「毎日同じ作業を繰り返している…」
そんな人におすすめしたいのが、Windowsの「タスクスケジューラー」。
タスクスケジューラーを使えば、特定の時間や条件で自動的にプログラムやスクリプトを実行できます。
でも、
「そもそもどこから開けばいいの?」
「どう使うのかよくわからない…」
という方も多いのではないでしょうか?
この記事では、Windowsタスクスケジューラーの起動方法と基本的な使い方を初心者向けにわかりやすく解説します。
自動化の第一歩を一緒に踏み出しましょう!
タスクスケジューラーとは?

タスクスケジューラーは、Windowsに標準搭載されている自動実行ツールです。
スクリプト・アプリ・バッチファイルなどを、指定した日時やイベント発生時に実行することができます。
例えば、以下のような用途に活用できます:
- 毎朝8時にメールチェックを自動で開く
- 毎週金曜の夕方にバックアップを実行する
- PCの起動時に特定のプログラムを自動起動する
- 毎月1日に定型レポートを自動生成する
このように、「定期的に行う作業」を自動化することで、時間の節約や作業忘れの防止につながります。
【ステップ1】タスクスケジューラーの起動方法

方法①:検索から起動する(最も簡単)
- Windowsキーを押す
- 「タスクスケジューラー」と入力
- 表示された「タスクスケジューラー」をクリック
方法②:コントロールパネルから起動する
- コントロールパネルを開く
- 「システムとセキュリティ」を選択
- 「管理ツール」を選択
- 「タスクスケジューラー」をダブルクリック
方法③:実行ダイアログから起動する
Windowsキー + R
を押すtaskschd.msc
と入力して Enter
→ どの方法でも、タスクスケジューラーのメイン画面が表示されます。
【ステップ2】基本的な構成の理解
タスクスケジューラーのメイン画面には、左側に「タスクスケジューラーライブラリ」というフォルダツリーがあり、右側にタスクの一覧が表示されます。
タスクスケジューラーには以下の主要な要素があります:
項目 | 説明 |
---|---|
タスク | 実行したい作業(スクリプト、アプリなど)の単位 |
トリガー | 実行タイミング(日時・ログオン時・アイドル時など) |
操作 | 実行する内容(ファイルの実行、メール送信など) |
条件 | 電源状態やネットワーク接続の有無などの制約条件 |
主なトリガーの種類
- スケジュールに従う:特定の日時に実行
- ログオン時:ユーザーがログインしたときに実行
- コンピューターの起動時:PCが起動したときに実行
- イベント発生時:特定のイベントが発生したときに実行
- アイドル状態になったとき:PCが一定時間使用されていないときに実行
【ステップ3】新しいタスクを作成する方法

例として、毎日午後5時にメモ帳を起動するタスクを作成してみましょう。
- タスクスケジューラー右側の「タスクの作成」をクリック
- [全般] タブでタスク名を入力(例:「毎日のメモ帳起動」)
- [トリガー] タブ →「新規」をクリック
- 「毎日」を選択
- 開始時刻を「17:00:00」に設定
- 「OK」をクリック
- [操作] タブ →「新規」をクリック
- 「プログラムの開始」を選択
- プログラム/スクリプト欄に「notepad.exe」と入力
- 「OK」をクリック
- [条件] タブで必要に応じて設定(例:「コンピューターがスリープ状態の場合はタスクを実行しない」のチェックを外す)
- [設定] タブで追加オプションを設定(必要に応じて)
- [OK] をクリックして保存
これで、毎日午後5時にメモ帳が自動的に起動するようになりました!
PowerShellスクリプトを実行する場合の例
PowerShellスクリプトを実行する場合は少し設定が異なります:
プログラム/スクリプト: powershell.exe
引数の追加: -ExecutionPolicy Bypass -File "C:\scripts\backup.ps1"
バッチファイルを実行する場合の例
プログラム/スクリプト: C:\scripts\daily_backup.bat
【ステップ4】タスクの動作確認
作成したタスクは、すぐに動作確認ができます:
- 作成したタスクを右クリック
- メニューから「実行する」を選択
正常に動作すれば設定完了です!
タスクが実行されると、「履歴」に「操作は正常に完了しました」などと表示されます。
よくあるエラーと対処法

タスクが実行されない
原因と対処法:
- パスが間違っている:プログラムやスクリプトのパスが正確か確認
- 権限の問題:「最上位の特権で実行する」にチェックを入れる
- ユーザーアカウント:適切なユーザーアカウントが設定されているか確認
- 条件の制約:[条件]タブの設定が制限になっていないか確認
スクリプトが動かない
原因と対処法:
- 実行ポリシーの制限:PowerShellスクリプトの場合、以下のように設定
プログラム: powershell.exe
引数の追加: -ExecutionPolicy Bypass -File "C:\scripts\backup.ps1"
- 作業フォルダの指定:スクリプトが相対パスを使用している場合、[操作]タブで「開始」フォルダを指定
「タスクの実行時間が長すぎます」エラー
対処法:[設定]タブで「実行中のタスクを停止するまでの時間」を延長するか、「タスクを終了するまでの時間指定を有効にする」のチェックを外す
タスクスケジューラーが活躍するシーン
毎日のバックアップ自動化
# PowerShellスクリプト例
# バックアップ元と先を指定
$source = "C:\Important_Files"
$destination = "D:\Backups\Daily_$(Get-Date -Format 'yyyyMMdd')"
# バックアップ実行
Copy-Item -Path $source -Destination $destination -Recurse -Force
これを毎晩実行するようにスケジュール設定。
定期的なログ整理やクリーンアップ
:: バッチファイル例(30日以上前のログファイルを削除)
forfiles /p "C:\Logs" /s /m *.log /d -30 /c "cmd /c del @path"
これを毎週月曜に実行するようにスケジュール設定。
定時のリマインダー実行
' VBScriptのリマインダー例
MsgBox "週報の提出期限は今日の17時までです!", vbExclamation, "リマインダー"
これを毎週金曜の午前10時に実行するようにスケジュール設定。
バッチ処理やPowerShellスクリプトの定期実行
# 月次レポート生成のPowerShellスクリプト例
$month = (Get-Date).AddMonths(-1).ToString("yyyy-MM")
$data = Import-Csv "C:\Data\sales_$month.csv"
$totalSales = ($data | Measure-Object -Property Sales -Sum).Sum
# レポート作成と保存
$report = "月次売上レポート: $month`n総売上: $totalSales 円"
$report | Out-File "C:\Reports\monthly_report_$month.txt"
これを毎月1日に実行するようにスケジュール設定。
まとめ
タスクスケジューラーは、Windows標準の便利な自動化ツールです。
起動方法さえ覚えれば、定期作業の自動化がぐんと身近になります。
本記事のポイント:
- タスクスケジューラーは「taskschd.msc」で起動できる
- 実行タイミング(トリガー)と操作を設定してタスク作成
- スクリプト・アプリ・バッチ処理の自動実行に最適
- エラー時はパス・権限・引数をチェック
- 作成したタスクは手動実行で動作確認できる
「自動化したいけど難しそう…」と思っていた方も、今日からはタスクスケジューラーを使って効率化の第一歩を踏み出してみてください!
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