CentOSはサーバー環境でよく使われるLinuxディストリビューションです。
GUIがないサーバー環境でも効率よく作業するためには、ターミナルでのファイルやフォルダの操作が必須スキルになります。
この記事では、CentOSのターミナルでファイル・フォルダを作成する基本的な方法を初心者向けに解説します。
ターミナルの起動方法
CentOSでターミナルを開くには:
- GUIがある場合:「アプリケーション」→「システムツール」→「ターミナル」
- キーボードショートカット:「Ctrl + Alt + T」(デスクトップ環境による)
- リモート接続の場合:SSHでサーバーに接続すると、自動的にターミナルが開きます
ファイルの作成:touch コマンド

最も基本的なファイル作成方法は touch
コマンドを使う方法です:
touch ファイル名
基本的な使い方
touch example.txt
このコマンドを実行すると、現在のディレクトリに「example.txt」という空のファイルが作成されます。
複数ファイルの一括作成
touch file1.txt file2.txt file3.txt
スペースで区切ることで、複数のファイルを一度に作成できます。
特定のパスにファイルを作成
touch /home/username/documents/notes.txt
このように絶対パスや相対パスを指定して、任意の場所にファイルを作成できます。
注意点
既に存在するファイル名を指定した場合、ファイルの内容はそのままで、最終更新日時だけが現在の時刻に更新されます。
これはファイルのタイムスタンプを更新する目的でも使われます。
フォルダ(ディレクトリ)の作成:mkdir コマンド

フォルダを作成するには mkdir
(make directory)コマンドを使います:
mkdir フォルダ名
基本的な使い方
mkdir project
このコマンドで、現在のディレクトリに「project」というフォルダが作成されます。
複数のフォルダを一括作成
mkdir folder1 folder2 folder3
こちらもスペースで区切ることで、複数のフォルダを一度に作成できます。
階層構造のフォルダを一気に作成
途中のディレクトリが存在しない場合でも、-p
(parents)オプションを使えば一度に作成できます:
mkdir -p projects/website/images
このコマンドは「projects」フォルダ、その中の「website」フォルダ、さらにその中の「images」フォルダを一気に作成します。
存在しない親ディレクトリも自動的に作成されるため、非常に便利です。
作成したファイル・フォルダの確認:ls コマンド

ファイルやフォルダを作成した後は、ls
(list)コマンドで確認しましょう:
ls
現在のディレクトリにあるファイルとフォルダの一覧が表示されます。
詳細情報の表示
ls -l
-l
(long)オプションを使うと、ファイルの詳細情報(権限、所有者、サイズ、日時など)も表示されます。
隠しファイルの表示
ls -a
-a
(all)オプションを使うと、ドット(.)で始まる隠しファイルも表示されます。
詳細情報と隠しファイルを同時に表示
ls -la
よく使われる組み合わせで、すべてのファイル(隠しファイル含む)の詳細情報を表示します。
ファイルの編集

CentOSでは、標準で以下のテキストエディタが利用できます:
Viエディタ(vi/vim)
vi example.txt
または
vim example.txt
基本的な操作方法
- ファイルを開く:
vi ファイル名
- 編集モードに入る:
i
キーを押す - テキストを編集する
- 編集モードを終了:
Esc
キーを押す - 保存して終了:
:wq
と入力してEnter - 保存せずに終了:
:q!
と入力してEnter
viは最初は慣れるまで難しいですが、覚えると非常に効率的に編集できます。
Nanoエディタ(要インストール)
標準ではインストールされていないことが多いので、必要に応じてインストールします:
sudo yum install nano
インストール後の使い方:
nano example.txt
基本的な操作方法
- ファイルを開く:
nano ファイル名
- 直接テキストを編集する
- 保存:
Ctrl + O
→Enter - 終了:
Ctrl + X
nanoはviに比べて直感的で初心者に優しいエディタです。
ファイルの中身を表示するには

作成したファイルの内容を確認するには:
cat ファイル名
例:
cat example.txt
ファイルの内容がターミナルに表示されます。
よくあるエラーと対処法
エラー | 原因 | 解決方法 |
---|---|---|
Permission denied | 書き込み権限がない場所で操作しようとした | sudo コマンドを使用するか、権限のある場所(ホームディレクトリなど)で実行する |
No such file or directory | 存在しないパスに作成しようとした | mkdir -p でパス全体を作成するか、正しいパスを指定する |
File exists | 既に存在するファイル/フォルダと同名で新規作成しようとした | 別の名前を選ぶか、既存のものを削除/移動する |
まとめ|CentOSのファイル・フォルダ作成コマンド一覧
操作内容 | コマンド例 | 説明 |
---|---|---|
空ファイルを作成 | touch filename.txt | 指定した名前の空ファイルを作成 |
フォルダを作成 | mkdir foldername | 指定した名前のフォルダを作成 |
階層付きで作成 | mkdir -p parent/child | 親ディレクトリも含めて階層的に作成 |
作成したファイルを編集 | vi filename.txt | viエディタでファイルを編集 |
初心者向けエディタで編集 | nano filename.txt | nanoエディタでファイルを編集(要インストール) |
ファイル内容を表示 | cat filename.txt | ファイルの内容をターミナルに表示 |
CentOSでもターミナル操作に慣れれば、GUIよりも効率的に作業ができるようになります。
これらの基本コマンドをマスターすることで、サーバー管理や開発作業がよりスムーズになるでしょう。
まずはご自身のホームディレクトリで試してみてください!
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