C#(シーシャープ)は、こんなものを作ることができるプログラミング言語です:
- Windowsアプリ
- Webサイトやシステム
- ゲーム(Unity をつかったゲーム開発)
- スマホアプリ
文法はJavaやC言語に似ていて、きちんとしたルールがあってわかりやすく、初心者にも学びやすいのが特徴です。
この記事では、C#の基本的な文法や、最初に覚えるべき書き方・ルールをやさしく説明します。
C#プログラムの基本構造

C#のプログラムは、だいたいこんな形になっています。
説明
プログラムには「決まった形」があります。
これは手紙に「宛先」「差出人」「日付」があるのと同じです。
例
using System;
class Program
{
static void Main(string[] args)
{
Console.WriteLine("こんにちは、C#!");
}
}
各部の意味
部分 | 説明 |
---|---|
using System; | 便利な機能を読み込む |
class Program | プログラムのかたまりを作る |
static void Main | プログラムが最初に実行する場所 |
Console.WriteLine | 文字を画面に表示する |
変数の宣言とデータ型
説明
変数とは「データを入れる箱」のようなものです。箱にはいろいろな種類があって、入れるものによって使い分けます。
主なデータ型
型 | 説明 | 例 |
---|---|---|
int | 整数(まるい数字) | 10, -5, 0 |
double | 小数 | 3.14, -2.5 |
string | 文字列 | “Hello”, “こんにちは” |
bool | 正しいか間違いか | true, false |
char | 1つの文字 | ‘A’, ‘あ’ |
例
int age = 25; // 年齢(整数)
string name = "山田"; // 名前(文字列)
double height = 170.5; // 身長(小数)
bool isStudent = true; // 学生かどうか(正しい・間違い)
条件分岐(if文)
説明
「もし〜だったら○○する、そうでなければ××する」という処理を書くときにつかいます。
例
int age = 25;
if (age >= 20)
{
Console.WriteLine("成人です");
}
else
{
Console.WriteLine("未成年です");
}
この例では、ageが20以上なら「成人です」、そうでなければ「未成年です」と表示されます。
繰り返し処理

説明
同じ処理を何回も繰り返したいときにつかいます。
for文の例
「0から4まで数字を表示する」
for (int i = 0; i < 5; i++)
{
Console.WriteLine(i);
}
結果:
0
1
2
3
4
while文の例
「条件が正しい間、ずっと繰り返す」
int i = 0;
while (i < 5)
{
Console.WriteLine(i);
i++; // iを1ずつ増やす
}
結果は上と同じです。
配列とリスト
説明
たくさんのデータをまとめて管理したいときにつかいます。
配列の例
「テストの点数をまとめて管理する」
int[] scores = { 80, 90, 75 };
Console.WriteLine(scores[0]); // 80(最初の要素)
Console.WriteLine(scores[1]); // 90(2番目の要素)
リストの例
「果物の名前を管理して、あとから追加もできる」
using System.Collections.Generic;
List<string> fruits = new List<string>() { "りんご", "バナナ" };
fruits.Add("みかん"); // 新しく追加
Console.WriteLine(fruits[2]); // みかん
メソッド(関数)の定義
説明
よくつかう処理をまとめて、名前をつけて呼び出せるようにします。料理のレシピのようなものです。
例
「2つの数字を足し算するメソッド」
static int Add(int a, int b)
{
return a + b; // a と b を足した結果を返す
}
// つかい方
int result = Add(3, 5);
Console.WriteLine(result); // 8
メソッドの構成
static
:クラスに属する印int
:返す値の種類Add
:メソッドの名前(int a, int b)
:受け取る値
クラスとオブジェクト

説明
クラスは「設計図」、オブジェクトは「実際に作ったもの」です。
人間という設計図から、田中さんや佐藤さんを形作るイメージです。
例
「人を表すクラスを作る」
class Person
{
public string Name; // 名前
public int Age; // 年齢
public void Greet() // あいさつするメソッド
{
Console.WriteLine($"こんにちは、{Name}です。");
}
}
// つかい方
Person p = new Person(); // 新しい人を作る
p.Name = "太郎";
p.Age = 20;
p.Greet(); // こんにちは、太郎です。
コメントの書き方
説明
プログラムに説明を書くためのものです。プログラムの動作には関係ありませんが、あとで読むときに便利です。
例
// これは1行のコメント
/*
これは
複数行の
コメント
*/
int age = 25; // 年齢を保存
エラー対策:例外処理
説明
プログラムでエラーが起きそうな場所を予想して、エラーが起きても止まらないようにする仕組みです。
例
「数字以外の文字が入力されたときの対処」
try
{
Console.Write("数字を入力してください:");
string input = Console.ReadLine();
int number = int.Parse(input); // 文字を数字に変換
Console.WriteLine($"入力された数字は {number} です");
}
catch (FormatException)
{
Console.WriteLine("数字以外が入力されました");
}
実行例
数字を入力してください:abc
数字以外が入力されました
よくつかう演算子

説明
計算や比較をするときにつかう記号です。
算術演算子
演算子 | 意味 | 例 | 結果 |
---|---|---|---|
+ | 足し算 | 5 + 3 | 8 |
- | 引き算 | 5 - 3 | 2 |
* | 掛け算 | 5 * 3 | 15 |
/ | 割り算 | 6 / 3 | 2 |
% | 余り | 7 % 3 | 1 |
比較演算子
演算子 | 意味 | 例 | 結果 |
---|---|---|---|
== | 等しい | 5 == 5 | true |
!= | 等しくない | 5 != 3 | true |
> | より大きい | 5 > 3 | true |
< | より小さい | 3 < 5 | true |
>= | 以上 | 5 >= 5 | true |
<= | 以下 | 3 <= 5 | true |
文字列の操作
説明
文字列を組み合わせたり、変更したりする方法です。
例
string firstName = "太郎";
string lastName = "田中";
// 文字列を組み合わせる
string fullName = lastName + firstName;
Console.WriteLine(fullName); // 田中太郎
// $記号をつかった書き方(おすすめ)
string message = $"こんにちは、{fullName}さん";
Console.WriteLine(message); // こんにちは、田中太郎さん
まとめ
C#は構文がしっかりしているからこそ、一度基本を覚えればミスが少なく、安定したプログラムが書けるのが魅力です。
最初は Console.WriteLine
で文字を表示することからはじめて、少しずつクラスやメソッドの構造を身につけていきましょう。
学習の順番
- 変数とデータ型:データを入れる箱を理解
- 条件分岐:「もし〜なら」の処理
- 繰り返し処理:同じことを何回もする
- メソッド:処理をまとめて名前をつける
- クラス:設計図を作ってオブジェクトを生成
覚えておきたい基本項目
項目 | 内容 | 例 |
---|---|---|
出力 | コンソールに表示 | Console.WriteLine() |
変数 | 型+名前+値 | int x = 10; |
条件分岐 | if / else | if (x > 0) {} |
繰り返し | for / while | for (int i=0; i<5; i++) |
配列・リスト | データの集まり | int[] arr , List<T> |
メソッド | 関数定義 | static int Add(int a, int b) |
クラス | オブジェクト設計 | class Person { ... } |
コメント | 補足説明 | // コメント |
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