「カスタムROMを入れたい」「Androidの丸ごとバックアップを取りたい」——そんな場面でよく名前が出てくるのが TWRP(ティーダブリューアールピー) です。
この記事では、TWRPイメージとは何か、どんな機能があるのか、標準リカバリとの違いまでわかりやすく解説します。
TWRPとは
TWRP(Team Win Recovery Project)は、Androidデバイス向けのフリーでオープンソースな カスタムリカバリイメージ です。
「イメージ(.img ファイル)」としてデバイスのリカバリ領域に書き込んで使用します。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 正式名称 | Team Win Recovery Project |
| 略称 | TWRP(発音:「twerp(ちょっとした人)」) |
| ライセンス | オープンソース(Apache License 2.0) |
| 対象OS | Android |
| ファイル形式 | .img(リカバリイメージ) |
| 公式サイト | twrp.me |
| ソースコード | GitHub – TeamWin/android_bootable_recovery |
AndroidのベースはLinuxであり、通常起動とは別に リカバリモード という独立したシステム領域を持っています。
TWRPはこのリカバリ領域にインストールすることで、メーカー純正のリカバリを多機能なものに置き換えるツールです(Wikipedia「Team Win Recovery Project」より)。
「イメージファイル」とは
TWRPのファイル形式である .img(イメージファイル) は、ストレージのある領域の中身をそのままひとつのファイルにまとめたものです。
Androidのリカバリ領域はパーティション(記憶領域の仕切り)として独立しており、このパーティションに書き込む専用のファイルがリカバリイメージです。
TWRPのイメージは各端末モデルごとに専用版が用意されており、自分の端末に対応したバージョンを選んでダウンロードする必要があります。
標準リカバリとの違い
Androidには最初から ストックリカバリ(純正リカバリ) が搭載されています。
しかしストックリカバリは機能が限られており、できることは以下の程度です。
- 工場出荷状態へのリセット(ファクトリーリセット)
- キャッシュの消去
- メーカー公式のシステムアップデート適用
TWRPに置き換えることで、以下のような高度な操作が可能になります(Wikipedia「Team Win Recovery Project」・英語版Wikipediaより)。
| 機能 | 標準リカバリ | TWRP |
|---|---|---|
| タッチ操作対応UI | ✕(音量ボタン操作) | ✅ |
| カスタムROMのインストール | ✕ | ✅ |
| NANDroidバックアップ(丸ごと) | ✕ | ✅ |
| ファイルマネージャー | ✕ | ✅ |
| ターミナルエミュレータ | ✕ | ✅ |
| MTPによるファイル転送 | ✕ | ✅ |
| Magisk(root化ツール)の導入 | ✕ | ✅ |
| テーマ変更(カスタマイズ) | ✕ | ✅ |
TWRPの主な機能
カスタムROMのインストール
LineageOSなどのサードパーティー製Androidシステム(カスタムROM)をZIPファイルとして書き込むことができます。
標準リカバリでは非公式のZIPはインストールを拒否されますが、TWRPにはその制限がありません。
NANDroidバックアップ・復元
端末のシステム全体(/system・/boot・/recovery・/data・/cache などのパーティション)を丸ごとバックアップする NANDroidバックアップ が使えます。
バックアップから復元することで、ROM書き込みに失敗した場合でも元の状態に戻せます(AndMem.blogspot.comより)。
Magisk・カスタムカーネルの導入
root化ツールの Magisk や、電力管理・パフォーマンスを改善するカスタムカーネルをZIPとしてインストールできます。
ファイルマネージャー・ターミナル
リカバリ起動中でも端末内のファイルを閲覧・削除でき、コマンドを直接実行できるターミナルエミュレータも内蔵しています。
タッチ操作対応のGUI
標準リカバリは音量ボタンで項目を選ぶテキスト操作ですが、TWRPはスマートフォンのタッチ画面でそのまま操作できるグラフィカルなインターフェースを持っています。
XMLベースのGUIで外観を完全にカスタマイズ(テーマ変更)できる点も特徴です(XDA Forumsより)。
ADBサイドロード
PCとUSBで接続し、ADBコマンドを使って端末に直接ZIPファイルを転送してインストールする「ADBサイドロード」にも対応しています。
TWRPイメージのインストール方法(概要)
TWRPの導入には以下の前提条件が必要です。
- ブートローダーのアンロック:端末のブートローダー(起動プログラム)のロックを解除すること。これはメーカーや機種によって可否が異なります(Samsung・Pixel・OnePlusなどは手順があるが、HuaweiやOPPOなど不可の機種もある)。
- PC上にADB / Fastbootツールの導入:Googleが提供する Platform Tools をPCにインストールしておく。
- 機種対応のTWRPイメージのダウンロード:twrp.me から自分の端末に対応した .img ファイルをダウンロードする。
基本的なインストール手順(Fastboot方式)は次のとおりです。
- 端末をFastbootモードで起動し、PCとUSB接続する
- コマンドプロンプトで
fastboot flash recovery twrp.imgを実行する - その後
fastboot reboot recoveryでリカバリモードで再起動する
root化なしでもブートローダーをアンロックすればTWRPをインストールできます。
一方、ブートローダーのアンロックができない端末ではTWRPの導入は困難です(Wikipedia「Team Win Recovery Project」より)。
注意:端末の保証が無効になる場合があります。また操作を誤ると端末が起動不能(文鎮化)になるリスクもあります。作業は自己責任で行ってください。
バージョン番号の見方
2016年2月以降、TWRPのバージョン番号は以下の形式になっています(Wikipedia「Team Win Recovery Project」より)。
3.7.1-0
最初の3桁(3.7.1)がTWRP本体のバージョンを示し、ダッシュ以降の数字(0)が特定の端末向けのアップデート番号です。
端末ごとに個別のビルドが管理されているため、同じバージョンでも機種によってファイルが異なります。
TWRPと標準リカバリの共存に関する注意
一部の端末では、OSを起動するたびに標準リカバリが元に戻ってしまう仕組みを持っています。/system 内に recovery-from-boot.p というファイルが存在する場合がその原因で、このファイルをリネームすることで対処できます(AndMem.blogspot.comより)。
まとめ
TWRPイメージは、Android端末のリカバリ領域に書き込む オープンソースのカスタムリカバリ です。
標準リカバリでは不可能なカスタムROMのインストール・NANDroidバックアップ・Magisk導入などを、タッチ操作の直感的なUIで行えます。
ただし導入にはブートローダーのアンロックが必要で、端末の保証失効や文鎮化のリスクも伴います。
利用する際は自分の端末に対応したイメージを公式サイトから入手し、十分な理解と準備のうえで作業してください。
関連記事もあわせてどうぞ。
参考情報
- Wikipedia日本語版「Team Win Recovery Project」(確認日:2026年3月)
- Wikipedia英語版「TWRP (software)」(確認日:2026年3月)
- TWRP公式サイト twrp.me(確認日:2026年3月)
- XDA Forums「TeamWin Recovery Project」スレッド(確認日:2026年3月)


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