Windowsのリカバリーとは?パソコンを元の状態に戻す方法と注意点

Windows

パソコンを使っていると、こんな困ったことはありませんか?

  • 動作がとても重くなってしまった
  • 変なソフトがインストールされて削除できない
  • ウイルスに感染してしまった可能性がある
  • エラーメッセージが頻繁に出るようになった
  • パソコンが正常に起動しなくなった

そんなときに役立つのが「リカバリー」という機能です。

でも、「リカバリーって聞いたことはあるけど、実際にはどんなことをするの?」「大切なデータは消えてしまうの?」と心配になる方も多いでしょう。

この記事では、Windowsのリカバリー機能について、その意味や種類、具体的な手順、そして気をつけるべき点まで、初心者の方でもわかるようにていねいに説明します。

この記事で学べること

  • リカバリーの基本的な意味と目的
  • リカバリーの種類と使い分け方
  • 実際のリカバリー手順
  • 作業前に準備すべきこと
  • よくあるトラブルと対処法
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リカバリーってなに?

基本的な意味

リカバリー(Recovery)とは、英語で「回復」という意味です。

パソコンの世界では、コンピュータの状態を以前の正常な状態に戻すことを指します。

簡単に言うと、「パソコンを元気だったころの状態に戻す」ということです。

なぜリカバリーが必要なの?

パソコンは使っているうちに、さまざまな原因で調子が悪くなることがあります:

  • システムファイルの破損 Windowsの大切なファイルが壊れて、正常に動かなくなる
  • 不要なソフトウェアの蓄積 使わないプログラムがたまって、動作が重くなる
  • ウイルスやマルウェアの感染 悪意のあるプログラムがパソコンに侵入して、おかしな動作をする
  • レジストリの問題 Windowsの設定情報が混乱して、エラーが頻発する
  • ハードウェアトラブル パソコンの部品の故障が原因で不具合が起こる

リカバリーで解決できること

  • 動作速度の改善 不要なファイルやプログラムがなくなり、パソコンが軽くなります
  • エラーの解消 システムの問題が原因のエラーメッセージが出なくなります
  • セキュリティの向上 ウイルスや怪しいソフトウェアを完全に削除できます
  • 安定性の回復 フリーズや突然の再起動などの問題が解決します

リカバリーの種類と特徴

Windowsには、いくつかの種類のリカバリー方法があります。

それぞれに特徴があるので、状況に応じて使い分けることが大切です。

システムの復元

どんな方法? パソコンの設定を、過去の特定の日時に戻す方法です。

メリット

  • 個人ファイル(写真、文書など)は消えない
  • 比較的短時間で完了する
  • 元に戻すこともできる

デメリット

  • 復元ポイントがないと使えない
  • すべての問題が解決するとは限らない
  • 最近インストールしたソフトは削除される場合がある

こんなときに使う

  • 最近ソフトウェアをインストールしてから調子が悪い
  • 軽いトラブルを手軽に解決したい
  • 大切なデータを失いたくない

このPCを初期状態に戻す(Windows 10/11)

どんな方法? Windowsを再インストールして、工場出荷時の状態に近づける方法です。

「ファイルを保持」オプション

  • 個人ファイルは残る
  • インストールしたソフトウェアは削除される
  • Windowsの設定は初期化される

「すべて削除」オプション

  • すべてのファイルとソフトウェアが削除される
  • 完全にクリーンな状態になる
  • パソコンを売るときや譲るときに使用

メリット

  • 多くの問題を根本的に解決できる
  • 操作が比較的簡単
  • 回復ドライブがなくても実行可能

デメリット

  • 時間がかかる(数時間)
  • ソフトウェアの再インストールが必要
  • 設定をやり直す必要がある

リカバリーディスク・回復ドライブの使用

どんな方法? あらかじめ作成したUSBメモリやDVDから起動して、パソコンを初期状態に戻す方法です。

メリット

  • Windowsが起動しなくても使える
  • より確実にリカバリーできる
  • ハードディスクに問題があっても対処可能

デメリット

  • 事前に回復ドライブを作成しておく必要がある
  • 操作が少し複雑
  • すべてのデータが削除される場合が多い

リカバリーの具体的な手順

システムの復元の手順

ステップ1:システムの復元を開始

  1. スタートボタンをクリック
  2. 検索ボックスに「復元」と入力
  3. 「復元ポイントの作成」を選択
  4. 「システムの復元」ボタンをクリック

ステップ2:復元ポイントを選択

  1. 復元ポイントの一覧が表示される
  2. 問題が起きる前の日付を選択
  3. 「影響を受けるプログラムの検出」で確認
  4. 「次へ」をクリック

ステップ3:復元の実行

  1. 内容を確認して「完了」をクリック
  2. 確認メッセージで「はい」を選択
  3. パソコンが再起動して復元が始まる
  4. 完了まで待つ(通常15〜30分)

このPCを初期状態に戻す手順

ステップ1:回復オプションを開く

  1. スタートボタン → 設定(歯車マーク)
  2. 「更新とセキュリティ」をクリック
  3. 左側のメニューから「回復」を選択

ステップ2:リセットを開始

  1. 「このPCをリセット」の「開始する」ボタンをクリック
  2. オプションを選択:
    • 「ファイルを保持する」:個人ファイルを残す
    • 「すべて削除する」:すべてを削除

ステップ3:詳細設定

  1. 「設定の変更」で追加オプションを確認
    • 「ファイルの削除とドライブのクリーニング」:より確実に削除
    • 「プリインストールされたアプリを復元する」:メーカーのソフトも復元

ステップ4:実行

  1. 内容を確認して「リセット」をクリック
  2. パソコンが再起動してリセットが始まる
  3. 完了まで待つ(通常1〜3時間)

回復ドライブを使った復元

事前準備:回復ドライブの作成

  1. 16GB以上のUSBメモリを用意
  2. スタートメニューで「回復ドライブ」を検索
  3. 「回復ドライブの作成」を開始
  4. 指示に従ってUSBメモリに作成

回復ドライブからの起動

  1. パソコンの電源を切る
  2. 回復ドライブ(USBメモリ)を挿入
  3. パソコンを起動してBIOS設定でUSBから起動
  4. 回復オプションが表示される

復元の実行

  1. 「トラブルシューティング」を選択
  2. 「このPCを初期状態に戻す」を選択
  3. 画面の指示に従って進める

作業前の重要な準備

データのバックアップ

どんなデータをバックアップすべき?

  • 写真、動画などの個人ファイル
  • 仕事で使う文書やスプレッドシート
  • ブラウザのブックマーク
  • メールのデータ
  • 音楽ファイル
  • ゲームのセーブデータ

バックアップ方法

  • 外付けハードディスク・USBメモリへのコピー
  • クラウドストレージ(OneDrive、Googleドライブなど)
  • DVDやBlu-rayディスクへの書き込み

ソフトウェアの準備

インストール用のファイルを確認

  • Officeなどの重要なソフトウェアのインストーラー
  • ドライバーソフトウェア(プリンターなど)
  • よく使うソフトウェアのセットアップファイル

ライセンス情報の確認

  • Windowsのプロダクトキー
  • Officeのライセンス情報
  • 有料ソフトウェアの認証情報

アカウント情報の確認

Microsoftアカウント

  • アカウント名とパスワード
  • 二段階認証の設定

その他のアカウント

  • メールアカウントの設定情報
  • SNSやオンラインサービスのパスワード

注意すべきポイント

リカバリー前の確認事項

本当にリカバリーが必要? リカバリーは最後の手段です。まずは以下を試してみましょう:

  • ウイルススキャンの実行
  • 不要なファイルの削除
  • ディスククリーンアップの実行
  • システムファイルチェッカーの実行

電源の確保 リカバリー中に電源が切れると、パソコンが起動しなくなる可能性があります:

  • ノートパソコンは充電器につなぐ
  • デスクトップパソコンはUPS(無停電電源装置)があると安心

時間の確保 リカバリーには時間がかかります:

  • システムの復元:15分〜1時間
  • このPCをリセット:1〜3時間
  • 完全な初期化:2〜5時間

よくある失敗と対処法

リカバリーが途中で止まる

  • パソコンを強制終了せず、しばらく待つ
  • 3時間以上変化がない場合は、回復ドライブから起動

必要なドライバーがない

  • メーカーのサポートサイトからダウンロード
  • デバイスマネージャーで不明なデバイスを確認

ソフトウェアが起動しない

  • 最新バージョンをダウンロード
  • 互換モードで実行を試す

セキュリティの注意点

個人情報の保護

  • 完全削除オプションを使用してデータを確実に消去
  • 機密データがある場合は専用ソフトウェアで上書き削除

再感染の防止

  • Windows Updateを必ず実行
  • ウイルス対策ソフトをすぐにインストール
  • 不審なサイトからのダウンロードを避ける

リカバリー後の初期設定

Windows の基本設定

アカウントの設定

  • Microsoftアカウントでサインイン
  • ローカルアカウントの設定(必要に応じて)

プライバシー設定

  • 位置情報の使用設定
  • 診断データの送信設定
  • 音声認識の設定

ネットワーク設定

  • Wi-Fiの接続
  • 有線LAN の設定

必要なソフトウェアのインストール

セキュリティソフト 真っ先にインストールして、ウイルススキャンを実行

ブラウザ Internet Explorer以外のブラウザ(Chrome、Firefox など)

基本的なソフトウェア

  • Office スイート
  • PDF リーダー
  • 圧縮・展開ソフト
  • メディアプレーヤー

データの復元

バックアップからの復元

  • 個人ファイルをコピー
  • ブラウザのブックマークをインポート
  • メール設定の復元

クラウド同期の設定

  • OneDrive の同期設定
  • その他のクラウドサービスの設定

トラブルシューティング

リカバリーできない場合

「復元ポイントがありません」と表示される

  • システムの復元が無効になっている
  • 「このPCをリセット」を使用する
  • 回復ドライブから復元を試す

「リセットに問題が発生しました」エラー

  • 回復ドライブから実行
  • メーカーのリカバリーディスクを使用
  • 修理サービスに相談

パソコンが起動しない

  • セーフモードでの起動を試す
  • 回復ドライブから起動
  • ハードウェア診断を実行

予防策

定期的な復元ポイントの作成 重要な作業の前には必ず復元ポイントを作成しましょう

回復ドライブの事前作成 パソコンが正常に動いているうちに回復ドライブを作成

定期的なバックアップ 重要なデータは定期的にバックアップを取る習慣をつけましょう

まとめ

Windowsのリカバリーは、パソコンのトラブルを解決する強力な方法です。

しかし、正しい知識と準備なしに行うと、大切なデータを失ったり、さらなるトラブルを招いたりする可能性があります。

リカバリーを成功させるポイント

  1. 事前準備を怠らない:データのバックアップとソフトウェアの準備
  2. 適切な方法を選ぶ:問題の程度に応じてリカバリー方法を選択
  3. 時間に余裕を持つ:急がずに確実に作業を進める
  4. 安全な環境で実行:電源の確保と静かな環境での作業

リカバリーの種類まとめ

  • 軽いトラブル:システムの復元
  • 重いトラブル:このPCをリセット(ファイル保持)
  • 完全なクリーンアップ:このPCをリセット(すべて削除)
  • 起動しない場合:回復ドライブを使用

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