl + Shift + C
を使用 - これはターミナルでは
Ctrl + C
がプロセス中断の意味を持つため
テキスト選択の高度な操作
操作内容 | ショートカットキー | 使う場面 |
---|---|---|
マウスなしで選択開始 | Shift + 矢印キー | キーボードだけでテキストを選択 |
単語単位で選択 | Ctrl + Shift + 矢印キー | 効率的にテキストを選択 |
行の先頭に移動 | Home | カーソルを行の最初に移動 |
行の末尾に移動 | End | カーソルを行の最後に移動 |
行全体を選択 | Home → Shift + End | 行全体を素早く選択 |
履歴とナビゲーション
操作内容 | ショートカットキー | 使う場面 |
---|---|---|
コマンド履歴を上へ | ↑ | 前に実行したコマンドを再実行 |
コマンド履歴を下へ | ↓ | 履歴を順番に確認 |
履歴検索 | Ctrl + R | 過去のコマンドを検索 |
プロファイル・環境切り替えのショートカット

プロファイル操作
操作内容 | ショートカットキー | 使う場面 |
---|---|---|
デフォルトプロファイルで新しいタブ | Ctrl + Shift + 1 | PowerShellを開きたいとき |
プロファイル2で新しいタブ | Ctrl + Shift + 2 | コマンドプロンプトを開きたいとき |
プロファイル3で新しいタブ | Ctrl + Shift + 3 | WSL(Linux)を開きたいとき |
プロファイル選択メニュー | Ctrl + Shift + Space | 利用可能なプロファイル一覧から選択 |
プロファイルの活用例
開発環境の使い分け:
- プロファイル1: PowerShell (Windows開発)
- プロファイル2: Ubuntu WSL (Linux開発)
- プロファイル3: Azure Cloud Shell (クラウド管理)
- プロファイル4: Docker環境
表示・スクロール操作
画面表示の制御
操作内容 | ショートカットキー | 使う場面 |
---|---|---|
画面をクリア | Ctrl + L | 画面をきれいにしたいとき |
スクロールアップ | Ctrl + Shift + ↑ | 過去の出力を確認したいとき |
スクロールダウン | Ctrl + Shift + ↓ | 最新の出力に戻りたいとき |
ページ単位でスクロール | Ctrl + Shift + Page Up/Down | 大量の出力を効率的に確認 |
最上部にスクロール | Ctrl + Shift + Home | 出力の最初に戻りたいとき |
最下部にスクロール | Ctrl + Shift + End | 最新の出力に移動したいとき |
フォントサイズとズーム
操作内容 | ショートカットキー | 使う場面 |
---|---|---|
フォントを大きく | Ctrl + + | 文字が小さくて見にくいとき |
フォントを小さく | Ctrl + - | より多くの情報を画面に表示したいとき |
フォントサイズをリセット | Ctrl + 0 | デフォルトサイズに戻したいとき |
知っておくと便利な隠れショートカット
あまり知られていない便利機能
操作内容 | ショートカットキー | 使う場面 |
---|---|---|
コマンドパレットを開く | Ctrl + Shift + P | コマンドを名前で検索して実行 |
フルスクリーン切り替え | F11 | 最大画面でターミナルを使いたいとき |
フォーカスモード | Ctrl + Shift + Enter | タブバーなどを非表示にして集中 |
透明度の切り替え | Ctrl + Shift + T | 背景を透過させたいとき |
デバッグ・開発支援
操作内容 | ショートカットキー | 使う場面 |
---|---|---|
新しいウィンドウ(管理者) | Ctrl + Shift + Alt + N | 管理者権限が必要な作業のとき |
ターミナル再起動 | Ctrl + Shift + R | 設定変更後に再起動したいとき |
ショートカットのカスタマイズ方法

独自ショートカットの設定
設定ファイルの編集方法
Ctrl + ,
で設定画面を開く- 「JSONファイルを開く」をクリック
keybindings
セクションを編集
カスタムショートカットの例
{
"command": "newTab",
"keys": "ctrl+t"
},
{
"command": "closeTab",
"keys": "ctrl+w"
},
{
"command": "nextTab",
"keys": "ctrl+pagedown"
}
よく使うカスタマイズ例
Git操作の自動化
{
"command": {
"action": "sendInput",
"input": "git status\r"
},
"keys": "ctrl+shift+g"
}
よく使うディレクトリへの移動
{
"command": {
"action": "sendInput",
"input": "cd C:\\Projects\r"
},
"keys": "ctrl+shift+p"
}
よくある質問と解決法
Q1:ショートカットが効かない
A1:以下を確認してください
- Windowsターミナルにフォーカスがあるか
- 他のアプリケーションとのショートカット競合
- Caps Lockやファンクションキーの状態
- ターミナルのバージョン確認
Q2:慣れ親しんだショートカットが使いたい
A2:設定でカスタマイズ可能
// Cmd + C/V (Mac風) に変更する例
{
"command": "copy",
"keys": "cmd+c"
},
{
"command": "paste",
"keys": "cmd+v"
}
トラブルシューティング
よくある問題と対処法
問題1:ショートカットの競合
症状: 意図した動作にならない
原因: 他のソフトウェアとのキー競合
対処: Windows設定でキー割り当てを確認
問題2:一部ショートカットが無反応
症状: 特定のショートカットのみ効かない
原因: プロファイル固有の設定問題
対処: 設定ファイルの構文エラーチェック
問題3:カスタマイズ後の不具合
症状: 設定変更後に動作がおかしい
原因: JSON構文エラー
対処: 設定ファイルのバックアップから復元
まとめ
Windowsターミナルのショートカットキーをマスターすることで、日々のターミナル作業が劇的にスピードアップします。
今日から始められること
- 基本5つから覚える(タブ操作とコピペ)
- 分割表示で複数作業を並行
- プロファイル切り替えで環境を使い分け
- カスタマイズで自分専用の設定を作成
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