インドラとは?雷を操る神々の王

神話・歴史・伝承

ヒンドゥー教において、特にヴェーダ時代に最も重要視された神の一人であるインドラについて、わかりやすく解説します。

天界の王として君臨した英雄神の魅力に迫ります。

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別名

By Photo Dharma from Sadao, Thailand – 031 Riding a Horse, CC BY 2.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=58407020

インドラは多くの別名を持っています。

  • シャクラ(Śakra):帝王
  • ヴリトラハン (Vṛtrahan) – ヴリトラを殺す者
  • デーヴァラージャ (Devarāja) – 神々の主
  • ヴァジュラパーニ (Vajrapāṇī) – ヴァジュラを持つ者

他にもいくつかの異名があり、その異名には深い意味が込められている。

位置づけと特徴

インドラはヴェーダ時代(紀元前1500〜1000年ごろ)に最も崇拝された神の一人です。

関連する神々との関係:

  • 父母:はっきりしない
  • 妻:シャチー(インドラーニー)- 勝利と王妃の象徴
  • 子:ヴァーリン、ジャヤンタ、アルジュナなど

ヴェーダ時代以降からその位置付けも変化していく。

姿と特徴

インドラは力強く英雄的な男性神として描かれます。

特徴的な姿:

  • 手に「ヴァジュラ(雷の矢・雷霆)」を持つ
  • 他の手に剣、弓、法螺貝などを持つ
  • 王冠をかぶっている
  • 白い象(アイラーヴァタ)に乗る

象ではなく戦車に乗っているという話もある。

神格と役割

インドラは多面的な性格と神格を持っています:

インドラの神格:

  • 雷・嵐・雨の神 – 天候をつかさどる
  • 神々の王・支配者 – ヴェーダ時代の最高神

インドラは天候を司る神々の王だった。

ヴェーダ時代以降、シヴァやヴィシュヌを重要視するようになり、インドラの権力は落ちていった。

それでもなお、神々の中では重要な地位に位置している。

インドラは、ゼウスやトールにすっごく似ている。
特に、ゼウスはもともと天候の神様だし。

雷を持つ神様は、地位が高く強い!

有名な神話

誕生と放浪

ヴリトラは生まれてすぐに、母に捨てられた。

その後、父の神酒ソーマを飲んで怒られ、放浪の旅に出ることになる。

ヴリトラ退治の英雄譚

最も有名なインドラの神話は、大蛇ヴリトラとの戦いです。

ある時、魔物「ヴリトラ(Vṛtra)」が横たわり、あらゆるものの流れをせき止めていました。
川を堰き止め大地を干ばつにした。

神々は恐れおののきますが、インドラだけが立ち向かいかます。

  • 雷の武器「ヴァジュラ」を使う
  • ヴリトラに挑み、雷で攻撃し、ヴァジュラを首にねじ込んで体を真っ二つに切り裂く
  • 大地に水が戻り雨が降り、命がよみがえる

女性問題(ヴェーダ以降)

ヴェーダ以降でインドラの地位が下がり、それと同時に女性問題の神話が増えた。

特に有名なのは、ガウタマ聖仙の話。

インドラは、ガウタマ聖仙の妻アハーリヤと関係を持ち、彼女を寝とる。
それに激怒したガウタマ聖仙は、インドラの体中に1000個の女性器をつけたり、彼の性器を奪ったりした。

この他にも女性関連の問題が多い。

現代における信仰

  • ヒンドゥー教ではヴィシュヌやシヴァに信仰が集中するため、インドラの地位は下がった
  • ただし、仏教では「帝釈天(たいしゃくてん)」として今も信仰される

インドラは「古代では神の王、現代では守護神」として、形を変えて今も生き続けています。

まとめ

インドラは、かつて天界の王として君臨し、天候をつかさどった英雄神です。

ポイントまとめ:

  • ヴェーダ時代の最高神であり、天候を操る神
  • 乗り物は白い象アイラーヴァタ、武器は雷「ヴァジュラ」
  • 大蛇ヴリトラを討伐し、雨をもたらした。
  • 現代では仏教の「帝釈天」としても知られている

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