「iPhoneの電源を入れたら、Appleのリンゴマークが出たまま動かない…」
こんな状況に陥って、焦っていませんか?この症状は「リンゴループ」と呼ばれる、iPhoneユーザーが恐れるトラブルの一つなんです。
画面にはリンゴマークが表示されているのに、いつまで待ってもホーム画面が現れない。何も操作できず、電話もメールも使えない。大切な連絡が取れないと思うと、不安になりますよね。
この記事では、リンゴループの原因から自分でできる対処法まで、わかりやすく解説していきます。データを守りながら復旧できる方法も紹介するので、ぜひ最後まで読んでください。
リンゴループって何?お化けに取り憑かれたわけじゃない

リンゴループとは、iPhoneを起動したときに表示されるAppleのロゴマーク(リンゴマーク)が、ずっと画面に表示され続ける症状のことです。
通常、電源を入れると数秒間リンゴマークが表示された後、ロック画面やホーム画面に切り替わります。でも、リンゴループに陥ると、何分待ってもリンゴマークから先に進めません。
リンゴループの典型的なパターン
リンゴループには、いくつかの現れ方があります。
- リンゴマークが表示されたまま動かない
- リンゴマークが点滅(表示→消える→表示)を繰り返す
- リンゴマークの下に読み込みバーが表示されるが進まない
- リンゴマーク→真っ黒な画面→リンゴマークを延々と繰り返す
どのパターンでも共通しているのは、「iPhoneが正常に起動しない」ということ。つまり、電話もメッセージも使えない状態になってしまうんです。
なぜ起こる?リンゴループの主な原因6つ
リンゴループが発生する原因は様々ですが、大きく分けて「ソフトウェアの問題」と「ハードウェアの故障」に分類できます。
原因1:iOSアップデートの失敗
iOSをアップデート中に、Wi-Fiが切れたり、バッテリーが切れたりすると、アップデートが途中で止まってしまいます。
すると、システムファイルが壊れた状態になり、iPhoneが正常に起動できなくなるんです。特にiOS 18などの大型アップデート時に報告が多い症状ですね。
原因2:ストレージ容量の不足
iPhoneの空き容量が極端に少ないと、起動に必要な一時ファイルを作れなくなります。
写真や動画、アプリでストレージがパンパンになっている状態でアップデートすると、処理が完了できずにリンゴループに陥ることがあるんです。
原因3:ソフトウェアのバグや不具合
iOS自体にバグがあったり、システムファイルが何らかの理由で破損すると、起動プロセスが途中で止まってしまいます。
ジェイルブレイク(脱獄)を試みた後や、ベータ版のiOSを使っている場合も、この問題が起きやすくなります。
原因4:SIMカードの読み取りエラー
意外かもしれませんが、SIMカードやSIMカードを読み取る部品に不具合があると、リンゴループが発生することがあります。
SIMカードが正しく認識できないと、起動プロセスでエラーが発生して先に進めなくなるんですね。
原因5:バッテリーの劣化や故障
バッテリーが極端に劣化していると、起動に必要な電力を供給できず、起動途中でシャットダウンを繰り返すことがあります。
特に使用開始から3年以上経過したiPhoneで、バッテリーの最大容量が80%以下になっている場合は要注意です。
原因6:ハードウェアの物理的な損傷
iPhoneを落としたり、水没させたりした後にリンゴループが発生した場合は、内部の基板(マザーボード)やその他の部品が壊れている可能性があります。
特に基板の故障の場合、自分で直すのは困難なため、修理店での対応が必要になります。
原因を見分けるヒント!リンゴマークの点滅速度に注目
実は、リンゴマークの点滅速度である程度原因を推測できるんです。
ゆっくり点滅する場合(30秒〜1分間隔)
- ソフトウェアの問題の可能性が高い
- iOSアップデート失敗やシステムエラーなど
- 自分で対処できる可能性がある
速く点滅する場合(数秒〜10秒間隔)
- ハードウェア故障の可能性が高い
- 基板やその他部品の物理的な損傷
- 修理店での対応が必要な場合が多い
ただし、これは目安なので、必ずしも当てはまるわけではありません。でも、対処法を選ぶときの参考にはなりますよ。
今すぐ試せる!リンゴループの対処法7選
リンゴループになっても諦める必要はありません。まずは自分でできる対処法を順番に試してみましょう。
対処法1:強制再起動を試す【最優先】
まず最初に試すべきなのが強制再起動です。一時的なシステムエラーであれば、これだけで解決することも多いんです。
iPhone 8以降(iPhone X、11、12、13、14、15、16など)
- 音量上ボタンを押してすぐ放す
- 音量下ボタンを押してすぐ放す
- サイドボタン(電源ボタン)を長押しする
- Appleロゴが表示されたら指を離す
iPhone 7 / 7 Plus
- 音量下ボタンとサイドボタンを同時に長押し
- Appleロゴが表示されたら指を離す
iPhone 6s以前
- ホームボタンとサイドボタン(または上部ボタン)を同時に長押し
- Appleロゴが表示されたら指を離す
重要なポイント
- ボタンを押す順番を間違えないこと
- リンゴマークが表示されるまでボタンを押し続ける(10秒程度かかることも)
- 何度か試してみる価値がある
対処法2:しっかり充電してから再起動
バッテリー切れが原因でリンゴループのように見えることもあります。
- 純正の充電器に接続する
- 最低30分〜1時間は充電する
- 充電中に充電マークが表示されるか確認
- 十分に充電したら強制再起動を試す
充電残量が少ない状態での起動は、システムに負担がかかってリンゴループを引き起こすこともあるんです。
対処法3:SIMカードを取り外して起動
SIMカードの読み取りエラーが原因の場合、SIMカードを抜くだけで解決することがあります。
- iPhoneの電源を切る(強制再起動の手順で)
- SIMトレイを取り出す(側面の小さな穴にSIMピンを差し込む)
- SIMカードを取り出す
- SIMトレイだけを戻す
- iPhoneを起動する
この方法で起動できた場合、SIMカードの汚れや破損、SIMカードスロットの不具合が原因の可能性があります。
対処法4:PCに接続してiOSをアップデート【データ保護】
強制再起動で直らない場合は、パソコンを使ってiOSをアップデートしてみましょう。この方法なら、データを消さずに修復できる可能性があります。
必要なもの
- WindowsパソコンまたはMac
- iTunes(Windowsまたは古いMac)かFinder(macOS Catalina以降)
- 純正またはApple認証のLightning/USB-Cケーブル
手順
- パソコンでiTunes(またはFinder)を起動する
- iPhoneをパソコンに接続する
- iTunesまたはFinderがiPhoneを認識したら、デバイスアイコンをクリック
- 「概要」タブを開く
- 「アップデート」ボタンをクリック
- 画面の指示に従ってアップデートを完了する
注意点
- 「復元」ではなく「アップデート」を選ぶこと(復元するとデータが消える)
- アップデート中は絶対にケーブルを抜かない
- Wi-Fi環境で行う
- 時間がかかる場合があるので、余裕を持って作業する
対処法5:リカバリモードで復元を試す【データ消失の危険あり】
アップデートでも直らない場合は、リカバリモードに入って復元する方法があります。ただし、この方法はデータが全て消えてしまうので、最後の手段と考えてください。
リカバリモードへの入り方
- iPhoneをパソコンに接続する
- iTunes(またはFinder)を起動する
- 強制再起動の手順を開始する
- ただし、Appleロゴが表示されてもボタンを離さない
- リカバリモード画面(パソコンとケーブルのマーク)が表示されるまでボタンを押し続ける
復元の手順
- パソコンに「iPhoneに問題があります」というメッセージが表示される
- 「アップデート」または「復元」を選択できる
- まず「アップデート」を試す(データが消えない可能性がある)
- それでもダメなら「復元」を選択(データは完全に消える)
バックアップがある場合は、復元後にデータを戻せます。バックアップがない場合は、データを諦めるか、次の方法を検討しましょう。
対処法6:DFUモードで復元【上級者向け】
リカバリモードでも直らない場合の最終手段がDFU(Device Firmware Update)モードです。これは最も深いレベルでiPhoneを初期化する方法になります。
DFUモードは操作が難しく、失敗すると取り返しがつかなくなる可能性もあるため、本当に最後の手段として考えてください。
対処法7:修理専門店に相談する【ハードウェア故障の場合】
上記の方法を全て試してもリンゴループから抜け出せない場合は、ハードウェアの故障が考えられます。
修理先の選択肢
- Apple Store / 正規サービスプロバイダ
- 保証期間内なら無償修理の可能性
- 純正部品を使用
- データは基本的に消える
- 総務大臣登録の修理業者
- 法令を遵守した信頼できる業者
- データを残せる可能性がある
- 正規修理より安価な場合が多い
- 非正規の修理店
- 即日修理が可能な場合が多い
- 費用は店舗によって大きく異なる
- 店選びは慎重に
修理に出す前にやっておくこと
- 可能であればバックアップを取る(リンゴループ状態では難しいことが多い)
- 修理費用の見積もりを複数の店舗で取る
- 保証状況を確認する
リンゴループを予防する!日頃から気をつけたい5つのポイント

リンゴループは突然発生しますが、日頃から対策をしておけば、発生リスクを大幅に減らせます。
1. 定期的にバックアップを取る
リンゴループになってからでは、バックアップを取ることはできません。
iCloudバックアップの設定方法
- 「設定」アプリを開く
- 一番上の自分の名前をタップ
- 「iCloud」→「iCloudバックアップ」をタップ
- 「このiPhoneをバックアップ」をオンにする
Wi-Fiに接続して充電中、自動的にバックアップが作成されます。大切なデータを守るために、必ず設定しておきましょう。
2. ストレージ容量に余裕を持たせる
常にストレージの空き容量を20%以上確保しておくのがおすすめです。
容量を確保する方法
- 使わないアプリを削除する
- 写真や動画をクラウドに移動する
- 「設定」→「一般」→「iPhoneストレージ」で大きなファイルをチェック
- 「非使用のAppを取り除く」機能を活用する
3. iOSアップデートは慎重に行う
アップデートは大切ですが、タイミングと環境に注意しましょう。
安全なアップデート方法
- Wi-Fi環境で行う(モバイルデータでは行わない)
- バッテリーを50%以上にするか、充電しながら行う
- 重要な予定の前日は避ける
- アップデート開始前に必ずバックアップを取る
- 新しいiOSがリリースされたら、数日待って不具合情報をチェックする
4. 衝撃や水濡れから守る
物理的な損傷を防ぐことも重要です。
- 耐衝撃ケースを使う
- 画面保護フィルムを貼る
- 水回りでの使用を控える
- 落下防止のためにストラップやリングを付ける
5. バッテリーの状態をチェックする
バッテリーの劣化具合を定期的に確認しましょう。
確認方法
- 「設定」→「バッテリー」→「バッテリーの状態と充電」
- 「最大容量」をチェック
80%を下回ったら、バッテリー交換を検討する時期です。
リンゴループになった時にやってはいけないこと
焦っていると、症状を悪化させる行動を取ってしまうこともあります。次のことは絶対に避けてください。
何度も電源ボタンを押し続ける
焦って電源ボタンを連打したり、長時間押し続けたりするのはNG。
かえってシステムに負担をかけて、状況を悪化させる可能性があります。落ち着いて正しい手順で操作しましょう。
自分で分解しようとする
「中を開けて部品を触れば直るかも」と考えるのは危険です。
iPhoneは精密機器なので、専門知識なしに分解すると、修復不可能な状態になることがあります。また、分解すると保証が完全に無効になります。
非公式のソフトウェアを使う
インターネット上には「リンゴループ修復ツール」と称するソフトが数多くありますが、信頼できないものも含まれています。
ウイルスやマルウェアが含まれている可能性もあるので、よく知らないソフトは使わないようにしましょう。
まとめ:リンゴループは落ち着いて対処すれば解決できる
iPhoneがリンゴループに陥ると、本当に焦りますよね。でも、多くの場合は自分で対処できる可能性があります。
この記事のポイント
- リンゴループとは
- リンゴマークから先に進めない症状
- ソフトウェアまたはハードウェアの問題
- まず試すべき対処法
- 強制再起動(最優先)
- しっかり充電してから再起動
- SIMカードを抜いて起動
- それでもダメなら
- PCからのiOSアップデート
- リカバリモードで復元
- 修理店に相談
- 予防が大切
- 定期的なバックアップ
- 十分な空き容量の確保
- 慎重なアップデート
- 物理的な保護
- データを守るために
- 普段からバックアップを取る習慣をつける
- 復元する前に他の方法を試す
最も重要なこと
リンゴループになっても、慌てて間違った対処をしないこと。この記事で紹介した方法を順番に、落ち着いて試してみてください。
それでも解決しない場合は、無理せず専門店に相談しましょう。大切なデータを守るためにも、日頃からバックアップを忘れずに!

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