世界の通貨 一覧|主要通貨から各地域の通貨まで網羅的に解説

雑学

海外旅行やニュースで「ドル」「ユーロ」「ポンド」といった通貨の名前を聞いたことはありませんか?

実は、世界には約180種類もの通貨が存在しています。それぞれの通貨には独自の歴史があり、その国の文化や経済を反映しているんです。

「でも、どんな通貨があるのかよくわからない」「通貨コードって何?」という方も多いのではないでしょうか。

この記事では、世界の通貨を地域別に整理し、主要通貨の特徴から通貨記号の由来まで詳しくご紹介します。


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世界の通貨の基礎知識

通貨とは何か

通貨とは、その国や地域で法定通貨として認められている「お金」のことです。

物やサービスの価値を測る「ものさし」であり、取引の際に使われる「交換手段」でもあります。世界最古の通貨は紀元前670年頃に発行されたエレクトロン貨とされており、通貨の歴史は非常に古いんですね。

ISO 4217とは

世界の通貨を管理する国際規格が「ISO 4217」です。

これは国際標準化機構(ISO)が定めた規格で、すべての通貨に3文字のアルファベットコードと3桁の数字コードを割り当てています。

コードの仕組み

  • 最初の2文字は国コード(ISO 3166に基づく)
  • 3文字目は通貨名の頭文字

たとえば日本円の「JPY」は、JP(日本)+ Y(Yen)という構成になっています。アメリカドルの「USD」は、US(アメリカ)+ D(Dollar)ですね。ただし、ユーロの「EUR」のように、この規則に当てはまらない例外もあります。


世界の主要5通貨

国際通貨基金(IMF)が定める特別引出権(SDR)の構成通貨として採用されている5つの通貨が、世界の「主要通貨」とされています。

アメリカドル(USD)

基本情報

項目内容
通貨名アメリカドル(US Dollar)
通貨コードUSD
通貨記号$
補助通貨セント(1ドル = 100セント)
発行機関連邦準備制度(FRB)

アメリカドルは、世界の基軸通貨として圧倒的な地位を占めています。

BIS(国際決済銀行)の調査によると、世界の為替取引における米ドルのシェアは約44%。各国中央銀行の外貨準備高でも約60%がドル建て資産で占められているんです。

アメリカ以外でも、パナマ、エクアドル、エルサルバドル、東ティモールなど複数の国で法定通貨として使用されています。

ユーロ(EUR)

基本情報

項目内容
通貨名ユーロ(Euro)
通貨コードEUR
通貨記号
補助通貨セント(1ユーロ = 100セント)
発行機関欧州中央銀行(ECB)

1999年に誕生したユーロは、世界で2番目に取引量の多い通貨です。シェアは約15%を占めています。

現在、EU加盟27カ国のうち21カ国がユーロを採用。そのほか、モナコ、サンマリノ、バチカン、アンドラでも公式に使用されており、コソボやモンテネグロでは一方的に採用されています。

ユーロ記号の€は、ギリシャ文字のイプシロン(ε)と「Europe」の頭文字Eをモチーフにしたもの。2本の平行線は安定を象徴しています。

日本円(JPY)

基本情報

項目内容
通貨名日本円(Japanese Yen)
通貨コードJPY
通貨記号¥
補助通貨銭(現在は使用されていない)
発行機関日本銀行

日本円は、世界で3番目に取引量の多い通貨で、シェアは約8%です。

「円」という名前は「丸い形」を意味し、1871年の新貨条例で正式に採用されました。通貨記号の¥は、Yenのローマ字表記から来ています。

市場が不安定になると「安全資産」として買われやすい傾向があり、有事の円買いと呼ばれる現象が起こることがあります。

イギリスポンド(GBP)

基本情報

項目内容
通貨名スターリング・ポンド(Pound Sterling)
通貨コードGBP
通貨記号£
補助通貨ペンス(1ポンド = 100ペンス)
発行機関イングランド銀行

イギリスポンドは、世界で4番目に取引量が多い通貨です。シェアは約6%。

第二次世界大戦前までは世界の基軸通貨として君臨していましたが、戦後はアメリカドルにその地位を譲りました。

ポンド記号の£は、ラテン語で「天秤」や「重さ」を意味する「libra」の頭文字Lに由来しています。かつて1ポンドが純銀1ポンド(約454グラム)の価値を持っていたことから、この名前がつきました。

中国人民元(CNY)

基本情報

項目内容
通貨名人民元(Chinese Yuan)
通貨コードCNY(国内)/ CNH(オフショア)
通貨記号¥ / 元
補助通貨角・分
発行機関中国人民銀行

2016年10月からSDRの構成通貨に加わった人民元は、世界経済における存在感を高めています。

中国が世界第2位の経済大国となる中、人民元の国際化も進んでおり、今後さらに重要度が増す可能性がある通貨です。


地域別・世界の通貨一覧

アジアの通貨

アジアには多様な通貨が存在します。経済成長が著しい地域だけに、各国の通貨も注目を集めています。

国・地域通貨名コード記号
日本JPY¥
中国人民元CNY¥
韓国ウォンKRW
台湾新台湾ドルTWDNT$
香港香港ドルHKDHK$
シンガポールシンガポールドルSGDS$
タイバーツTHB฿
ベトナムドンVND
インドネシアルピアIDRRp
マレーシアリンギットMYRRM
フィリピンペソPHP
インドルピーINR
パキスタンパキスタン・ルピーPKRRs
バングラデシュタカBDT
スリランカスリランカ・ルピーLKRRs
ネパールネパール・ルピーNPRRs
ミャンマーチャットMMKK
カンボジアリエルKHR
ラオスキープLAK
ブルネイブルネイ・ドルBNDB$
モンゴルトゥグルグMNT
北朝鮮北朝鮮ウォンKPW

アジア通貨の特徴

インドルピーの記号₹は2010年に正式に採用された比較的新しいもの。デーヴァナーガリー文字の「र」とローマ字の「R」を組み合わせたデザインになっています。

また、シンガポールドルとブルネイドルは等価で固定されており、両国で相互に使用できるという珍しい関係にあります。

ヨーロッパの通貨

ヨーロッパでは、多くの国がユーロを採用していますが、独自通貨を維持している国も存在します。

ユーロ圏(21カ国)

ドイツ、フランス、イタリア、スペイン、ポルトガル、オランダ、ベルギー、オーストリア、ギリシャ、アイルランド、フィンランド、ルクセンブルク、スロベニア、マルタ、キプロス、スロバキア、エストニア、ラトビア、リトアニア、クロアチア、ブルガリア

独自通貨を持つ国

通貨名コード記号
イギリスポンドGBP£
スイスフランCHFCHF
スウェーデンクローナSEKkr
ノルウェークローネNOKkr
デンマーククローネDKKkr
ポーランドズウォティPLN
チェココルナCZK
ハンガリーフォリントHUFFt
ルーマニアレイRONlei
アイスランドクローナISKkr
ロシアルーブルRUB
ウクライナフリヴニャUAH
トルコリラTRY
セルビアディナールRSDdin
北マケドニアデナールMKDден
ボスニア・ヘルツェゴビナ兌換マルカBAMKM
アルバニアレクALLL
モルドバレウMDLL
ベラルーシベラルーシ・ルーブルBYNBr

スイスフランの特徴

スイスフランは「安全通貨」として知られています。永世中立国であるスイスの政治的安定性から、世界情勢が不安定になると買われやすい傾向があります。リヒテンシュタインでも法定通貨として使用されています。

北米・中南米の通貨

アメリカ大陸には、ドルやペソなど様々な通貨が存在します。

北米・カリブ海地域

国・地域通貨名コード記号
アメリカアメリカドルUSD$
カナダカナダドルCADC$
メキシコメキシコペソMXN$
キューバキューバペソCUP$
ジャマイカジャマイカドルJMDJ$
バハマバハマドルBSDB$
ドミニカ共和国ドミニカペソDOPRD$
ハイチグールドHTGG
トリニダード・トバゴトリニダード・トバゴドルTTDTT$

南米

通貨名コード記号
ブラジルレアルBRLR$
アルゼンチンペソARS$
チリペソCLP$
コロンビアペソCOP$
ペルーソルPENS/
ベネズエラボリバルVESBs
ウルグアイペソUYU$U
パラグアイグアラニーPYG
ボリビアボリビアーノBOBBs
エクアドルアメリカドルUSD$

ドル記号の由来

「$」記号の起源には複数の説があります。最も有力なのは、スペインのペソ(Spanish peso)の略称「ps」が変化したという説です。「P」と「S」を重ねて書いているうちに、現在の形になったと考えられています。

中東の通貨

中東には、石油資源を背景にした豊かな国々が多く、独自の通貨体系を持っています。

通貨名コード記号
サウジアラビアリヤルSARر.س
アラブ首長国連邦ディルハムAEDد.إ
イスラエル新シェケルILS
クウェートディナールKWDد.ك
カタールリヤルQARر.ق
バーレーンディナールBHD.د.ب
オマーンリアルOMRر.ع.
ヨルダンディナールJODد.ا
レバノンポンドLBPل.ل
イラクディナールIQDع.د
イランリアルIRR
シリアポンドSYPل.س
イエメンリアルYER

クウェート・ディナールの価値

クウェート・ディナールは、世界で最も価値の高い通貨の一つとして知られています。石油輸出による豊富な外貨収入が、その通貨価値を支えているんですね。

アフリカの通貨

アフリカには54カ国があり、多様な通貨が使用されています。特にCFAフランという共通通貨を使う国が多いのが特徴です。

主な独自通貨

通貨名コード記号
南アフリカランドZARR
エジプトポンドEGP£
ナイジェリアナイラNGN
ケニアシリングKESKSh
モロッコディルハムMADد.م.
アルジェリアディナールDZDد.ج
エチオピアブルETBBr
ガーナセディGHS
タンザニアシリングTZSTSh
ウガンダシリングUGXUSh
チュニジアディナールTNDد.ت
リビアディナールLYDل.د
スーダンポンドSDGج.س
ザンビアクワチャZMWZK
ジンバブエジンバブエドルZWLZ$
ボツワナプラBWPP
モーリシャスルピーMURRs

CFAフラン圏

西アフリカと中部アフリカの14カ国では、CFAフランという共通通貨が使用されています。これはフランスの旧植民地を中心とした通貨同盟で、ユーロと固定レートで交換されています。

  • 西アフリカCFAフラン(XOF): ベナン、ブルキナファソ、コートジボワール、ギニアビサウ、マリ、ニジェール、セネガル、トーゴ
  • 中部アフリカCFAフラン(XAF): カメルーン、中央アフリカ、チャド、コンゴ共和国、赤道ギニア、ガボン

1ユーロ = 655.957 CFAフランで固定されています。

南アフリカランドの特徴

南アフリカランドは、金やプラチナなどの鉱物資源価格に影響を受けやすい「資源国通貨」として知られています。高金利通貨としても人気があり、日本の投資家にも馴染み深い通貨ですね。

オセアニアの通貨

オセアニア地域には、オーストラリアドルやニュージーランドドルを中心とした通貨圏があります。

国・地域通貨名コード記号
オーストラリアオーストラリアドルAUDA$
ニュージーランドニュージーランドドルNZDNZ$
パプアニューギニアキナPGKK
フィジーフィジードルFJDFJ$
ソロモン諸島ソロモン諸島ドルSBDSI$
バヌアツバツVUVVT
サモアタラWSTWS$
トンガパアンガTOPT$

オーストラリアドルの特徴

オーストラリアドルは、鉄鉱石や石炭などの資源価格に影響を受けやすい資源国通貨です。また、中国への輸出が多いため、中国経済の動向にも左右されます。

かつては高金利通貨として人気がありましたが、近年は金利が低下しています。それでも先進国通貨の中では値動きが大きい傾向があり、投資家に人気があります。


通貨記号の由来と意味

主要な通貨記号の起源

通貨記号には、それぞれ興味深い歴史があります。

ドル記号($)

ドル記号の起源には諸説ありますが、最有力なのはスペインのペソ説です。「ps」と書いていたものが次第に重なり、現在の形になったとされています。アメリカ、カナダ、オーストラリアなど多くの国で使用されていますが、国によって「US$」「C$」「A$」などと区別されます。

ポンド記号(£)

ラテン語の「libra」(天秤・重さ)に由来しています。古代ローマの重量単位「リブラ」から来ており、その頭文字Lを装飾した形が現在の£になりました。

ユーロ記号(€)

1996年に行われたデザインコンペで決定されました。ギリシャ文字のイプシロン(ε)をモチーフに、「Europe」の頭文字Eを表現しています。2本の平行線は通貨の安定性を象徴しています。

円・元記号(¥)

日本円と中国人民元は同じ記号を使用しています。これは「Yen」「Yuan」のローマ字表記の頭文字Yに、2本の横線を加えたものです。

新しく制定された通貨記号

近年も新しい通貨記号が生まれています。

  • インドルピー(₹): 2010年採用。デーヴァナーガリー文字の「र」とローマ字「R」の融合
  • ロシアルーブル(₽): 2013年採用。キリル文字の「Р」に1本の横線を加えた形
  • トルコリラ(₺): 2012年採用。「T」と「L」を組み合わせたデザイン

通貨同盟と共通通貨

ユーロ圏の発展

ユーロは、1999年に11カ国で導入が始まり、2002年から紙幣・硬貨の流通が開始されました。

現在はEU加盟27カ国のうち21カ国がユーロを採用しています。独自通貨を維持しているのは、デンマーク、スウェーデン、ポーランド、チェコ、ハンガリー、ルーマニアの6カ国。ただし、デンマークを除く各国は、条件を満たせばユーロを採用する義務があります。

ユーロ導入のメリットとしては、為替変動リスクの解消、両替コストの削減、価格透明性の向上などが挙げられます。一方で、各国が独自の金融政策を取れなくなるというデメリットもあります。

アフリカのCFAフラン

アフリカでは、旧フランス植民地を中心に14カ国がCFAフランを使用しています。

この通貨は長らくフランス・フランと、1999年以降はユーロと固定レートで結ばれてきました。通貨の安定というメリットがある一方で、「植民地時代の遺産」として批判する声もあります。

西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)では、将来的に新通貨「エコ(ECO)」への移行が検討されています。アフリカ諸国が独自の通貨主権を持つための動きとして注目されています。

その他の通貨同盟

世界には他にもいくつかの通貨同盟が存在します。

  • 東カリブドル: 東カリブ諸国機構の8カ国・地域で使用
  • CFPフラン: フランス領ポリネシア、ニューカレドニアなどで使用
  • スイスフラン: スイスとリヒテンシュタインで使用

珍しい通貨の豆知識

世界一価値の高い通貨

世界で最も1単位あたりの価値が高い通貨はクウェート・ディナール(KWD)です。石油輸出による豊富な外貨収入が、その高い通貨価値を支えています。

次いでバーレーン・ディナール、オマーン・リアルなど、中東の産油国の通貨が上位を占めています。

複数の法定通貨を持つ国

いくつかの国では、複数の通貨が法定通貨として認められています。

  • パナマ: パナマ・バルボアとアメリカドル
  • ブータン: ブータン・ニュルタムとインド・ルピー
  • キューバ: キューバ・ペソと兌換ペソ(かつて)

自国通貨を持たない国

独自通貨を発行せず、他国の通貨を使用している国もあります。

  • エクアドル、エルサルバドル、パナマ: アメリカドル
  • モンテネグロ、コソボ: ユーロ(EU未加盟ながら使用)
  • リヒテンシュタイン: スイスフラン
  • 東ティモール: アメリカドル

まとめ

世界には約180種類もの通貨が存在し、それぞれが固有の歴史と特徴を持っています。

重要なポイント

  • 世界の主要5通貨は、アメリカドル、ユーロ、日本円、イギリスポンド、中国人民元
  • アメリカドルは世界の基軸通貨として約44%のシェアを持つ
  • ISO 4217規格により、すべての通貨に3文字のコードが割り当てられている
  • ユーロ圏は21カ国に拡大し、世界最大の通貨同盟となっている
  • アフリカのCFAフランなど、複数国で共有される通貨も存在する
  • 通貨記号には、その国の言語や歴史が反映されている

通貨は単なる「お金」ではなく、その国の経済力、歴史、文化を映し出す鏡でもあります。海外旅行やニュースを見る際には、その国の通貨にも注目してみると、また違った視点で世界を見ることができるかもしれませんね。

グローバル化が進む現代において、世界の通貨について知ることは、国際経済を理解するための第一歩といえるでしょう。

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