プログラムを書いていて、こんな場面に出会ったことはありませんか?
「条件を満たしたら、ループから抜け出したい」
「無限に続くループを適切な場所で止めたい」
そんなときに活躍するのが、Pythonのbreak文です。
この記事では、Python初心者の方でも理解できるように:
- breakの基本的な仕組み
- 実際に使える具体例
- よくある間違いと対処法
- continueやelseとの違い
これらを、図解とサンプルコードで丁寧に説明していきます。
breakとは何か?|ループを強制的に終わらせる命令

break文とは、for文やwhile文などのループ処理を途中で終了させるための命令です。
基本的な書き方
for 変数 in データ:
if 条件:
break # ←この時点でループが終わる
# 他の処理
breakが実行されると、そのループから完全に抜け出し、ループの次の行へ処理が移ります。
具体例

例1:特定の値を見つけたらループを止める
numbers = [1, 3, 5, 10, 7, 9]
for num in numbers:
print(f"現在の数字: {num}")
if num == 10:
print("10を見つけました!ループを終了します")
break
print("ループが終わりました")
実行結果:
現在の数字: 1
現在の数字: 3
現在の数字: 5
現在の数字: 10
10を見つけました!ループを終了します
ループが終わりました
このように、breakが実行された瞬間にループから抜け出します。残りの要素(7, 9)は処理されません。
while文でのbreak活用法

例2:条件が揃うまで繰り返し、達成したら終了
count = 0
while True: # 無限ループ
count = count + 1
print(f"{count}回目の処理")
if count >= 3:
print("3回達成したので終了!")
break
print("処理完了")
実行結果:
1回目の処理
2回目の処理
3回目の処理
3回達成したので終了!
処理完了
while Trueは本来なら永遠に続きますが、breakを使うことで適切なタイミングで終了できます。
continueとの違いを理解しよう
多くの初心者が混同するのが、breakとcontinueの違いです。
命令 | 動作 |
---|---|
break | ループ全体を終了する |
continue | 今回の処理だけスキップして、次の周へ進む |
比較例:breakの場合
for i in range(5):
if i == 2:
break
print(i)
print("ループ終了")
結果: 0 1 ループ終了
比較例:continueの場合
for i in range(5):
if i == 2:
continue
print(i)
print("ループ終了")
結果: 0 1 3 4 ループ終了
breakは「完全にやめる」、continueは「今回だけ飛ばす」と覚えましょう。
for-else文とbreakの関係
Pythonには、for文にelse文を組み合わせる特殊な書き方があります。
for i in range(5):
if i == 3:
print(f"数字{i}でループを終了")
break
print(i)
else:
print("最後まで処理が完了しました")
print("プログラム終了")
実行結果:
0
1
2
数字3でループを終了
プログラム終了
実用的な使用例

例3:ユーザーが終了を指示するまで繰り返す
while True:
user_input = input("何か入力してください('quit'で終了): ")
if user_input == 'quit':
print("プログラムを終了します")
break
print(f"あなたの入力: {user_input}")
print("お疲れさまでした!")
このように、ユーザーの操作によってプログラムを終了させる際にbreakは非常に便利です。
例4:リストから条件に合う最初の要素を探す
students = [
{"name": "田中", "score": 85},
{"name": "佐藤", "score": 92},
{"name": "鈴木", "score": 78},
{"name": "高橋", "score": 96}
]
for student in students:
if student["score"] >= 90:
print(f"優秀な生徒を発見: {student['name']}さん({student['score']}点)")
break
else:
print("90点以上の生徒は見つかりませんでした")
実行結果:
優秀な生徒を発見: 佐藤さん(92点)
よくある間違いと対処法

間違い1:条件なしでbreakを使う
for i in range(5):
print(i)
break # これだと1回目で必ず終わってしまう
正しい書き方:
for i in range(5):
print(i)
if i == 2: # 条件を設ける
break
間違い2:ループの外でbreakを使う
# これはエラーになります
if True:
break # ループの中でないとbreakは使えない
breakは必ずfor文やwhile文の内部で使用しましょう。
まとめ
Pythonのbreak文は、ループ制御において非常に重要な役割を果たします。
覚えておくべきポイント:
- breakはループを完全に終了させる
- 条件と組み合わせて使うのが基本
- continueは「スキップ」、breakは「終了」
- for-else文ではbreakが実行されるとelse部分は動かない
- ユーザー入力の終了判定などで実用性が高い
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