今回は、中国神話に登場する美しい聖獣「麒麟」についてお話しします。
名前の意味
まず、「麒麟(きりん)」という漢字から見ていきましょう。
この漢字は、「麒」と「麟」という2つの異なる漢字を組み合わせたものです。
- 「麒」 → オスの麒麟を指す
- 「麟」 → メスの麒麟を指す
つまり、「麒麟」は雄雌一対の獣の総称ということになります。
麒麟は古代中国の聖人が現れる時にだけ出現する

麒麟は、中国の古代神話や文献に登場します。
麒麟の記録
- 最古の記録 → 『春秋』や『礼記』
- 特別な条件 → 理想的な王や賢者が現れる時にだけ出現
- 平和の証 → 乱世には姿を見せず、平和な時代にしか現れない
つまり、麒麟は「理想の統治と安定の証」とされ、古代中国の皇帝にとっても吉兆のシンボルでした。
まるで、「世界が平和になったよ」と教えてくれるので、縁起のいい聖獣だったんです。
麒麟は色々な動物が合わさった神秘的で美しい姿
麒麟の姿は、いろいろな動物が混ざったような神秘的なものです。
麒麟の特徴的な姿
- 竜のような顔
- 鹿のような胴体
- 全身が鱗で覆われている
- 尾は牛、蹄は馬
- 一角の角
- 腹毛は黄色
- 五色に光る
そして何より特徴的なのが、「足元の草を踏まない」「虫を殺さない」ほど優しい性格とされている点です。
見た目は力強くても、性格はとてもおだやかで慈悲深い——それが麒麟なんです。
四霊

麒麟は、他の神獣(龍や鳳凰)と並んで、「四霊(しれい)」の一つに数えられます。
※四霊=龍・鳳凰・麒麟・霊亀(れいき)
麒麟の主な特徴と能力
- 「平和」の象徴
- 賢い王様が生まれた時に現れる瑞獣
- 麒麟を傷つけたり、彼の死体の見つけることは不吉の予兆
まとめ
麒麟について、いかがでしたか?
今回のおさらい
- 麒麟は「雄と雌の聖獣」を表す
- 古代中国の文献に登場する平和の象徴
- 鹿・馬・牛などが合わさった美しい霊獣の姿
- 平和の象徴で、良き治世の前触れ
- 賢き王の即位と結びつく吉兆として登場
- 草も踏まない、虫も殺さないほど優しい性格
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