SharePointの「エクスプローラーで開く」が不安定になる原因と対処法

ライフハック

SharePointの「エクスプローラーで開く」機能を使っていると、ファイルが表示されなくなったり、突然接続が切れたりする経験はありませんか。

この機能は確かに便利なのですが、実は技術的な制約により不安定になりやすい特徴があります。

本記事では、なぜ不安定になるのか、その原因と具体的な対処法を詳しく解説します。

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「エクスプローラーで開く」機能とは

SharePointの「エクスプローラーで開く」は、ブラウザを経由せずにWindowsのエクスプローラーから直接SharePointのファイルにアクセスできる機能です。

通常のファイルサーバーと同じような感覚で操作できるため、多くのユーザーに利用されてきました。

しかし、Microsoftは現在この機能を「非推奨」としており、代替手段の使用を強く推奨しています。

不安定になる主な原因

WebDAVプロトコルの制限

「エクスプローラーで開く」機能は、WebDAVという古いプロトコルを使用しています。

このWebDAVには以下のような技術的制限があります。

WebDAVはクラウド環境での大量のファイル処理に最適化されていません。
そのため、ファイル数が多いフォルダを開くと、タイムアウトやエラーが発生しやすくなります。

特に5,000アイテムを超えるフォルダでは、パフォーマンスが著しく低下します。

認証トークンの期限切れ

SharePoint Onlineでは、セキュリティのために認証トークンに有効期限が設定されています。

Azure AD認証のトークンは通常8〜10時間程度で期限切れになります。

期限が切れると再認証が必要になりますが、エクスプローラーではこの再認証がスムーズに行われないことがあります。

朝一番にエクスプローラーで開こうとすると接続できないという現象は、前日のトークンが期限切れになっているためです。

「サインインしたままにする」オプションを選択していても、5日間のアクセスがない場合はタイムアウトします。

Internet Explorerサポート終了の影響

「エクスプローラーで開く」機能は、もともとInternet ExplorerのActiveXコントロールに依存していました。

しかし、2021年8月17日以降、Microsoft 365でのInternet Explorer 11のサポートが終了しました。

Microsoft EdgeやGoogle Chrome、Mozilla Firefoxでは、この機能が正常に動作しません。

Edgeで使用する場合は「IEモード」を有効にする必要がありますが、これも暫定的な対処法に過ぎません。

WebClientサービスの問題

Windowsの「WebClient」サービスが停止していたり、正しく設定されていない場合も不安定の原因になります。

WebClientサービスはWebDAV接続を処理する重要なコンポーネントです。

サービスのスタートアップが「無効」になっていると、エクスプローラーで開く機能は一切動作しません。

ネットワーク環境の影響

Wi-Fiの電波が弱い、またはインターネット回線の速度が不十分な場合も、接続が不安定になる原因です。

SharePointとの通信が途切れると、ファイルの表示が消えたり、同期エラーが発生します。

特に大容量ファイルのアップロード・ダウンロード時には、安定したネットワーク接続が不可欠です。

VPN接続を使用している場合、さらに不安定になる可能性があります。

具体的な対処法

対処法1:WebClientサービスの確認と起動

まず、Windowsの「WebClient」サービスが正しく動作しているか確認しましょう。

Windows 11の場合

  1. スタートメニューで「services.msc」と検索して実行
  2. サービス一覧から「WebClient」を探す
  3. 「WebClient」をダブルクリック
  4. スタートアップの種類を「自動」または「手動」に変更
  5. サービスの状態が「停止中」の場合は「開始」をクリック
  6. 「OK」をクリックして設定を保存

Windows 10の場合

  1. 「Ctrl」+「Alt」+「Delete」を同時に押してタスクマネージャーを起動
  2. 「サービス」タブを選択
  3. 下部の「サービス管理ツールを開く」をクリック
  4. 以降は Windows 11 と同じ手順

WebClientサービスを起動した後、パソコンを再起動してから再度試してみてください。

対処法2:信頼済みサイトへの追加

SharePointサイトが信頼済みサイトに登録されていないと、セキュリティ上の理由で接続がブロックされることがあります。

Internet Explorerの設定方法

  1. Internet Explorerを開く
  2. 右上の歯車アイコンから「インターネットオプション」を選択
  3. 「セキュリティ」タブをクリック
  4. 「信頼済みサイト」を選択
  5. 「サイト」ボタンをクリック
  6. SharePointのURLを入力して「追加」をクリック

追加すべきURL

  • https://login.microsoft.com
  • https://*.sharepoint.com
  • https://portal.office.com
  • 自社のSharePointサイトのURL

これらのURLを信頼済みサイトに追加することで、認証関連の問題が改善されます。

対処法3:Microsoft Edge IEモードの使用

EdgeでSharePointを開いている場合、IEモードに切り替えることで動作する可能性があります。

  1. SharePointサイトをEdgeで開く
  2. 右上の「…」メニューをクリック
  3. 「Internet Explorerモードで再読み込み」を選択
  4. クラシック表示に切り替える
  5. 「ライブラリ」タブから「エクスプローラーで開く」を選択

ただし、これはあくまで一時的な回避策です。

対処法4:クッキーとキャッシュのクリア

認証エラーが繰り返し発生する場合、ブラウザのクッキーとキャッシュをクリアすることで改善することがあります。

Edge IEモードのクッキー削除方法

  1. コマンドプロンプトを管理者として実行
  2. 以下のコマンドを入力
RunDll32.exe InetCpl.cpl,ClearMyTracksByProcess 2

このコマンドでIE互換モードのクッキーが削除されます。

再度SharePointにアクセスして、「サインインしたままにする」にチェックを入れてログインしてください。

対処法5:OneDrive同期クライアントへの移行(推奨)

Microsoftが現在推奨している方法は、「エクスプローラーで開く」ではなく、OneDrive同期クライアントの使用です。

OneDrive同期の設定方法

  1. SharePointのドキュメントライブラリを開く
  2. 上部メニューから「同期」ボタンをクリック
  3. OneDriveアプリが自動的に起動
  4. 同期するフォルダを選択
  5. 「同期の開始」をクリック

同期が完了すると、エクスプローラーの「OneDrive」フォルダ内にSharePointのファイルが表示されます。

OneDrive同期のメリット

OneDrive同期は「エクスプローラーで開く」よりも安定性が高く、以下のような利点があります。

オフラインでもファイルにアクセス可能になります。
自動的に最新バージョンに同期されます。
認証トークンの期限切れによる接続エラーが発生しません。

ファイルの変更が自動的にクラウドに反映されます。

OneDrive同期の注意点

OneDrive同期にもいくつかの制限があります。

同期できるファイル数は最大300,000個までです。
5,000個以上のアイテムがあるフォルダではパフォーマンスが低下します。

ローカルディスクの容量を消費します。

ファイル名に使用できない特殊文字があります。
パスの長さは400文字以内に制限されています。

これらの制限を超える場合は、フォルダ構成を見直すか、複数のライブラリに分割する必要があります。

よくある質問と追加対策

Q1:同期設定をリセットしたい場合は?

OneDrive同期が不安定になった場合、設定をリセットすることで改善する可能性があります。

  1. OneDriveアプリの設定を開く
  2. 「アカウント」タブを選択
  3. 問題のあるSharePointライブラリの「同期の停止」をクリック
  4. エクスプローラーで同期フォルダを削除
  5. 再度SharePointから「同期」を実行

SharePoint上の元ファイルは削除されないので安心してください。

Q2:セキュリティソフトが干渉している場合は?

ウイルス対策ソフトやファイアウォールがOneDriveの通信をブロックしている可能性があります。

セキュリティソフトの設定で、OneDriveとSharePointのURLを除外リストに追加してください。

具体的な設定方法は、使用しているセキュリティソフトのマニュアルを参照してください。

Q3:複数のSharePointライブラリを同時に開きたい

異なるSharePointライブラリを同時にエクスプローラーで開くと、さらに不安定になります。

WebDAVプロトコルは、複数のライブラリ間でのドラッグ&ドロップ操作を想定していません。

ファイルのコピーや移動は、SharePointのブラウザ画面から「移動先」機能を使うことをお勧めします。

Microsoft の公式見解

Microsoftは公式ドキュメントで以下のように述べています。

「エクスプローラーで開く」コマンドは、新しいOneDrive同期クライアントでSharePointファイルを同期するよりも遅く、信頼性が低くなります。

最新のSharePointエクスペリエンスでは、「エクスプローラーで表示」コマンドは推奨されなくなりました。

つまり、Microsoftは今後この機能のサポートを段階的に縮小していく方針です。

まとめ

SharePointの「エクスプローラーで開く」機能が不安定になる原因は、主に以下の5つです。

WebDAVプロトコルの技術的制限があります。
認証トークンの有効期限が短いことが影響しています。

Internet Explorerのサポート終了により、ブラウザの互換性に問題があります。

WebClientサービスの設定不足や停止が原因となることがあります。
ネットワーク環境の不安定さが接続に影響します。

推奨される対策

OneDrive同期クライアントへの移行が最も安定した解決策です。
どうしてもエクスプローラーで開く必要がある場合は、WebClientサービスの設定確認と信頼済みサイトへの登録を行ってください。

Microsoft EdgeのIEモードを使用することで、一時的に動作する可能性があります。

定期的にクッキーとキャッシュをクリアすることで、認証エラーを軽減できます。

今後の方向性

Microsoftは「エクスプローラーで開く」機能を非推奨としており、将来的に廃止される可能性が高いです。

今のうちからOneDrive同期クライアントやブラウザ経由でのアクセスに慣れておくことをお勧めします。

大規模なファイル管理が必要な場合は、SharePointのライブラリを適切に分割し、同期制限内で運用できるよう計画してください。

安定したSharePoint運用のために、この記事で紹介した対処法を試してみてください。

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