朝パソコンの電源を入れたら、いつもと違う画面が出て起動しない…
そんな経験はありませんか?
パソコンが起動しないトラブルの原因の一つに、「BIOS設定」の問題があります。
この記事では、BIOSとは何か、BIOS設定が原因で起動しない時の対処法を、初心者にもわかりやすく解説していきます。
BIOSとは
まず、BIOSについて基本から理解しましょう。
BIOSの意味
BIOS(バイオス)は、「Basic Input/Output System」の略です。
日本語に訳すと「基本入出力システム」となります。
BIOSの役割
BIOSは、パソコンの電源を入れた時に最初に起動するプログラムです。
マザーボード(パソコンの基盤)に組み込まれています。
主な役割
- ハードウェア(CPU・メモリ・ハードディスクなど)のチェック
- 各パーツが正常に動作しているか確認
- Windows等のOS(オペレーティングシステム)を起動する準備
- パソコンの基本設定を管理
つまり、BIOSはパソコンが起動するための土台となる重要なプログラムなんです。
BIOSがないとどうなる?
BIOSが正常に動作しないと、Windowsが起動できません。
パソコンは「何から起動すればいいの?」という状態になってしまいます。
パソコンが起動しない時の症状別診断
起動しない症状によって、原因が違います。
症状1:電源は入るが画面が真っ黒
考えられる原因
- BIOS自体が起動していない
- CMOS電池の消耗
- メモリの接触不良
- マザーボードの故障
この場合、ハードウェアの問題の可能性が高いです。
症状2:BIOSは表示されるがWindowsが起動しない
考えられる原因
- 起動順序(ブートオーダー)の設定ミス
- Secure Boot設定の問題
- Fast Boot設定の影響
- ハードディスクの認識エラー
この場合、BIOS設定を見直すことで解決できる可能性が高いです。
症状3:メーカーロゴで止まる
考えられる原因
- BIOS設定の問題
- ハードディスク/SSDの故障
- OSファイルの破損
症状4:繰り返し再起動される
考えられる原因
- 起動デバイスが見つからない
- BIOS設定の不具合
- ハードウェアの故障
BIOSの起動方法(メーカー別)
まず、BIOS画面を表示させる方法を知っておきましょう。
基本的な起動方法
手順
- パソコンの電源を入れる
- メーカーロゴが表示されたら、すぐに特定のキーを連打する
- BIOS画面が表示される
ポイント
キーは1回押すのではなく、連打してください。
タイミングが合わないと、Windowsが起動してしまいます。
メーカー別BIOS起動キー一覧
| メーカー | キー |
|---|---|
| NEC | F2 |
| 富士通 | F2 |
| 東芝(dynabook) | F2 / ESC |
| VAIO(ソニー) | F2 / F3 / Assist |
| Lenovo | F1 / F2 / Novoボタン |
| HP | F10 / ESC |
| Dell | F2 / F12 |
| ASUS | F2 / Delete |
| MSI | Delete |
| 自作PC(多くの場合) | Delete / F2 |
注意
同じメーカーでも機種によって異なる場合があります。
起動時の画面に「Press F2 to enter BIOS」などの表示が出ることもあるので、よく見てください。
Windowsから起動する方法(Windows 10/11)
キーを押すタイミングが合わない場合は、この方法が確実です。
手順
- Windowsを起動
- 「設定」を開く
- 「更新とセキュリティ」→「回復」
- 「PCの起動をカスタマイズする」の下にある「今すぐ再起動」をクリック
- 「トラブルシューティング」を選択
- 「詳細オプション」を選択
- 「UEFIファームウェアの設定」を選択
- 「再起動」をクリック
これでBIOS(UEFI)画面が表示されます。
BIOS画面の見方と基本操作
BIOS画面に入ったら、次のことを知っておきましょう。
基本操作
キーボードでの操作
- 矢印キー: カーソル移動
- Enter: 選択決定
- ESC: 前の画面に戻る
- F10: 保存して終了(多くの場合)
- F9: 設定を初期値に戻す(多くの場合)
マウスは使えない機種が多いです。
主なメニュー項目
Main(メイン)
- システム情報
- 日付・時刻設定
- CPU・メモリの情報確認
Boot(ブート)
- 起動順序の設定
- Fast Bootの設定
- Secure Bootの設定
Advanced(詳細)
- CPU設定
- ハードウェア詳細設定
Security(セキュリティ)
- パスワード設定
- セキュリティ機能の設定
Exit(終了)
- 変更を保存して終了
- 変更を破棄して終了
- 設定を初期値に戻す
起動しない時に確認すべきBIOS設定
BIOSが起動する場合、以下の設定を確認しましょう。
確認1:起動順序(ブートオーダー)
最も重要な設定です。
起動順序とは、「どのデバイスから優先的にOSを起動するか」を決める設定です。
正しい設定
- Windows Boot Manager(または内蔵HDD/SSD)
- CD/DVD
- USB
間違った設定の例
- USB
- CD/DVD
- Windows Boot Manager
USBメモリやDVDが挿しっぱなしだと、そこから起動しようとして失敗します。
確認方法
- BIOS画面で「Boot」メニューを開く
- 「Boot Order」「Boot Priority」などの項目を探す
- Windowsがインストールされているデバイスが1番上にあるか確認
変更方法
- +/-キー: 順序を変更
- F5/F6キー: 順序を変更(機種による)
- ドラッグ&ドロップ: マウス対応機種
変更したら、F10で保存して再起動してください。
確認2:Secure Boot(セキュアブート)
Secure Bootは、信頼されたソフトウェアだけを起動するセキュリティ機能です。
問題が起きる場合
- 古いOSをインストールした
- Linux等の別OSをインストールした
- 一部の古いハードウェアを使用している
確認方法
- 「Boot」または「Security」メニュー
- 「Secure Boot」の項目を探す
- Enabled(有効)かDisabled(無効)か確認
試してみる設定
Secure BootをDisabled(無効)にして起動を試す
※正規のWindowsなら通常は有効で問題ありません。
確認3:Fast Boot(ファストブート)
Fast Bootは、起動時間を短縮する機能です。
一部の初期化処理を省略するため、環境によっては起動できなくなることがあります。
確認方法
- 「Boot」メニュー
- 「Fast Boot」の項目を探す
- Enabled(有効)かDisabled(無効)か確認
試してみる設定
Fast BootをDisabled(無効)にして起動を試す
確認4:ハードディスク/SSDの認識
WindowsがインストールされているドライブをBIOSが認識しているか確認します。
確認方法
- 「Main」または「Advanced」メニュー
- 「Storage」「SATA Configuration」などの項目を探す
- ハードディスク/SSDの型番が表示されているか確認
表示されない場合
- ケーブルの接触不良
- ハードディスク/SSDの故障
- SATAポートの設定ミス
BIOS設定を初期化する方法
設定がめちゃくちゃになってしまった場合、初期化が有効です。
方法1:BIOS画面から初期化
最も安全な方法です。
手順
- BIOS画面を開く
- 「Exit」メニューを選択
- 「Load Setup Defaults」「Restore Defaults」などの項目を選択
- 確認画面で「Yes」を選択
- F10で保存して終了
これで、BIOS設定が工場出荷時の状態に戻ります。
方法2:CMOS電池を外す(デスクトップPC)
ハードウェア的に初期化する方法です。
注意
この方法は、デスクトップPCや一部のノートPCでのみ可能です。
ノートPCは分解が必要な場合があるので、自信がない方は避けてください。
手順
- パソコンの電源を完全に切る
- 電源ケーブルを抜く
- PCケースを開ける
- マザーボード上のボタン電池(CR2032)を見つける
- 電池を取り外す
- 10秒以上待つ(5分程度が確実)
- 電池を元に戻す
- ケースを閉じる
- 電源ケーブルを接続
- 起動する
CMOS電池とは
マザーボードに付いているボタン電池です。
BIOS設定や時刻情報を保持する役割があります。
この電池を外すと、BIOS設定がすべてリセットされます。
方法3:CMOSクリアジャンパーを使う
マザーボードによっては、専用のジャンパーピンがあります。
手順
- パソコンの電源を完全に切る
- 電源ケーブルを抜く
- PCケースを開ける
- マザーボードのマニュアルで「CLR_CMOS」「JBAT1」などのピンを探す
- ジャンパーを数秒間ショートさせる
- 元に戻す
詳しい方法は、マザーボードのマニュアルを確認してください。
BIOSが起動しない場合の対処法
BIOS画面すら表示されない場合は、ハードウェアの問題の可能性が高いです。
対処1:完全放電を試す
パソコン内部に溜まった電気が原因のことがあります。
デスクトップPCの場合
- パソコンをシャットダウン
- 電源ケーブルを抜く
- 電源ボタンを30秒間長押し(電気を放出)
- 3分以上待つ
- 電源ケーブルを接続
- 起動する
ノートPCの場合
- シャットダウン
- ACアダプターを外す
- バッテリーを取り外す(可能な機種のみ)
- 電源ボタンを30秒間長押し
- 3分以上待つ
- バッテリーとACアダプターを接続
- 起動する
対処2:周辺機器をすべて外す
外付け機器が起動を妨げている可能性があります。
外すもの
- USBメモリ
- 外付けHDD/SSD
- プリンター
- Webカメラ
- SDカード
- その他USB機器
残すもの
- キーボード
- マウス
- ディスプレイ
最小構成にしてから起動を試してください。
対処3:メモリの抜き差し
メモリの接触不良が原因の可能性があります。
手順
- パソコンの電源を完全に切る
- 電源ケーブルを抜く
- PCケースを開ける(ノートは裏蓋)
- メモリを一度外す
- 接点(金色の部分)を柔らかい布で拭く
- しっかり差し込み直す
- 起動する
メモリが複数ある場合
1枚ずつ試して、どれが原因か特定できることがあります。
対処4:CMOS電池の交換
CMOS電池が消耗していると、BIOSが起動しません。
症状
- 電源を入れても画面が真っ黒
- 日付・時刻がリセットされる
- BIOS設定が保存されない
交換方法
- マザーボードのボタン電池(CR2032)を取り外す
- 新しい電池と交換
- 起動する
電池は家電量販店で200円程度で購入できます。
対処5:モニター・ケーブルの確認
実はBIOSは起動しているのに、画面に映っていないだけの場合があります。
確認ポイント
- モニターの電源は入っているか
- 正しい入力源(HDMI/DVI/VGAなど)が選択されているか
- ケーブルはしっかり接続されているか
- ケーブルが断線していないか
別のモニターで試す
可能なら、別のモニターやテレビに繋いで確認してください。
対処6:グラフィックボードの確認(自作PC)
グラフィックボードを増設している場合。
試すこと
- グラフィックボードを外す
- マザーボード内蔵のグラフィック(オンボード)に接続
- 起動する
グラフィックボードの故障や接触不良の可能性があります。
BIOS更新(アップデート)時のトラブル
BIOS更新中に電源が切れたり、失敗したりすると、起動しなくなることがあります。
症状
- 電源は入るが画面が真っ黒
- メーカーロゴすら表示されない
- ビープ音が鳴る
対処法
一般的な方法では復旧できません。
以下の方法が必要です。
方法1:BIOSフラッシュバック機能を使う
一部の高級マザーボードには、BIOS復旧機能があります。
手順(ASUS の例)
- 正常なBIOSファイルをUSBメモリに保存
- マザーボードの専用USBポートに接続
- 専用ボタンを長押し
- LEDが点滅したら復旧中
メーカー・機種によって方法が異なります。
方法2:メーカーサポートに依頼
自力での復旧は困難です。
メーカーのサポートセンターに修理を依頼してください。
よくあるトラブルとQ&A
Q1:BIOS画面から抜け出せない
A:保存せずに終了してください。
手順
- ESCキーを押す
- 「Exit」メニューを選択
- 「Exit Without Saving」を選択
変更を保存したくない場合は、これで終了できます。
Q2:BIOSパスワードを忘れた
A:CMOS電池を外してリセットするか、メーカーに問い合わせ。
自分で試せる方法
- CMOS電池を外してBIOSをリセット(上記参照)
- マザーボードのジャンパーピンでリセット
ダメな場合
- メーカーに問い合わせ
- 修理に出す
BIOSパスワードは、簡単には解除できないようになっています。
Q3:起動順序を変えたのに元に戻る
A:保存を忘れている可能性があります。
確認ポイント
- 設定変更後、F10キーを押す
- 「Save Changes and Exit?」で「Yes」を選択
- 確実に保存されたか確認
それでも戻る場合
CMOS電池が消耗している可能性があります。
電池を交換してください。
Q4:BIOSが英語で読めない
A:日本語に変更できる機種もあります。
変更方法
- BIOS画面右上に言語選択がある場合がある
- 「Language」メニューを探す
- 「日本語」または「Japanese」を選択
ない場合
翻訳アプリで写真を撮って翻訳するか、メーカーのマニュアルを確認してください。
Q5:設定を間違えてパソコンが壊れることはある?
A:ほとんどの設定は安全ですが、一部注意が必要です。
安全な設定
- 起動順序
- 日付・時刻
- Secure Boot
- Fast Boot
危険な設定
- 電圧(Voltage)の変更
- オーバークロック関連
- CPUの倍率変更
初心者は、「Advanced」の詳細設定には触れない方が安全です。
Q6:BIOS画面で固まってしまう
A:強制終了してもう一度起動してください。
手順
- 電源ボタンを5秒以上長押し
- 強制終了
- 数秒待つ
- 再度電源を入れる
BIOSの読み込み中に固まることがあります。
Q7:ビープ音が鳴って起動しない
A:ビープ音のパターンでハードウェアのエラーを判別できます。
| ビープ音 | 意味 |
|---|---|
| 短音1回 | 正常(POST成功) |
| 短音2回 | POSTエラー、画面表示確認 |
| 短音3回 | メモリエラー |
| 長音1回+短音2回 | ビデオカードエラー |
| 連続音 | メモリまたはビデオカードエラー |
メーカーによってパターンが異なるので、マニュアルを確認してください。
まとめ
パソコンが起動しない時のBIOS設定について、重要なポイントをまとめます。
- BIOSはパソコンが起動するための最初に動くプログラム
- 起動しない原因は大きく分けて「BIOS設定の問題」と「ハードウェアの問題」
- BIOS画面が表示される場合、起動順序・Secure Boot・Fast Bootを確認
- 設定がおかしくなったら、BIOS初期化を試す
- BIOS自体が起動しない場合、完全放電・CMOS電池・メモリをチェック
- BIOSキーはメーカーによって異なる(F2・F10・Deleteなど)
- 設定変更後は必ずF10で保存して終了
- 困ったらBIOS初期化で工場出荷状態に戻せる
BIOSの問題は、基本的な対処法を知っていれば、自分で解決できることが多いです。
この記事の手順を一つずつ試していけば、多くの場合、パソコンを起動できるようになるはずです。
ただし、ハードウェアの故障が原因の場合は、専門家に修理を依頼する必要があります。
自分で対処できる範囲を超えていると感じたら、無理せずメーカーのサポートや修理業者に相談してください。
大切なデータがある場合は、特に慎重に対応しましょう!


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