皆さんは山や森を守る神様がいることを知っていますか?
日本神話に登場する数々の神様の中でも、特に自然環境と深い関わりを持つ神様がいます。
それが今回ご紹介する「イソタケルノミコト(五十猛命)」です。
イソタケルノミコトの系譜

イソタケルノミコトは、どのような系譜(家系)を持つ神様なのでしょうか。
日本神話の中では、この神様のルーツははっきりと描かれています。
家族関係
- 父親:スサノオノミコト(素戔嗚尊)
- 雨や嵐の神様として有名で、ヤマタノオロチを退治した英雄神
- 姉妹:
- オオヤツヒメ(大屋津姫命)
- ツマツヒメ(抓津姫命)
イソタケルノミコトの神格(持つ力と役割)

イソタケルノミコトの最も特徴的な役割は、「木を植える神」「植林の神」であることです。
- 木種の神: 父・スサノオと共に海外から様々な木の種を持ち帰り、日本列島に植えたとされています。杉、檜、楠などの木材になる木をもたらした。
- 木材・林業の神
イソタケルノミコトは木種をもたらしたとされ、林業の神として信仰された。
イソタケルノミコトに関する神話

イソタケルノミコトに関する伝承は、『日本書紀』や『古事記』などの古代の文献に記されています。
スサノオ
- スサノオが高天原を追われ、海を渡って「ソシキの国(朝鮮半島方面)」へ行きました
- その地で樹木の種を手に入れた
- イソタケルノミコトは父とともに日本へ戻り、持ち帰った様々な木の種を日本全国にまいていきました
- これによって、日本に豊かな森林が生まれたと伝えられています
オオクニヌシ
イソタケルノミコトは、オオクニヌシの神話にも登場する。
- オオクニヌシが八十神に追われる
- オオクニヌシは八十神たちに追い詰められる
- イソタケルが登場
- オオクニヌシに木の股をくぐらせ、根の国へ逃す
イソタケルノミコトを祀る神社とご利益

イソタケルノミコトを主祭神(主に祀られている神様)とする神社は全国にありますが、特に有名なのが和歌山県の「伊太祁曽神社(いたきそじんじゃ)」です。
主な神社
- 伊太祁曽神社(和歌山県)
- 来宮神社(静岡県)
- 度津神社(新潟県)
ご利益
イソタケルノミコトにお参りすると、以下のようなご利益があるとされています:
- 農林・建築業
- 造船
- 航海
- 大漁
- 商売繁盛
- 厄除け
まとめ
イソタケルノミコトについて見てきました。
- イソタケルノミコトはスサノオの子どもで、日本に森林をもたらした木種・植林の神様
- 海外から木の種を持ち帰り、日本全国に木を植えて回ったという伝承がある
- 農林・木材産業の守護神として古くから信仰されてきた
- 和歌山県の「伊太祁曽神社」が有名で、ご利益は建築・林業・航海など
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