「Zshに変えたけど、bashとあまり変わらない…」「もっと見た目をおしゃれにしたい!」そんなふうに感じていませんか?
実は、Zshの本当の魅力はカスタマイズ性の高さにあるんです。
少し設定を変えるだけで、ターミナルが劇的に使いやすく、そして見た目も美しくなります。
この記事では、Zshを自分好みに変える具体的な方法を、初心者の方にも分かりやすく丁寧に解説していきます。
Zshって何?なぜカスタマイズした方がいいの?

Zshとは
Zsh(ゼットシェル)は「Z Shell」の略で、Bash互換ながらより高機能なシェルです。
macOSでは標準シェルとして採用されているほど、信頼性と機能性が高く評価されています。
Zshの特徴
- 強力な補完機能:コマンドやファイル名を自動で予測
- 豊富な履歴機能:過去のコマンドを素早く検索
- カスタマイズ性:テーマやプラグインで自由に拡張
- Bash互換:今まで使っていたコマンドがそのまま使える
カスタマイズするとどう変わる?
カスタマイズ前後の違いは次のような感じです:
Before(デフォルト状態)
- 白黒でシンプルすぎる画面
- コマンド入力時のヒントが少ない
- Git操作などで長いコマンドを毎回入力
After(カスタマイズ後)
- ターミナルが見やすくなる:色分けやアイコンで情報が整理
- コマンド入力が快適に:予測変換や構文ハイライト
- 開発作業が効率化:Git情報の表示、コマンド短縮など
Zshは自分の作業スタイルに最適化できる柔軟なシェルです。
デフォルトのままでは魅力の半分も活用できていないので、ぜひカスタマイズにチャレンジしてみましょう。
次は、カスタマイズの第一歩として「Oh My Zsh」を導入していきます。
まずは「Oh My Zsh」をインストールしよう
Oh My Zshって何?
Oh My Zshは、Zshを簡単にカスタマイズできるフレームワークです。
難しい設定ファイルの編集をしなくても、テーマやプラグインを手軽に導入できる優れものなんです。
Oh My Zshの魅力
- 簡単導入:1つのコマンドでインストール完了
- 豊富なテーマ:150以上のテーマから選べる
- 便利なプラグイン:300以上のプラグインが利用可能
- 安全性:多くの開発者に使われている信頼できるツール
インストール手順
1. 事前準備:curlがインストールされているか確認
curl --version
もしインストールされていない場合は:
# Ubuntu/Debian系
sudo apt install curl
# Fedora/CentOS系
sudo dnf install curl
# Arch系
sudo pacman -S curl
2. Oh My Zshをインストール
sh -c "$(curl -fsSL https://raw.githubusercontent.com/ohmyzsh/ohmyzsh/master/tools/install.sh)"
インストールが完了すると、自動的にZshが起動して、カラフルな画面に変わります。
3. インストール確認
ターミナルを新しく開いて、プロンプト(入力待ちの部分)が変わっていれば成功です。
この章のまとめ Oh My Zshを使えば、手間なくZshのカスタマイズが可能になります。
これでカスタマイズの土台が整いました。
次は、テーマを変更して見た目を劇的に変えてみましょう。
Zshテーマを変更して見た目をカスタマイズ

テーマを変えるだけで、ターミナルの印象がガラッと変わります。人気のテーマと設定方法を紹介しますね。
人気のテーマ紹介
テーマ名 | 特徴 | おすすめ度 |
---|---|---|
robbyrussell | デフォルト。シンプルで見やすい | ★★★☆☆ |
agnoster | Git情報やディレクトリ表示が美しい | ★★★★☆ |
powerlevel10k | 高速・高機能。カラフルでカスタマイズ性抜群 | ★★★★★ |
bira | 2行表示でスッキリ。時刻表示もあり | ★★★☆☆ |
テーマの変更方法
1. 設定ファイルを開く
nano ~/.zshrc
2. テーマ設定を変更
ファイル内のZSH_THEME
の行を探して変更します:
ZSH_THEME="agnoster"
3. 設定を反映
source ~/.zshrc
超おすすめ:Powerlevel10kの導入
Powerlevel10kは現在最も人気のあるZshテーマです。高速で美しく、設定も簡単です。
インストール手順
git clone --depth=1 https://github.com/romkatv/powerlevel10k.git \
${ZSH_CUSTOM:-$HOME/.oh-my-zsh/custom}/themes/powerlevel10k
設定ファイルを更新
# ~/.zshrcを編集
ZSH_THEME="powerlevel10k/powerlevel10k"
設定を反映して初期セットアップ
source ~/.zshrc
初回起動時に対話形式の設定が始まります。好みに合わせて選択していけば、素敵なテーマが完成します。
フォントについての注意
一部のテーマ(agnosterやpowerlevel10kなど)では、特殊な記号を表示するために専用フォントが必要です。
文字化けした場合は、以下のフォントをインストールしてください:
- Nerd Fonts
- Powerline Fonts
テーマ変更でターミナルの見た目と使いやすさが一気に向上します。
特にPowerlevel10kは設定も簡単で、初心者の方にもおすすめですよ。
次は、プラグインを使って機能面でも強化していきましょう。
便利なZshプラグインを導入して効率アップ!
プラグインを使うことで、Zshの機能を大幅に拡張できます。作業効率が劇的に向上する、おすすめプラグインを紹介します。
まずは標準プラグインから
Oh My Zshには最初から多くのプラグインが含まれています。設定ファイルに追加するだけで使えます。
おすすめ標準プラグイン
プラグイン名 | 効果 | 使用例 |
---|---|---|
git | Git操作を短縮 | gst (git status)、ga (git add) |
sudo | ESCキー2回でsudoを追加 | コマンド入力後にESC2回 |
history | 履歴検索を強化 | より便利な履歴機能 |
追加でインストールしたいプラグイン
1. zsh-autosuggestions(入力補完)
過去に実行したコマンドを灰色で候補表示してくれます。
git clone https://github.com/zsh-users/zsh-autosuggestions \
${ZSH_CUSTOM:-~/.oh-my-zsh/custom}/plugins/zsh-autosuggestions
2. zsh-syntax-highlighting(構文ハイライト)
コマンドを入力すると、正しい構文かどうかを色で教えてくれます。
git clone https://github.com/zsh-users/zsh-syntax-highlighting.git \
${ZSH_CUSTOM:-~/.oh-my-zsh/custom}/plugins/zsh-syntax-highlighting
プラグインの有効化
1. 設定ファイルを編集
nano ~/.zshrc
2. plugins行を探して追加
plugins=(
git
sudo
history
zsh-autosuggestions
zsh-syntax-highlighting
)
3. 設定を反映
source ~/.zshrc
プラグインの効果を確認
設定が完了したら、以下を試してみてください:
- autosuggestions:過去に使ったコマンドを途中まで入力すると、灰色で候補が表示される
- syntax-highlighting:正しいコマンドは緑色、間違いは赤色で表示される
- git:
git status
の代わりにgst
と短く入力できる
プラグインを活用することで、Zshは作業をサポートする強力なツールに変身します。
特に入力補完と構文ハイライトは、一度使うと手放せなくなりますよ。
次は、さらに細かいカスタマイズテクニックを見ていきましょう。
さらに快適に!Zshカスタマイズの応用テクニック

基本的な設定が終わったら、より自分好みにカスタマイズしていきましょう。
プロンプトをカスタマイズする
プロンプト(コマンド入力前に表示される部分)をカスタマイズして、必要な情報を表示できます。
基本的なプロンプト設定
# 時刻とユーザー名、現在のディレクトリを表示
PROMPT="%T %n@%m %~ %# "
プロンプトで使える記号
記号 | 意味 |
---|---|
%n | ユーザー名 |
%m | マシン名 |
%~ | 現在のディレクトリ |
%T | 時刻(HH:MM) |
%D | 日付 |
エイリアス(コマンドの短縮)を設定
よく使うコマンドを短縮して、入力の手間を省けます。
おすすめエイリアス設定
# ~/.zshrcに追加
alias ll='ls -la'
alias la='ls -A'
alias l='ls -CF'
alias ..='cd ..'
alias ...='cd ../..'
alias gs='git status'
alias ga='git add'
alias gc='git commit'
alias gp='git push'
alias grep='grep --color=auto'
補完機能をさらに強化
Zshの補完機能をより強力にするための設定です。
# ~/.zshrcに追加
autoload -Uz compinit
compinit
# 補完候補を矢印キーで選択可能にする
zstyle ':completion:*' menu select
# 大文字小文字を区別しない補完
zstyle ':completion:*' matcher-list 'm:{a-z}={A-Z}'
履歴機能を強化
コマンド履歴をより便利に使うための設定です。
# ~/.zshrcに追加
HISTSIZE=10000
SAVEHIST=10000
setopt HIST_IGNORE_DUPS # 重複したコマンドは保存しない
setopt HIST_IGNORE_SPACE # スペースで始まるコマンドは保存しない
setopt SHARE_HISTORY # 複数のターミナル間で履歴を共有
# Ctrl+Rで履歴検索
bindkey '^R' history-incremental-search-backward
便利な環境変数を設定
作業を効率化する環境変数の設定例です。
# ~/.zshrcに追加
export EDITOR=nano # デフォルトエディター
export LANG=ja_JP.UTF-8 # 日本語設定
export PATH=$HOME/bin:$PATH # 個人用binディレクトリを追加
設定をファイルに保存
これらの設定を~/.zshrc
ファイルに追加して、永続化しましょう。
# ファイルを開く
nano ~/.zshrc
# 設定を追加したら保存
# 設定を反映
source ~/.zshrc
細かいカスタマイズを積み重ねることで、自分だけの最強ターミナルが完成します。
最初は基本的な設定から始めて、慣れてきたら少しずつ追加していくのがおすすめですよ。
まとめ:Zshカスタマイズでターミナルを自分仕様に!
Zshは、カスタマイズ次第で最強の開発環境にもなる拡張性の高いシェルです。
この記事で学んだこと
基本の設定
- Oh My Zsh:カスタマイズの土台となるフレームワーク
- テーマ変更:見た目が劇的に改善、やる気もアップ
- プラグイン導入:作業効率が大幅に向上
応用テクニック
- プロンプトカスタマイズ:必要な情報を表示
- エイリアス設定:よく使うコマンドを短縮
- 補完・履歴強化:入力作業がさらに快適に
カスタマイズのポイント
- 段階的に進める:いきなり全部設定せず、少しずつ追加
- 自分のスタイルに合わせる:他人の設定をそのまま使わず、自分流にアレンジ
- 定期的に見直す:作業スタイルの変化に合わせて設定を更新
- バックアップを取る:設定ファイルは定期的にバックアップ
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