Pythonで三角関数を使おうとすると、「度」ではなく「ラジアン」という単位を使う必要があります。
普段わたしたちが使う「90度」や「180度」という角度を、コンピューターが理解できる「ラジアン」に変換する必要があるのです。
そんなときに便利なのが、Pythonに最初から入っている radians()
という関数です。
この関数を使えば、度をラジアンに簡単に変換できて、三角関数の計算がスムーズに行えます。
この記事では、radians()
関数の使い方から注意点、実際に使える例まで、初心者の方にもわかりやすく説明していきます。数学が苦手な方でも大丈夫です!
radians()関数って何?
基本的な説明
radians()
は、わたしたちが普段使う角度(度)を、コンピューターが計算しやすいラジアン(rad)に変換してくれる関数です。
Pythonの math
というモジュールに入っていて、三角関数と一緒に使います。
ラジアンって何?
ラジアンは角度を表す別の方法です。普段わたしたちは「90度」「180度」と言いますが、コンピューターの世界では「ラジアン」という単位がよく使われます。
覚えておきたい関係は以下の通りです:
- 180度 = π(パイ)ラジアン(約3.14)
- 360度 = 2π(ツーパイ)ラジアン(約6.28)
- 90度 = π/2ラジアン(約1.57)
関数の書き方
import math
math.radians(度数)
使い方はとても簡単です。まず math
モジュールを読み込んで、radians()
関数に度数を入れるだけです。
radians()
関数は度をラジアンに変えるためのシンプルな関数です。次は、実際に使ってみた例を見ていきましょう。
radians()の基本的な使い方
実際に使ってみよう
import math
degree = 180
radian = math.radians(degree)
print(radian) # 結果:3.141592653589793(これはπの値です)
説明:
degree = 180
:180度という数値を変数に入れますmath.radians(degree)
:180度をラジアンに変換しますprint(radian)
:変換された結果を表示します
このように、180度を入力すると、円周率π(パイ)と同じ値のラジアンが得られます。
よく使う変換の例
度数 | ラジアン(おおよその値) | よくある場面 |
---|---|---|
0度 | 0.0 | 角度なし |
90度 | 1.5708 | 直角 |
180度 | 3.1416 | 半回転 |
270度 | 4.7124 | 3/4回転 |
360度 | 6.2832 | 1回転 |
この変換の関係を覚えておくと、プログラムを書くときに便利です。
この関数を知っておくだけで、三角関数を簡単に扱えるようになります。次は、三角関数との組み合わせ例を紹介します。
radians()を三角関数と一緒に使ってみよう
角度から正弦(サイン)を求める例
import math
angle_deg = 30
angle_rad = math.radians(angle_deg)
sin_value = math.sin(angle_rad)
print(sin_value) # 結果:0.5(30度のサインは0.5)
手順の説明:
angle_deg = 30
:30度という角度を決めますmath.radians(angle_deg)
:30度をラジアンに変換しますmath.sin(angle_rad)
:変換したラジアンでサインを計算します- 結果は0.5になります(これは数学的に正しい値です)
三角関数と組み合わせるパターン
# よく使うパターン
math.sin(math.radians(角度)) # サイン
math.cos(math.radians(角度)) # コサイン
math.tan(math.radians(角度)) # タンジェント
実用例:
import math
# 45度の三角関数を全部計算してみる
angle = 45
print(f"sin({angle}度) = {math.sin(math.radians(angle)):.3f}")
print(f"cos({angle}度) = {math.cos(math.radians(angle)):.3f}")
print(f"tan({angle}度) = {math.tan(math.radians(angle)):.3f}")
角度から直接サインやコサインを求められるので、とても便利です。
三角関数を使うには、radians()
での変換が必須です。次に、radians()
を使うときの注意点を確認しておきましょう。
radians()を使うときの注意点
入力できるデータの種類
radians()
関数に入れることができるのは「数値」だけです。文字列(テキスト)を入れるとエラーになってしまいます。
エラーになる例:
import math
math.radians("180") # これはエラーになります
正しい例:
import math
math.radians(180) # これは正しく動きます
math.radians(180.0) # これも正しく動きます
文字列を数値に変換する方法
もし文字列で角度が与えられた場合は、事前に数値に変換します:
import math
# 文字列の角度を数値に変換してから使う
angle_str = "90"
angle_num = float(angle_str) # または int(angle_str)
result = math.radians(angle_num)
print(result) # 正しく動きます
結果は小数になります
radians()
関数の結果は必ず小数(浮動小数点数)になります。整数を期待していると混乱することがあるので覚えておきましょう。
import math
print(math.radians(90)) # 1.5707963267948966(小数になります)
radians()
を安全に使うには、データの型に注意することが大切です。
まとめ
Pythonの math.radians()
関数は、角度(度)をラジアンに変換するための必須関数です。
重要なポイント:
math.radians(角度)
で簡単に変換できる- 三角関数(sin、cos、tan)と組み合わせて使うと便利
- 入力は数値のみ対応(文字列はエラーになる)
- 結果は必ず小数になる
- 180度 = πラジアン、360度 = 2πラジアンという関係を覚えておこう
実用的な使い方:
import math
# 角度から三角関数を計算する基本パターン
angle = 60
sin_val = math.sin(math.radians(angle))
cos_val = math.cos(math.radians(angle))
print(f"{angle}度のサイン: {sin_val:.3f}")
print(f"{angle}度のコサイン: {cos_val:.3f}")
Pythonで数学的な処理をするなら、ラジアンの扱いは避けて通れません。
でも radians()
関数を使えば、複雑な計算をしなくても簡単に変換できます。
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