Androidスマートフォンを使っていて、こんな困った経験はありませんか?
「Wi-Fiがつながらない」
「特定のアプリで接続エラーが出る」
「ネットワークの設定がよく分からない」
「『IPアドレス』って何のこと?」
そんな時に役立つのが「IPアドレス」の知識です。難しく感じるかもしれませんが、実はスマートフォンのネットワークトラブルを解決するためにとても重要な情報なんです。
この記事では、AndroidでのIPアドレス確認方法、グローバルIPとプライベートIPの違い、トラブル解決に役立つ知識まで、初心者の方にも分かりやすくまとめました。
IPアドレスって何?

基本的な概念
IPアドレスとは、ネットワーク上の住所のようなものです。現実世界で郵便物を送るのに住所が必要なように、インターネット上でデータをやり取りするためには、IPアドレスという「番地」が必要になります。
身近な例で理解すると:
- 現実世界:「東京都渋谷区○○1-2-3」
- ネットワーク:「192.168.1.100」
スマートフォンやパソコンなど、ネットにつながるすべての機器に割り当てられる識別番号です。
IPアドレスの種類
IPアドレスには主に2つの形式があります:
種類 | 例 | 特徴 |
---|---|---|
IPv4 | 192.168.1.100 | 現在最も使われている形式 |
IPv6 | 2400:xxxx:xxxx::1 | 新しい形式、アドレス数が多い |
通常、Androidで確認するのはIPv4の方です。
プライベートIPとグローバルIPの違い
ここが多くの方が混乱するポイントです。IPアドレスには、実は2つの種類があります。
プライベートIP(ローカルIP)
特徴 | 詳細 |
---|---|
使用場所 | 家庭や職場などの限られたネットワーク内 |
例 | 192.168.1.100、10.0.0.5など |
重複 | 他の家庭と同じ番号でもOK |
割り当て | Wi-Fiルーターが自動で割り当て |
グローバルIP(パブリックIP)
特徴 | 詳細 |
---|---|
使用場所 | インターネット全体 |
例 | 203.104.209.7など |
重複 | 世界中で唯一の番号 |
割り当て | インターネットサービスプロバイダ(ISP)が管理 |
分かりやすい例:
- プライベートIP:マンションの「201号室」(同じ番号が他のマンションにもある)
- グローバルIP:マンション全体の住所(世界に一つだけ)
Androidで確認できるのは主に「プライベートIP」です。 グローバルIPは、インターネット経由で確認する必要があります。
AndroidでIPアドレスを確認する方法

方法1:Wi-Fi接続時のIPアドレス(プライベートIP)を確認
Android 11以降の場合:
- 「設定」アプリを開く
- 「ネットワークとインターネット」をタップ
- 「Wi-Fi」をタップ
- 接続中のネットワーク名の右側にある⚙️マークをタップ
- (「詳細設定」または「ネットワーク情報」を選ぶ)
- IPアドレス(通常は「192.168.〜」で始まる)が表示される
Android 10以前の場合:
- 「設定」→「Wi-Fi」
- 接続中のネットワークを長押し
- 「ネットワークの詳細」または「ネットワーク情報」を選択
- IPアドレスを確認
表示される情報の例:
IPアドレス: 192.168.1.105
ゲートウェイ: 192.168.1.1
サブネットマスク: 255.255.255.0
DNS: 192.168.1.1
方法2:グローバルIPアドレスを確認
グローバルIPは、以下のようなWebサイトにアクセスすることで確認できます:
おすすめサイト:
これらのサイトにアクセスすると、現在のグローバルIPアドレスとおおよその位置情報が表示されます。
方法3:アプリで確認
Google Playストアには、IPアドレスを簡単に確認できるアプリもあります:
- WiFi Analyzer:Wi-Fi情報とIPアドレスを表示
- Network Info II:詳細なネットワーク情報を表示
- IP Tools:IP関連の様々な情報を確認
IPアドレスの固定設定(静的IP)の方法
通常、IPアドレスは自動で割り当てられますが、特定の用途(NASアクセス、IP制限設定など)で固定したい場合があります。
固定IP設定の手順
注意:設定を間違えると接続できなくなるので、慎重に行ってください。
- Wi-Fi設定画面を開く
- 「設定」→「ネットワークとインターネット」→「Wi-Fi」
- ネットワーク設定を変更
- 接続中のネットワークの⚙️マークをタップ
- 「編集」または「詳細設定」をタップ
- IP設定を変更
- 「IP設定」を「DHCP」から「静的(Static)」に変更
- 必要な情報を入力
項目 | 入力例 | 説明 |
---|---|---|
IPアドレス | 192.168.1.50 | 他の機器と重複しない番号 |
ゲートウェイ | 192.168.1.1 | 通常はルーターのIP |
ネットワークプレフィックス長 | 24 | サブネットマスクの別表現 |
DNS 1 | 8.8.8.8 | GoogleのDNS |
DNS 2 | 8.8.4.4 | GoogleのDNS(予備) |
- 保存
- 「保存」をタップして設定完了
固定IP設定の注意点
重要な注意事項:
- 他の機器と重複しないIPアドレスを選ぶ
- ルーターのDHCP範囲外のアドレスを使う(例:192.168.1.50以降など)
- 間違えるとインターネットに接続できなくなる
- 公共Wi-Fiでは固定IP設定を行わない
よくある疑問と注意点

Q1. IPアドレスは変わるものなの?
A. はい、通常は変わります。
変わるタイミング:
- Wi-Fiを切断・再接続した時
- ルーターを再起動した時
- DHCPリース期間が切れた時
- 別のWi-Fiネットワークに接続した時
これを「動的IP(DHCP)」と呼びます。固定したい場合は、上記の静的IP設定を行います。
Q2. IPアドレスを他の人に知られると危険?
A. 種類によって異なります。
プライベートIP:
- 基本的に安全
- 同じネットワーク内でのみ有効
- 外部からは直接アクセスできない
グローバルIP:
- 一定のリスクあり
- 攻撃者が悪用する可能性
- 地域の特定に使われることも
対策:
- グローバルIPは不特定多数に教えない
- VPNを使用して匿名性を高める
- ファイアウォールやセキュリティアプリを活用
Q3. VPNを使うとIPアドレスはどうなる?
A. VPN接続時はVPNサーバーのIPアドレスが使われます。
VPN使用時の変化:
- 元のグローバルIPが隠される
- VPNサーバーの所在地のIPアドレスが表示される
- 匿名性とプライバシーが向上
Q4. 同じWi-Fiでも機器によってIPアドレスが違うの?
A. はい、同じネットワーク内でも機器ごとに異なるIPアドレスが割り当てられます。
例:
- スマートフォン:192.168.1.100
- パソコン:192.168.1.101
- タブレット:192.168.1.102
Q5. IPアドレスの設定を間違えたらどうすればいい?
A. 以下の手順で元に戻せます:
- Wi-Fi設定を開く
- 問題のネットワークを「削除」
- 再度接続してパスワードを入力
- 自動的にDHCP(動的IP)に戻る
トラブルシューティング
よくあるIPアドレス関連の問題
問題1:「IPアドレスが取得できません」
原因と対策:
- ルーターの問題 → ルーターを再起動
- DHCPサーバーの上限 → 他の機器の接続を切る
- Wi-Fiパスワードの間違い → 正しいパスワードを入力
問題2:「インターネットに接続できません」
原因と対策:
- 固定IP設定の間違い → DHCPに戻す
- DNS設定の問題 → 8.8.8.8などに変更
- ゲートウェイの設定ミス → 正しいルーターIPを設定
問題3:「ローカルネットワークにアクセスできない」
原因と対策:
- IPアドレスの範囲違い → 同じサブネット内のIPを使用
- ファイアウォールの設定 → セキュリティ設定を確認
まとめ
IPアドレスはスマートフォンの「ネットワークの住所」であり、トラブルシューティングやセキュリティ対策で知っておくととても便利な知識です。
この記事の重要なポイント:
- IPアドレスはネットワーク上の住所のようなもの
- プライベートIPとグローバルIPの2種類がある
- AndroidではWi-Fi設定からプライベートIPを確認できる
- グローバルIPはWebサイトで確認可能
- 固定IP設定も可能だが慎重に設定する必要がある
- セキュリティ意識を持ってIPアドレスを扱うことが大切
覚えておくべき基本情報:
- プライベートIP確認:設定 → Wi-Fi → ネットワーク詳細
- グローバルIP確認:確認君などのWebサイト
- 安全なDNS:8.8.8.8(Google)、1.1.1.1(Cloudflare)
- 緊急時の対処:Wi-Fiを削除して再接続
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