「iPhoneを自分で機種変更したいけど、難しそう…」
「データが消えたらどうしよう?」
オンラインでiPhoneを購入することが増え、自分で機種変更する機会も多くなりました。でも、データ移行って難しいイメージがありますよね。
この記事では、iPhoneの機種変更を自分でやる方法を、初心者の方にもわかりやすく解説します。実は、正しい手順を踏めば、意外と簡単にできるんですよ。
機種変更前に必ずやっておくこと

データ移行を始める前に、準備が必要です。この準備を怠ると、あとで困ることになります。
1. バックアップを取る(重要!)
万が一のトラブルに備えて、必ずバックアップを取りましょう。
iCloudでバックアップを取る方法:
- Wi-Fiに接続する
- iPhoneを充電器につなぐ
- 「設定」→ 自分の名前→「iCloud」
- 「iCloudバックアップ」をタップ
- 「iCloudバックアップ」をオンにする
- 「今すぐバックアップを作成」をタップ
バックアップが完了するまで、Wi-Fi接続を切らないでください。
2. Apple IDとパスワードを確認
新しいiPhoneを設定するときに、Apple IDとパスワードが必要です。
Apple IDの確認方法:
- 「設定」を開く
- 一番上の自分の名前をタップ
- 名前の下にメールアドレス(Apple ID)が表示される
パスワードを忘れた場合は、Apple公式サイトでリセットできます。
3. iOSを最新バージョンにアップデート
古いiPhoneと新しいiPhoneのiOSバージョンが大きく違うと、データ移行に失敗することがあります。
アップデート方法:
- 「設定」→「一般」→「ソフトウェアアップデート」
- アップデートがあれば「ダウンロードしてインストール」をタップ
Wi-Fiに接続し、充電しながら行いましょう。
4. LINEやゲームアプリの引き継ぎ準備
一部のアプリは、別途引き継ぎ設定が必要です。
代表的なアプリ:
- LINE(トーク履歴のバックアップ)
- ゲームアプリ(引き継ぎコードの発行)
- Suica(サーバーに退避)
- 2段階認証アプリ
詳しくは後ほど説明します。
5. 「iPhoneを探す」の確認
機種変更後、古いiPhoneを下取りに出す場合、「iPhoneを探す」をオフにする必要があります。
ただし、データ移行が完了してからオフにしましょう。早すぎるとデータ移行に支障が出ることがあります。
クイックスタートでデータ移行(おすすめ!)
iPhone同士の機種変更なら、「クイックスタート」が最も簡単です。
クイックスタートとは?
iOS 12.4以降のiPhone同士で使える、Apple公式のデータ移行機能です。
メリット:
- バックアップ不要(直接転送)
- 設定もまとめて移行
- 操作が簡単
条件:
- 両方のiPhoneがiOS 12.4以降
- 古いiPhoneと新しいiPhoneの両方が手元にある
- BluetoothとWi-Fiがオン
クイックスタートの手順
手順1:古いiPhoneの準備
- BluetoothとWi-Fiをオンにする
- iPhoneを充電器につなぐ(推奨)
手順2:新しいiPhoneの電源を入れる
- 新しいiPhoneの電源を入れる
- 言語を選択
- 「クイックスタート」の画面が表示されたら、そのまま待つ
手順3:古いiPhoneで操作
- 古いiPhoneに「新しいiPhoneを設定」と表示される
- 表示されたApple IDが正しいか確認
- 「続ける」をタップ
手順4:カメラでスキャン
- 古いiPhoneのカメラが起動
- 新しいiPhoneに表示される青い円を、古いiPhoneのカメラでとらえる
- 「新しいiPhoneで完了」と表示されるまで待つ
カメラが使えない場合、「手動で認証」をタップして6桁のコードを入力します。
手順5:新しいiPhoneで操作
- 古いiPhoneのパスコードを入力
- Face IDまたはTouch IDを設定
- データ転送方法を選択
- 「iPhoneから転送」(おすすめ)
- 「iCloudからダウンロード」
「iPhoneから転送」を選ぶと、直接データが転送されます。
手順6:転送完了を待つ
- 2台のiPhoneを近づけたまま待つ
- 転送にかかる時間が表示される(データ量による)
- 新しいiPhoneが再起動したら完了
転送中は、両方のiPhoneを動かさないでください。
SIMカードを差し替えるタイミング
クイックスタートではBluetoothを使うため、SIMカードがなくても問題ありません。
差し替えタイミング:
- クイックスタート前でもOK
- クイックスタート後でもOK
好きなタイミングで差し替えてください。
SIMカードの差し替え方法:
- iPhoneに付属のSIMピンを用意(クリップでも代用可)
- 古いiPhoneの側面にある小さな穴にピンを差し込む
- SIMトレイが出てくる
- SIMカードを取り出す
- 新しいiPhoneに同じように差し込む
iCloudバックアップから復元する方法
古いiPhoneが手元にない場合や、クイックスタートが使えない場合は、iCloudバックアップから復元します。
事前にバックアップを作成
新しいiPhoneを受け取る前に、古いiPhoneでバックアップを作成しておきます。
方法は前述の「バックアップを取る」を参照してください。
新しいiPhoneで復元
手順:
- 新しいiPhoneの電源を入れる
- 言語、国を選択
- 「クイックスタート」の画面で「手動で設定」をタップ
- Wi-Fiネットワークに接続
- Face IDまたはTouch IDを設定
- 「Appとデータ」の画面で「iCloudバックアップから復元」をタップ
- Apple IDとパスワードを入力
- 復元したいバックアップを選択
- 復元完了を待つ
Wi-Fiに接続したまま、充電しながら待ちましょう。
iTunesでデータ移行する方法
パソコンを使ってデータ移行することもできます。
必要なもの
- パソコン(WindowsまたはMac)
- iTunes(Windowsの場合)またはFinder(macOS Catalina以降)
- USBケーブル
古いiPhoneをバックアップ
手順:
- パソコンとiPhoneをUSBケーブルでつなぐ
- iTunesまたはFinderを開く
- iPhoneのアイコンをクリック
- 「今すぐバックアップ」をクリック
- バックアップ完了を待つ
新しいiPhoneに復元
手順:
- 新しいiPhoneをパソコンにつなぐ
- iTunesまたはFinderを開く
- 「バックアップを復元」をクリック
- 復元したいバックアップを選択
- 「復元」をクリック
- 完了を待つ
個別アプリの引き継ぎ方法
一部のアプリは、個別に引き継ぎ設定が必要です。
LINEの引き継ぎ
古いiPhoneでの準備:
- LINEを開く
- 「ホーム」→ 設定(歯車アイコン)
- 「アカウント」で電話番号、メールアドレスが登録されているか確認
- 「トーク」→「トークのバックアップ」→「今すぐバックアップ」
新しいiPhoneでの操作:
- LINEアプリをインストール
- 「ログイン」をタップ
- 電話番号を入力
- SMSで届いた認証番号を入力
- 「トーク履歴を復元」をタップ
Suicaの引き継ぎ
古いiPhoneでの準備:
- Walletアプリを開く
- Suicaをタップ
- 右上の「…」をタップ
- 「カードを削除」をタップ
これで、Suicaがサーバーに退避されます。
新しいiPhoneでの操作:
- Walletアプリを開く
- 「+」をタップ
- 「以前ご利用のカード」をタップ
- Suicaを選択
- 「追加」をタップ
2段階認証アプリ(Google Authenticator)
古いiPhoneでの準備:
- Google Authenticatorアプリを開く
- 右上の「…」→「アカウントを転送」
- 「アカウントをエクスポート」をタップ
- QRコードが表示される
新しいiPhoneでの操作:
- Google Authenticatorアプリをインストール
- 「使ってみる」→「アカウントをインポート」
- 古いiPhoneに表示されたQRコードをスキャン
ゲームアプリ
ゲームアプリは、それぞれ引き継ぎ方法が異なります。
一般的な手順:
- 古いiPhoneでゲームを起動
- 設定画面で「データ引き継ぎ」などを探す
- 引き継ぎコードを発行(メモする)
- 新しいiPhoneでゲームをインストール
- 「データ引き継ぎ」から引き継ぎコードを入力
各ゲームの公式サイトで詳しい手順を確認してください。
データ移行がうまくいかないときの対処法

エラー1:クイックスタートが始まらない
原因と対処法:
- iOSが古い → アップデートする
- Bluetoothがオフ → オンにする
- 2台のiPhoneが離れている → 近づける
- 新しいiPhoneの初期設定を済ませてしまった → 初期化して再実行
エラー2:データ転送が途中で止まる
対処法:
- Wi-Fiを安定した環境にする
- 両方のiPhoneを充電する
- 再起動して最初からやり直す
エラー3:新しいiPhoneの容量が足りない
古いiPhoneより新しいiPhoneのストレージが小さいと、すべてのデータを移行できません。
対処法:
- 古いiPhoneで不要な写真・動画を削除
- 写真をiCloudやパソコンに移動
- 大きなアプリを削除
エラー4:Apple IDのパスワードがわからない
対処法:
- appleid.apple.com にアクセス
- 「Apple IDまたはパスワードをお忘れですか?」をクリック
- 画面の指示に従ってパスワードをリセット
機種変更後にやること
データ移行が完了したら、以下を確認しましょう。
1. データが移行されているか確認
- 写真
- 連絡先
- アプリ
- 設定
一通り確認して、問題ないことを確かめてください。
2. 通信ができるか確認
- 電話をかけてみる
- インターネットに接続してみる
- LINEでメッセージを送ってみる
3. 古いiPhoneを初期化(下取り・売却する場合)
手順:
- 「iPhoneを探す」をオフにする
- 「設定」→ 自分の名前→「探す」→「iPhoneを探す」をオフ
- iCloudからサインアウト
- 「設定」→ 自分の名前→「サインアウト」
- 初期化
- 「設定」→「一般」→「転送またはiPhoneをリセット」
- 「すべてのコンテンツと設定を消去」
初期化すると二度と元に戻せないので、本当に大丈夫か確認してから実行してください。
よくある質問と答え
データ移行にはどれくらい時間がかかる?
データ量によりますが、一般的には:
- クイックスタート(直接転送):30分〜2時間
- iCloud復元:1〜3時間
- iTunes復元:30分〜1時間
写真や動画が多いと、もっと時間がかかることがあります。
SIMカードのサイズが違う場合は?
最近のiPhoneはほとんどnanoSIMなので、サイズが同じことが多いです。
サイズが違う場合は、携帯電話会社でSIMカードを交換してもらう必要があります。
データ移行中に電話がかかってきたらどうなる?
クイックスタートでの転送中は、両方のiPhoneが使えません。
電話がかかってきても出られないので、時間に余裕のあるときに実施しましょう。
古いiPhoneがない場合はどうする?
iCloudまたはiTunesのバックアップから復元します。
ただし、最後にバックアップを取ってから時間が経っている場合、最新の状態には戻せません。
AndroidからiPhoneに機種変更する場合は?
「iOSに移行」というApple公式アプリを使います。
- Androidに「iOSに移行」アプリをインストール
- 新しいiPhoneの初期設定で「Androidからデータを移行」を選択
- 画面の指示に従って操作
詳しい手順は、Android側のデータも含めて別記事で解説予定です。
eSIMの場合はどうする?
eSIMは、クイックスタートで自動的に転送できます。
「別のiPhoneから転送」を選択すれば、SIMカードを差し替える必要がありません。
物理SIMからeSIMに変更する場合は、携帯電話会社に問い合わせてください。
機種変更と同時にキャリアを変更する場合は?
新しいキャリアで契約してから、データ移行を行います。
- 新しいキャリアでiPhoneを購入・契約
- 新しいSIMカードまたはeSIMを設定
- データ移行を実施
MNP(ナンバーポータビリティ)で電話番号を引き継げます。
まとめ:手順を守れば自分でも簡単にできる
iPhoneの機種変更は、正しい手順を守れば自分でも簡単にできます。
機種変更の流れ:
- 事前準備
- バックアップを取る
- Apple IDとパスワードを確認
- iOSをアップデート
- LINEなどの引き継ぎ準備
- データ移行
- iPhone同士ならクイックスタート(おすすめ)
- 古いiPhoneがない場合はiCloudまたはiTunes復元
- 個別アプリの引き継ぎ
- LINE
- Suica
- 2段階認証
- ゲームアプリ
- 確認
- データが移行されているか
- 通信ができるか
- 古いiPhoneの処理
- 下取り・売却する場合は初期化
失敗しないためのポイント:
- 必ずバックアップを取る
- 時間に余裕のあるときに実施
- Wi-Fiと充電を確保
- 2台のiPhoneを近づけたままにする
- 個別アプリの引き継ぎを忘れない
初めての方でも、この記事の手順通りに進めば大丈夫です。落ち着いて、一つずつ確実に進めていきましょう。
もし不安な場合は、携帯ショップや家電量販店で有料のサポートを受けることもできます。自分に合った方法で、快適な機種変更を実現してくださいね。

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